749 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/02(金) 01:25:19 ID:QF0w1IWZ
短編書いたのですが投下よろしいですか?、某短編にかなり影響うけてますが


750 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/02(金) 01:25:43 ID:VvrJr768
よろしい!
支援する!


751 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/02(金) 01:32:19 ID:BQfQGKXT
支援


752 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/02(金) 01:42:05 ID:QF0w1IWZ
投下します

「英雄王を継ぐ聖王」


管理局から第97管理外世界と呼ばれている惑星にある、どこかの屋敷の縁側、
一人の男と一人の少女がいました、二人にとっていつもの光景、男は過去を語り少女はその過去を聞く。

「我は昔、世界を統べた王だった・・・」

切り出される最初の言葉はいつもそうだった。男から聞かされた話、幾度となく聞いた話、王として世界を統べた時代、
すべての頂点に立った栄光、ただ一人の親友、神々との戦い、多くの出来事、そして聖杯戦争、ただ一人その存在に
敬意を払った『征服王』、ただ一人愛し、ただ一つ『王』に黒星をつけた王『騎士王』の話…彼は紛れもなく王であった、
少女は彼の話を聞くことが好きだった、少女は何度も何度もその話を聞いた。少女はその話を飽きたなどとは一度も言わなかった。

少女は男が好きだった、尊敬した、あらゆる者を平伏させるそのカリスマ性、彼の下で「娘」として一番近いポジションにいる
少女にとってそれは一種の他者に対する優越感だった。そして彼は『王』として何の恥もない王の基幹を示す『力』をもっていた、
『王』から放たれる無数の宝具は刃向かう雑種、自分を狙う「ベルカ」に固執する愚か者、「この世界を見下す」愚か者を情け容赦なく
打ち砕き、『王』の必殺はあらゆる存在を打ち砕き、滅ぼしていった、少女はその短い生の中で『王』の力を心に深く刻み付けていた。

少女もまた『王』であり、『王』となる運命を背負う存在だからである。そして少女は胸に秘めた想いを尊敬する『王』にして父に打ち明ける。

「父上のいや、王様、王様の夢、いや王たる使命は私が引き継ぐから…」

まだあどけないと言える少女の真摯な発言は『王』は楽しそうに試すように言う。

「ほう、貴様にそれが出来るのか、○○○○○?」

少女は毅然とした態度を崩さずに『王』に向き合い言う。

「私がどのような存在かお忘れですか父上、これでも古のときに王を名乗った存在の末裔ですよ」

『王』はどこか納得した表情で言う。

「そうであったな、確かに貴様はそうだった…だがな」

『王』は言う。

「だが貴様はまだ王と呼べぬ、常々言っておろう、『王』とは」
「慢心してこその『王』、あらゆる存在は力を以って殲滅する、踏み潰し、蹂躙し、打ち砕く、
 そこに兵法や策の一切は邪道…真の王道とは、力なりと…」

日々聞かされ続けた言葉、一語一句間違えずに少女は言う、それに満足する『王』であったが完全に満足したわけではなく、
夢見る少女に対して辛辣な言葉を吐く。

「たわけ、貴様が王を名乗るには何もかもが足りぬ、あらゆる存在を打ち砕く力も、あらゆる存在が我に向かって平伏させるだけの器量も、
 貴様には何もかもが足りぬ」
「・・・」

そうである、たとえ次元世界を制した『王』の末裔であっても少女は少女のままであった、
だが少女の瞳には『諦め』と言う言葉は存在しなく「王」に向かって言い放った、力がなければ奪えばいい、
他者が平伏しなければ力ずくでも平伏させればいい、力こそ総てを支配する。その言葉に「王」は先ほどより満足な表情だった。



753 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/02(金) 01:43:20 ID:QF0w1IWZ
「○○○○○、よくぞ言った、泣き言の一言でも言えば容赦はしなかったが、その態度気に入った」

『王』は少女の頭を優しく撫でると立ち上がる。

「さてと、また分の相応を弁えぬ雑種共がやって来たようだ、貴様はここに残れ」

少女は首を横に振る、少女は言う私は『王』を知りたい、近づきたいと…『王』は言う。

――――好きにしろ。

少女は目に刻み付ける王の力を…

そしてある程度の時が過ぎ去り、少女は『王』と共に誰もいない故郷に凱旋する。
そして目的の場所に向かう、そこは次元を制そうとした『王』のみが知り抜いている宝物庫、
誰もが伝説として書物に記されているしかない宝具の数々

「ふむ、これが貴様らの言う遺産か…ふむ、我の宝物庫に加える価値のある物はいくつかあるな、
 成る程次元には面白きものが多くあったのか」

『王』は満足そうにそれらの遺物を鑑定し、そして自分があの時に次元を渡る術を持っていればと小さく嘆く。

「父上、お望みとあらばお望みのものを進呈致しましょう」

少女は提案するが、他者の宝とは奪いもしくは平伏させ献上させるもの、無償で受け取るつもりは毛頭ないと、
あっさりと断った。そして『王』は言う、力を分けてやると『王』は自身の宝物庫からいくつかの宝具を抜き取ると少女に与え、
そして少女にある物を送る、少女はそれに仰天する。それは王の力そのものを3度使うことが行使出来る権利が。

「何、貴様の持つ宝具では聊か心細いのでな、少しばかりの選別だ…仮に王となるのならば、いずれ我を超えてみよ」

少女は言う。

「次元世界を制した後、貴方に戦を挑みます、英雄王!そして貴方を打ち倒す、王として」

王はどこか嬉しそうな声で言う。

「やってみろ、貴様にそれを出来るのならば」


―――そしてそう遠くない時間が過ぎたときに『王』はあるべき場所に帰った、受け継いだ『王』      
   は別れに一筋の涙を流した後、それを拭い、自分のあるべき世界に戻った。


           「英雄王を継ぐベルカの聖王」として



754 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/02(金) 01:43:21 ID:VvrJr768
しえん


755 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/02(金) 01:45:12 ID:QF0w1IWZ
『聖王』は怒りを覚えていた、頭上にある巨大な浮遊物体が自分のあるべき場所であり、
それがただ一人のオロカモノの玩具にされている事に、そのような不埒者をどうするべきか…答えは簡単であった。

「せ、聖王が二人いるなんてき、聞いていないぞ」

自分が予測してないアクシデントに天才を自称するオロカモノは醜態を晒すだけであった。
だがオロカモノは瞬時に頭を切り替え『聖王』を誘う、仲間にならないかと。
だが其の目は『聖王』をただ自分の欲求を満たすだけの存在と見ていた、
だがオロカモノがどんな考えをしていようが『聖王』はただ己の誇り汚すものに対して
裁きを情け容赦下さんとする。

虚空に向けて指を鳴らす、それと同時にオロカモノに向かって今にも放たれんとする武器、
それは『聖王』のみ振るうことが許された宝具、それは英雄王から引き継いだ宝具、
それは各次元世界の『王』を討ち滅ぼして手に入れた宝具、多種多様な一振りだけであらゆる
存在を打ち砕ける極殺兵器の群れがオロカモノとそれを庇う様に前に陣取る人形に向けられる。

「我(ワタシ)の物を汚した罪は重いぞ雑種、判決は言うまでもない…」

どこぞの漫画か映像で影響を受けたのか親指を下に向けて判決を下す

                   『死刑』

同時に打ち出される宝具、絶叫と血しぶきが響き渡る…それを一瞥すると
『聖王』はオロカモノが住まう場所から去るとあるべき場所に向かった、
自分ひとりだけ座ることが許される玉座に…



「愚か者が…」

『聖王』は自分のあるべき場所を取り囲む、時空の平和を気取る雑種達の船を睥睨する。
不遜なことに自分に対し礼儀をわきまえないばかりか、降伏までを突きつける。

「雑種は王に対する礼儀を忘れたか」

まぁどの道、我が進む覇道の邪魔をする存在は皆潰す、それが『王』との約束だから、ならば教育してやろう、
群れることしか出来ない雑種が『聖王』に歯向かう愚挙を、ならば群れを一気に蹴散らす。本来なら一つ一つ
潰しても良いのだが力を誇示するには丁度いい舞台だった、「聖王」は一振りの剣を呼び出す。


756 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/02(金) 01:46:06 ID:ULA9jjiC
>>749
どうぞ!


757 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/02(金) 01:47:16 ID:QF0w1IWZ
「出番だ、エア…」

それを果たして剣と呼んで良いのか。それには刃がなかった。あるのは、回転する三本の円柱型の刃と言えないなにか。
…だがそれを知るものは恐れるだろう、いや時空の守護を気取る者達ですらその剣に対し恐怖する、それに秘められた力に。

―――乖離剣 エヌマ・エリシュ

英雄王しか振れぬ宝具、しかし英雄王によって『聖王』が3度振るう事が許された宝具、「聖王」はその新名を躊躇無く解放する。

「さぁ、エアよ、すべてを飲み込み粉砕しろ」

           「天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)――――――――」

放たれた力は、時空守護を自負する最新鋭の艦隊をあっさり飲み込む、そこには重厚な防御壁も並の砲撃にも耐えうるプロテクションも関係ない、
次元すら切り裂く剣によって切り刻まれるだけ…ただ1隻「クラウディア」を残して、すべてのXV級の艦艇は消滅した、
「聖王」は生き残ったそれに不快な目をするが、今はいつの間にか内部に入り込んだゴミの排除に乗り出さんとしゆりかごの内部に戻った。



『聖王』は敗れた、英雄達の意思を継いだのは彼女だけではなかった…騎士王の力と誇りを受け継いだ『エースオブエース』、
赤枝の騎士の俊足と意地を受け継いだ『雷光』、贋作者の強さと創造の力を受け継いだ『夜天の王』と『二代目の祝福の風』
…様々な幸運と不幸、そして『王』たる慢心が重なって『聖王』は打ち倒された…『聖王』が打ち倒された事により崩壊するゆりかご、
すべての魔力がキャンセルされた今、『聖王』と魔法少女達はその場を墓標としなければならなかった。

「よもや我と共に死ぬと?馬鹿馬鹿しい、ここは我の墓標…殉教者などいらん」

聖王はそう言うと1隻の船を呼び出す、それは英雄王から貸し出された宝具の一つ、
そこに勝者達と片割れ、妹を押し込む。『雷光』は叫ぶ、死んじゃだめと、『夜天の王』も言う、
罪を償ってとだけど生きていればいいことがあると、『エースオブエース』も叫ぶ、
貴方は本当に優しい人だここで死んではいけないと

あの時『聖王』は妹を殺せたはずだった、レリックによって強制的に聖王化されても、数多の戦場を駆け抜け、
英雄王の力を受け継いだ『聖王』にとっては敵ではなかった。宝具に串刺しにされ虫の息寸前であった片割れで
ある妹に止めを刺さなかった、いや刺せなかった…理由は分からない、多分これからも…片割れは言う

「お姉ちゃん…帰ろうと」

その顔を見て聖王は過去を思い出す、あの尊敬する父上に見せた屈託の無い純粋な笑顔を…だが『聖王』の心は揺るがない。
片割れの頭を優しく撫で、聖王の証を渡すと船をゆりかごから放した、其の時妹が何を言ったのかよく聞こえなかった。


758 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/01/02(金) 01:48:58 ID:QF0w1IWZ
爆発を起こすゆりかご艦内を歩き『聖王』は玉座に座る。

「父上…我は約束を破りました…我は…私は王ではありませんでした」

尊敬し、いつかは越えるはずだった父に誓った事が出来ず、『聖王』いや一人の『少女』は詫びた。其の時だった

「ふむ、約束を違えたな○○○○○」

一人の『英雄王』が立っていた。幻覚もしれないが英雄王は言う。

「貴様は戦いに敗れ、この英雄王たる我の約束を羽子した…その罪は重いぞ」

「弁明も…しません…」

淡々と聖王は言う、ふぅむと英雄王は言うと、その手を『聖王』に伸ばした。その先はどうなろうと
『聖王』はすべてを受け入れた、何故なら自分は敗者だからだ。だがその手は『聖王』の頭を優しく撫でていた。

「が、貴様は最後まで王として振舞った、小細工もせず、力を持ってすべてを飲み込まんとしたが貴様はまだ何も足りなかった、
 器量も、力も、だが我が娘としては、中々出来たぞ…褒めて使わす…ヴィヴィオ」

「父…上…」

『聖王』は英雄王との別れの後流さぬと誓った涙を流した…そして静かに目を閉じた、
その表情は安らかなそうな、例えるなら少女が母親に包まれて安心したような寝顔だった。


聖王の末裔に片割れ、その数奇な運命を辿った者の生涯はこうして閉じた。


以上です、エア使うヴィヴィオが見たくなってつい

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最終更新:2009年01月03日 00:46