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「うーん…。どれにしよう…」
私は明日の服装で悩んでいた。友達と出かける時はこんなに悩んだことなかったのになぁ。まぁそれというのも、

「あーっ!こんなことなら先輩の服の好み聞いておけばよかったよ~っ」

そう、明日はついに先輩との初デートなのだ。そりゃこんな私でも気合い入りますよっ!だけど困った事が1つあって…

「事前に日にちが決まってたらもっとゆっくり準備できたのに~っ」

デートする事が決まったのが今日なんだよね…

昼休み、私はいつものようにゆたかちゃん、岩崎さんの3人で学食で昼食をとっていた。

「それでねー。…あれ?ねぇ田村さん、あそこにいるのって真堂先輩じゃない?」
「ん?…あ、ホントだ」
「…席、探してるみたい…」

岩崎さんの言うとおり、先輩はあたりを見回しながら席を探してるみたいだった。あ、こっちに気づいた。先輩がどんどん近づいてくる。

「やっほ。田村さん、小早川さん、岩崎さん」
「先輩、こんにちは」
「こんにちは…」
「こんにちはっス。先輩、今からお昼ですか?」
「そだよ。ちょっと黒井先生にこき使われてさ、おかげで席全然空いてないんだ。マジまいっちゃうよ」
「あ、ならここ座りませんか?」

ゆたかちゃんが指した場所は私の隣。

「ありがたいけど…お邪魔しちゃっていいの?」
「いいですよ。大勢のほうが楽しいですから」
「私も…構いません」
「さ、先輩。どうぞ」
「ありがと。そんじゃお言葉に甘えよっかな」

思いがけない形で先輩とお昼を一緒にとることになった。そういえば、付き合い始めてからお昼一緒にとるのは初めてかも。ゆたかちゃんGJっ!

それからしばらく、食事をとりながら話をしていくうちに話題が私と先輩の事になった。

「そういえば、先輩と田村さんってもうデートってしたんですか?」
「でっ!?デデデデートぉっ!?」

いきなりの質問で戸惑ってしまった。ふと岩崎さんの方を見ると、興味ありげにこっちを見てた。

「そ、それはまぁ…まだ、なんだけど……」
「そーなんだぁ」

ちょっとガッカリした様子なゆたかちゃん。岩崎さんも心なしかそんな感じだ。そんな2人を見ていたら、不意にさっきから考え込んでたような先輩が口を開いた。

「ねぇ田村さん」
「ん?なんですか?先輩」
「明日暇ならデートしない?」

……その場にいた先輩以外の時が止まった。そして数秒たってから、

「「え~~~~っ!?」」
私とゆたかちゃんは同時に声を上げていた。さすがの岩崎さんも開いた口が塞がらない様だった。

「んで、どうする?」

ど、どどど、どうするとイワレマシテモッ!私が返答に困ってると先輩は少し不安そうな顔をして、

「もしかして、なんか用事あったりした?」

なんて聞いてきた。私は余計に焦ってしまい、

「いいいいえっ!用事なんて無いです0です皆無ですってゆうか暇すぎて1日中家でゴロゴロしてようかなと思っていた所存でありまうっ!」

なんて意味不明でカミカミな返事をしてしまった。けど、それを聞いた先輩は笑顔になり、

「良かったぁ。それで、改めて聞くけど明日俺とデートしてほしいな」

って言ってきた。私は驚きやら嬉しさやら恥ずかしさやらで顔を真っ赤にしながら、

「…はぃ」

と俯きながら言うので精一杯だった。

それから家に帰ってくるまでのことはよく覚えてない。あんな衝撃発言されたもんだから、私の頭はずっと熱暴走したままだった。落ち着き始めたのは、家に着き、制服を着替え、ベッドに横になってからのことだった。

「明日は先輩とデート…」

口にするだけでまた顔が熱くなってきた。自然と顔がほころんでしまう。

「どこに行くのかなぁ。何するんだろう?もっ、もしかしてそんな事までっ!キャーッ!!」

妄想垂れ流しの状態で枕を抱えベッドの上でゴロゴロ…

ゴッ!

壁に激突した。
その衝撃でようやく妄想の中から戻ってきた私は、早速明日の準備に取り掛かり始めた。

まずは服装だ。そう思い勢いよくタンスを開けた……のだが、

「うーん…どれにしよう…」

30分経っても全く決まらない。服装でこんなに迷うなんて生まれて初めてかも。

「あーっ!こんなことなら先輩の服の好み聞いておけばよかったよ~っ」

だからといって今聞くってのもおかしいしなぁ。

「事前に日にちが決まってたらもっとゆっくり準備できたのに~っ」

次第に焦り始めてしまう。も~っ、どうしよ~っ!と、そんな時私の頭にある人が浮かんできた。

「そうだっ!あの人に相談してみよう!」

思い立った私は携帯を手に取り電話をかけた。

「もしもし、ひよりん。一体どうしたの?」
「こうちゃん先輩、実は相談したい事がありまして…」

「ってなわけなんです。」
「おー、ようやく真堂先輩とデートか~。んで、私の力を借りたいと」
「はい。1人だとなかなか決まらなくて…」
「それにしても…」
「?」
「オタク道まっしぐらだったひよりんが、そんな乙女な悩みで連絡をくれるなんてねー」
「こ、こうちゃん先輩…///」
「もしかして、オタクは卒業?」
「いえいえ。先輩はその事を受け入れてくれましたから、それについては変わりなしっス」
「そっか。いい彼氏を持ったね」
「…はい///」
「おっけ!可愛い後輩の為にこの私がひと肌脱ごうでわないかっ!」
「ありがとうございますっ!」
「とりあえず今からうちに来れるかな?服のこととか色々あるし」
「分かりました。今から向かいますね。」
「ん。待ってるよー」

こうして私は長くなりそうな今夜と明日の先輩の笑顔に思いをはせつつこうちゃん先輩の家へと自転車を走らせた。