そのさん、放課後。
「さて、帰るか……」
「ともくーん、一緒に帰ろー、校門までー」
「校門までって、なんかえらく中途半端な……」
「いやいやー、この後バイトがあるしね」
「ああ、それならしょうがないか。そういやコスプレ喫茶でもバレンタインでイベントとかやるの?」
「もちろん。それを楽しみにしてるお客さんもいるしねー。今日はお客様ご主人様のためにチョコをばらまく愛の天使になるのだー」
「いろいろ大変だねぇ」
「ネトゲでもバレンタインイベントでチョコ配ってるし、忙しいよー」
「はぁ、さいですか……」
「でも、大切な人に一番いい物をあげるのは忘れてないよ?はいっ、どーぞっ」
「って、ええっ?」
「なかなかあげないから貰えないかもって思ったでしょー。それに放課後の校門でプレゼントするのってフラグ立ちそうなシチュじゃない?」
「かなわないなぁ、こなたには」
「こなたさんの愛情たっぷりのチョコだぞ-、堪能してくれたまへー」
「ありがたくいただかせていただきます。こりゃホワイトデーのお返し考えないと」
「ゲマズとかのポイントでもいいよ?」
「俺滅多にその手の店行かないし。……キスだけじゃ駄目?」
「それちょっと恥ずかしいしそれだけじゃやだよー」
「って、もういい加減行かないとバイト遅刻じゃないのか?」
「あー、そうだったー。まだ一ヶ月あるからゆっくり考えてねー、じゃー」
「おう、がんばれよー。……愛情たっぷりのチョコかぁ……」
「こなたのやつ、うまくやったわねー」
「泉さんもなかなか大胆でしたねー」
「でもある意味こなちゃんらしいよねー」
「泉もなかなかやりよるなぁ」
「うわぁ、みんな覗き見してたのかよ!黒井先生まで!」
「そりゃこなたがあんた目の前にして素っ気ない態度してたら気にもするわよ」
「まぁ、あいつもリアルでちゃんとチョコあげられる相手がおることわかった訳やしな」
「そういや黒井先生もネトゲで…」
「わーっ、それ以上は…」
「どうせうちはリアルでもネトゲでもあげる相手がおらんのや………」
「あああっ!先生ごめん!」
---おまけ。---
「これでいかがでしょう」
「んー、白石にしては上出来だなー、うめーぞー」
「白石君もチョコレートケーキ美味く作れるようになったとはね」
「これだったらあきら様も喜ぶとおもうなー、がんばったねセバスチャン」
「ではこれを持ってあきら様の誕生日を祝うとしますか!」
「でもこうなってくるとホワイトデーに何作ってくれるか楽しみだよなー」
「え?」
「そうねぇ、他に作れるようになったいいだろうしね」
「あのー」
「わたしティラミスとかがいいなー」
「俺皆さんから何ももらってないんですけどー」
「あ、いけない、こんな時間。つかさ早く帰るわよ」
「あー、おねーちゃんまってー」
「わたしも早く帰って兄貴があやのから何もらったから聞きださねーとなー」
「あのー、もしもーし……」