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「おじゃましまー…す」
「どんぞどんぞ」
「こなたの部屋って初めてだよね」
「そういえば、そだね。てきとーに座ってよ」
「うーん。なかなか想像通りというか。でも実際見るとすごいな」
「ちょ、人の棲家をみせもんのよーに…」
「いろいろ見ていい?なんか楽しそう」
「いーよ。でもタンスとクローゼットとベッドの下は禁止ね」
「下ってことは、タンスとクローゼットの中はOK?」
「なんかおかしくないかな?かな?」
「冗談だって。…あ、この人形って桜藤祭の」
「うん、凛とセイバーだよ。最近は流行ってればとりあえず
フィギュアになるからね。バイト代だけじゃ取捨選択が難しいよ」
「すっげぇ細かい。よくできてるなぁ」
「凛のほうはパンツも見えるんだよ」
「…見ないよ」
「とか言いつつ、実は興味津々の少年であった」
「なんのことだか。…あれ、こっちのはずいぶん小さいね。しかもいっぱいある」
「んー、どれ?…ああ、ねんぷちか」
「ねんぷち?」
「ねんどろいどぷち。いわゆるトレフィグだね」
「トレ…まあいいや。これって、かがみさんが貸してくれた小説のだよね。えっと、ハルヒだ」
「そ。まあ、私はアニメしか見てないけどね。ふたつみっつ持ってきなよ。遊ぼ遊ぼ」
「ん、じゃあこれとこれと…」
「さて、この中でみくるはどれでしょう?」
「そのくらいわかるよ。このフリフリしてるコでしょ」
「せいかーい。ちなみに、こっちもパンツが見えるんだよ」
「だーかーらー…」

―――――――――――――――

『ぱっ…ぱんつ…!?』
『こなたの彼氏を牽制するついでにお茶を持ってきたが…』
『中は一体なんの話をしているんだ?』
『いますぐドアを蹴破りたい…!』
『しかし、落ち着くんだそうじろう。まだ破廉恥な行為に及んでいると決まったわけではない』
『それともお前は、自分の娘を信じられないのか?』
『うむ、そうだな。ここは娘を信じて…とりあえず聞き耳を立てよう』



「ほれほれ、ぱんつだよ~」
「…見せるなって」
「ふふん。うぶい反応でかわいいのう。まあこのくらいにして進ぜよう」
「…なんか癪だ」
「ねんぷちはねぇ、組替えがきくから中々面白いんだよ。たとえば、こうやって頭を…」
「うわ、首がとれた」
「その辺は割り切らなきゃ。で、今度はスカートも脱がしてだね」
「ねえ、そんなにしちゃっていいの?」
「ま、減るもんじゃないし~」

―――――――――――――――――

『む、聞こえたり聞こえなかったり…』
『…なにか、スカートを脱ぐ、的な会話がなされていたような…』
『というか、減るもんじゃないだと?』
『なんて悪代官的な台詞だ!』
『しかもこなた、お前が言ってどうするんだ。女の子だろう!?』
『そろそろ踏み込むべきか?踏み込むべきなのか?』
『俺はどうしたらいい。教えてくれ、かなた!』

(…そんなことを訊かないでほしいな…)


「へえ…表情も取り替えられるんだ。けっこう面白いね」
「…ねえ、ちょっといいかな。耳貸して」
「え?なんで?」
「いいから」
「うん…」
「…あのさ。多分なんだけど、ドアの外にお父さんがいると思う」
「…えっと、どういうこと?」
「知らないよ。聞き耳立ててるんじゃないかなぁ」
「俺、信用されてないんだ。ちょっと落ち込むな」
「もー、やめてほしいよ。娘を信用できないのかね」
「でも、父親って多かれ少なかれそんなもんじゃない?
気持ちはすこーしわかるかも。で、どうするの?」
「…いきなりドア開けてやろうかな」
「それも可哀想じゃない?こなたが可愛くてやってるんだろうし」
「親の心子知らず、だよ」
「使い方が」
「盗み聞きするほうが悪いんだよ」

――――――――――――――――

『なんだ?なんだ!?急に声が止んだぞ?』
『これはもう、すでにそういうふいんきなんじゃないか?』
『なぜか 変 換 できない!!!』
『ええい、慌てるな。とりあえずノックをするべきだ』
『いやしかし、それでは現場を押さえられないかもしれん』
『…現場ってなんの現場だよ!!』
『こなたには悪いが、やっぱり前触れなしで入らせてもらうぞ!』
『なんとかして間をハズしてやれば、もうそんな雰囲気にはならないはずだ!』
『…うむ。今度はちゃんと変換できた』
『準備はいいか?父親の威厳を立ち昇らせながら入るんだぞ』
『まずは背筋を伸ばしてだな…』


「さて。そんじゃ、不埒なお父さんに制裁を加えてあげようかね」
「…その前にさ、こなた」
「んー?」
「キスしていい?」
「…は?」
「顔寄せてたら我慢できなくなってきた」
「ちょ、すぐそこにお父さんが…」
「少しならバレないって。ノックくらいするだろうし」
「むぅ……じゃあ、ちょこっとだけだよ」
「それって、何秒くらい?」
「…10秒?」
「あんまちょこっとじゃなくね?」
「そこは、ほら。私だってその…イヤなわけじゃないし…」
「…そのかわいさはヤバい」
「余計なこと…言わないでいいよ」
「こなた…」
「んふ…む……っ」

(…あらあら)


『よし。心は決まった』
『すまないがこなた、お前のためだ』
『あくまでさりげなく、それでいて毅然と…』

(ねえ、そう君。もう少しだけ、入らずにいられない…?)
(あと5秒くらいで、終わるはずだから…)

『これも男親の務め…』
『こなたに恥をかかすかもしれんが、致し方あるまい!』
『行くぞ!』

(待って、お願い。もう少しだけ…)
(なな…はち…)
(だめ、開けちゃ――――)

「こなた!お茶を汲んで来たぞ!」
「…お邪魔してます」
「お父さん、ノックくらいしてよ…」
「お、すまん。気が付かなかった。で、ふたりでなにしてたんだ?」
「…フィギュアで遊んでたんだけど」
「そうか。天気もいいんだし、外を歩くのもいいんじゃないか?」
「そんなのはこっちで決めるよ。もう、お父さん締め切りはいいの?」
「おお、そうだったそうだった。それじゃあ、君。ゆっくりしていってくれよ」
「あっ、はい。ありがとうございます」
「うむ。それじゃ」


『…はあ』
『俺、なにしてるんだろうな』
『結局、なにもしてなかったじゃないか』
『こなたが選んだ男なら、素直に認めてやれないのか?』
『ほんっと、器が小さいったら嫌んなるよ…』
『俺がこんなふうに躍起にならなくっても、心配いらないんだよな』
『こなたはあれでちゃんとした子だし。それに…』
『かなただって、見てくれてるはずだもんな』
『…さて。さっさとゲラ送り返して、次の原稿上げちまうか!』


(…ああ、どきどきした)
(ぎりぎり間に合って良かったわね、ふたりとも)
(そう君があんなもの見たら、きっと卒倒しちゃう)
(でも、こなた?いくら彼氏が素敵だからって、あんまりいやらしいことしたら、お母さんも黙ってないわよ?)
(けど、それは彼氏に言うべきかしら)
(ふふ…)

「あー、ドキドキしたっ」
「ギリギリ間に合ったな」
「…もう、バカ。お父さんがあんなもの見たら、きっと卒倒しちゃうよ?」
「そうかもね。…というわけで、こなた」
「なにさ」
「続き」
「お、臆面もなく言うかなぁ」
「今度は、何秒?」
「…別に、制限ないけど…」
「そりゃいいや」
「…ねえ」
「ん?」
「する前に、言うことない?」
「…あれも、けっこう恥ずかしいんだけど」
「だめ。言うまでさせないかんね」
「…好きだよ。こなた」
「それから?」
「…愛してる」
「ん。ごーかく。わたしも、だいすきだよ…」
「…じゃ」
「…あ…んっ…」
「やふー!こなたー、遊び来たよー!」
「んふっ!?」
「なっ…成実さん…!」
「ぅおーっとととぉ!これはとんだシーンに直面しちまったい!」
「…み、見ました、よね?」
「いやいやっ、成実ゆいなんかここにはいないよ?なんも見てないしなんも知らない。
だから気にせずゆっくり…ね?そいじゃっ!」
「…」
「…」

(…ごめんね、ゆいちゃん)