「弁償の方はいいですからさっさと出て行ってください。うちの兄が変態なせいで与えた苦痛はこれで…」

秋葉がテーブルの上に置いた小切手をずずいと勧める。が目の前の女性は毅然とした表情を崩さない。

「私はお金で解決したいんじゃないの。本人から謝って欲しいだけ」

その言葉に秋葉は苦虫を噛み潰したしたような表情をした。彼女は兄の性格をよく知っていた。

「何故俺が謝らなくちゃいけないのかわからないな」

秋葉の横に立ち眼鏡に手を当てて志貴は淀み無く答えた。

「ヴィヴィオみたいな小さな子に…これは犯罪だから」

なのははキッと志貴を睨む。

「高町さんだっけ?あの子の母親っていうならあんただって相当若い時期にやらないかをや…ちっ」

志貴は何かを悔しがるか残念がるように再び眼鏡に手を当てた。

「あーもう兄さんは黙っててください!この人はこんな性格ですから
高町さんの話はきっと聞きません。私から謝りまらせてもらいます」

秋葉は良家の娘らしく佇まいを正し謝罪をした。

「…わかりました…志貴君だったかな?もうヴィヴィオには近づかないでね」
「本人が嫌がるなら近づかないさ」

相変わらずな志貴に見切りをつけてなのは椅子から立ち上がり
琥珀に相手をしてもらってるヴィヴィオに笑顔で声をかけた。

「いこうか、ヴィヴィオ」

なのはの声を聞くとヴィヴィオは弾けるように駆け寄った。

「じゃあね~お兄ちゃん!」

そして志貴に手を振った。志貴も笑顔で返す。それを複雑な表情で秋葉となのはは見つめた。

「あらあら高町さん帰られちゃうんですか私はてっきり志貴さん争奪戦の一角を成して
秋葉様や翡翠ちゃんを悩ませてくれると思ったんですけどねぇ」
「ふぇ、え!?」
「琥珀ッ!」
「姉さん…悪趣味です」

コロコロと笑う割烹着に三人とも何言ってやがるという顔を向けた。

「ふぅー琥珀さん、俺はロリコンだよ」

志貴もまた迷惑そうに答えた。


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最終更新:2008年05月10日 12:22