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「おじゃましまーす」
「どぞどぞ、散らかった部屋っスけど。
 あ、お茶淹れてくるのでそこの椅子にでも座っててくださいっス。PCも使ってていいっスよ」
「……マジ?」
「……メールとお気に入りとマイドキュメントは勘弁っス」
「ん。じゃあ昨日教えてもらった動画サイトでも見てるよ」

ドアの閉じる音がする。次いで廊下を歩く音。
今、俺は幾多の苦難を乗り越えてひよりちゃんの部屋に来ていた。

「長かった。何度言っても全力で見逃せとか言われたり
 気付いたら俺の部屋に行ってたりしたし」

特に後者、突然決まったせいで部屋がロクに掃除できてなくて……

「あ、あの時は片付けてなかった本が……!
 本が! 窓に! 窓に! らりるれろ! らりるれろ!
 あqwせdrftgyふじこlp」

落ち着け、落ち着け俺! ひよりちゃんは寛容だったじゃないか!

……ただ、視線が微妙だったのは間違いないけど!


「自分は書いてるくせに……彼氏のエロ本はダメですかそうですか。
 その同人誌も全然見せてくれないし」

軽く男泣きしてみた所で、心になにやら暗い感情が沸き起こってきた。
復讐。そんな単語が脳裏にちらつく。

「よし、ここから数分間俺はフリーダム!
 そして行いは全てジャスティスかつディスティニー!
 まさしく俺のエンペラータイムの始まりだ!」

……と大暴れするつもりもなく、大人しく動画サイトに繋いでみる。
付き合っているとはいえプライバシーは重要です。
携帯を見るとかメールを確認するとかそういった行為はダメ、ゼッタイ。

「そもそも、報復なんて不毛だし」

復讐は復讐を生む。そして泥沼の戦争になる。世界史で学んだ数少ない事の一つだ。
なんて言ったら黒井先生に殴られそうだけど。

「それに、俺の部屋にはあれよりもっと見られたくないものが一つや二つは……三つや四つ?」

ともかくあの本ぐらいなら許容範囲。なので大人しくしておくというのが気遣いというものだ。
素直に動画サイトを見てニコニコするのが円満の秘訣だろう

正直ここのネタがやりたかった、反省していない

「――にしても、この動画変な中毒性あるなぁ」

読み込みが完了し、流れはじめた動画を見る。
動画自体もさることながら、曲がヤバい。

「……やば。何か変なの閃いた」

とあるフレーズが頭に浮かぶ。

「……ひよひよーひよりーひよりひよひよー」

口ずさんでみた。
ヤバい、止まらなくなる。
「かっわいっいよ! かっわいっいよ! ひっよりんりん!」
「ちょ、先輩何歌ってるっスかー!?」
「え、あ……」

み、見られたーっ!? っていうか聞かれたーっ!?

「永遠のとかじゃなくて現役、しかもまだ16っスよ!?」
「突っ込みどころそっちー!?」
「いや、他にも色々あるっスけどまずはそこかなーと」
「……まあうん、なんていうかこう。
 ムシャクシャしてやった、今では反省している」
「……先輩、すっかりオタに染まったっスね」


「どぞ、ストレートで大丈夫でした?」
「うん、ありがとう」

ひとまず色々と落ち着かせ、二人で紅茶を飲む。

「それにしてもさ、ひよりちゃんの部屋凄いね」
「やー、色気も何も無い部屋でお恥ずかしいっス」
「そんな事無いよ? 彼女の部屋ってだけでも結構緊張するし」
「ちょっ!」

何か急にひよりちゃんの顔が赤くなった。
きっと照れているのだと、それはわかるものの、その理由がさっぱりわからない。

「…………不意打ちは反則っスよ」
「……どういう事?」
「あー、いえ、こっちの話っス。
 そ、それより! さっきの動画なんでスけど」
「ああ、アレ? 今日学校でこなたさんにオススメされたんだよね」
「へぇー。で、先輩的にどうっスか?」
「どういう意味?」
「萌えとか萌えとかそういう意味っスよ!」
「……うーん、萌えは無いかなぁ。ネタの方が強いし」
「元のキャラはいい感じっスよ? あ、ゲーム持ってるんで貸しましょうか?」
「うん、でも萌えはあんま期待しないでね」
「へ、どういう事っスか?」
「なんていうかさ……こう、萌えとかそういうのがピンと来ないんだよね。
 好きなキャラとかは居るんだけど……まあ、なんていうか」
「……ま、まさかー」
「多分予想通り。ひよりちゃんの顔が浮かんでくるんだよね」
「……あ、えっと、どもっス」

今度の赤面ははっきりと理由がわかった。
俺はひよりちゃんの方へと身を寄せる。

「ひよりちゃんは? 俺の事、浮かんだりしない?」
「……ま、まさか。 先輩ドSスイッチが入っちゃいました?」
「多分? で、どうなの?」
「え、えーっと……顔は、そんなに。
 女の子に萌える方が多いでスし」

と言いつつ視線を逸らすあたり、あからさまに怪しい。
がしっと掴んで見つめてみた。

「……それっスよ」
「んんー?」
「ドSキャラに萌えられなくなったんスよね。
 なんていうか、先輩が……アレなせいで」


「先輩が私限定で苛めてくるから……こう、物足りなくなったというか。
 頭の中で先輩の声がオート再生されるようになったというか」
「……へぇ?」
「っ!」

意識して低い声を出してみた。
こうかはばつぐんだ!

「なるほど……こういうのに弱いんだ?」
「……先輩の意地悪。
 責任、取ってくださいね?」
「……ひより」

目を閉じるひより。
そして俺はゆっくりと彼女を横たえさせて――

省略されました。続きを見るにはワッフルワッフルと(ry