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岩崎みなみの憂鬱1」(2008/04/09 (水) 16:40:38) の最新版変更点

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<div class="mes"> <p>自分が、駄目な人間だということは知っていた。<br /><br /> 家族以外とは、マトモに会話が出来なくて。<br /> いつも孤立して、独りでいて、いつしか、そんな自分にも慣れてしまって。<br /><br /><br /> ・・・それでも、少しは変われたと思う。<br /> 友達ができたから。守りたいと思える、大事な友達が。<br /> ゆたかが、いてくれたから。<br /><br /> ゆたかのおかげで、私は少しだけ前に進めた気がする。<br /> 何人か、友達も増えた。優しい先輩たちとも知り合えた。<br /><br /><br /> そして、・・・恥ずかしいのだけれど、その・・・好きな・・・人も、できた。<br /><br /><br /> 自分の世界が、瞬く間に広がって・・・まるで自分の体じゃなくなってしまったみたい。<br /><br /><br /><br /> だから、知ってしまった。<br /> 自分が知らなかった自分を。<br /><br /> 知らなかった。<br /><br /> こんなにも、自分は、弱くて、・・・醜い人間なのだと言うことを。</p> <p>そうして、先輩は私の隣に立って歩き出した。<br /> 近すぎず、遠すぎず。今の私と先輩を現しているかのような、曖昧な距離。<br /> 今はまだ、これでいい、とも思う。また、もう少し近づきたいな、とも思う。<br /><br /> どうしたいのかはよくわからないけど、不快ではない、恥ずかしいけど、心地よい悩み。<br /><br /><br /><br /><br /><br /> それが、ちくりと刺すような痛みに変わったのは、最近の話。<br /><br /> 変わったのは私でもなければ、先輩でもなく。<br /><br /><br /><br /><br /> ただ、ゆたかの居場所が変わっただけ。<br /> 今、ゆたかは・・・先輩の隣に。私の、反対側にいる。</p> <p>会話も、先輩の周りが、大半を占めるようになった。<br /><br /><br /><br /><br /> 並びが変わった事に戸惑っているわけでも、中心から外れた事を寂しがっているわけでもない。<br /><br /><br /> ただ、見えてしまっただけ。<br /> 今までは左右に見ていた二人を、同時に視界に入れた時に。<br /><br /><br /><br /> その中で、ゆたかが先輩を見ている眼を。<br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /> ・・・私と、同じ眼で・・・先輩を見つめるゆたかを。</p> <div class="mes">いつからだろう。知ってしまったのは。<br /><br /> ゆたか「あ、先ぱーい!」<br /> 「あ、小早川さん、岩崎さん、こんにちは。」<br /><br /> 優しい声。私の心を包み込んでくれるような、暖かい声。<br /><br /> みなみ「・・・こんにちは。」<br /> ゆたか「こんにちは。今お帰りですか?」<br /> 「ああ、日直でね。こなたさんたちはもう帰ってるよ」<br /><br /> そう言って苦笑いするあの人の顔も、たまらなく愛しくて、つい見つめてしまう。<br /><br /> ゆたか「そうなんですかー。じゃあ一緒に帰りましょうか。<br /> ・・・って、当たり前ですね。愛するみなみちゃんがいるんですしねっ」<br /> 「はは、そうだね」<br /><br /> 時折交わす冗談は、私があわてるのを完全に分かっていて。何度言っても止めてくれなくて。<br /><br /> みなみ「ゆ、ゆたか・・・///」<br /> ゆたか「あー、みなみちゃん照れてるー」<br /><br /> みなみ「//////」<br /> 「行こうか、岩崎さん」<br /> みなみ「・・・はい。」<br /><br /> それでも、いや、だからこそ恥ずかしいくらいに、私はこの人が好きなのだと思う。</div> </div>

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