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轟音とともに地響き。家が激しく揺れたのが地下にいながらよく理解できた。
召喚は成功したのか?失敗したのか?不安を胸に階段を駆け上がる。
無我夢中、待ち侘びていたこの時なのだから
居間への扉までなんて数瞬とかかりはしない。
扉の向こうに感じるのは膨大な魔力。存在だけなら、間違いなく大物。
少し頬が緩みかけるけれど、ここは重要なところうっかり油断して初回を誤る
なんてことは真っ平ごめんだ。気を引き締め直し、ドアノブを慎重に握り、回す。

そして見たものは…

「あたた…誰やこんな酷い召喚したんは…」

ソファにすこしばかり頭をめり込ませ、
どこかの制服のような衣服を身につけた自分より少し年上に見える女性。
懸命に頭を引き抜こうとしている姿は…正直、鈍臭い…。

数分後…

「え~とあなたは私の喚んだサーウ゛ァントでいいのね?」
「…そーなるんか、な」

すこしばかり首を捻り、答える女性の口調ははっきりしない。

「仕方ないわね。それじゃあ名前は?」
「はやて、八神はやてや。出身は…」
「出身は?」
「実わな、私は地球育ちのミッドチルダ星人や!」
「…そう…」
勢いよくポーズを取ろうとするはやてと名乗った女性に冷たい視線を送る。コテコテの関西弁のくせに呆れる。

「…その視線は痛いわー私は嘘いっとらんのやけどな
貧乳のマスター」

わざとらしく残念そうな顔をするはやて。
ああ、こいつ性格悪いと私はは断定した。それはもう一方的に。
この超現代的な胡散臭いサーウ゛ァントに誰がマスターか解らせなければならない。
決断は速やかに「みてなさい」...そんな言葉は使う必要がない。
なぜなら、その言葉を頭の中に思い浮かべた時には!
実際に行動は、もうすでに終わってるからッ!

「命じる、そんなら私を巨乳にしてみなさい!」

三つと限られた絶対命令権
その力は絶大

「な、なんや体が――自然と――」

まばゆい輝きに包まれるはやて―――

「あ」

うっかり。またうっかり。ついつい頭に血が登ってしまったと反省しようもそれは後の祭り。
目の前のサーウ゛ァントの魔力が急激に高まっていく―――

「天国に、登りやマスター」

気を失う直前に見たサーウ゛ァントはとてもウキウキしていて楽しげだった。
次にめがさめた時互いに半裸でベッドに横になっていたのは新しい世界の始まりだった…
かもしれない。

                     *

「で、あなたどこの英霊なの?」

衣服を整えると不遜なサーヴァントに改めて確認事項を口にする。たいした話もできないまま朝を迎えてしまったわけで…

「まぁ多分…日本出身なんでしょうけどいつの時代の
英霊なのかって…公務員なのかしら?」
「そや日本国×県海鳴市出身八神はやて、や」

今まで半裸だった姿も凜が着替え終わって向き直るとベッドに腰を降ろしたままに衣装は出会った時同様
ブラウンでまとまった制服に直っていた。今は口調も静かに凜を見上げた。

「×県海鳴市…おもいっきり現代じゃない…
あんたは一体何をして英霊になったのよ」
「それは…」

現代日本の英霊…自分の知らないところで誕生したと思われる英霊に
疑念と僅かの苛立ちを覚え凜は語気を強め問い詰める。

「それはな…」
「それは?」
「…わからん…のや」
「は…?」

頭をかきながら視線をそらすはやてと呆然とはやてをガン見する凜。空気はちょっと停滞。

「頭打ったせいかもしれへんな。マスターの召喚が特徴的やったから」

あははと苦笑いの女性に凜は恐る恐る尋ねる。

「自分が何者かはわかってるんでしょうね?」

そう出身と名前は答えたのだから自分の素性は認識しているはずだ。それさえわからなければ到底戦うなど、
聖杯戦争を勝ち抜くなど夢の話となってしまう。

「今の私にはマスターの胸を成長させる指命があるんやから!
それさえ分かれば!大丈夫や!何たって私には実績がある!」

顔を逸らしながら拳を握るはやてに凜はそろそろお怒りだ。

「…本気?リコールするわよこのへっぽこサーヴァント…覚えていることを全て話しなさい」
「待ってや待ってや…今思い出す…う~ん人生の途中で
2等陸佐になったようなことは覚えてるんやけど」
「あなた軍人なの?」
「ま、そんなとこや」
「サーヴァントのクラスは?」
「キャスターと認識しとるよ」

矢継ぎ早に質問し始めるもキャスターの単語に凜は意思阻喪し顔をしかめる。と同時に別の疑念が沸いて気を取り直し再度質問する。

「軍人なのに魔術が使えるの?」
「ん?ああ、こちらの世界的には少し異質に感じるんかもね。
並行世界とでもおもてくれればええんやないやろか」
「…並行…世界ですって…そうねそれでいいわ。
あなたの素性よりあなたが実際に戦えるのかの方が大事だわ。
あなたどれだけ戦えるの?」
「え?…」

八神はやてはまた少し顔…を背けた…