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「女の人」(2008/04/12 (土) 10:33:11) の最新版変更点
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冬の雨は、冷たいものです。<br /><br />
予報を見て、にわか雨がある事を知って、傘を置いてくる。<br />
私は、なにをしているんでしょう。やはり、浮ついていたのでしょうか。<br />
彼は、はじめから天気のことなど気にしていなかったようです。<br /><br />
とりあえず、雨宿り。憂鬱でないのは、この人のおかげ。<br />
手を繋いでいます。腕を、絡めてもいいでしょうか。少し、どきどきしますね。<br />
あたたかい。でも、寄り添っていると、どうしても胸を押し付けてしまいます。<br />
この胸は、あまり好きではありません。動き回る時は、疎ましいものです。<br />
こんなときも、彼はつい、私の胸を意識してしまうようです。<br /><br />
嫌ではありません。でも、もっと見て欲しいものが、あるんです。<br />
言ってしまいましょうか。小さな声で、彼の名前を呼んで。<br />
胸ばかりではなく、顔を。もっと、見つめ合いたい。<br />
ああ、恥ずかしい。彼の眼を見られません。自分で、言っておいて。<br />
はい。なんでしょう。そんな、謝らないで下さい。<br />
え…そんな突然。私も、好きです。あ、あ、そんなに、見つめないで下さい。<br />
待ってください。周りに人が。でも、このまま。ああ、いけません。<br />
顔が、近づいて、口が。あ…<br />
んん…<br />
ん…む…ぁふ……ああ……なんだか、不思議。<br />
この人を好きということしか、浮かびません。<br />
彼を愛しているだけの私。なんて、素敵。<br />
はむ…ん…んっ……はぁっ…<br />
甘くて、長いキス。ずっと、このまま。<br /><br />
…離れてしまうんですか?心が、寒くなります。<br />
あ、でも、今度は背中が。後ろから、抱きしめられて。<br />
これなら、胸も関係ありませんね。<br /><br />
でも、少し考え直したんですよ。<br />
もう、胸を嫌いだとは思いません。<br />
体中でこの人を愛する、私。この胸も、私の一部だから。<br /><br />
手を当てると、あたたかい。いつか、彼からも。<br />
はしたない想いでしょうか。でも、いいんです。<br />
この人の温もりの中で、私は女の人になっていくんですから。<br /><br /><br />
了</p>