「岩崎みなみの溜息7」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
「岩崎みなみの溜息7」(2008/04/23 (水) 19:02:21) の最新版変更点
追加された行は緑色になります。
削除された行は赤色になります。
<div class="mes">
<p>―――翌日、昼休み屋上。<br />
ゆたか「・・・で、あっさり断ってきちゃったんだ。」<br />
みなみ「うん。」<br /><br />
・・・さっき、告白の返事をしてきた。<br /><br />
返事は、ただ二言。<br /><br />
『・・・好きになってくれてありがとう。でも、ごめんなさい。』<br /><br />
・・・相手は、本当に、辛そうな、悲しそうな顔で、去っていった・・・<br /><br />
ゆたか「・・・ええと、私と先輩との会話はどこにいっちゃったの?」<br />
みなみ「・・・それは、ゆたかだもの・・・。先輩だって、他の人ならちゃんと断ると思う」<br />
ゆたか「・・・優しさ、は?」<br />
みなみ「優しいから、断るの」<br />
ゆたか「・・・ぇええ・・・」<br /><br />
・・・ちなみに、ゆうべのことも、ゆたかには話した。<br />
ゆたかも、あの日、先輩に話したのだし。<br /><br />
ゆたか「・・・なんか、みなみちゃん、図太くなった?」<br />
みなみ「・・・そうかも・・・」<br /><br />
いろいろな気持ちを知る度に、なんだか少しずつ変わっていってる。<br />
もちろん、一度には変われない。変わった気になってはいても、すぐに元に戻る。<br /><br />
・・・でも、確実に。<br /><br />
前には進んでいるはず―――</p>
<p>ひより「・・・あ、岩崎さーん!小早川さーん!」<br />
ゆたか「・・・あれ、田村さんだぁ」<br />
みなみ「・・・うん」<br /><br />
田村さんが駆け寄ってくる。かなり走ってきたらしく、息が荒い。<br /><br />
ひより「・・・っ、ハアハア、岩崎さん岩崎さんっ」<br />
みなみ「・・・お、落ち着いて・・・どうしたの?」<br /><br />
田村さんが詰め寄ってきた。目には、怪しい光を携えて。<br /><br />
そして。<br /><br />
ひより「聞いたよ、聞いたっスよ~。告白されたんだって?」<br />
みなみ「・・・ぇ、えっ?誰から?」<br /><br />
何故?私なんかの話題が、こんなに早く広まるの?<br /><br />
ひより「もうクラス中のウワサだよー。岩崎さんが、一年のアイドルを振った、って」<br />
みなみ「・・・アイ、ドル・・・?」<br /><br />
・・・何、それ。<br /><br />
ひより「知らないの?相手の人、1年で一番カッコいいって、クラスでも有名なんだよ?」<br /><br />
・・・いや、そんなこと知るわけが・・・たしかに、いい人だとは思ったけど・・・<br /><br />
ひより「狙ってる子も多くて、平和協定なんかも結ばれてるくらい。学園の王子様だね。」<br />
ゆたか「お、王子様・・・?」</p>
<div class="mes">みなみ「・・・ぇ・・・え・・・?」<br /><br />
・・・何、この展開<br /><br />
ひより「・・・おかげで大騒ぎ。私にもみんな『なんで?岩崎さん彼氏いるの?』って」<br />
みなみ「・・・・・・・・・・・・ぇ」<br /><br />
ちょっと待って。まさか。<br /><br />
ひより「・・・いやー、だからその、三年生の恋人がいるよ、って言っちゃったー」<br /><br />
みなみ「・・・・・・・・・ぇ」<br /><br />
何故。どうして。<br /><br />
ひより「・・・しばらくうるさいかもねぇ。他の狙ってた子とかから」<br />
ゆたか「・・・・・・えーと・・・みなみちゃん・・・」<br />
みなみ「・・・・・・何も言わないで・・・」<br /><br />
みんな知ってる。<br />
・・・ということは、その彼にも。時間の問題。<br /><br />
みなみ「・・・・・・・・・・・・ハァ・・・」<br />
ゆたか「そ、その・・・ふぁいとっ」<br />
みなみ「・・・うぅぅ・・・」<br /><br /><br /><br />
・・・もうしばらく、溜息は続きそうだ。</div>
</div>