岩崎みなみの溜息4
みなみ「・・・・・・ど、どうぞ、粗茶ですが」「ありがとう、岩崎さん」先輩が、いる。私の目の前に。こんな時間に。母「いらっしゃい。お家遠いんでしょうに、よく来たわねぇ」「すみません、こんな時間に。すぐ帰りますから」母「いえいえ、ごゆっくりどうぞ。なんなら泊まって行きます?」「・・・え、ええっ!//////」みなみ「・・・っ!!お、おかっ・・・」母「ふふふっ、冗談っ。帰りはタクシー呼んであげるから、気にせずどうぞ。じゃあね~」「は、はぁ・・・///」みなみ「/////////」母は、ずっと目をキラキラさせたまま、部屋から出て行った。新しいおもちゃをもらった子供のような目・・・なんとなく、みゆきさんのお母さんを思い出した。あとでどうなるか、考えるだけでも気が重い。・・・でも、今はもっと重要なことがある。それに集中しよう。・・・そう、先輩のこと。・・・住所は教えてあったけれど、先輩が家に来るのはこれが初めてだ。実際、何度か迷いかけたらしい。・・・なんて、行動力。なんて、人。わかってはいた、けれども。みなみ「・・・・・・ハァ・・・」「・・・ご、ごめんね岩崎さん。びっくりしたでしょ」みなみ「・・・当然です。説明して下さい」
「説明っていわれてもなぁ・・・」みなみ「・・・ですから、何故来たんですか?」当然の質問。何故。どうして。「何故って言われても・・・どうしても岩崎さんに会いたくなったから、としか」みなみ「あっ///いえっ・・・そっ、そうではなく、何故こんな時間にわざわざ?話なら電話で・・・」「そう、それ」みなみ「・・・えっ?」「さっき、電話で話したとき。様子がおかしかったから」みなみ「・・・・・!」先輩・・・気づいて・・・みなみ「・・・い・・・いえ・・・そんな・・・私は、別に・・・」「メールじゃなくて、わざわざ電話ってことは、直接話して聞きたいことがあったってこと」みなみ「・・・っ・・・」「でも、やっぱり話しにくくて、やめた」みなみ「・・・ぅ・・・」「たぶん、明日になれば、岩崎さんが独りで結論づけて、話してくれなくなっちゃうから」みなみ「・・・ぁぅ・・・///」「だから、今日、聞きに来た。岩崎さんが、まだ悩んでる内に」みなみ「・・・・・・・・・せん・・・ぱい・・・」やっぱり、なんて人。
私のことなんて、全てお見通し。とてもかなわない。「・・・話してくれる?何を悩んでたのか」みなみ「・・・はい。」・・・私は、観念することにした。ここまで来てくれた先輩に負けて。・・・それに、思い出したから。あの時、ゆたかと、二人で決めたこと。思いに、フタをしないこと。もちろん、誰かを想うからこそ、秘密にしたい思いもあるだろうけど。それが、人を少し傷つけることもあるかもしれないけれど。思いは水と同じ。溜まれば、澱んでしまうから。みなみ「・・・先輩」「・・・うん」私は、聞きたい。先輩の、あの時の、思いを。みなみ「・・・先輩、私、今日・・・告白されたんです」「えっ・・・はっ?えぇっ!?」
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