ホーム編
西日が、少し眩しくなってきた。 帰りの電車を待っているはずが、もう5本ほど見送っている。 あと少し、ほんの少しだけ一緒にいたい。そう思いながら、ずるずると時間が過ぎていく。 まことに告白された。それを聞いて、やまとは泣きじゃくることしかできなかった。 なにに泣いていたのかは、自分でもよくわからない。 ただ、嬉しさや興奮より、ほっとしたような気持ちが強かったように思う。 言葉もなく、ただ並んで座っている。ふと、まことの視線を感じた。「…なぁに?」「え」「さっきから、こっち見てるから」「ああ。別になにってことでもないんだけど」「本当に?」「ん。まあ、やまとはもう俺の彼女なんだなってしみじみ思ってた」「なっ」
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