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MS−07『GOUF』」(2006/03/19 (日) 22:03:06) の最新版変更点

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開発経緯 0078年初頭、連邦軍の有力部隊(アトール級護送空母1,カラル級巡洋艦2)を、非公式に襲撃した際、ジオン軍宇宙機動軍は、以下のような戦訓を得た。  すなわち、戦闘濃度散布状態のミノフスキー粒子が、ほぼ完璧に連邦軍の電波誘導兵器、電子戦兵器を無効にすると言う事。アトール級護送空母に搭載されていたカトル戦闘攻撃機に対して圧倒的な優位を示す、等であった。  他にもザクの主要部分の装甲は、ガトル戦闘攻撃機が、装備し、連邦軍が最新鋭として誇るセーバーフィッシュにも装備されている30ミリ砲弾の直撃にもよく耐えていた。  この事から、ジオン軍兵器局は、MS−05に続き、主戦力として開発を進めているMS−06に対する要求として、以下のような結論を導き出した。 1)装甲の強化は、必要最低限度にとどめ、機体の軽量化を図る。 2)スラスターの出力は、可能な限り強化する。  つまり、宇宙戦闘においては、MS−06の発展強化型で充分であるという結論が導かれた。その結果、MS−07の名で開発がスタートしていた装甲強化型モビルスーツの開発は、中止が決定しかけた。  しかし、一方で短期決戦で終了しなかった際の地球降下作戦の下案に対し、必要なモビルスーツの要求性能がどのような程度のものであるかを調査せよと命じられた軍兵器局は、MS−05及びMS−06の地上戦闘における試験をアイランド・グランドバレーで実施した。この結果、05および06の攻撃力は必要充分条件をかろうじて満たしていたが、被弾した際のあまりの脆弱性に現状の05及び06では、地上侵攻に際し、戦闘損失が無視しえないものになるとの結論を導き出さざるを得なかった。  この問題を最も簡易に、しかも早期に解決出来るのはMS−05及びMS−06の強化だった。既に量産がスタートしていた06の強化は、それなりの効果が出るにしても量産ラインの一時的停止を余儀なくされ、当時開戦を決定し、戦力の1日も早い整備を進めていた軍参謀本部としては到底受け入れられるべき性質のものではなかった。また、現状の06でも充分に連邦軍に対抗出来ると言う根拠のない意見も参謀本部内では根強く、06の生産を一時的にであれ停止させると言う事は現実的ではなかった。  そこで白羽の矢が向けられたのが、既に開発が頓挫しかかっていた07の計画案だった。07は、最初から装甲強化を目指したモビルスーツであったが、その装甲強化案に対して充分な出力を得られるジェネレーター及び推力を得られるスラスターが存在しなかった事がネックになっていた。  しかし、空間戦闘を考慮しないで良いと言うならば話は別だった。空間戦闘用の装備を全てオミットし地上戦闘のみを考慮すべし、と言う兵器局の発案は、頓挫しかかっていたMS−07に再び息を吹き返させた。新たな開発計画に対して兵器局が求めた性能は以下のようなものだった。 1)地上走破性能をMS−06の130%以上とすること 2)ショックアブソーバーの接地時の負荷係数をMS−06の140%増しとすること 3)主要部を110ミリ以上の複合装甲とし120ミリマシンガンの直撃に耐えうるものとする 4)専用のシールドを装備可能とし、シールドは、対角45度で120ミリ砲弾を防ぎうるものとする 5)機体内に近接戦闘用の固定武装を装備させること  こうして、0078年12月から始まった地上戦闘専用モビルスーツMS−07の開発は、下案に沿うような開発計画であったため想像するよりもスムースに進展し、僅か3ヶ月の試作期間で最初の先行量産型のロールアウトに成功した。  こうして完成したMS−07は、以下のような基本性能を有していた。  全高          18.2m  基本重量        48.5t  全備重量        81.2t  ジェネレーター出力  14600kw  スラスター推力    180.6t×2  また、武装は、左手部に75ミリ弾発射装置5基、右腕部に電磁ムチ1基を固定武装で装備し、専用シールドに新式のヒートサーベルを装備出来た。  走破性能はMS−06の115%増しでしかなかったが、既に開始されていた地上侵攻作戦を鑑み、MS−07は、GOUF「グフ」の名を与えられて即時正式採用決定がなされ量産が開始された。  戦闘が、混迷を始めた6月には、MS−07で編成されたモビルスーツ隊がアジア地域を中心に投入し始められた。  しかし、MS−07は、ジオン軍が期待したほどの主戦力とはならなかった。新式のヒートサーベルが、ほとんどまともに機能しなかったこと、左手部、右腕部に装備された固定武装が頻々とした動作不良を起こしたこと、ショックアブソーバーの耐用性が、戦場での過酷な使用実態に追いつかなかったこと、等からMS−07の稼働率が、常に7割を超えることが無かったためである。  特に、両腕の固定武装は、機構が複雑な上、現地での補修が実質的に不可能だったことや、左手の汎用性がほぼ皆無に等しかったことなどから7月以降は、内蔵武装のないMS−06の腕を装備したMS−07が、戦場に現れるに到った。  そして、最も不幸だったことは、MS−07自身が内包している問題ではなく、本機の投入時期そのものだった。  MS−07が、戦場において充分な数が揃う頃には、宇宙における制宙権も絶対的なものではなくなっていたため、生産されたMS−07の多くが、戦場である地球に到着を待たずして宇宙空間で失われて行った。  また、無事に到着したMS−07も拡大しきった戦場に少数機が逐次投入される結果となり、各個撃破される結果を招くことになっていった。  さらには、連邦軍も対モビルスーツ戦闘にほとんど完熟してしまっていた。地上に於ける各兵科の組織的な戦闘力をもって対抗するようになった連邦軍地上部隊や、誘導兵器に頼らない直接照準による航空攻撃などによってジオン軍モビルスーツ部隊は、地球降下作戦初期に見られたような電撃的進撃を行なうことが不可能となっていた。そればかりか、戦場によっては後退を余儀なくされる局面も散見されるようになっていた。  圧倒的な組織力に加え、連邦軍に対してMS−07は、さらなる不遇を囲うことになってしまったのが、連邦軍のモビルスーツ戦力の投入だった。連邦軍が、投入してきたモビルスーツ、RGM−79は、単機そのもの性能でもMS−07を凌駕しており、数もまとまって投入されてきた。特に装備するビーム火器は強力でMS−07を始めとするジオン軍モビルスーツ戦力で正面から対抗可能なものはなかった。また、ほとんどモビルスーツのみで戦場を支えなければならなかったジオン軍に対し、連邦軍は、モビルスーツをも加えた総合戦力、というかたちで本格的な反抗を開始した。その結果、少数でしか投入出来ず、更に加速度的に稼働率の落ちていくMS−07は、全く期待された戦力とはならなかった。  ジオンにあって、非常な期待を持たれて戦場に投入されたMS−07だったが、配備機数そのものも9月をピークにし、その後急速にその数を減らすことになった。戦場で喪失するMS−07をカバーしきれなくなったことも一因だったが、新たに生産が開始され、主戦力と見込まれるようになったMS−09シリーズや水陸両用型にその重点が移っていったためだった。  改良を重ねるあまり、生産数そのものも伸び悩んだ本機だったが、それでも終戦までに800機余りが生産され、そのうち戦場に投入されたのは400機余りでしかなく、計画当初期待されたような活躍を見せることなく終戦を迎えることとなった。
開発経緯 0078年初頭、連邦軍の有力部隊(アトール級護送空母1,カラル級巡洋艦2)を、非公式に襲撃した際、ジオン軍宇宙機動軍は、以下のような戦訓を得た。  すなわち、戦闘濃度散布状態のミノフスキー粒子が、ほぼ完璧に連邦軍の電波誘導兵器、電子戦兵器を無効にすると言う事。アトール級護送空母に搭載されていたカトル戦闘攻撃機に対して圧倒的な優位を示す、等であった。  他にもザクの主要部分の装甲は、カトル戦闘攻撃機が装備し、連邦軍が最新鋭として誇るセーバーフィッシュにも装備されている30ミリ砲弾の直撃にもよく耐えていた。  この事から、ジオン軍兵器局は、MS−05に続き、主戦力として開発を進めているMS−06に対する要求として、以下のような結論を導き出した。 1)装甲の強化は、必要最低限度にとどめ、機体の軽量化を図る。 2)スラスターの出力は、可能な限り強化する。  つまり、宇宙戦闘においては、MS−06の発展強化型で充分であるという結論が導かれた。その結果、MS−07の名で開発がスタートしていた装甲強化型モビルスーツの開発は、中止が決定しかけた。  しかし、一方で短期決戦で終了しなかった際の地球降下作戦の下案に対し、必要なモビルスーツの要求性能がどのような程度のものであるかを調査せよと命じられた軍兵器局は、MS−05及びMS−06の地上戦闘における試験をアイランド・グランドバレーで実施した。この結果、05および06の攻撃力は必要充分条件をかろうじて満たしていたが、被弾した際のあまりの脆弱性に現状の05及び06では、地上侵攻に際し、戦闘損失が無視しえないものになるとの結論を導き出さざるを得なかった。  この問題を最も簡易に、しかも早期に解決出来るのはMS−05及びMS−06の強化だった。既に量産がスタートしていた06の強化は、それなりの効果が出るにしても量産ラインの一時的停止を余儀なくされ、当時開戦を決定し、戦力の1日も早い整備を進めていた軍参謀本部としては到底受け入れられるべき性質のものではなかった。また、現状の06でも充分に連邦軍に対抗出来ると言う根拠のない意見も参謀本部内では根強く、06の生産を一時的にであれ停止させると言う事は現実的ではなかった。  そこで白羽の矢が向けられたのが、既に開発が頓挫しかかっていた07の計画案だった。07は、最初から装甲強化を目指したモビルスーツであったが、その装甲強化案に対して充分な出力を得られるジェネレーター及び推力を得られるスラスターが存在しなかった事がネックになっていた。  しかし、空間戦闘を考慮しないで良いと言うならば話は別だった。空間戦闘用の装備を全てオミットし地上戦闘のみを考慮すべし、と言う兵器局の発案は、頓挫しかかっていたMS−07に再び息を吹き返させた。新たな開発計画に対して兵器局が求めた性能は以下のようなものだった。 1)地上走破性能をMS−06の130%以上とすること 2)ショックアブソーバーの接地時の負荷係数をMS−06の140%増しとすること 3)主要部を110ミリ以上の複合装甲とし120ミリマシンガンの直撃に耐えうるものとする 4)専用のシールドを装備可能とし、シールドは、対角45度で120ミリ砲弾を防ぎうるものとする 5)機体内に近接戦闘用の固定武装を装備させること  こうして、0078年12月から始まった地上戦闘専用モビルスーツMS−07の開発は、下案に沿うような開発計画であったため想像するよりもスムースに進展し、僅か3ヶ月の試作期間で最初の先行量産型のロールアウトに成功した。  こうして完成したMS−07は、以下のような基本性能を有していた。  全高          18.2m  基本重量        48.5t  全備重量        81.2t  ジェネレーター出力  14600kw  スラスター推力    180.6t×2  また、武装は、左手部に75ミリ弾発射装置5基、右腕部に電磁ムチ1基を固定武装で装備し、専用シールドに新式のヒートサーベルを装備出来た。  走破性能はMS−06の115%増しでしかなかったが、既に開始されていた地上侵攻作戦を鑑み、MS−07は、GOUF「グフ」の名を与えられて即時正式採用決定がなされ量産が開始された。  戦闘が、混迷を始めた6月には、MS−07で編成されたモビルスーツ隊がアジア地域を中心に投入し始められた。  しかし、MS−07は、ジオン軍が期待したほどの主戦力とはならなかった。新式のヒートサーベルが、ほとんどまともに機能しなかったこと、左手部、右腕部に装備された固定武装が頻々とした動作不良を起こしたこと、ショックアブソーバーの耐用性が、戦場での過酷な使用実態に追いつかなかったこと、等からMS−07の稼働率が、常に7割を超えることが無かったためである。  特に、両腕の固定武装は、機構が複雑な上、現地での補修が実質的に不可能だったことや、左手の汎用性がほぼ皆無に等しかったことなどから7月以降は、内蔵武装のないMS−06の腕を装備したMS−07が、戦場に現れるに到った。  そして、最も不幸だったことは、MS−07自身が内包している問題ではなく、本機の投入時期そのものだった。  MS−07が、戦場において充分な数が揃う頃には、宇宙における制宙権も絶対的なものではなくなっていたため、生産されたMS−07の多くが、戦場である地球に到着を待たずして宇宙空間で失われて行った。  また、無事に到着したMS−07も拡大しきった戦場に少数機が逐次投入される結果となり、各個撃破される結果を招くことになっていった。  さらには、連邦軍も対モビルスーツ戦闘にほとんど完熟してしまっていた。地上に於ける各兵科の組織的な戦闘力をもって対抗するようになった連邦軍地上部隊や、誘導兵器に頼らない直接照準による航空攻撃などによってジオン軍モビルスーツ部隊は、地球降下作戦初期に見られたような電撃的進撃を行なうことが不可能となっていた。そればかりか、戦場によっては後退を余儀なくされる局面も散見されるようになっていた。  圧倒的な組織力に加え、連邦軍に対してMS−07は、さらなる不遇を囲うことになってしまったのが、連邦軍のモビルスーツ戦力の投入だった。連邦軍が、投入してきたモビルスーツ、RGM−79は、単機そのもの性能でもMS−07を凌駕しており、数もまとまって投入されてきた。特に装備するビーム火器は強力でMS−07を始めとするジオン軍モビルスーツ戦力で正面から対抗可能なものはなかった。また、ほとんどモビルスーツのみで戦場を支えなければならなかったジオン軍に対し、連邦軍は、モビルスーツをも加えた総合戦力、というかたちで本格的な反抗を開始した。その結果、少数でしか投入出来ず、更に加速度的に稼働率の落ちていくMS−07は、全く期待された戦力とはならなかった。  ジオンにあって、非常な期待を持たれて戦場に投入されたMS−07だったが、配備機数そのものも9月をピークにし、その後急速にその数を減らすことになった。戦場で喪失するMS−07をカバーしきれなくなったことも一因だったが、新たに生産が開始され、主戦力と見込まれるようになったMS−09シリーズや水陸両用型にその重点が移っていったためだった。  改良を重ねるあまり、生産数そのものも伸び悩んだ本機だったが、それでも終戦までに800機余りが生産され、そのうち戦場に投入されたのは400機余りでしかなく、計画当初期待されたような活躍を見せることなく終戦を迎えることとなった。

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