「もう逃げられんぞ!」
今日も今日とてルーテシアは
“しろいまおう”とその手下に追い詰められていた
「お話聞かせてくれるかな?」
だからソレは発砲寸前のデバイスを突きつけて言う台詞じゃない
そこに飛び込んでくる一台のバイク
辛うじて回避する魔王の頭を掠めたタイヤが逆モヒカンを刻む
「ガリュー!」
瞳を輝かせるルーテシア
真紅のマフラーを翻し天才ジェイル・スカリエッティーが無駄に才能をつぎ込んだ
スーパーマシン“バトルホッパー(レプリカ)”に跨って颯爽と現れたのは
ルーテシアの忠実な守護者ガリュー
“きーみは、みたか、あい、がぁー”
どこからかシロウト丸出しな歌まで流れてくる
「ヘタクソな主題歌までかかってるぞー!」
「やめてくれえッ!」
のた打ち回るシグナムとヴィータ
かつて第97管理外世界で日曜朝の特撮番組を欠かさず観ていた二人にとって
この歌はある意味地雷だった
「ふ、ふざけた登場しやがって…」
どうにか立ち直ったヴィータがグラーフアイゼンを振りぬく
召喚虫に向って放たれた鉄球は唸りをあげて飛来した鎖付きの鉄杭に迎撃され
地に落ちる
「なに!?」
「敵は多いですね-」
ガリューの隣りに着地するしなやかなシルエット
「しかし問題ありません」
昆虫戦士と並び立つ騎兵の英霊は不敵な笑みを浮かべた
「今夜は貴方と私でダブルライダーですから」


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最終更新:2008年05月10日 12:54