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「日下部さんと 峰岸さんと」(2008/05/01 (木) 18:13:57) の最新版変更点
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<p>ある日の、できごと。<br /><br />
「・・・それにしても、峰岸さんと日下部さん、ホントに仲良いよね」<br />
「んー?まーな。長い付き合いだからな~。」<br />
「なんか、まるで姉妹みたいだよね。つかささんとかがみさんみたいな」<br /><br />
―――最近、良くみんなで居るようになって感じたことを、そのまま口に出してみる。<br />
ほんとに、姉妹だって言われても違和感のないくらい、自然に感じる。見た目は全然違うけれど。<br /><br />
・・・と。<br /><br />
「あぁ。なんたって、近いうちにホントの姉妹になるんだからなっ。」<br />
「っ!!み、みさちゃんっ!///」<br />
「・・・・・・ハ?」<br /><br />
・・・今、なんつった?<br /><br />
「・・・いや、実はさ~、私の兄貴とあやの、付き合っててな、高校出たら結婚するんだよ」<br />
「・・・マ、マジで!?結婚?ホントに?」<br />
「・・・う・・・うぅぅ・・・//////」<br /><br />
真っ赤になる峰岸さん。<br />
どうやら、卒業後すぐかどうかはともかくとして、かなり具体性のある話ではあるようだ。<br /><br />
「へー。結婚・・・かぁ。考えたこともないなぁ。凄いね、峰岸さん。」<br />
「べ、別に私は何も・・・ま、まだ、ホントに何も決まった訳じゃないし・・・」<br />
「いやいや、でもさ、そーゆーのを本気で考える位には、お互いを想ってるってことでしょ。」<br />
「///うぅぅ・・・あんまり、からかわないで・・・///」<br /><br />
あらら、茹で蛸みたいにまっかっか。</p>
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<p>「峰岸さんって、あんまり、こーゆーいじられるのって慣れてないんだ?<br />
日下部さんとかかがみさんとか、ちょいちょいからかったりしないの?」<br />
「・・・たまにはあるけど、女の子同士だし・・・男の子に言われるのって初めてだから・・・」<br /><br />
なるほど。たしかに、男に言われるのと女の子同士でからかうのとは違うかもなぁ。<br />
・・・でも、なんか、良いよなぁ。<br /><br />
「・・・峰岸さんって、可愛いよね。なんか、その彼氏の気持ち、良く分かるなぁ」<br />
「・・・っっっっっ!?!?!?」<br /><br />
・・・あら?止まっちゃった。<br /><br />
「・・・お前、やっぱりものすごい奴だな・・・」<br />
「・・・・・・え?」<br />
「・・・知るか、ヴァカ」<br /><br />
・・・?なんか悪いこと言ったか?俺<br />
峰岸さんは、さっきみたいな赤い顔でも、普段の優しい顔でもなく、ただボーっと硬直している。<br /><br />
「・・・えぇと、ゴメン峰岸さん。なんか気を悪くしたなら謝るよ。」<br /><br />
俺の声に、ハッと気がつく峰岸さん。<br /><br />
「・・・ぇ、ううんっ。私こそゴメンナサイ。何でもないの。びっくりしちゃっただけで・・・」<br />
「・・・そう?」<br />
「うん、大丈夫。」<br />
「・・・なら、よかった。嫌われちゃうかと思ったよ。<br />
ゴメンね。いきなりちょっと遠慮がなさすぎたよ。」<br /><br />
こなたさん達と居る時なんかは、言いたいことははっきり言わないと、ペースを握られるからなぁ。</p>
<div class="mes">
<p>「・・・うぅん。それくらい、私達とも仲良くなったってことだもの。<br />
きっと、良いことなのよね。」<br />
「・・・うーん、まぁアレか、ダチに遠慮はいらねー、ってことにしといてやるかっ」<br />
「・・・良かった、ありがとう二人とも。」<br /><br />
肩をなで下ろす。せっかく仲良くなったのに、よくわからないのに嫌われるところだったよ。<br /><br />
「・・・でも、友達が、家族になるって、凄いよねぇ。日下部さん、どんな気持ち?」<br />
「どんな、って、別に変わりねーよ。お前だって言ったろ、今も姉妹みたいだって」<br />
「・・・まあ、そうだけどさ。それでも、なんか思うことない?」<br /><br />
・・・俺の質問に、日下部さんはちょっとだけ考えて。<br /><br />
そして、口を開く。<br /><br /><br /><br />
「・・・まぁ、アレ、かな・・・。<br />
もし・・・もしも、だぞっ、兄貴と別れちゃったらどうなるかな、って・・・考えたことならある」<br /><br />
「・・・えっ?」<br />
「・・・みさ、ちゃん?」<br /><br />
・・・なんとなく真剣身を帯びた声に、俺も、峰岸さんも、声が止まる。<br /><br />
「・・・な、何固まってんだ。だから『もしも』って言ってんだろ。例えばの話だよっ!<br />
悪いかよっ。私だって、真剣に悩むことくらいあるぞっ」<br />
「・・・い、いや、いきなりすぎて、気持ちがついていかなかった。ゴメン」<br />
「みさちゃん・・・」</p>
<div class="mes">
<p>峰岸さんが、日下部さんを見つめる。<br />
その目には、何がこめられているのか。俺には、わからなかった。<br /><br />
「う、いや、だってさっ。付き合い始めの頃の話だぞ?<br />
百パーセント絶対にない、なんて考えらんないだろ。」<br /><br />
峰岸さんに見つめられて、たじろぐ日下部さん。それでも、なんとか言葉を続ける。<br /><br />
「あやのは、私の友達だよ。それは、その時だって一緒だったさっ。<br />
・・・でもさ、もし、兄貴と別れちゃったら、私とも気まずくなったりするかもしれない。<br />
・・・だから、別れて欲しくなんかない。このまま、ずっと一緒で、兄貴と結婚して。<br />
そんで、私とも家族になって、ずっとずっと一緒にいるんだ。<br /><br />
・・・そんな風に考えて、わるいかよっ」<br /><br />
プイッ、と顔を背ける日下部さん。<br />
・・・それを見つめる峰岸さんの表情は、さっきと特に変わってはいない。<br /><br />
・・・でも、今度はわかった。峰岸さんの気持ち。<br /><br />
・・・それはまるで、幼子を慈しむ母親のような、無限の・・・愛情。<br /><br />
「・・・もう。みさちゃんったら」<br />
「・・・あやの」<br /><br />
峰岸さんが、日下部さんに優しく語りかける。<br /><br />
「・・・たとえ、そうなったとしても、みさちゃんとはずっと友達だよ。<br />
今の私がいるのは、誰よりも、みさちゃんのお陰、なんだから。」<br />
「・・・あやの・・・グスッ、あやのぉ・・・」</p>
<div class="mes">
<p>・・・抱き合う、二人。<br /><br />
「・・・うぅ、ゴメンあやのぉ」<br />
「ううん、いいのよみさちゃん。」<br /><br />
ポンポン、と背中を叩く峰岸さん。やっぱり、母親みたいだ。<br /><br /><br />
・・・しばらく抱き合って、離れる二人。<br />
日下部さんは、少し気まずそうに俺をみている。<br /><br />
「へ、へへ・・・恥ずかしいトコ、見せちゃったな・・・」<br /><br />
鼻をかく日下部さん。その姿は、とっても・・・可愛く見えた。<br /><br />
「・・・そんなことないよ。二人はホントにお互いが好きなんだな、ってわかったもの。」<br />
「っ///バ、バカっ!!」<br />
「・・・ウフフッ」<br /><br />
照れる日下部さん。微笑む峰岸さん。<br /><br />
・・・うん、やっぱりいいな、この二人。<br /><br />
「・・・あ、そうだ、あのさ・・・今の二人、写真に撮っていい?」<br />
「・・・え?い、今?」<br />
「うん。俺さ、最近写真にハマっちゃって。今の二人なら、きっとすごくいい絵になるよ。」<br />
「・・・そ、そうか?」<br />
「・・・うん、撮ろうよみさちゃん」<br /><br />
ちょっと困り顔の日下部さん。乗り気の峰岸さん。</p>
<div class="mes">「はいはい、撮るよー。笑って日下部さ~ん」<br />
「え、ちょ、待て、そんないきなり笑えるかっ」<br />
「聞こえませ~ん。ハイっ撮ります。3、2、1、・・・チーズっ!」<br />
「・・・いや、だから待っ―――」<br />
「・・・ちーずっ!!」<br /><br />
―――バシャッ<br /><br />
「・・・ハイおっけ~、ナイスでした~」<br />
「・・・バカっ、アホっ。見せろ、ぜってー変な顔してるだろっ」<br />
「いやいや、そんなことないよ~。二人とも、良い顔・・・プッ」<br />
「なんだ今の笑い!?見せろっ!!」<br />
「・・・いやいやいや、これは俺の大事なコレクションだからね。見せられませーん」<br />
「ふざけんなっ!あやのもなんか言ってやれ?」<br />
「・・・えーと(汗)ど、どんなだった?」<br />
「峰岸さんには良いよ。ハイこんな感じ」<br />
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・クスッ」<br />
「・・・あやのまで!?!?」<br />
「ご、ごめんみさちゃん。でもこれ・・・プッ」<br />
「う が ~ ~ ~ ~ ~ ~ !!見ーせーろー!」<br />
「やばい、にげろ峰岸さんっ!」<br />
「・・・ごめんねみさちゃ~ん」<br />
「待てコラ!二人ともっ!待てってば!!」<br /><br /><br />
・・・今日は、この二人の絆を再確認できた気がする、そんな1日だった。<br /><br />
「良いから見せろってヴぁ!お願いだから見せてよ~~~!」<br /><br />
・・・ちゃんちゃん。</div>
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