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あふたー あ すとーむ ☆ かむず あ かーむ/シーン2・R【かがみサイド】」(2008/05/25 (日) 16:45:22) の最新版変更点

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<p>「…ゆうきくんっ」<br /> とぼとぼ歩く背中に、声をかける。<br /> 振り返る彼の表情は、いつになく沈んでいて、痛々しい。<br /> 「あ、かがみさんか…」<br /> 「開口一番、ごあいさつね」<br /> はっぱをかけるつもりの軽口。それでも彼の表情は晴れない。<br /> 「…やっぱ、つらい?」<br /> 言わずもがな、日下部とのケンカの件。<br /> 僅かに目を泳がせた後、ゆうきくんは力なく頷いた。<br /> 「単純に嫌われてたときとは違うからね」<br /> 仲良くなってから、恋人になってからの、拒絶。<br /> 彼氏のいない私としては、そのダメージを計り知ることは出来ないけれど。<br /><br /> 「仲直り、したいよね」<br /> 「そりゃそうだよ。…でも、なんて声かけたもんかってさ」<br /><br /> *<br /><br /> 峰岸に聞いた一件と、彼の説明を照らし合わせる。<br /> 話聞く限りだと、ゆうきくん側に非は殆どないといっていいだろう。<br /> 「…どうかな、かがみさん。なんか、いい案ない?」<br /> すがるような目で、聞いてくる。<br /> 日下部と仲直りしたい、って想いが、視線から零れ落ちる。<br /><br /> ……複雑。<br /><br /> なにか、もやもやする。<br /> このまま、仲直りしなくてもいいのに、なんて考えたりして。<br /><br /><br /> 「……かがみさん?」<br /> 「…そう、ね」<br /> 一瞬浮かんだ、ヤな考えを振り払い、出来る限りの笑顔を装う。<br /> 「アイツだって、もう反省してる頃だろうからさ。まずは話、してみたらどうかな」<br /> 「そうかな…」<br /> 「あのねぇ、あんた仮にも彼氏でしょ? それぐらい信じてやんなよ」<br /> ズキン、と胸が痛んだ気がした。<br /><br /> 「…そうだよね。ごめん、かがみさん」<br /> 「私に謝ってどーすんのよ。いいからとっとと仲直りしろ。あんた達がケンカしてるとこっちの調子まで狂っちゃうわ」<br /> そうするよ、と苦笑しながら言って、その顔に笑みを戻したゆうきくんは、足取り軽く走り去っていった。<br /><br /> ―――まったく、世話が焼けるんだから。<br /><br /> 溜息混じりに、心の中で呟く。<br /><br /> 「いーの、かがみん?」<br /> 背後から声をかけられる。<br /> 「何がよ、こなた」<br /> 渋そうな表情で、私を見るこなた。<br /> 「実はちょっとだけ、後悔してるとか」<br /> 「―――!」<br /> こいつ、たまに鋭い。<br /> 「やっぱ図星か。まぁ、解らなくも無いけどさ」<br /> そう言って、寂しげな表情で笑う。<br /> 「実は、チャンスだったかもよ?」<br /> 「そーゆー発想、あんたらしいわね」<br /> 動揺を悟られないように、軽口を叩く。<br /> 「まぁ、実際私も一瞬そー思ったもん」<br /> 「…え?」<br /> 顔を伏せるこなた。<br /> 「でもま、やっぱりさ」<br /> 再び上げた顔には、笑みが宿っていた。<br /> 「どーせなら、彼の“いちばん”を見てたいじゃない?」<br /> …ほんの少し、引きつってたけど。<br /> 「……まぁ、そうね」<br /> 多分、私の笑顔も引きつってる。<br /><br /> 「さて…帰ろっか、こなた」<br /> 「そだね。…あ、ねぇかがみ」<br /> 「ゲーマーズ寄るの? いいわ、付き合ったげる」<br /> 「うそっ!? どーゆー風の吹き回し? 明日は槍でも降るとか?」<br /> 「どーゆー意味だコラ」<br /><br /> ―――こなたの、言うとおりだ。<br /><br /> 私が一番見ていたい、アイツの“いちばん”の笑顔は…<br /><br /><br /><br /> 日下部の隣でしか、見られないのだから。</p>

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