無題(やまと)2
「バカ!!」ぱしぃ――――――ん・・・俺の恋人である永森やまとが、俺の頬を叩く。「もう知らない・・・さよなら」いつもケンカはしてたが、今回ばかりはもう無理だろう・・・。でも、これでいいんだ・・・。3日後「先輩、やまととなにかあったんですか?」いつになく元気の無い俺に、八坂さんが声を掛ける・・・。俺は別にと答えたが、すぐに嘘だと見破られる。「やまとも全然元気ないし・・・教えてくださいよ!」あまりにも真剣に聞いてくるので、参った俺は、3日前のことを話した。「やまとと・・・別れた・・・?」「今回ばかりは確実にね・・・」「なんで?」「忘れてたんだ・・・俺は人を好きになっちゃいけない人間だってこと・・・」「・・・どういうこと?」「俺が大切にしたいものは、必ず傷ついてしまう。やまとだけは、傷つけたくなかったんだ・・・」八坂さんは涙を浮かべながら、俺の胸ぐらを掴みながら、叫んだ。「そんなのお前の勝手じゃないか!」「大切なものを守れない。これがどれほど情けない想いか、お前に分かるか!?」「わかんないよ!もう知らない・・・好きにしなよ!」そう言って、八坂さんは去っていった・・・。これで・・・いいんだよな・・・。
その日の夜、俺は自分のベッドに横になっていた。天井を見上げる。・・・滲んでる・・・違う。泣いてるんだ。「どうしたら・・・あいつらの事、嫌いになれるんだ・・・」その日は、そのまま寝てしまった・・・。次の日。教室でお昼を食べていた時だ。「どしたの、竜司くん?」こなたさんが声を掛けてきた。なんでもないと言いたかったが、言葉が出ない。「ほんとにどうしたのよ、あんたらしくもない!」「なにかお悩みでも?」「あたし達で良ければ聞くよぉ~」なんて言うか・・・泣けてきた。俺はこなたさん達に、事のすべてを告げる。「そう、だったんですか・・・」「なんか・・ごめんね?」「でもさ、どういう意味なの?大切なものを傷つけるって?」「昔なんかあったのぉ?」「うん・・・・・・こなたさん達、悪威留怒(ワイルド)ってチーム、知ってる?」かがみさんだけ頷いた。「ちょっと前まで暴れてた、暴走族よね?」次の俺の言葉に、四人とも絶句した。「俺、そこの特攻隊長だったんだ」
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