水鳥藍さん 第10作目 「ウーマン・リブ(Women's Liberation)

 

 

公式情報まとめ的なもの①(初演週)

  • 「コンテとJazzとJazzhiphopで、かなりシンプルです。テーマは3曲目!」
  • 「(共演者は)unと書いてアンです。フランス語。」
  • 当初カタカナ表記だったが、初演の週の終了後にご本人から英語表記でアナウンスされた。

 

公式情報まとめ的なもの②(翌週)

  • 「歌詞めちゃくちゃこだわってる!ウーマンリブは3曲目と4曲目!特に3!」
  • 「ウーマンリブほど、自分自身を投影したナンバーはない。」
  • 「(同時上演のCircle of lifeと比較して)、圧倒的にフィジカル的にもみせ方も難しいのはウーマンリブ。」
  • 「3曲目、業界的にもっと盛り上がっていけばいいなという意味も多分に込めてる」
  • 「すべての女子に捧ぐナンバー」

 

 

2015年7月結、DX歌舞伎町(初演)

 薄い緑色のドレス姿でスタート。舞台上には鳥籠に入ったアン様が。弦楽器の音が鳴り響く中、アートな印象の強い踊りを展開する。とてもキレイだ。演目毎に様々な踊りと世界観を見せる彼女だが、自分がデビュー当初にまず一番最初に魅せられたのがこういったムーブだったと思う。だがしかし、頭と腕に着けていた花飾りを何かの束縛から逃れようとするかの如く乱暴にむしり取って投げ捨ててしまう。
 再びステージに登場した時には、白地に水色の細い縦ストライプが入ったブラウスにグレーのロングキュロットパンツという現代的な衣装に身を包んでいる。運動量の多いダンス、これは熱い展開。
 ベットは黒いランジェリー。有名なオペラの曲が流れて、曲の盛り上がりに合わせて次々とポーズを切っていく。
 本舞台に戻り、籠からアン様を解放し、「お行きなさい」とばかりにアン様を乗せた手を高く掲げて終演。

 

 さて、普段はあまり興味の無い「演目の筋読み」的なことをしてみたいと思う。なんかそういうことを書きたくなる演目だった。

 「ウーマンリブ」(=女性解放運動)というタイトルからあらためて演目を振り返ると、最初のドレス姿、花の飾り、そしてバレエの雰囲気の色濃いダンスは、封建的な女性像の象徴だろうか。そしてそこから装飾品をむしり取って放棄する姿は女性解放への嚆矢なのだ。また、花飾りで装飾された鳥籠に閉じ込められた鳥(アン様)もまた「女性像」あるいはこの演目の「主人公」になぞらえらえる存在であるように思われる。
 続くブラウスにロングキュロットパンツという装いは、社会に出て活躍するキャリアウーマンというイメージを抱かされる。そのバリっとした出で立ちと動きは「男は仕事、女性は家庭」という封建的男女役割を打ち破った、自信溢れる女性像。
 そしてベットショー、使用曲は「恋は野の鳥」とも呼ばれる曲で、恋奔放な女性を描いた歌詞にのせて悠々と切られていくポーズ。ここまで来ると今話題の肉食系女子ではないが、もう女性の方が強くなってる感すらある(笑)

 「女性像」あるいはこの演目の「主人公」になぞらえらえる存在であったアン様も、最後にとうとう籠の中から解き放たれた。今後は「野の鳥」として自由に生きていくのだろう。

 

 そして、この作品はさらにもう一つ、今現在の「水鳥藍」という踊り子を象徴しているのではないかと想像する。

 自身が「額縁の芸術」あるいは「静謐の世界」と表現するバレエ・コンテの世界に身を置いていた彼女が、それまでの枠を飛び越えて、今やストリップという何でもありの世界で全てをさらけ出して自由奔放・旺盛な表現活動を行っている。自分はこの演目に彼女の生き様が重なって見えた。とすればこの演目のもう一つのテーマは「A Woman's Liberation」。


 ちなみにこれだけ色々書いて実は一度しか見れてないという。なんとも残念。この記事を書きながら思索を深められたので、また見れる機会を非常に楽しみにしている。それと、これだけ色々書いても自分はフェミニストではないので念のため。

 

 



2015年8月頭、渋谷道頓堀劇場

 特にこだわりの歌詞の3曲目はベットショーの前半。うん、英語だからさっぱりわからん(笑)デラカブの時のイメージはオナベとエアセックスの折中的な感じ?この日見たらはっきりエアセックスへ。両手を上から抑え付けられているようにも見えるが、そんなに抵抗する風でもない。

 歌詞を聞き取って曲を探そうという努力は一切放棄して「教えて!」ってお願いする。そしてネットで訳詩をググる。カンニング笑。乱暴に一言で言うと「変わることを強く信じている」かな。なるほど、この演目に相応しい歌詞だったように思う。

 こだわりの4曲目はベットショーの後半。盆の端に蹲踞の様な姿勢で腰を下ろし、盆のに任せてねっとりと見せ付けていく。横臥してのポーズに割く時間をおそらくは減らし、上昇したままの回転盆上に立ってなまめかしく腰をくねらせる。デラカブで見たものと大分違って渋谷バージョンかなと思った。

 

2015年8月結、シアター上野

 3回目、「ウーマンリブ」。渋谷→DXKと見てきたこの演目。前2者と比較すると上野のステージは明らかに狭い。特に最初のシーンで狭さを感じる。そしてこの最初のシーンの衣装・音楽の高尚な感じと上野のステージのマッチングには何故か脳内に「下町のナポレオン」という言葉が去来していた(^^;)※このキャッチフレーズの本来の意図は「庶民性と高級感や親近感を併せ持った」ものだそうだが
 4回目、「ウーマンリブ」(時間押しによりダンス1曲カットver)。通常は演目が全部見れず時間も短くなって損した気分になるダンスカットだが、不思議とこの劇場・この演目ではこちらの方がおさまりがいいような気がした。ベットショーは流し目がいたずらっぽくセクシー!流れる曲の世界を体現しているように感じる。

 

2015年9月中、渋谷道頓堀劇場

 ~5日目、「ウーマンリブ」(第10作目)。渋谷に帰ってきたこの演目、やはりここで見るのが一番しっくり来る気がする。

 

 

2015年10月頭、渋谷道頓堀劇場

 前からそうかなと思っていたけどベットショー前半のセックスベットは婦女暴行とまではいかないがけっこう無理矢理やられちゃってる感じなんじゃないかなと思う。この場面で流れる曲、そしてその前後のつながりの中でどういう位置づけかなと思案する。
 

 

関連ページ 「水鳥藍さん・見れた演目