「槙久様、ご用件はなんですか?」
「お前を引き取った目的を今果たそうと思ってな…悪くは思はないでくれ」
「な、んなんです?槙久様…なんか怖いです」
「はやて…何も怖がることはないんだよ」

八神家はある魔術師家系の血縁だった。(声的に)運命は不思議と回り、
遠野槙久は双子の姉妹でなくこのボブカットの娘を引き取った。
口調は穏やかに、けれど槙久の手は震えていた。彼とてこの行為は望むものではない。
それ故、心には葛藤があるのだ。それでも生への渇望は何者にも代えがたい。だからこそ彼は
車椅子に座り槙久を不安げに見上げる和装の少女の帯にゆっくりと手をかけるのだ。

「え?…ま…き久様…な…に…を?」

しゅるりしゅるり…帯特有の衣ずれの音が書斎に響く。呆然とはやては槙久の行為を、
まるで他人事のように見つめる。

「…綺麗な肌だ。大丈夫…私がかわいがってあげよう」

帯を解かれ、露わとなった上半身を槙久は精一杯の愛情をもって見つめる。
まだ幼い8歳のそれは凹凸のない平坦。彼の実の娘の10年後と大して変わらない形がそこにあった。

「い…いやや…槙久様怖い…」
「大丈夫大丈夫だ…」

少女は年の割に聡い子だ。槙久の視線に恥ずかしさを感じ露わになった肌を両手で服を引きよせ再び隠す。
槙久のしようとしていることは胸を眺めるなどという生易しいことではない。彼はもっと先へ進む必要があった。
少女の反応がこれからより、自分に否定的になるのを想像すると心苦しいが彼は止まるつもりはない。

「悪いなはやて…私は…私は生きたいんだ…」
「なんで…なんで…こんなこと…やめて…槙久様…こんなんしたら…あかん…やろ?もっと大事な人とすること…やないですか?」
「…私が何をするかわかっているのか…?…悪い子だな。お前は…」

少女の反応は羞恥と恐怖が合いまったものだった。そして槙久のこれからしようとすることはどうやら理解しているようだった。
そのことに気づいた槙久は対象に対する罪悪感が少し消え、鬼の血をひく家系特有の嗜虐心が刺激された。
顔に余裕と残虐な笑みが浮かぶ。

「…では始めよう」

槙久は少女の腰に手を伸ばすと下着を両の手で引きずりおろした。両足がマヒしている少女があがらうことなどできない。

よく遊んだ車椅子の少女から段々と笑顔が失われていくことを遠野志貴は不思議に思っていたが聞き出すことはついにできなかった。
というのも間もなく屋敷の中でさえほとんど会うことがなくなったからだった。

闇の書の起動まであと一年…

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最終更新:2009年05月13日 06:24