「そんなことは特に考えていない。偶然の中で死んで欲しい
というのは不確実すぎる。それなら最初から僕自身でケリをつける」

何を馬鹿な。という顔のクロノ。その顔を見ても
綺礼は当てが外れて残念という風でもなかった。

「情報か…そういえば最近この教会の付近に猫の幽霊が出没する
という噂が仕切りに寄せられて、神父としてどうにかしたいと思っていたところだ」
「聖杯戦争と何の関係があるんだその話は?」

興味が惹かれる話ではなかったからかクロノの態度はぞんざいなものだ。

「ある、とすれば前回の聖杯戦争とだな。お前も知ってのとおり、
ギル・グレアムの墓がこの教会にあるがそれが原因かもしれん」

猫とグレアムを繋ぐ答えにクロノはハッとする。
知らないはずがない。グレアムと猫といえばリーゼ姉妹以外にはありえないのだから。

「まさかロッテとアリアなのか…その話はわかった。
他にはないのか?」

クロノの問に綺礼は答える気はないようで不敵な笑みを見せている。
その態度で綺礼の意図をクロノもまた概ね理解した。

「こちらからも何か出せ、というんだな」
「それもある。が、お前自身が参加してより詳しく情報を集めてはどうかな?
と思っていたところだ。ギル・グレアムと違い、お前はこの星の住人でさえない完全なアウトサイダーだが
その辺の便宜は私がはかってやろう」

相変わらずの笑顔にクロノは言峰の考えがわからなくなった。

「街に対する被害はお前が考慮する必要はない。
冬木で起こるこれは世界的に黙認された儀式だ。
ロンドンもローマも大抵の尻拭いはしてくれる。もっとも、尻ぬぐいは私の担当だがな」
「何を考えている?」
「知り合いのお前が優勝してくれれば、私の鼻も高い」
「これは、また酔狂な冗談だな」

呆れる他ない。クロノは全身でそう表現してみせた。

「私は私の目に適った人間に聖杯を託したいのだよ。
あれは、使い方次第では危険なものだ。危険度ではお前の言う闇の書に匹敵しよう。
今の所、私は衛宮士郎が一番相応しいと思っているがお前でもいいとも思っている」
「何故、衛宮士郎だと?」

クロノ・ハラオウンは負けず嫌いである。
知らず敵愾心を刺激されるようだ。

「別にお前の眼に適う適わないには興味はないが、どうして僕とあいつを比べたのか教えてくれ」
「何故か、と問われればお前達の心が純粋だからだな。
思いが美しいものを支援したいというのは聖職者としておかしくはあるまい?」
「僕よりも衛宮士郎のが相応しいというのは?」

ずっけんとしたクロノに綺礼は声にして笑う。

「いやいやまだまだお前も若いと言うべきか。悪くない反応だ。
お前は社会人でもあり我を貫き通すことが難しいのを知っているが
あれはどこまでも純粋だ。なんせ衛宮切嗣の息子だからな」

もちろんクロノも衛宮切嗣の名前と略歴は承知していたが
その人となりを知るところでないので反応は薄いものだ。

「衛宮切嗣…グレアム提督を殺した男…」

戦い、命を落とす。管理局員となった者ならば誰もが覚悟すること。
それ自体は珍しいことではない。だが、グレアムの場合は決して名誉の死ではない。
グレアムがとった手段は現実からの逃避。クロノはそう捉えていた。闇の書の封印という、その志は同じでも手段は違う。
何故あの氷結の杖を完成させておきながら聖杯という不確かなものに、命を賭けてまで縋ったのか、
クロノには理解できるものではなかった。

「憎いか衛宮切嗣が?」
「いや…やはりグレアム提督は誤りを犯した。この星の奇跡になど頼るべきでないし介入すべきでもなかった。
さっき妙な誘いも当然受けはしない。僕は殺人のゲームなどに参加はしない。
僕が動くとすれば衛宮はやてを連れていく時のみだ」
「無理矢理にでもか?」
「彼女は僕らの世界で管理すべきものを宿している。回収するだけのことだ。この世界に迷惑をかけるつもりはない。
時間もあまりない、場合によっては無理矢理にでもだ」

クロノはそう決然と綺礼に相対する。士郎に対する微妙な対抗心もグレアムのこと、闇の書のことに思い至れば些細なこと。
けれど…クロノが予定していたのより長く、二人は話し込んでいた。想定外である、
クロノはもう少し短節に会話を終すはずだった。そして…王が現れていることもまた、当然に想定外…

「聞いたぞ雑種、貴様の本性はな。薄汚い鼠が。誅する必要がありそうだ」

その男がこの時間にこの場所に来る予定はなかったはずだった。

影の存在はイリヤを苛立たせていた。わかるのだ。あれは不快な物、触れてはいけない物、自分と同様なもの。
自分はともかくバーサーカーが触れては決していけない物。
衛宮邸に夜に近づこうとするとアレが邪魔する。そんな日が幾度も続いている。
衛宮士郎を昼間に会った時に殺しておけば、とは思わない。
そんなことでイリヤの気は晴れないのだから。サーヴァントごと殺して初めて意味がある。
けれど夜はアレが邪魔をする…行き場のない感情、とりあえず
アインツベルンのマスターという役割を果たして発散しよう、という結論に至るのだった。

クロノは寸でのところで側方へ跳び命を繋ぐことに成功した。
名のある剣であろうそれは一瞬前までクロノの頭蓋があった空間を突き抜け、教会の入口に直径1メートルほどの大穴をあけていた。
木製の扉は軽々と粉砕され剣は門にへばり付いていた少女の目の前に落下、鋭く地面に突き立っていた。

「…な…なんの真似だ…」
「抗弁することは許さぬ。我の宝物を掠め取ろうとする賊が」

金の男の周囲には次々と剣、槍、斧等が浮かび上がる。一つ一つが高い魔力を帯びており凄まじい威圧感を発していた。

「大きくなったお前と話が合った試しがない。くそっ!この我が儘が!
父やグレアム提督の思い果たすまでは絶対に死ぬわけには…いかない!」

クロノもまたデバイスを構える。ギルガメッシュはそんなクロノの様子を嘲笑いながら見下ろす。戦い前の余裕の差は歴然と言えた。

「グレアム?10年前のあの男か。負け方が特に無様だったな。そして生き恥を晒している」
「生き恥…?生きているのか!?グレアム提督は!」
「まぁそんなことはどうでもよかったな。あの娘に付いている書はすでに我の物だ。
奪おうと言うのなら以前に達した通り処断する」
「正気かっ!?衛宮はやてはこの星を滅ぼすぞ!」

スッと右腕をあげると目の前の痴れ者を断罪すべく無数の武具に突撃を命ずる…

「まて!ギルガメッシュ」

修羅場と化しかけた空気に制止をかけたのは意外にも言峰綺礼だった。
けれど止まるなどありえはしない。

「ふん…黙っていろ言峰」
「クロノ、今は退け。それが賢明だ」
「!?…つ…だが言峰…こいつはっ…」
「王の前でお喋りが多過ぎるぞ雑種」
「!?」

クロノが視線を戻すと武器の群れが反応しようとしていた。

脈絡もなく続く意味不明な会話の羅列。
それは結界のせいであったのだが、綾子が気づけるはずもなく頭を捻るばかり。
意を決して踏み込もうとも思ったが、意外と礼儀を知るこの娘は少しばかりの逡巡の後元通りの位置、扉に張り付くを実行した。
とはいえ行動的な性格故また、扉を開けたくなる誘惑に駆られ、そわそわしてしまうのはご愛敬といえる。
綾子の苦悩を知ってか知らずか扉は開け放たれる。扉を開いたのはもちろん綾子ではない。教会内の会話は終わっていたのか先程まで聞こえていた意味不明な会話は聞こえない、
代わって耳に響いたのは轟音。現れたのは透き通るような白刃。それが体に軽く触れたため綾子は真っ青になった。
扉を砕いた刃が勢いを落とし、落下した際、服の上から腿を軽く切り裂いたのだから当然の反応といえる。
声もなく、呆然と刃と切り口を見つめていると刃に続いてクロノ・ハラオウンが扉を突き破ってきたため綾子は立ち直る機会を奪われたまま立ち尽くした。時を少し戻す。

「ちぃ!」

クロノは飛来する伝説級の凶器群を前にデバイスを手に魔法陣を展開。
これに対し礼拝堂の床から天井までびっしりと整列していたそれは王の言葉に従い反逆者に殺到する。

「さて、足掻くのは構わん、が、しくじれば扉の位置にいる女は死ぬぞ」
「黙れ!」

クロノは飛行魔法と足のステップ織り交ぜ、軽快な動きで刃を避ける。
最初の数本をかわすことにはそれで成功するが…

「まるで蝿だな。それ、本命だ」

ギルガメッシュの言葉通り次に来るのは逃げ場などない剣群の密集突撃。

「っ!?」

クロノは水色に輝く盾を前面に展開し、圧迫を防ごうとする。
その刹那、十を超える剣群が障壁へと突き刺さった。剣群を迎えた衝撃はクロノの二十年近い戦歴の中でも最も重い部類。
クロノの魔力は広い次元世界においても優秀で一流の魔導師といえる。
けれど、金髪赤眼の男はやはり規格外、シールド、剣群の向こうに見える男は腕を組んだまま余裕の笑みを浮かべていた。戦闘の経過は一方的。
奥歯を噛み締め、睨みつける他反攻の手段はなかった。頼みのラウンジシールドさえ、崩壊は時間の問題。
そして、恐るべきは全方位からの攻撃。前面で防いだとしても上左右から飛来するのは明らかだった。

「ぐ…!がっあ…!」

反射的に避けようとするも左右からの鋭い突進はかわしきれない。
鈍い音が耳に、異物が体内に侵入する感触が右脇腹と左腿に。視界は衝撃により奪われかけた。
違和感が沸き上がる右脇腹を見遣ると深々と刺さる槍。痛み、により集中は揺らぐ。
そして、ラウンジシールドは主力との激突よりおよそ5秒あまり耐えたが…ついに剣群により破られた。
甲高く割れる音とシールド崩壊の衝撃、その衝撃と熱量は膨大でクロノの体を後方へと吹き飛ばし扉に叩きつけた。

「クロノさん!」

足は震えているものの声は出る。何が起こっているのかわからなくてもクロノ・ハラオウンが圧倒的な暴力の前に傷つき、打ち据えられ、今、綾子の目の前に倒れている。
それは理解できた。カタカタと震える足はそのままだが胆力ならば並の女子ではない。
美綴綾子は知人が傷ついたならばすぐにでも助ける。というような強く、深い情をもった娘と言えた。
唇を固く結び一人頷くと覚悟を決めたようでクロノに駆け寄る。
一見しただけでも出血は多量、傷はいくつか見つかったが脇腹のものが一番酷かった。

「すぐに止血を…」
「いい!それより脱出をするぞ」

クロノは意識を失ってはいなかった。痛みに顔を歪めてはいるが意志は強く、駆け寄った綾子が袖の布を切り取ろうとするよりも速くその腕を掴んだ。

「けど!この傷で動けなんてっ…」
「そんなことは後回しだ!飛ぶぞ!」
「な…!?ええ…?」

扉の先、つまりそこは野外。空を飛べる魔導師のある意味本領を発揮できる場所と言えた。
綾子の腕を掴み引き寄せるとクロノは再び魔法陣を展開、そのまま全力で空へと脱出を図った。

「ふん、逃げの一手かつまらん奴だ少しは楽しませてくれると思ったが
さて、最後の一撃を加えてやろう。女を抱えたまま受けきれるか試してやる」

ゆっくりとした足どりで扉を越える。空を見上げると五年来の付き合いの男が必死に逃げようとしているが視界に入った。
だが、彼、ギルガメッシュにはそのような感傷は全くない。クロノ・ハラオウンと出会い良好な関係を築いたのは彼であって彼ではないのだから。
先程までの攻撃で確実にクロノは消耗しており、もう一度打撃を加えたならばクロノは耐えきれない、そう思われた。

「と…飛んでる…ほんとに…」
「…次の斉射を凌げれば逃げ切れる…はず」

戸惑いながらも興奮を隠せない綾子とクロノの間ではかなり温度差があるといえる。
そんな二人にお構いなくギルガメッシュの剣群は当たり前のように宙空へも舞い上がってきた。

「ここが正念場だ…しっかりつかまっていろ」
「は…はい」
「…スティンガーブレードエクスキューションシフト…」

苦悶の表情でクロノが呟くと無数の剣が周囲に浮かび上がる。その数は100を超え、まるでギルガメッシュの宝具と対を成すよう。
言峰教会の上空は剣で埋め尽くされ異様な光景が現出していた。

「ほう?面白い、貴様の技量採点してやろう」
「いけ!」

正面からぶつかり合う刃と刃。消えていく刃はクロノのもののが多い。
地上から次第に迫りくる刃に、自分に向かってくる刃に、綾子は息をのんだ。
クロノは打ち負けるスティンガーブレードを疲労をおして量産し続けた。質より量それが残された唯一の道。
また、スティンガーブレードが壊れつづけるのもクロノにとっては悪いことばかりではない。

「…煙幕か?小癪な真似を」

スティンガーブレードが砕ければ砕ける程互いの視界は魔術的な煙りに包まれれ狙いはつけがたくなる。
ギルガメッシュの顔にはあからさまに不快の色が浮かんだ。

「止めだ。闇雲に狙うなど興が削がれる。ここは…」

クロノは出血と魔力の大量消費で飛行するのも怪しくなってきていた。煙幕を有効にするため小移動しながら迎撃していたが
もはやその移動は小移動とさえ言えるものではない。血の気が引いているせいか呼吸は弱々しい。
だが、幸運にもここで、王の気まぐれにより宝具の群れは前進を止めた。

「…凌ぎ切ったか…今のうちに全速力で…」

ギルガメッシュのコレクションには不可能なことなどない。神に等しきこの男に世界はほぼ無制限の財を与えていた。
自動追尾の能力を有する武器さえ当然のように所有する。

「クロノさん……あのさあたしを抱えてると辛いんじゃない?」
「何がいいたい?」
「あたしを置いてったほうが速くにげられるんじゃないかなって、さ」
「…今から地上に戻る方が互いに危険だ。綾子がついて来てるのは知っていたからな。最後まで面倒はみる」
「…すいません」

後ろを一顧だにせず、綾子の申しでも意に介さずクロノは東を目ざした。

綾子の心臓は早鐘を打ち続けていた。最初は空を飛ぶという体験への驚きと興奮、
次いで目の前で繰り広げられた現実とは信じ難い魔法の応酬、その中で感じた地上から迫る刃への恐怖
そして、恐怖から解放されて感じたのは大人の男に抱きすくめられているという戸惑い
けれど、クロノの容態を考えればその感情は影を潜め自分を降ろしたらという提案も恥ずかしさというよりクロノの体を慮ってのことだった。
実際、綾子を抱えるクロノの力は次第弱くなり、二人揃って地上に落下するのも時間の問題に思えた。

「しっかり!もう降りない?」
「まだだ!まだ安全な距離は稼いでない!」

声だけはまだ力強く発する。そんなクロノを掴む腕に綾子は力を込めた。ちらと視線を少し下に向けると綾子の腰あたりも赤く染まっていた。クロノの出血は依然続いているのだ。
一刻も早い治療をと綾子は頭の中で乏しい医療に関する知識をフル回転させる。

「間もなく捉えるか…」
「手は打っていたのか?」
「当然、このまま逃がすなど我の誇りが許さぬ。お前こそ最初こそ止めたがそれきり静観だったが?」
「私が止めたのは、ギルガメッシュ、お前の口のみだ。あれ以上喋られても面白くない」

くっと言峰は笑う。

「今からの一撃で死ぬかもしれぬぞ?」
「それならそれまでの男だったということだ。私の楽しみはまだあるからそれほど残念ということもない」
「お前も相変わらずよい趣味をしているな」

教会の前で男二人は不気味に笑い続ける。

「ところで扉の修理はしてくれるんだろうなギルガメッシュ?」


「………っ…!?」

あの男はやはり甘くはなかった。背中に新しく生じた激痛にクロノは敗北感を覚える。
最後の粘りもついに折れ、飛行魔法も解け、高度100メートルより二人は落下。
地面が急速に近づいてくることで綾子はクロノを強く抱きしめる。
クロノに意識はないようでもはや助かる見込みはなかった。非現実的な中で死を覚悟した。

「宗一郎様人間が落ちてきます」
「拾ってやれ」

食事時の闖入者にメディアは顔をしかめた、が宗一郎が言うのであれば仕方がない。
丁度離れの真ん前に落下してきそうな人間二人に重力操作を施し、軟着陸させる。
クロノと綾子が墜落した場所、そこは柳洞寺だった。宗一郎はスッと立ち上がると姿勢正しく、表へ向かいメディアも不承ながらそれに続く。

死ぬかと思った…けれど死は訪れなかった。仮に死んでいたとしてもどんな感触かはわからなかっただろうけども。
少なくとも視界に写るものくらいは変わると思う。ところが、目の前の光景は特に物珍しいということもない柳洞寺。
綾子は柳洞寺の敷地内の土の上にクロノとともに横たわっていた。クロノはやはり意識ないようだ。浅い呼吸だけが口から洩れている。

「クロノさんがどうにかした…?というわけじゃないよね…」

その時、綾子の耳は人間の足音が近づいてくるのを捉えていた。数度にわたる死の体験により過敏となっていた神経は恐怖に傾き、
縋るようにクロノの体に抱き着くほか綾子には術がなかった。刻一刻と二つと思える気配が近づく。
意外にも鼻先で止まった気配から発せられた声は綾子が良く知るものだ。

「美綴…不純異性交遊は良くないな。その青年はどう見ても社会人だ」

固くなってなかなか動かない首をゆっくり起こすと学校でいつも見ている倫理教師のいつも通りの顔がそこにあった。

「あ………う………その~」

夜半となり暗くなっている中ではクロノの傷など見えず、綾子とクロノが抱擁を交わしているように見えるのかもしれない。
そのまま綾子が宗一郎から視線を外し、その横に立つ人物に視線を移す。
宗一郎の影隠れるように立っていた妙齢の女性は宗一郎とは違い厳しい顔をしていた。

「葛木先生この人は怪我をしてるんです!病院に連れていかないと!」
「間に合わないわね」

綾子の叫びに対し冷ややかな声を浴びせたのは宗一郎の隣に立つ女性だった。

「本当か?キャスター」
「はい…サーヴァントの宝具によって三か所の致命傷を受けています。一刻の猶予もない状態です」
「そ…そんな…」

目の前で人が死ぬという事実に愕然とする。こんなことになるなんて半日前では思いもよらないことだった。

「なにか手はないのか?」
「…お嬢さん、この男を助けたいかしら?」
「…は、はい!」
「この男との関係は?」
「友人の知人…です」
「足りないかも知れないわね」
「な、何が?」
「私は魔女ですもの助けてもよいけれどそれ相応の代償が欲しいのよ」

メディアは妖しくクスリと笑うと綾子の解答を待つ。

そんな時、柳洞寺には力の発散場所を求めた幼い邪気がゆっくりと迫っていた。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2009年08月09日 14:09