――――― ???

<1>

諸兄諸々

日輪の如く輝く栄えある我らがG・C・Vグループに入社いただき有難う御座います


さて、当グループにて従事する事になる皆々様江

先ず初めに重々承知していただきたい事
それは貴方がたは馬車馬だという事です

我らがG・C・Vグループは 老若男女、学歴、資格等々で
貴方がたを選りすぐる事はありません

何故ならば我らG・C・Vの繁栄の前では俗世の鮮卑な営みなど有象無象の塵芥
一切の意味を追わないものとし
偉大なる祖国の尖兵となって労働に課す以外の機能を貴方がたに求める事は無いからです

各々は先ずは当事項を重々承知した上で
以下の項を完璧に頭に焼きつけて従事に勤しむ事とします

返事はハイではない、サーイエッサと言えこのブタども



<2>

一つ、原則として最低限この先生きのこれる能力を有するものとする

一つ、髪型・服装は各々自由であるが
    四肢を機械化、人形師による非常識な武装を施されているものは事許可せず

一つ、固有結界の使用は控えるべし

一つ、野良猫には猫缶を 野良犬には鉛弾を

一つ、吸血鬼のお客に血を吸われても2㍑までは我慢する事

一つ、代行者の一切の出入りを禁止する

etcetc. ―――――

<3>

業務用語

  • Re.ACT――小休止(10分弱)

  • ACT.C――食事休憩(30分弱)

時間は厳守  少しでも超過した場合、挟む


  • シエルが来たぞ~!――不審者、トラブル対応 (場合によってはスクランブル)

etcetc. ―――――   

~~~~~~~~

G・C・Vグループ社員・派遣社員の皆様がたへオトクな情報

以下のサービスを受ける際、様々な特典が加味されます!!!
お問い合わせは各々支店のネコアルクまで


 個別指導に自身あり!!! <猫会話のMATATABI> TEL 03~~~


 真心込めて金貸します <まねきネコ・ローン>   TEL 073~~


etcetc. ――――――


空―――Sidestory Boy&Girl (1) ――――――

「……さあ、どうしようか」

地平線から橙色の日差しを受けながら彼――黒桐幹也は一人
「極秘事項・流出獄門」と書かれた怪文書をパタンと閉じて途方に暮れる。
製作者の正気を疑うこのけったいなファイル。これはどうやら就業マニュアルらしい。
研修でこのファイルを渡された時、まず志望者の半数以上が床に叩き付けてボイコットした光景が印象的だった。
受けた講習でいくつかの業務連絡を教わったが、ファイルの最後――最重要項目の欄にそれがあった事を思い出す。

「貸切」――――

そう、オーナーは確かに第三釣場「貸切」と言った。
それはいわば緊急事態―――「オーナーがカチになる」の隠語であり
従業員は至急速やかに半径数百mにおける全ての動産・不動産の安全を確保するべし――
と、そのファイルに赤字でデカデカと書かれていた。

ボイコットされて当たり前の職場だと思う。結局、残っているバイトは自分だけ。
普段から無茶で理不尽な雇用主に振り回されていて耐性がついていたのかも知れないなと、青年は一人思い黄昏る。
そもそもこんな所に出稼ぎに来ている原因がその雇い主の女史の給料使い込みによるもの。
手段を選べぬ資金調達を余儀なくされていたが故だというのが世知辛い。
已む無く就労する事となった今現場。
今日でめでたく物資も潤い、退職だというその最後の最後で―――コレである。
ロスタイムで相手に失点を許し、決勝行きを逃がしたのは野球だったかサッカーだったか――
とにかく彼は今、あれの気持ちを痛いほど実感していた。

青年はあくまで平凡な一般人だ。
付き合っている人間のとばっちりで何かと非日常の世界を垣間見る事は多いが――
だがしかし彼は超常的な能力も才能も不屈の精神もコワれた理想も持ってはいない。
怪異に襲われれば当たり前のように死ぬ。
登場人物A、B、Cと、個体能力においては何ら変わりがない身だ。
そして当然死ぬのは恐いし異常事態を前にすればそれはもう恐ろしい。

「じゃ、とっとと逃げればいいだろ。」

「いや、そうもいかない。
 いくら何でもここで全部放っぽり出すのは義理と人情に欠けるからね。」

時計と辺りを見回し、現在の状況に頭を巡らす。

―――時刻は4:50前後

あと10分で閉館だ 。
出口付近は相当混雑している。

「やれるとこまでやるさ……逃げるのはそれから――」

あのようなマニュアルを真面目に受け取るのも大いに疑問に残る。
さりとて「きっと大丈夫」「どうせ何もない」と、警告を無視した結果
恐ろしい災害を未然に防げず、悲しい結果に終わる例も世には多々あるのだ。

今、非常放送などをかけたら大混乱は必至だろう。
狭い出入り口に大人も子供も男も女も関係なく雲霞の如く押し寄せていてどうやっても怪我人を出してしまう。

(悩んでばかりもいられないか……ともかく動かなければ話にならないな)

マニュアルを片手に迅速に動こうとする青年。

「………………ん?」

であったのだが――そこで首を捻る。

(あれ? 今の声…?)

不意打ちのようにかけられた彼にとって聞き違えようのない慣れ親しんだ声。
だからか自然に応答してしまったが……という事は――

「し、式っ!?」

「………」

今この場で聞ける筈のない声。
それがそこにあるという事は――つまりはそういう事である。
驚いて素っ頓狂な声を出して振り向く。

すると彼女――白い着物に紅いジャンパーを羽織った少女が仏頂面で立っていたのだった。


――――――

LAST BATTLE (1) ―――

「―――――、」

「……………」

多くの屍を築き、友の亡骸を乗り越えて
夕闇に照らされる二人の戦士の物語は今、終章を迎えようとしている。

暁の戦場に立つ雄々しきものと美麗なるもの。

右方、白き衣に身を包み
手に持つは愛杖レイジングハート。
遥かな遠方の空に名を馳せた戦女神。

左方、半身を包む豪奢な衣を脱ぎ去り
偉大な王の証である古代文様をその身に刻む。
古今全ての世に君臨せしむ偉大なる王。

共に迎えるは決戦の刻。
次の邂逅を以って間違いなく片方が砕かれ
立っていた者が―――最後の勝利者となるだろう。

ラスト・10minute――

終わらない。このまま平穏無事に終わるわけがない。

「……貴様」

不意の言葉は左方の男より紡がれた。
互いに気炎は充満し、拮抗していた筈の場。
本来ならその猛りを吐き出す言葉に不自然なところは何一つない。
だが敢えて言おう―――それは有り得ない言葉だった。

「何を……一体、何をした…?」

後に言葉がこう続いたからである。
現状、絶対優位な位置にいるのは英雄王ギルガメッシュ。
固有戦力。戦果。残り時間。その全てを鑑みても今や彼の勝利は揺ぎが無い。
その彼が今、はっきりと疑問と焦燥に満ちた言葉を発し――何かに戸惑うように半歩下がったのだ。

「………?」

なのはがそんな相手の様子に首を傾げる。
彼にとって世にはこびる全てのものは服従させるか踏み拉く対象でしかない筈――
ましてや目の前の自分などその対象外になれる要素は……悔しいが今の所、皆無だった。
「敵」として認識してやろうという言葉を受けての最終決戦ではあったが――それでも対等ではない。
少なくとも釣りという分野においては圧倒的な格の違いを自認していたのだが―――
だが今、この取るに足らない自分に明らかに怯み、焦燥の色を灯す目の前の男。

(どういう事……? 何って…?)

確かに先程より比べ物にならないほどに己が体内の気勢は充実に次ぐ充実を見せている。
今日だけは例え相手があの英雄王でも負ける気はしない。
しかし――それはあくまで彼女の内にて作用するものであり、この相手に直接影響を与えるものではない。
かといって自分の気迫で相手を――この最強の魔人を圧倒する事が出来るとは露ほども思わない。
そんな生易しい相手ではないと重々知っている。そんななのはだからこそ――
相手の不可解な態度に対し、怪訝の色を隠せない。

―――重ねて言う
―――高町なのはは「変わった事」など何もしていない

変わった事といえば――
親友フェイトテスタロッサハラオウンに送られた心温まる品を
バレンタイン・チョコとホワイト・マムシドリンクを貰った事。
その感涙と悔恨と、彼女の尽きぬ友情を称えた品を一気に飲み干すように体内に入れて
今現在、むせ返るような精力で些かのぼせ気味だという事くらい。

「―――― そ ・ れ ・ だ ・ !!!」

歪んでいた……
聞き至った英雄王の顔が壮絶に、見た事も無いほどに。

「えっと……………な、何が…?」

「ええい寄るな生臭いッ!! 何もやらんぞ! 
 迅速に消え失せるが良いッ!!」

どうやら、ビンゴだったらしい――――


――――――

先刻の高町なのはには無くて――今の高町なのはにあるモノ。

ギルガメッシュが宣戦布告をし、立ち去った後に彼女がおこなった事。
泣いて後悔し、友の想いに胸を馳せて奮起し――フェイトの遺したモノを貪るように体内に入れた。

それは友情と、たゆまぬ愛と、ささやかな贈り物―――

バレンタインのチョコレートとホワイトデーのちょっとおどろおどろしいマムシドリンク。
それを彼女は食べて、飲んだ。

マムシドリンク―――

―――MA・MU・SHI

=蛇

………………………


――――――

「………」

なのはが歩を進める。

「―――、!」

すると同じだけ後ずさりする英雄王。

それは愛と友情の生んだ一つの奇跡だった――

「……何事もやってみるものだね。
 今度、貴方と戦う時の常備薬にしようかな。」

「何ィ………貴様も不老不死を欲するというのか!?」

「いや、そんな事はないんだけど…」

シャレにならない事を言う高町なのは。対して明らかにテンパってる王様。
どうやら相当のトラウマらしい。 今、彼女が胎内に取り込んだ因子―――
自身を根底から覆す「蛇」の因子が最強のサーヴァントを明らかに狼狽させている。

―――超常の存在であるサーヴァントはヒトがまともにぶつかって勝てる相手ではない

それは彼らと多数の交戦経験を持つ、この空戦魔道士が重々承知していた事だ。
そしてその弱点。歴史に名を遺す英霊である彼らは、その遺した記録に
自身の弱点を記されている者がほとんどであるという事も――
つまり聖杯戦争にてサーヴァントを攻略するという事は、歴史書を紐解き
英霊打破の糸口を引っ張り出すのがセオリー。
それは当然、この万夫不当の英雄王を対象にした場合でも例外ではないわけで――

「おのれ蛇―――また我から全てを奪うと……?
 させぬ……断じてさせぬぞ!」

「本当にワザとじゃないんだよ。ごめんね…」

何という事だろう!
彼女は今、最強最古のサーヴァント唯一の弱点をピンポイントでその身に宿しちゃっていたのだった!

「巫山戯るなよ貴様……! この我を―――
 英雄王ギルガメッシュを栄養剤で踏み超えるなど笑い話にもならぬわ!!!」

「う、うーん……」

正直、笑い話にしかならない。
サーヴァントの弱点をまんまと突いたとかそんな大層なものでもない。
単に人間、誰しも苦手なものはあるという事で―――
いいのかなぁ、という視線を泳がせているなのは。
対して嫌悪感を振り払うように、彼女に盛大に悪口雑言を吐き捨てる英雄王。
少し悪い気もするが――だがこれも厳しい戦場の掟。
勝負は得てして時の運である。
高町なのはの眼光が今また、鋭く引き締まり――

「――――、」

――― こいつは……この女は「敵」 ―――

もはや男をして認めざるを得ない事実がそこにある。
王の表情から不遜な笑みが消え―――今、最強の英雄の相貌を映し出す。
この魔導士は今、自分を打破できる全ての要素を身に宿して偉大なる王に向かい合っているのだ。

「一夜の戯れとはいえ―――よくぞここまで我が領域を侵した。」

最強の彼を以って「敵」たらしめる存在が立ちはだかっている。
もはや一笑に伏せる相手ではない事を理解したが故に――

「褒めてやるぞ雑種。ならば蹂躙される覚悟もとうに出来ているとみなし―――
 我も本気を出すとしよう。」

王は自ら、玉座から腰を上げた。
そして所持する財宝から躊躇わずに――最強の力を抜き放つ。


――――――

英雄王ギルガメッシュ・ネイキッド

spec/skill : 友との追憶、王の威厳、
         原初の英霊たるあらゆる+補正、  エヌマエリシュ限定解除!!!!!

25HIT


超・魔法少女高町なのは

spec/skill : レイジングハート、不屈の闘志、
         愛の力、幸運補正+10、蛇の因子、  ブラスターモード・リリース可!!!

6HIT


――――――

空――Sidestory Boy&Girl (2) ―――

「災厄を前に立ち向かう孤軍奮闘のヒーロー……凄いじゃないかコクトー。
 まるでどこぞのハリウッドスターか、でなければ英雄だ。」

「式!?・ 

……どうしてここに?―――

と、言いかけて慌てて口を紡ぐ黒桐幹也。
その記憶の断片にすぐに辿り着いたからだ。

(そういえば何日か前、こちらの明け日を聞いてきてたっけ……)

どうやら彼女も「ヤボ用」で出張っていたようで
その帰りのついでに自分を拾って行こうと思っていたらしい。
そして今まさに外で待ってたら、妙な胸騒ぎを覚えてこうして覗きに来たというわけである。
果たしてその予感は当たりで外れ―――
彼女が迎えに来てくれたという事実は男冥利に尽きるというものであったが
それを密かな喜びとするのは後だ。今、青年にはやるべき事がある。

「ごめん式。待たせてしまって申し訳ないんだけど……
 今日は残業で少し遅くなりそうなんだ。」

少女のカンが「それ」を確定的なものにする。
もはや柵の向こうから漂ってくる危険な気配は疑いようもなく――
こちらからはよく見えないが、まるで時限爆弾を包んだ小包を前にした時の様な独特の緊張感を醸し出している。

「これで実力が伴っていれば言う事無しなんだけどな。
 一人でどうにか出来ると思ったか。バカコクトー」

少女の口が無謀な一般人に対して皮肉交じりに尖る。
平凡な青年ですらが何かヤバイと感じさせるほどの気配である。
ましてや修羅場を潜った人間ならば言わずもがな――
柵で覆われている中に怪獣二匹が牙を剥いて睨み合いをしている様をイヤでも感じ取ってしまうだろう。

「悲しいかな……ヒトが不測の事態に陥った時
 それに即した能力をたまたま有している確率は天文学的に低いらしい。
 つくづく実感したよ。僕はスーパーマンでも何でもないって」

「なら何で俺を呼ばない? 近くを通るって言っておいたろ?」

「あー、それにもちょっとした理由が…(言えないなぁ…うちの店長が魔眼アレルギーだからだなんて)
 て――――うわっ!??」

悲鳴をあげる青年。その時、彼の真後ろから突風が――
否、爆風とすら呼べるほどの衝撃波が吹き荒び、彼の体が木の葉のように浮き上がる。
それは突如として周囲に牙を剥く人知を超えたナニカ。
等しく「怪異」と呼ばれる類のものであり、無力な一般人など塵芥のように吹き飛ばす暴虐の具現であった。

―――― 始まったッ! ――――

息を呑む二人。 いや、片方の青年は生唾を飲み込む暇すら出来ずに
柵の向こうから吹き荒れる突風に対して踏ん張るのが精一杯。

「う、うわぁっ!!?」

体を丸める以外に術のない青年。
そんな彼に対し、そこらに設置してあった器具、装飾品、備え木などが
乱流に任せて地を離れて彼に襲い掛かる。
避けられない! 目を瞑って頭を庇う青年。
だが―――

「ハッ!!!」

それは瞬きを許さぬ閃光だった。
黒桐青年の肉体を打ち据え、深刻なダメージを与える筈の飛来物は彼の体に接触する事すら叶わず――
気合と共に割り込んだ少女の右手に握られたナイフの一閃によって容易く両断され、地に落ちていた。
打撃音も斬撃音も無い、まるでバターか何かを切ったような――空気を一切震わせる事のない無音の斬光。
素人が見ても認知すら出来ず、達人が見れば神の手の御技かと錯覚するような
そんな一芸を披露した少女がつい、と視線を動かす。

「…………ちっ」

目を向けたのは爆風の発生地帯――第三釣場。
緑のケージのその向こうで凄まじい殺気と闘気がぶつかり合っているのが分かる。

「……」

常人であれば柵によってその全貌を垣間見る事は出来ない。
だが―――彼女の「眼」にははっきりと写っている。

黄金色と桃色の巨大なオーラの鬩ぎ合い―――

昇竜のように天に突き立ち、互いに存在を誇示するかのように
ガシガシとぶつかり合っている巨大な力による異容が――

「オマエさ……あれを相手に自分が何か出来るとか
 まさかそんな身の程知らずな事を考えてるんじゃないだろうな?」

「あー……うん、どうだろう」

日頃の芸風から逸脱して、男の目の前で頭を抱えて地団太を踏んでやりたい気分の少女。
一体コイツは何回、自分の目の届かない所で死の憂き目に会うつもりなのだろうか?
いい加減その被爆体質をどうにかしてくれないとこちらの気が持たない。
あんなのに挟まれたら一般人に過ぎない彼など、転生も出来ないほど粉々に
完膚なきまでに磨り潰されて終わるというのに――

青年の顔を睨め付けると案の定、恐さもヤバさも人並に感じてるくせに
それでも勤めと責任を無下に投げ捨てて逃げるわけにはいかないという正義感との板挟みになっている。
そんな馬鹿そのものの顔をしている。
せめて客を避難させるくらいはしないといけない――それまで、この青年は逃げる事を良しとしないであろう。

(ああ、もう……!)

苛付く少女の後方。またも爆音と爆風。
絡み合い、激突を重ねる力の余波。
破散し飛び散る紅い倶風の残滓がこちらに降り注いでくる。
それは常人には知る由もない、死界を紡ぐ――この世ならざる風。
地獄の箱庭と化した後方の広場から溢れ出した荒れ狂う瘴気に他ならず
一般の人間を害するに容易い十分な脅威を孕んだものだ。
それが散弾雨のように少女と青年に向かって降り注いだのだからたまらない。

「式っ!!」

「たく……お人よしめ! とんだ寄り道だっ!」

舌打ちをする少女が光沢を放つナイフを手首のスナップで自在に操り、両目に異能の蒼眼を称えながら――
紅き愚風の飛び火を銀光の刃閃によって一つ残らず薙ぎ払う。

その時―――比較的近い区画からざわっと、どよめきが起こった。

これだけ大規模な現象だ。気づく人間も当然出てくる。
程なくここは大混乱になるだろう。
もはや少女にとっても、肉食獣の喰らい合いに遭遇してしまったカピバラの首根っこを掴んで
無為やり連れ帰って終わりというわけにはいかなくなった。

「やりたい事があるんなら早くしろ! ここも長くは持たない!」

「あ、ありがとう式……助かる!」

「無茶はするなよ! 人命救助が最優先だ!」

「………は?」

もっともな意見が少女の口から漏れる。
だというのに緊急の時でありながら一瞬、言葉に詰まる黒桐青年。
それは今、自分が言おうとした言葉であったからだ。
この少女ならてっきり騒ぎの元凶である二人を黙らせてくるくらいの事は言う―――
そう思っていただけに訝しげな顔を隠せない。
当の式はというと、青年が目を白黒させているうちに柵の繋ぎ目を次々と切り崩し新たな出口を作っていく。

「避難はなるべく分散させて一気に出せ。
 非常口も全て解禁しろ。この規模の建物ならその方が安全だ。
 但し西側のは使うなよ?ボイラーが近くにある――それと…」

「…………」

「…………何だよ」

「いや、随分と手馴れてるなぁと思って。」

ギクリ―――
途端、反射的に目を逸らす少女。
何かよくない琴線に触れたらしい。

「五月蝿いな……オマエの仕事だろ! さっさと動けっ!!」

「う、うん! ごめんっ!! 
 ―――皆さん! ここから、この緊急避難口から避難してください!
 ―――押さないで! 落ち着いてっ!」

通路を駆け抜け、混雑に突っ込んでいく青年・黒桐幹也。
紅いジャンパーを羽織った小さな背中を一度だけ心配そうに振り返りつつ――
だが同時に絶大なる信頼を以って、彼女を後にして駆け抜けるのであった。


――――――

LAST BATTLE (2) ―――

「……!!!」

王の所持する無限の宝物庫―――
その空間に空いた孔から、今まさに取り出されたものを見て
戦慄―――どれほど重ね合わせてもなお足りぬ戦慄が高町なのはの胸を貫く。

彼女の表情を凍りつかせたもの。
それはいくつもの円柱を重ね合わせて作り上げたような、歪な剣だった。
空間を捻じ切るような鈍い起動音と共に周囲に赤き倶風を撒き散らしながら
眼前の獲物を切り裂ける喜びに打ち震えているソレ。

「恐ろしいか……女?」

「………」

もはや語るまでも無い。
その戦慄は正しくヒトに左右する「絶対の死」を連想した時に起こる心身の硬直に他ならず――

「恐ろしいであろうな? 目にするのは一度や二度ではあるまい。
 故に我がコレを抜き放つ事の意――重々承知していよう?」

先ほどまでの狼狽などどこへやら。
男が再び尊大な笑みを取り戻す。

当然だ――コレを前にしては天敵も宿敵も無い。
魔道士の口からぎり、と奥歯を噛み鳴らす音が響く。

(ハッタリだ……)

握る手にぐっしょりと汗が滲むのを感じる魔道士。
もしアレが放たれればこの店はおろか付近一帯が――虚空へと飲み込まれ廃墟と化すだろう。
敵の正気……いや、この勝負における彼の倫理を信ずるならば
こんな自身の勝利をも台無しにするような結末は望まない、筈。

「―――出番だ」

「!!?」

だがそんななのはの心中を嘲笑うかのように――
男の手に持つ宝具から勢いよく倶風が吹き荒れる。

(ウソ……そんな、馬鹿なっ!??)

そう。まるで電動歯ブラシのスイッチを入れるような気軽さで
彼は宝具を――核兵器のスイッチを起動した。
語り好きの男である。ヒトが恐れ戦くのを酒の肴にするような男である。
てっきり銃口をこちらに向けながら某かの言葉でこちらを弄ぶ――
もしくは駆け引きの類と予想していたなのは。
だが、その予想は迅速かつあっさりと裏切られた。

「し、正気なのッ!?」

「ク、―――」

彼女らしからぬ出遅れ。
それが相手の先手に対し、全くの対抗手段を弄する事無く場を進ませる。
覇王の剣がうなりを上げて鈍色の光沢を放つ。 もはや止められない。
王の、止める意思を微塵も感じさせぬ剥き出しになった巨大な牙――

間違いない……彼は―――本気だ!
今、安寧を貪る全ての愚かなる者を等しく巻き上げる冥界の魔風が紡がれて――

「やめてっ! 分からないの!!?
 そんなものをここで使ったら…!」

「――――エヌマ」

「駄目ぇぇぇぇえええええっ!!!」

彼女がデバイスを抜き放ち、白い法衣に包まれる。
手遅れだと分かっていてもそうせずにはいられない。
BJを装着し、完全武装を終えるまで秒を数えぬ早業。
デバイスにプログラムを送り込み、暴挙を為す相手を止めるべく詠唱を開始し――

――――それらの全てが水泡に帰すのを感覚で理解した。


「―――エリィィィィィシュッッ!!」

やはり今一歩遅し。
なのはがレイジングハートを構えて一撃を放つよりも早く
暴虐の剣、英雄王の持つ最強の宝具。
乖離剣・エアの最大出力――天地乖離す開闢の星が――
             エ ヌ マ  エ リ シュ

高町なのはの絶叫を掻き消しすように―――唐突に、無慈悲に振り下ろされたのだった。


――――――

空―――Sidestory Boy&Girl Epirogue ―――


――― あの出来事は夢だったんじゃないかと思う ―――


   実際、こうして青年と
   凡庸な、でも気になって仕方が無い青年と
   肩を並べて走り回っていられるのだから

もしかしたら本当に夢だったのかもしれない――

   「その時」は本当に、もう二度と会えないと覚悟していたんだから

でも、なら夢だとしたら――

それは自分の頭の中にあのような自分―――
あのような事をしてみたいという願望があったとでも?


―― 真逆 ――


人殺ししか脳のない自分が、あんな――
わけの分からない世界で魔法使いと称する得体の知れない連中と
災害のレスキューの真似事やら何やらをするなんて事があるわけがない。

ナンセンスもいいとこだ。
「少し前に成り行きで魔法少女やってました」などと
みっともなくて青年にも蒼崎橙子にも到底言えるものではない。

ことに青年は見た目に反して鋭い。
さきほどの自分の行動にあからさまに疑問を抱いてた。

それはそうだろう……
青年は自分の事なら何でも理解している――
と断ずるには、「自分」は些か複雑に過ぎるのだが
理解しようと日々、努力している事は確かだ。

ならばその行動が本来のものに即したものでないのなら違和感を覚えるのも当然。
疑問の通り――「相手が相手」でなければ
自分は現場に斬り込んで手っ取り早く騒ぎを収める方を選んだだろう。
災厄を止めるには元凶を殺すのが一番早くて確実―――
それが自分の思考回路にもっとも近い行動であるのだから

しかしあそこには――
出来れば近づきたくないと自身の本能が告げていた。
あの桃色………何かよろしくない……

「鬼教官……」

   いい年こいたツインテールの教導官を思い出して
   あのえげつないシゴキを思い出して
   胃がでんぐり返る錯覚に陥ってしまう

「まさかな……はっちゃけ過ぎだろ。あいつだとしたら……」

「え? 何だい式?」

「何でもない。」

人畜無害と二人――
共に場内を駆け回り、降ってくる突風や爆風、流れ弾を残らず払い続ける。
そんな中、チラっと柵の向こうで暴れまわる二つの力の一方。
迸る「桃色の魔力光」に今一度、蒼く光る眼を向け――
誰の耳にも入ることのない心底げんなりした声を漏らす両義式なのであった。


―――あるいは阿鼻叫喚の地獄と化したかも知れない、この地方の釣り堀場にて

影で奔走した彼ら二人の活躍が、これから起こるであろう幻魔大戦の被害において
死傷者0という奇跡を起こしたのだという事実は―――

歴史の闇に埋もれ、決して知られない事実であった。


――――――

LAST BATTLE (3) ―――

謳うように紡ぎ上げるは乖離剣。
謳うように紡ぎ上げられた真の真名。

円柱と円柱の隙間から溢れ出す抑え切れないほどの赤風。
その莫大な風を前方に叩きつけて発生する黄泉へと誘う巨大な大河。
極限まで圧縮された魔風の生み出す「空間断層」
王の眼前に立つ愚者をその断層の狭間に飲み込み
全てを虚空へと追放する、これぞ英雄王が最終奥義―――

――― 天地乖離す開闢の星 ―――
   エ ヌ マ  エ リ シュ

有り得ない……信じられない。
まさかここでそれを放ってくるなど想定外どころの話ではない。
彼にとってエアを抜くという事は、少なからず敵を屠る以上の意味を場に認めた場合のみ。
今、その条件に抵触する何かがあるとは到底思えない。
第一、力押しによる勝利を今日に限って封印してきたからこそ、此度の戦いは成り立っていたのではなかったのか?

今の今まで仮初ながらも守り続けてきた不文律を何故崩す? 
それは英霊として恥すべき事ではないのか?
この苛烈な王の暴虐の量を彼女は……計り間違えてしまったというのか?
驚愕と後悔と戦慄で頭が混乱しつつも、反射的に丸まって多重の防壁を張るなのは。
というよりは、あの一瞬でそれ以上の抵抗の術を見出せない。
だが彼女自身、痛感している。
その自慢の防壁でさえ、この究極の一撃を前にしてあまりにも無力だという事を。
何故ならアレは一旦展開されてしまったら最後―――
防御という概念すら通用しない世界を真っ二つに割る究極の天変地異発生装置だからだ。
発動させたが最後、自身の敗北の瞬間を甘んじて受け入れるしかない――
英雄王にエアを抜かせるとはそういう事だ。

―――――EXランクを破るのはEXランクのみ

「規格外」に対する対抗手段を持たない今の高町なのはでは事の顛末を――
対界宝具によって切り裂かれる世界。
その余波で訪れる破局にただ身を固めるしかない。

仮にミッド式魔道士がアレに対抗するには――アカシックレコード
「根源」等と言われる、この世の果てに到達し(一説ではそれが先史文明アルハザードとも言われているが)
世界そのものを構築する程のプログラムを要した大魔法を以って対抗するより他は無い。
それはミッドの歴史において未だ人類の成し得ぬレベル。
理論上こうすれば――としか言えない幻想上の領域だ。
ヒトには到達不可能と言われるSSSランクの御業とはきっとそういうレベルを言うのだろう。

英霊ならば――仮に将来、この稀代の天才魔導士が
生涯の果てに「英霊」とうクラスに辿り着けたのならば――
エアに対抗する手段をあるいは見出せていたのかも知れない。

―――全ては詮無い仮定だった

戦いにおいて「たられば」を言い出せば際限がない。
そして「たられば」を口にする時は、自身が敗北を意識した時。
故に今、歯噛みする彼女の心を支配するのは後悔と悔しさと不甲斐なさに他ならず――

「!! ……………???」

(……………あ、あれ?)

それより一刻遅れて沸いた―――違和感であった。

乖離剣発動の赤い烈風が場を覆い、男の眼前にある堀の水面に巨大な亀裂をつくる。
それは鮫や鯨でさえ一呑みにするほどのクレヴァスだった。
まるで堀そのものに巨大な生物の顎が出現したかのようだ。

あの光景を見て生きていられるモノはいない。
圧壊の力が周囲数100mに位する全てのものに降りかかり、塵芥の様に磨り潰してしまう。
出力全開のシールドで全身を覆っているとはいえ
このEX宝具を前にしてそれはあまりにも無力な防壁。
世界という概念を裂くあの剣は、なのは達ミッド式魔法が基盤とするモノをも斬棄してしまう。

だからこそ――故に違和感。

その現象が――その衝撃が――
いつまで立っても全く来ない事への違和感。
その表情を怪訝に染める高町なのは。
もう既に全身を苛む断層の引力で自分はおろか
この周囲一体が破滅に進んでいてもいい筈だというのに――

「ク、―――」

空間を切り裂くチェーンソーのような音を周囲に巻き散らしながらも
王の愉悦の嘲笑は相変わらず忌々しいほどによく通る。
身を硬くし、唇を噛み締めるなのはを愉快そうに――楽しそうに見つめる真紅の両眼がそこにあった。

「たわけが。何を勘違いしている?
 王が自らの領土を容易く焼き払う筈もなかろう?」

「ど、どういう事なの? これは、あの技とは……違う?」

「己が財をみだりに焼き払うは暗君の所業。我を誰と心得る? 
 古今最も偉大な王――英雄王ギルガメッシュであるぞ。」

「………分からないよ? ちゃんと説明して。」

「これぞ我が最大の奥義―――シュメール式釣術・大海隔離。」
             エ  ヌ  マ    エ  リ  シュ

男は尊大な態度のまま胸を張り―――

「ひ、さっしょうせってい、だ。」


皮肉たっぷりに―――――――ふざけた事を言いやがった


――――――

大海隔離―――

ウルクの王・ギルガメッシュ・アングラーの編み出した究極の釣法。

釣りとは言うまでもなく、当てて(HIT)釣り上げる(Fish)という二つの動作からなる。
だが、これはその既存の概念を切り裂く規格外の難技。

常に本能のままに生き、糧を追い求める魚に対し、HITを奪う事はさして難しい事ではない。
問題は当てた後、全霊で暴れまわる彼らを重力に逆らって釣り上げる事にある。
つまりはHIT~Fishに至るまでの過程に、釣りの難しさが集約されているといっても過言ではない。

ならばそんな過程をひっくり返してしまえば良い――

そう思い立ったとある王様は、水中で我が物顔で泳ぎ回る魚たちを纏めて叩き込む孔を作り上げ
そこに落としてしまう事で成り立つこの釣法を編み出した。
規模によっては鯨や鮫の類すら一撃の下に捕縛する事が可能であり
ましてや手の平大のフナが逃れる術などありはしない。

「故に覇王の竿を抜いた我に敵は無し―――
 誇るが良い雑種。未熟者が我にコレを使わせた事を…」

と、解説は締められ―――

どう見てもエアの先端に釣り糸と針をぶら下げただけのシロモノを自慢げにちらつかせながら
悠々と誇らしげに語る王様。

(か、乖離……竿…?)

そのプラプラ垂れてる糸と針。
何の意味があるのか…? これでは餌すら意味を成さないだろう。
こんなものが果たして釣り竿と言えるのか?

堀の中は相変わらず阿鼻叫喚。水面に突如現れた亀裂に吸い込まれまいと
必死にエラをビチビチ動かして逃げ惑う魚たちの姿がある。

「ちょっと待って……」

だが取りあえず、そんな事はどうでもよかった。

「今……よく聞こえなかったんだけど。」

「何のことだ?」

「貴方が何でそれを使えるの?」

「それとは何だ」

「だから…………非殺傷設定、」

「何を疑問に思う事がある?雑種に出来て我に出来ぬ道理などなかろう。
 既に邂逅を果たして幾年――
 貴様ら自慢のデバイスとやらの雛形は既に我の宝物に納められている。」

と、悪びれもせずに言う王様。
要はそこらのデバイスをチョロマカしたという意味だろう。

「拾ったものを無断で自分のものにして良いと思ってるの…?
 ちゃんと局の落し物係に届けなさい!」

「痴れ者めが! この世に存在する全てのものは――」

「貴方のものだって言うんでしょう…!
 盗人猛々しいとはよく言ったものだよ! 第一、あれのどこが……」

あの殺る気満々の空間。
否、水面断層のどこに非殺傷の要素があるのだろう?

あからさまにヤバイ孔がぽっかり空いている。
当然、飲み込まれればただでは済むまい。
現にお魚さん達は形相があったならばそれはもう必死の形相で
流れに逆らってもがいてらっしゃる。

確かにあの宝具の真名を紡いで未だこちらの身に何の影響も降りかかって来ない。
という事は何某かのリミッターがついているのは確実だが……まさか―――

(ひょっとして、あの糸と針が………)

…………………リミッター…?

そこにガクンと―――脱力して座り込まなかっただけでも
改めてエースオブエースの胆力を褒めるべきだろう。

「ギルガメッシュさん……科学の知識は?」

「我に俗人の理を説くか」

「精密機器の免許は?」

「民に資格を与えるは王の特権。我に対して許しを与える者など存在せぬ」

「………ミッド式魔法の知識は、あるわけ無いよね…」

「くだらん。こうして形にして見れば実に他愛のない代物よ。
 不殺――我にとっては未来永劫、縁のない概念であったが貴様のような端女との余興には丁度良い。」

流石は神代の時代を生きた英霊。
小学校の図工レベルの工作で……糸と針を付けただけで……
あの皆殺し宝具に全く別の概念を持たせてしまった。
乖離竿・エアはさしずめ魚のみを対象に作用する究極の一。
アングラー最強の宝具という事か。
流石のエースオブエースもここまでされては目の前の男を憧憬の眼差しで見ざるを得ない――


――――――― 、ぶち

―――なんて事はなかった。


――――――

何かの切れる音が白き魔道士のこめかみ辺りから発せられ
明らかに口をへの字口にした不機嫌そうな高町さんの顔がそこにある。

――当然である。
非殺傷設定はミッドチルダ式魔法の叡智の結晶。
傷つけずに制する事を誇りとする彼ら魔道士にとって誇るべきもの。
相当の歴史と研鑽を積んできた彼らの文化そのものなわけで――
生まれは異なれどそれに人生の大半をかけてきた彼女。
高町なのはが、こんな文化そのものに対しての侮辱をされて不快に思わないはずが無い。
戯言で根底から馬鹿にされたミッドチルダ魔道士代表。
胸に感じる憤りは決して間違ったものではないだろう。

要するに――――調子こきすぎって事だ。この原始人は。

「………………レイジングハート」

<Yes Master I,m ready anytime>

というわけで彼女はそろそろ反撃の狼煙を上げようと思う。
それはもう静かに―――うちに滾るマグマのような愛憎哀怒の思いを込めて。

こちらに害を及ぼさないと分かっていてもあの宝具を前にして脅威を感じないわけではない。
冷静を心情としているなのはの顔が今、何時になく険しい。
アレが紡ぎ出すは死界の原点。
全てを飲み込む圧倒的な力。最強の力である事に相違なく――
自身、その威力を何度となくこの目に焼き付けてきたのだから当然だ。

――これさえあれば必ず勝てる
――そんなものはそうそうない

という彼女自身の持論を、あれは粉々に砕くモノであるのだから。

―――ならばやはり、反撃の術は無い?

「………………モード・リリース」

否――そんな事はありえない。
あくまでも初戦の彼女なら圧倒されていただろう。

だが幾多の邂逅を経て、その圧壊の力に対していつまでも対策を講じぬ彼女ではない。
エースオブエース高町なのはは………一度、堕とされてからが強いのだ。


しかしてその力を前にして――

魔道士は静かに―――


己がリミッターを解除した。

  目次  

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2010年11月29日 17:07