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ちょこん、てさ。立ってるんだよ。教室の入り口で。
つかささん達とメシ喰う時は、当り前みたく入ってくるくせに。
こっち見ないようにしてさ。顔とか、ちょっと赤くなってんの。
早く見つけてこっち来なさいよ、ってか?癪だから、軽く焦らしてやるんだ。

つかささん、テストどうだった?
みゆきさん、そのうち勉強教えてよ。
こなたさん、いいかげん起きたら?

ほらほら、機嫌わるくなってきた。あれは、さっさと気付きなさいよって顔。
可愛いな。
気付いてないとでも思ってんの?
遠くから、ほんの少しだけ不安そうな顔で俺のこと見てさ。
放っといたら、泣いちゃうんじゃない?それも、すごく見てみたい。
でも、このくらいにしとくかな。なぜって、俺が我慢できないから。
ふたりで、弁当食べるんだよな。屋上いって、人のいないところ探して。
立ち上がって、呼んでやるんだ。もう、呼び捨てでいいよね?
ほら笑った。で、すぐに怒ったフリするんだろ。俺も、謝るフリ。
こなたさんに茶化されないうちに、さっさと歩き出すのな。

階段昇って。…え?
下からって、スカートなんか覗いてないよ。でも、その手があったか。
いつものドアを開けて、屋上へ。
あ、けっこう風があんね。そろそろ、メシ喰うには寒いかも。
いい加減、生徒も少ないみたい。
今、好都合だって思っただろ。
俺も。
あの辺り、誰もいないんじゃない?
正確に言うと、誰からも見えない。
タオルケットを敷いて、と

座ると、すぐにくっついてくる。
寒いから、とか言ってさ。なにかしら理由つけて、毎回こうするクセに。
食べてる間は、無言。お互いにいろいろ意識してんの。笑っちゃうよ。
え、卵焼きくれんの?ありがと。うん、こないだより、うまいよ。
これだけで、真っ赤。早く食べなって。
ん、終わった?お茶飲みなよ。

で、また沈黙。
しょうがないんだよな。
受験が終わるまで、ふたりきりになるのはここだけ、って決めてるし。
その反動でさ。この時間は、ものすごく大事なわけで。
それがお互いに照れくさくて。だから、きっかけ作んのはいつも俺から。
手ぇ握ると、こっち向くの。
でも、いきなり眼は見てこない。俺の肩の辺りを、ちらちらって。
なにやってんだか。そんなキャラかよ。死ぬほど可愛いよ。
名前呼ぶと、やっと眼を合せてくる。
そしたら、もう全力で見つめてやるの。はぐらかそうとしても、無視。
ずっと、見つめる。ほら、潤んできた。
俺も、ここが限界。
これ以上切なくなったら、たぶん死ぬ。
空いてる手で、肩を掴む。むこうも、俺の胸の辺りを掴む。
同じことしたら、どうせ殴るくせに。
でも、ひょっとしてそろそろセーフなのかな。
それは、今度でいいや。もう、お互いの唇しか見てない。
今日は、ちょっと乾いてんだね。
じゃ、するよ。

ん。
ああ、これだよ。すげえ、幸せ。
なんか。なんだろ。わかんない。
だめだ。ごめん。好きだ。
肩とかじゃなくて、抱きすくめる。
足りない。座ってるから、ひっつけないんだよ。
だからさ。寝ちゃえよ。下、敷いてんだし。俺が、上な。
ほら。これなら、くっついてられる。
すごい。熱い。ごめん。止まんないかも。
腕から、伝わってくる。求めてる。でも、躊躇してる。
そんなの、俺が。いまから、破ってやる。

待てって。俺、馬鹿かよ。こんなところで、なにも出来ないだろ。
ごめん。離れるよごめんな。
また、見つめあう。
やめろって。
なんで泣くんだよ。
そんなに、怖かった?

首振ってる。そんなことない、って。
違うだろ。突き放せよ。普段みたいに。
そんな顔するなよ。
そんなもの見たら、俺。
ずっと一緒にいないと、駄目になっちゃうだろ。

なんか、聞こえる。
予鈴だ。ほら、起きなよ。
ティッシュしかないけど、顔ふいて。
制服、崩れたね。髪も乱れてる。あと十分で、直せるかな。
無理しないでいいよ。ふたりして、遅刻しよう。

え?
出来るわけないって、まあ普通はそうだろうけど。
なんか。急に元気になったね。
でも、やっぱりその方がらしいよ。
待ってよ。そんなに先行くなって。
明日は、みんなと食べるんだろ。じゃあ、また来週か。
間違いなく、いるからさ。間違いなく、立ってろよな。
教室の前で、ちょこん、てさ。
すぐに見つけるって、約束するから。