急な夕立ちだった。

桜藤祭から小早川さんは何かと気を利かせて2人でいさせてくれる。
「卒業までちょっとなんだから、2人でいていいよぉ」
とのことらしい
その言葉に甘えて今日も放課後を一緒に過ごしていた。
そこに雨が降ってきて2人で急いで校舎の方へ戻ってきた。
適当に座るところを見つけ、そこに座った。

座ってからは俺は罪悪感と背徳感のはざまでみなみから視線をそらしていた。
みなみが不思議そうに俺を見つめているのがわかる。
「あっ・・・」
みなみが理由に気付いたらしい
そして、みなみが顔を赤らめる。
・・・・・・
俺の学生服をかけてみた。
「え、いいよ、すぐに乾くし、それに風邪ひく」
「じゃあ、乾くまででいいよ」

 

不意にみなみが体を倒してきて膝枕の形になった。
「風邪ひいたら看病します。あの・・・私、保健委員ですから」
さっきのとは違う理由でみなみの顔が赤くなる。
「うん、その時はお願いするね」
もっと気の利いた言葉かけろよ俺。

2人に心地よい沈黙が流れる。
「あったかい」
みなみが口にした。
さっきの雨で体は冷えている。けどみなみが言おうとした意味はなんとなくわかる。

 

携帯の着信音が鳴った。
みなみが体を起こして電話に出る。
「・・・うん、・・・わかった」
ふと別なところへ視線を向けると、こなたさんが俺の方へ向かって親指を立てているのが見えた。
「ゆたか、今日は泉先輩と帰るって」
こなたさん、小早川さんGJ、
電話を切るとみなみがまた俺に倒れてきて膝枕の形になった。
「もう少し、こうしてていいですか」
もちろん断る理由は無い


次の日、俺は風邪をひき学校を休み、みなみが家にお見舞いに来てくれた。
なんて甘い話は無いわけで、だいたい高3の男子があれくらいでは風邪はひかない。
けど、みなみに心配はかけなかったから良いかな。

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最終更新:2008年04月11日 09:21