無題(みなみ)
急な夕立ちだった。桜藤祭から小早川さんは何かと気を利かせて2人でいさせてくれる。「卒業までちょっとなんだから、2人でいていいよぉ」とのことらしいその言葉に甘えて今日も放課後を一緒に過ごしていた。そこに雨が降ってきて2人で急いで校舎の方へ戻ってきた。適当に座るところを見つけ、そこに座った。座ってからは俺は罪悪感と背徳感のはざまでみなみから視線をそらしていた。みなみが不思議そうに俺を見つめているのがわかる。「あっ・・・」みなみが理由に気付いたらしいそして、みなみが顔を赤らめる。・・・・・・俺の学生服をかけてみた。「え、いいよ、すぐに乾くし、それに風邪ひく」「じゃあ、乾くまででいいよ」
不意にみなみが体を倒してきて膝枕の形になった。「風邪ひいたら看病します。あの・・・私、保健委員ですから」さっきのとは違う理由でみなみの顔が赤くなる。「うん、その時はお願いするね」もっと気の利いた言葉かけろよ俺。2人に心地よい沈黙が流れる。「あったかい」みなみが口にした。さっきの雨で体は冷えている。けどみなみが言おうとした意味はなんとなくわかる。
このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー と 利用規約 が適用されます。
1文字以上入力してください
本文は少なくとも1文字以上必要です。
1文字以上入力してください。