ローゼンメイデンが普通の女の子だったら @Wiki
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ローゼンメイデンが普通の女の子だったら @Wiki
ja
2011-08-17T18:56:18+09:00
1313574978
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『Dolls' House 最終話』後編
https://w.atwiki.jp/rozenmaidenhumanss/pages/4660.html
<p style="margin:0px 0px 0px 0px;font:14px 'Hiragino Kaku Gothic ProN';"> </p>
<p style="margin:0px 0px 0px 0px;font:16px 'Hiragino Kaku Gothic ProN';"> </p>
<p style="margin:0px 0px 0px 0px;font:16px 'Hiragino Kaku Gothic ProN';">
『<span style="font:16px Helvetica;">Dolls' House</span> 最終話 ゆめのおわりはいつもまっしろ』</p>
<p style="margin:0px 0px 0px 0px;font:16px 'Hiragino Kaku Gothic ProN';"> </p>
<p style="margin:0px 0px 0px 0px;font:16px 'Hiragino Kaku Gothic ProN';"> </p>
<p style="margin:0px 0px 0px 0px;font:16px 'Hiragino Kaku Gothic ProN';">
【後編】</p>
<p style="margin:0px 0px 0px 0px;font:16px 'Hiragino Kaku Gothic ProN';"> </p>
<p style="margin:0px 0px 0px 0px;font:16px 'Hiragino Kaku Gothic ProN';">
お昼くらいは許すですよ。今日の夕飯はフル稼働なんですからね。と宣言し、翠星石がワゴンに積み込んだのは膝に乗る程度のサイズの編みバスケット。中身が入りきらず隙間からちらちらとアルミホイルが見え隠れしているが、これより大きな入れ物がなかったのだとか。</p>
<p style="margin:0px 0px 0px 0px;font:16px 'Hiragino Kaku Gothic ProN';">
このあたりで一番大きなデパートに行くために八人姉妹がみっしりと乗り込んで出発して十分後、早くも辛抱ならず手の震えが止まらなくなった雪華綺晶は後部座席のバスケットに忍び寄っている。
2011-08-17T18:56:18+09:00
1313574978
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『Dolls' House 最終話』前編
https://w.atwiki.jp/rozenmaidenhumanss/pages/4659.html
<p style="margin:0px 0px 0px 0px;font:14px 'Hiragino Kaku Gothic ProN';"> </p>
<p style="margin:0px 0px 0px 0px;font:16px 'Hiragino Kaku Gothic ProN';"></p>
<p style="margin:0px 0px 0px 0px;font:16px 'Hiragino Kaku Gothic ProN';">
『<span style="font:16px Helvetica;">Dolls' House</span> 最終話
ゆめのおわりはいつもまっしろ』</p>
<p style="margin:0px 0px 0px 0px;font:16px 'Hiragino Kaku Gothic ProN';">
</p>
<p style="margin:0px 0px 0px 0px;font:16px 'Hiragino Kaku Gothic ProN';">
</p>
<p style="margin:0px 0px 0px 0px;font:16px 'Hiragino Kaku Gothic ProN';">
【前編】</p>
<p style="margin:0px 0px 0px 0px;font:16px 'Hiragino Kaku Gothic ProN';">
</p>
<p style="margin:0px 0px 0px 0px;font:16px 'Hiragino Kaku Gothic ProN';">
朝。</p>
<p style="margin:0px 0px 0px 0px;font:16px 'Hiragino Kaku Gothic ProN';">
その特別な一日は、晴れた藍色の空に吐息が広がるように差し込んでいく朝焼けの光から始まった。</p>
<p style="margin:0px 0px 0px 0px;font:16px 'Hiragino Kaku Gothic ProN';">
有栖川町はすっかり雪化粧である。クリスマスからずっとぐずついていた天気は毎日休むことなく家々の屋根に雪を積もらせ、その様はまるで世界に粉砂糖をかけて仕上げをするようで
2011-08-09T23:09:37+09:00
1312898977
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『Dolls' House 第六話』
https://w.atwiki.jp/rozenmaidenhumanss/pages/4658.html
<p style="margin:0px 0px 0px 0px;font:14px 'Hiragino Kaku Gothic ProN';"> </p>
<p style="margin:0px 0px 0px 0px;font:16px 'Hiragino Kaku Gothic ProN';">
『<span style="font:16px Helvetica;">Dolls' House</span> 第六話 むらさきくつしたはまっている』</p>
<p style="margin:0px 0px 0px 0px;font:16px 'Hiragino Kaku Gothic ProN';"> </p>
<p style="margin:0px 0px 0px 0px;font:16px 'Hiragino Kaku Gothic ProN';">
おとうさま。</p>
<p style="margin:0px 0px 0px 0px;font:16px 'Hiragino Kaku Gothic ProN';">
おとうさま。</p>
<p style="margin:0px 0px 0px 0px;font:16px 'Hiragino Kaku Gothic ProN';">
わたし、どうなってしまったの?</p>
<p style="margin:0px 0px 0px 0px;font:16px 'Hiragino Kaku Gothic ProN';">
あれ、左目が見える。</p>
<p style="margin:0px 0px 0px 0px;font:16px 'Hiragino Kaku Gothic ProN';">
……ううん、見えなくなった。</p>
<p style="margin:0px 0px 0px 0px;font:16px 'Hiragino Kaku Gothic ProN';">
右手がくずれてく。</p>
<p style="margin:0px 0px 0px 0px;font:16px 'Hiragino Kaku Gothic ProN';">
左足がくずれてく。</p>
<p style="margin:0px 0px 0px 0px;font:16px 'Hiragino Kaku
2011-07-31T03:20:09+09:00
1312050009
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人形達のシャングリラ 第一幕 一場
https://w.atwiki.jp/rozenmaidenhumanss/pages/4657.html
<dl><dd>「うう、冷えてきたな。さあ、そこに座って。」<br /><br />
桜田老人に連れられて、彼の家に向かった上条。<br />
案内されたのは、壁と天井がガラス張りの、かなり大きなアトリエだった。<br />
洋館の西側に作られたこのアトリエには、大小さまざまのキャンバスがありと<br />
あらゆるところに立てかけられたり横積みされている。<br />
中央には荒削りのテーブルが鎮座し、その上には油絵具やパレット、筆洗器や<br />
ビンに入ったオイルなどが所狭しと置いてあった。<br />
床には絵具の染みが点々と散らばり、色とりどりの模様を浮かべている。<br />
いわゆる“美術教室の匂い”が、アトリエ全体を覆っていた。<br /><br />
テーブルの側には大小二つのイーゼルが置いてある。<br />
小さいほうのイーゼルの前にある丸椅子を勧められた上条は、礼を言って腰かけた。<br /><br />
……桜田さんって、絵描きなんだ…。<br /><br />
興味津々としつつ、上条は、何か桜田の描いた絵を見ようと思って周囲を見回すが、<br />
立てかけられたり積み上げられているどのキャンバスも裏返しにしてあり、何が描か<br />
れているのか見る事は出来なかった。<br /><br /><br />
…いや、一枚だけ、アトリエの隅に立て掛けられている、恐らくタタミ二枚分ほどの<br />
大きなキャンバスには三人の裸婦が描かれている絵があった。背中に羽の生えた一人に、<br />
同じ姿の二人が寄り添うようにして空を登っていく情景が描かれていた。<br /><br />
……三人組の裸婦…三美神は、古くから宗教画の画題としてよく用いられてきたんだっけ。<br /><br />
上条は、大学の宗教文化史の授業で聞いたことのある知識を思い出していた。<br />
それにしても、桜田が描いたのであろうその三人の女神の裸体は、透き通るほどに<br />
白く、美しかった。むしろ天使と言うべきか…。</dd>
<dd>
<p> </p>
<p>「さあ、お茶をどうぞ。暖房が効いてくるまで、これで温まろうか。」<br /><br />
一度母屋のほうに消えた桜田がお盆を手に戻り、上条に緑茶を勧め、自分も他の<br />
椅子に座り込んだ。<
2011-06-07T22:01:21+09:00
1307451681
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白兎とタイムマシンと大切な人と 第十五話 「過去との遭遇」
https://w.atwiki.jp/rozenmaidenhumanss/pages/4656.html
<p>第十五話「過去との遭遇」 </p>
<p> </p>
<p>「そういう訳で過去へと戻ってきたのね」<br />
「ああ、待たされる時間を考えていたんだ。<br />
辛くてたまらないだろう。事実、僕は苦しんでいた。<br />
馬鹿だから気づかなかったけども、金糸雀はそうじゃない。<br />
賢いからね、きっと辛くなっただろうと思うんだ。」</p>
<p>実際の所、金糸雀は僕と一度も離れた事が無い。<br />
未来から来た僕が入れ替わり、彼女の前へと現れたからだ。</p>
<p>「自分の作ったレールを歩む人生を送った。<br />
だから今度は作るんだ、歩ませる側さ」</p>
<p>難儀で縛られた人生だと思う。<br />
だけども、僕はそれで満足しているし<br />
現状は幸せであるのだ。</p>
<p>「―――という事を金糸雀にも説明したんだ。<br />
お分かり頂いたかな?オディールさん」</p>
<p><br />
「ええ」</p>
<p>喫茶店の先の向かいに座っている女性。<br />
それは僕の恋人でなく、オディール・フォッセーなる人物。<br />
綺麗な瞳に、さらっとした絹のような金髪。</p>
<p>「愉快な話ですね」<br />
「だろう。それを信じる君の頭の中も愉快だ」</p>
<p>過去へと戻って数ヶ月が経った。<br />
この時代で出会った少ない人物の一人。<br />
そもそも、出会ったのは今日が初めてなのだ。<br />
喫茶店で強引に相席してきた。</p>
<p> </p>
<p>「益々好きになりそうですわ」<br />
「本当に愉快だな君は、お世辞抜きで」</p>
<p>告白されたのだ、急に。<br />
座ってきた彼女の第一声が「好きです」だ。<br />
流石にど肝を抜かれた。<br />
金糸雀という恋人がいる事。<br />
おまけに過去へ来たという事実と事情を話せば<br />
イカれた野郎だと思って離れてくれるかと思いきやだ。<br />
過去にはとんでもない人物がいるもんだ。<br />
おまけに終始にやけている。</p>
<p>「なんでそんなに楽しそうなんだ?」<br />
「好きな人を目の前にすると楽しいですもの」</p>
<p>そうかい。</p>
<p>「にしても日本語が達者だね」<b
2011-03-06T10:41:41+09:00
1299375701
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第十四話 「決着」
https://w.atwiki.jp/rozenmaidenhumanss/pages/4655.html
<p>第十四話 「決着」</p>
<p><br />
「一体何なのかしら?」</p>
<p>本当に金糸雀は今すぐに公園にやってきてくれた。<br />
急かしたようで申し訳ない気持ちになる。<br />
しかしながら、仕方のない事だったのだ。</p>
<p>「言いたい事があるんだ」</p>
<p>そう、言いたい事があったのだ。<br />
だからこそ、仕方の無いのだ。<br />
あまりに急だが、今すぐ言わなければならないのだ。<br />
僕は自分自身の想いに、気が付いてしまったのだから。<br />
だからこそ、彼女に伝えなければならない。<br />
金糸雀に隣に座らせる。<br />
公園は静かで寂しく、他に誰もいない。<br />
今までに感じた事もないような雰囲気を漂わしていた。<br />
どこかしら変わってしまったかのようだ。<br />
いや、僕が変わったのかもしれない。</p>
<p><br />
「今すぐ伝えたい事があるんだ」</p>
<p>踏ん切りがつかない。<br />
何度も何度も同じ事を言ってしまって、本題に移れない。<br />
緊張、してしまっているんだろうか。<br />
こんな経験今までにない。</p>
<p>「………………」</p>
<p>何も言わず、金糸雀が僕の肩に手を置いた。<br />
ただ、僕を見てくれている。<br />
優しい、優しい、そんな眼差し。<br />
頑張って、無理しなくていいかしら、緊張しないで。<br />
そう言っているようにも見える。<br />
ああ、僕は情けないのな。<br />
金糸雀に、こんなにも気を使わせて。</p>
<p><br />
「ごめんな」</p>
<p>そう言って僕はまた、黙りこくった。<br />
暫く暫く黙りこくった。<br />
金糸雀はそれでも、待っていてくれた。</p>
<p><br />
結局、僕が金糸雀に言いたい事を伝えたのは<br />
ずっとずっと後でになってだった。</p>
<p>「―――金糸雀」</p>
<p><br />
◆</p>
<p>「行くのですか」</p>
<p>白兎がそう語りかけてきた。<br />
此処は営業時間外のトロイメント。<br />
金糸雀と別れ、僕は此処に来た。<br />
それはある意味で今生の別れであり<br />
同時
2011-03-05T00:23:38+09:00
1299252218
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人形達のシャングリラ 序幕
https://w.atwiki.jp/rozenmaidenhumanss/pages/4654.html
<p>年の瀬が迫りつつある、ある晴れた日。東京郊外のとある田舎道を、一台の乗用車が走る。<br />
ハンドルを握る若い男は、助手席に投げ出したA4サイズのレポートの束に時たまちらりと<br />
視線をくれながら、その一番上の紙に印刷されている場所へと向かっていた。<br /><br />
物憂げな表情、無造作に整えられたツンツンな頭髪。<br />
どこにでもいそうなやる気のなさげを醸し出すその男は、外見の通り、特に何かを持っていると<br />
言うわけではなかった。とりわけ…自信とかそういった類のものは。<br /><br />
歴史的な政権交代からもう何年経っただろう。<br />
戦後日本を支配してきた保守政党が下野し、それまでの最大野党が政権与党の座に就いた。<br />
しかし現与党は政権交代して一年も経たずに党内で分裂し、代表選挙を経て、謀略の<br />
限りを尽くした一派が勝利した。<br />
…その一派の背後には、世界規模の秘密結社がいるらしい…。<br /><br />
男の所属する内閣調査室ではそう囁かれている。<br />
内閣調査室…通称“内調”は、日本国内の緊急情報を収集・集約し、総理大臣や官房長官に<br />
伝達するのが仕事である。国家の存亡に関わる仕事だ。<br />
だから、必然的に国際的な陰謀やら秘密結社やらの情報も扱うことになる。<br />
特に、市井では先述の有名な某国際秘密結社によるとされる事件やスキャンダルの情報は多い。<br />
それでも扱う情報が情報だけに、どこからどこまでが真実なのか虚実なのか、その線引きは<br />
かなり難しいのだが。<br /><br />
ふっくらしたジャンパーに身を包んだ学校帰りの小学生達が、歓声を上げながら道を歩いて<br />
いるのをアクセル全開で追い越す。どうやら、今日が二学期の終業式らしい。<br />
男は、彼らのように外で思い切り遊んだ記憶が数えるほどしかない。<br />
物心ついてから、両親には勉強やピアノなどの習い事以外のことをすると罪悪感が芽生える<br />
ような育て方をされてきた。<br />
そのまま東京の国立大を出て、親のコネで経済産業省に入省して数年。<br />
唐突もなく上役から内閣調査室への出向辞令を受けたのがふた月前。<br />
2011-01-28T22:35:13+09:00
1296221713
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人形達のシャングリラ
https://w.atwiki.jp/rozenmaidenhumanss/pages/4653.html
<p> <span lang="en-us" xml:lang="en-us" style="font-size:28pt;font-family:Wingdings;">YYY <span lang="en-us" xml:lang="en-us"><span lang="en-us" xml:lang="en-us"><span lang="en-us" xml:lang="en-us"><span lang="en-us" xml:lang="en-us" style="font-size:28pt;font-family:Wingdings;"><span lang="en-us" xml:lang="en-us"><span lang="en-us" xml:lang="en-us">YYY</span></span></span></span></span></span></span></p>
<p><span style="font-size:x-large;"><span><span lang="en-us" xml:lang="en-us" style="font-family:Wingdings;"><span lang="en-us" xml:lang="en-us" style="font-family:Wingdings;"> </span></span></span></span><u><span></span><span style="color:#ffffff;"><span></span><span style="color:#ffffff;"><span style="color:#ffffff;"><span style="color:#ffffff;">
</span></span></span></span></u><span style="font-size:x-large;"><span style="font-size:x-large;"><span style="font-size:48pt;font-family:Wingdings;"><span style="font-size:33pt;font-family:'New Gulim';"> </spa
2011-06-07T22:03:36+09:00
1307451816
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いちご日和 十月
https://w.atwiki.jp/rozenmaidenhumanss/pages/4652.html
<p>◆1<br /><br />
秋晴れ。<br />
いわし雲が一面に浮かんでいる空の下。<br /><br />
「ふんふーん♪」<br /><br />
キコキコ。<br />
ピンクのドレスを着た女の子が、これまたピンクの自転車をこいでいました。<br /><br />
「まだーいわーなーいでーふんふんふんー♪ 」<br /><br />
なかなかにご機嫌なようで、鼻歌なんか歌っています。<br />
……中途半端にしか歌詞を覚えていないようで、<br />
所々(というより半分以上)は『ふんふん』という言葉でごまかしたりしていますが。<br /><br />
キッ。<br /><br />
大きなマンションの前で、甲高い音を立てて自転車は止まりました。<br />
少女はぴょこん、と勢いよく自転車から降りると、空を見上げます。<br /><br />
「ふーわふわの雲さん、おいしそうなの!」<br /><br />
自転車をこいでいた少女――雛苺ちゃんは、相も変わらず元気一杯な声を出しました。<br /><br />
***<br /><br />
「みっちゃん、はやくはやく、ヒナが来ちゃうかしら!」<br /><br />
所変わって、そのマンションの一室では、金糸雀ちゃんが忙しそうにどたばたと駆け回っていました。<br />
服装はパジャマのままで、緑色のきれいな髪の毛もぼさぼさ。<br />
いかにも「今さっき起きました」といわんばかりのかっこうです。<br /><br />
「もう、だから早く起きなって言ったでしょ? カナはねぼすけなんだから」<br /><br />
『みっちゃん』と呼ばれたメガネの女の人が、くすくすと笑いながらクローゼットを開きました。<br /><br />
ずらり。<br /><br />
中には秋物のお洋服がたくさん。<br />
まるで服屋さんのようなそのクローゼットから一枚一枚引っ張り出しながら、<br />
みっちゃんはうむむ、と考え込みます。<br /><br />
「汚れちゃってもいいようにこれかな……いや、こっちでビシッと決めるのも……<br />
だけどこれも捨てがたいし……」<br /><br />
「どれでもいいから早くして! かしらー!」<br /><br />
寝ぐせのついた髪の毛を一生懸命とか
2010-10-29T23:04:01+09:00
1288361041
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少年時代3.1
https://w.atwiki.jp/rozenmaidenhumanss/pages/4651.html
<p>夏の余韻も薄れきり、灰色がかった雲が空を覆う秋なかば。町の児童公園で戯れる<br />
子供達も長袖ばかりになり、小麦色だった肌はすっかり白く色あせている。<br /><br />
そんな穏やかなある日曜日の午後。我らが少年ジュン君は珍しく女の子に絡まれること<br />
なく、ひとり公園のベンチで横になって前髪を風に揺らしながらウトウトしていた。<br /><br />
休日ゆえの気だるさか、お昼にちょいと食べ過ぎたのか。日もまだ高い時間帯では<br />
あるものの、人間の3大欲求のうち最も抗いがたいものとされている睡眠欲を御するには<br />
彼の精神力はあまりに拙すぎた。<br /><br />
まあ、寝る子は育つというし、悪いことでもなかろうが。</p>
<p>「ふぁぁ」<br /><br />
齢7つか8つにして、はやくも枯れた感のある少年の背中。剛の者な女の子たちと<br />
付き合う日常は、異性を意識するには早すぎる彼には純粋な負担としてのしかかっている<br />
のかもしれない。漏れでるあくびは疲れの証だろうか。<br /><br />
それにしても少年には同性の友人はいないのか。男の子と遊んでいれば生じることも<br />
ないであろう色々な問題が、彼を見るかぎり多すぎる。<br /><br />
真紅の威圧、巴のまなざし、水銀燈のからかい、雛苺のジュンのぼり。<br /><br />
「もしかして、あいつらとばっかりいるからかなぁ」<br /><br />
ジュンの目線の先には、枝か何かで地面に描いた輪の中で、わいわいと相撲を取っている<br />
男の子たち。服が砂にまみれるのもかまわずにはしゃぐ姿はまさしくオトコノコだ。</p>
<p> </p>
<p>そんな健全な遊戯の場にこのシャイボーイは混ざることもできず、僅かな肌寒さ程度では<br />
とても押し止めることのできないまどろみを友として、周りに人の影もないベンチの<br />
王として君臨していた。<br /><br />
そう、彼は名の通り純な少年。遠目にちらちらと送られるいくつかの女の子達のグループ<br />
からの興味の視線も何のその、というかまるで気付くこともなく、平然とひとりの時を<br />
過ごしている。<br /><br />
「ん、んぅ …… スゥー
2010-09-27T21:57:59+09:00
1285592279