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警察が隠してきたことだが、
一連の事件の容疑者は、ローゼン女学院関係者である説が濃厚だった。

1番目の女の被害者は学院の女性教諭。
2番目の放火魔。彼は学院のPTA役員。
3番目は女生徒と男性教諭。
そして、現場に落ちていたペンライト。

唯一の共通点。

それが、「ローゼン女学院」だったのだ。
それを取り調べの際に聞いたのだが、
今となってはそれがマスコミにも知れ渡り、大きなスキャンダルとなっている。
ウチの学院関係者ばかりが狙われるということは、そういうことなのだ。
だが、私がその話を聞いたとき私は何故か納得してしまった。

ああ────うちの学院なら、納得ね・・・・・

「ローゼン女学院」
一流の学院で、尚且つ、入学試験は難関。
それでいて、入学金、授業料は他校をずば抜けていた。
だからかどうかは判らないが、他校の生徒は私たちローゼン女学院に通う生徒のことを
選ばれた少女達、という意味を込めて「アリス」と呼んでいた。

だが、素行がよかったというわけではなかった。
学院内で薬が流行ったときもあれば、暴力事件が起こったときもある。
風体とは裏腹に、その内情は悲惨なものだった。
名門校は今、その権威を地に落としていたのだ。
おまけに『ジグソウ』の事件のこともある。
巷では、ローゼン女学院の関係者ばかりが被害者になっているから、このゲームのことを
「アリス」ゲームと呼んでるやつもいるのだ。

だからって私の価値が落ちるわけではない。
私はいつも、優雅な物腰、上品な振る舞い。
それを忘れないよう生きてきたし、
友達だって大勢いた。
私の隣に人がいないときなんて無かったほどだ。

ふと思い出す。
変り種が一人いた。

私にひっついて歩いていた病人。
出会ったのは、奉仕活動先の病院だった。
老人の看護という典型的な奉仕活動では、私の優越感は満たされなかったし、
奉仕活動に参加する生徒が多くなってきたこともある。
得点を稼ぐなら、もっと他の、変わったことをやったほうがいい。
そう思っていた矢先、彼女と出会った。
彼女は不治の病にかかっていて、
私の優越感を満たすのには最高の相手だった。
何より、おもしろい。
不治の病の友達がいる。一度、そんなシチュエーションをやってみたかったのだ。

更に記憶をたどる。
確か、あの時はこんな会話をした・・・

「ねぇ、あなた名前は?」
銀色の長い綺麗な髪をしていて、その肌は雪のように白い。
黒い衣裳に映えそうだ。
「・・・・・・・・・・・×××。」
病人はそう答えた。
あまり彼女に興味は無い。
「不治の病の病人」という処に意味があるのだ。

「友達に、なりましょうか。」
「え・・・・・・・・・・・・・?」
病人は心底、驚いているようだった。
「わ、私が、あなたと・・・・・・・・?」
「そうよ。他に誰が居るって言うの?」
「ほ、ほんとうにいいのぉ?」
「もちろん。」
友達がいないのか。この病人。
なお更、優越感が満たされていく。
「あ、あなたの名前をおしえてくれるぅ?」
変わった喋り方をする病人だ。 どうでもいいが。
「私、真紅って言うの。 よろしくね、×××。」

本当に些末な出来事。
そいつはいつの間にやら何処かに行ってしまっていたし、
この一連の事件なんかとまったく関係のない。

本当にどうでもいいエピソードだ。







12時すぎ。
モニターを見る。
命令発動条件が満たされた。
「チッ・・・・・時間切れだ。」
アイツの命令を聞かないと、僕が危ない。
さんざん言うとおりにしてきて、その上殺されたんじゃ、割に合わない。

くそ。
あいつの外見に騙された・・!!!
銀色の髪で、肌は雪のように白。
おとなしそうで人畜無害な女の子。
そんな女の子に毒を盛られるとは、ふつう誰だって思わない。

やつは言った。

「解毒剤は私しかもっていないわぁ。 死にたくないなら私の言うことを聞きなさい。
そうすれば、生かして返してあげるんだから。

そう、これはゲーム。
生を飽食し、他人の苦痛に興味が無いあなたへの
私のささやかなイタズラよぉ。

それに、もう彼女には飽きているんでしょう?
わかるわ。彼女はとても利己的な子なんだもの。

さぁ、生きるために血を流しなさい。」

それから、やつの言ったとおりに行動してきた。
ターゲットを拉致るのも僕がやった。
人質のフリだってした。
ずっとモニターで監視した。
芝居も打った。
電話の向こうの真紅に判るはずが無い。

そして、最後のルール。
あの二人のうち、誰かが相手を殺したなら。
残ったもう一人を殺すこと。
さもなくば僕が死ぬ。

だが、このゲームは存外楽しい。
いつも気取っているあの真紅が、
あんなにも必死になっている姿を見るのは初めてだった。
五体満足ではあの部屋から出ることは出来ないと知っているだけに、
僕にとって彼女の行動はとっても愉快だった。

といっても、僕が死んでしまうのは困る。
調子に乗りすぎてはいけないのだ。
例の指定されたバスルームへと入る。
5時間程前、気を失っている真紅と翠星石を
言われたとおりにチェーンで閉じ込めた部屋。

ギィィィイィィィィィ・・・・・・
引き戸を開ける。
鍵など、最初から掛かってはいない。

真紅は翠星石の死体に寄り添っていた。
片足をなくして。

「・・・・・・・・・・。」
彼女に歩み寄る。

惜しかったな、真紅。
この部屋から脱出するのに必要なのは勇気だけだったんだ。
だが、もう時間切れだ。
真紅は出血多量からだろうか、ゼンマイが切れかけてる人形のように痙攣していた。
彼女の顔が動く。
「・・・・・・・・『ジグソウ』?」
僕は覆面をしている。
顔を見られるのは、ゴメンだ。

「『ジグソウ』なの? 『ジグソウ』なのね? 翠星石を殺したわ。 ・・・・・・・・・私を解放して。」

バカな女。
この期に及んで、まだ助かる気でいる。
「ダメだ。もう遅い。それにな、これはルールだ。」
ピストルの銃口を真紅に向ける。
「う、ううぅうううぐ・・・・うぐ・・・」
真紅は這いずり、扉へと逃げようとする。
残る血の跡が痛々しい。
ゴメンな、真紅。
僕はやっぱり、死にたくないんだ。
ゲームが終わる。
やっと、終わる。
死の恐怖から、狂気から、解放される。
「ゲームオーバー。」








ガツン!!!!

思いっきりノコギリの柄で殴りつける。
覆面の男はそのまま、床に倒れこんだ。

「・・・・・・・・・・ッッツ!!!!!」
肩の銃創が痛む。
危うく倒れそうになる身体を必死で立て直す。
「こいつが・・・・・私たちを・・・・!!!
こいつが・・・・『ジグソウ』・・・・!!!!」
翠星石は、覆面の男の頭を殴りつづける。
ビクとも動かない。
死んだのだろうか。

「ずっと見てやがったですね・・・!!! あのカメラで!! このっ!!このっ!!」
殴り続ける。殴り続ける。
本当にビクとも動かない。おそらく、いや、確実に死んだ。
『ジグソウ』が、死んだ。

「・・・・・・・はぁ、はぁ、やった・・・・・やったです・・・・。」
翠星石は真紅を見る。
真紅の作戦は完璧だった。
翠星石が死んだと思わせることによって、『ジグソウ』がここにやってくる。
そこを翠星石が背後から襲う。
そうして、作戦通り上手く事が運んだ。

ゲームに、勝てたのだ。

「大丈夫ですか!? 真紅!!」
真紅は蒼褪めた顔を向けて、息を整えながら言う。
「私は・・・大丈夫よ。 それより、翠星石。 肩は大丈夫?」
「めちゃくちゃ痛いですが、大丈夫です。 それより、早く!!」
翠星石は扉のほうに向かって指をさす。
ここから、脱出できる・・・・!!!
脱出できるんだ・・・!!!
「そ、そうね。 判ったわ。 ここで、待ってるのよ。 絶対に、助けを呼んでくるのだわ・・・・!!!
ジュン・・・・待っていて。 今行くのだわ・・・!!!」
そう言って、真紅は這いずる。

愛しい人に、死なれてなるものか。
また、あの人に会って抱きしめてもらう。
そのためには、生き延びる・・・・!!!!

「絶対、絶対に助けを呼んでくるですよ・・・!!!」
翠星石が不安そうに真紅を見つめる。
真紅がズリズリ、ズリズリと不恰好に進む。
翠星石の運命は、今や彼女が握っているのだ。
そして真紅は、部屋の引き戸に手をかける。
「ふんっ・・・・・・・・・・!!!」
ギィィィィィィィィィ・・・・・・・
横にスライドしていく戸。
扉の向こう側、わずかな光が照らす廊下があった。

「・・・・・・・・・・・行ってくるのだわ。」

ギィィィィィィィィ・・・・・・・
バーン!

大きな音とともにこの引き戸が閉まる。
そうして、真紅がこの部屋を脱出した。
あとは、信じるだけだ。

私はこんな処では死なない。
生き延びてやる。
生き延びてやるんだ!!!

『ジグソウ』め、ざまぁみろです・・・・
私のことをジャンクがどうだと言ってやがったですが、
本当のジャンクはお前だったようですね。
そこで這いつくばって腐っていくのがお似合いですぅ・・・・・

「あははははははははははは!!!! このゲームは私の勝ちですぅ。 あはははははははははは
はははははははははははははははははは、・・・・・・・・・・は」 



哄笑が、とぎれる。

突然、

視界の中で、
赤黒いカタマリが動いた。

いや、カタマリではない。
死体だ。
ちょっと待って、おかしい。
死体は動かないから死体だ。
死体は死んでいるから死体なんじゃなかったのか?

死体は、立ち上がった。
翠星石には理解できなかっただろう。
死体は、一歩一歩、まるでそう振舞うのが自然であるかのような気軽さで歩く。
そして死体は、洗面台で顔を洗い始める。
パシャパシャ。
パシャパシャ。

そう、
ゲームは、まだ、終わってはいない。
終わってなんかいない。
続いている。
続いているんだ・・・・!!!!



「あーっ、すっきりしたわぁ。」
鮮やかな銀髪。雪のように白い肌。

死体は、私のほうに向き直って、高らかに言う。

「こんにちは。翠星石。 私が『ジグソウ』よぉ。」

声が出ない。
だって、ありえない。
死体が、死体だと思っていたモノが自己紹介をしている。
知っている。
私はコイツを知っている・・・・!!!

「おまえ、す、水銀燈・・・・・!!!!」
コイツが『ジグソウ』!?
じゃあ、さっき私が殴り殺したのは・・・・誰?!

「臭かったわぁ。 豚の内臓は。
でも、死体の雰囲気はでていたでしょう? 頭から被った甲斐があったわぁ。 あはははははははは。」

見ていたのか。
ずっと、そこで、私達のゲームを見ていたのか。
見ていたんだ。
ずっと、
『最前列』で─────!!!!!
「この・・・・・・ずっと、ずっとそこで私たちの苦しんでいるのを見てたですね!!!!!」

「うふふふふふ、うふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ。」

『ジグソウ』は笑っている。
その目は、もはや人間の目をしていない。
翠星石は悟る。
私は、ここで・・・・・殺されるのだ。

なんで・・・・・!!!!?
なんで・・・・・・・・・!!!!?
なんで、私が殺されなければならないです・・・・・!!!!?
怒りや驚愕を、恐怖と疑念が上回る。

「なんで? なんでですって翠星石ぃ・・・。 うふふ、あはははははははははあはは。」

私の方に向かって歩く。
足首のチェーンの間合いを熟知しているのか、一定のところからは近づいてこない。
ピタっと、哄笑を止める。
さながら、糸の切れてしまった人形のよう。

「翠星石。 わたしはね、もう長くないわぁ。」
『ジグソウ』は淡々と語る。
そんなの知ってる。
だから、たくさん売りつけた。
どうせすぐ死ぬんだ。 
罪悪感が少なくて済む。 そう、思って。
「あと、1ヶ月持てばいいほうよ。
ドラマとかでよくあるじゃなぁい? 余命いくばくも無いなんて状況。
今の私は正にそれよぉ。」

かつて、先輩だった少女。
病気がちだったから、きっと学院には来れないだろうと思ってた。
実際、学院では会わなかったし、彼女のことなんてすっかり忘れていた。
再会はほんのちょっと前。
街で、私に話しかけられて嬉しそうだった彼女に、

薬をあげた。

「あの時はありがとう、翠星石。 おかげで私、今はとても元気よぉ。」

『ジグソウ』は笑っている。

「・・・・・ふ、復讐ですか・・?!」
クスリを売りつけたことをうらんでいるのか?
私はそう思わずにはいられなかった。
「復讐・・・・・・それもあるわぁ。」

『ジグソウ』は天井を向く。
その姿は、まるで、泣きそうになるのを必死でこらえているかのよう。

「ただ、生きる。 
それが難しいこの身体と折り合いをつけて生きていくのは大変だったわぁ。
それでも、ジャンクのこの身体でも、私は生きていられたわ。 
死ぬのは怖かったけど、
それでも生きているうちは楽しかったわ。 友達ができたから。
家族もいなくて、誰にも必要とされないこの私に、ただの一人だけ、
大切な友達がいたわぁ。
だからね、取り立てて不満なんかなかったの。」

『ジグソウ』は笑う。

「でもねぇ、その友達がこう言ったのよ。 翠星石。


学院にジャンクは似合わない。


そう、言ったの。」

もう戻れない過去の日々。
私は学院で幸せな毎日を過ごす筈だった。
だけど、私のお腹の病気はそれを許してはくれなかった。
だけど、もうそんなことはよかった。
「アリス」の友達が出来たのだ。
こんな身体でも大丈夫だった。「アリス」と同じ風に話せた。
それが、私には、私が何一つ変わってないように感じられてとてもうれしかったのだ。

だが。

ちょっと行ってみたいって言っただけだった。
少しだけでよかった。
あなたの学校に行ってみたい。 
またあの日々に戻ってみたい。
そう、言っただけだった。
そのときは、笑ってくれていたけど。

聞いてしまった。
私にはあの子しかいなかったけど、あの子には友達がたくさんいた。
電話で友達と話しているとき、彼女は言っていた。

重い病気の女と知り合いになった。
もう長くない、後は死ぬだけの欠陥人間。
学院に行きたいとかぬかしていたけど、
あんなジャンクは学院に来る資格が無い。

不完全な人間ほど醜いものは無い。

「そう、言ったのよぉ・・・・・・・・・・!!!!!」

思い出す。
あの絶望と虚しさ、そして怒り。
友達と思っていたのは私だけで、
彼女にとってはただの暇潰しでしかなかった。

『ジグソウ』は無表情。
それでも、涙が頬を伝っていた。

「私は知ったわぁ。 彼女のおかげよぉ。」

彼女を完璧な人間だと信じていた。
欠陥品である自分が、尊く思っていた「アリス」。
憧れでさえあった。
だが、その『ジグソウ』の心は粉々に砕かれた。
そう、完全な人間などいない。
あえて言うなら、人間全てがジャンク。
だけど、ジャンクをジャンク呼ばわりする人間こそ、本当に壊れてしまっている。
真実の────ジャンク。

『ジグソウ』は、もう、凶悪殺人犯ではない。
友達に裏切られて、生に絶望し、それでも死に恐怖し、
世界を、憎悪した。
何もかもを失ってしまった彼女。
彼女に残ったのは、使命感だった。

「残りもう1ヶ月持たないと知った時、吹っ切れたわ。
このまま私は死ねない。 死ぬわけにはいかない。」

『ジグソウ』は続ける。

「ジグソウパズルと一緒、未完成なものなんて見るに耐えないわぁ。」

それは彼女にとって、

『不完全ほど恐ろしいものはない。 欠落ほど醜いものはない。』

唯一の真実だった。

「生を感謝せず、他人の苦痛を笑う。
そんな奴らに、そんなあなたに、生きる意味を教えてあげるのよぉ。
自分がジャンクでないと謳うのなら、それを証明してみせなさい。
私のささやかなたった一つの願い。
私が死ぬ前の、最後の生きる意味。

それこそが、このゲームなのよぉ。」

己の欲望、快楽を満たすのではない。
生の大切さを教えるためにやっている。
そう、『ジグソウ』は言った。

「な・・・・・・・・!!! 大きなお世話です!! 私はジャンクなんかでもないし、
生きる意味なんかどうでもいいです!! 壊れているのはお前のほうです!!!
ここから出すです、このジャンク!! 何考えてるですか!!!? 今にきっと真紅が
警察を呼んできてくれるです!!!! そうなったらお前は最後ですね!! あはは、ざまぁみろです!!!
あはははははははははははははははh
「翠星石。」
「ひ・・・・・!!!!」
冷たい声で遮られる。
色の無い目。 その白い肌と相まって、正に人形のような空ろな表情。
鳥肌が立つ。

「もう、ジャンクには用は無いのぉ。」
バツン・・・・・!!!!
照明が落とされた。
途端、部屋は漆黒の暗闇へと、原初の状態へと戻った。

「な・・・・・・・・・!!! ど、どういうことですか!!!???」

「ゲームは終わったわぁ。 貴方達の負けよぉ。」

「ゴチャゴチャ言ってないで、電気をつけるです!! 早く!!!!」

「扉に鍵は掛かっていなかったのよぉ。 ジャンク。
足を切れば、あなたたちは外に出ることが出来た。」

チャリンと鳴る音。
鍵を持っていたのだろう、『ジグソウ』はそう言った。
確かに、このバスルームの中に鍵はあった。だが、
死体が、
いや、『ジグソウ』が、
最初から鍵を持っていた。
「私、言ったわよ? 鍵を探すのはオススメしないって。 ちゃんと聞かなきゃダメじゃなぁい。」

鍵が掛かっていなかった・・・・・?
じゃあ、まさか、
唯一つ必要だったのは・・・・・・

ギギィ・・・・・。

暗闇の中、引き戸が開く音だけが聴こえる。
ギ、ギギギ・・・・・・・・
わずかの光がこの部屋を照らし出す。

「ま、待つです!!! 何処に、何処に行くですか!!!!!」

彼女は扉の向こうに立ち、翠星石を見据えている。
その手に持っているのは、鍵とノコギリ。

や、やめて・・・・・
そのノコギリを持っていかないで。
その鍵を掛けないで。
お願い、行かないで!!!

「あ・・・あああ、謝るです!! 誓います!!! もうクスリなんか売らないです!!! もう絶対にしないです!!!!」

だから、私をここから出して!!!!
扉へと走る。
ガシン!!
足首がひっかかる。
ガシン!!
くそ。
ガシン!!
くそ、くそ。
ガシンガシン!!!
くそくそくそ、くそくそくそくそくそぉおお!!!!
ガシンガシンガシン!!!
足首から血が滴り落ちる。
それでも、この足枷は外れてくれない。
ガシンガシンガシンガシン!!!!
くそぉぉぉおおおオオオオオオオあああああああああああ!!!!!!
ガシンガシンガシンガシンガシンガシンガシンガシン!!!!

「言ったでしょ。 それを証明しなさいって。
でも、あなたはそれが出来なかった。 其処でもうこのゲームは終わっているのよぉ。」
ギィィィィィィィィ・・・・・・・
扉が、閉まっていく。

「死にたくないです!!!! 嫌です!!! 出して!!! お願い、ここから出して!!!!!」

こんな処で、こんな暗くて寒い処で死ぬのは嫌だ。
ガシン!!
(足首から血が滴り落ちる。 それでも、この足枷は外れてくれない。)
こんな風に殺されるのは嫌だ。
ガシン!!!
(外れてくれない。)
こんな死に方がしたいんじゃない・・・・!!!!
ガシン!!!!
(外れてくれない。)
こんな死に方の為に生きてきたんじゃない・・・・!!!!
ガシン!!!!!
(足首から肉が削げ落ちる。 それでも、この足枷は外れてくれない。)
ガシン!!!!!!
(外れてくれない外れてくれない外れてくれない外れてくれない・・・!!!!)

嫌だ・・・・・・・・嫌だ!!! 嫌だ嫌だ!!!!

「ううぅぅううう・・・たすけ、助けてください・・・・うあ、あああああ、ああ、ああああああああああああ・・・・!!!!!!」

「じゃあねぇ。 ジャンク。」

ギィィィィィィィィィィ・・・
光が細まる。
扉から出ていた光も消えていき、
残るのは暗闇のみ。

やめろ、行くんじゃない・・・・!!!!
何も・・・・何も見えなくなる!!!!
それでも、この足枷は外れてくれない。
それでも、この足枷は外れてくれない。
それでも、この足枷は外れてくれない。

だから、私は此処から出られない・・・!!!!

「嫌だ!!!! なんでもします!!!! だから、だからお願い!!!! お願い助けてぇぇぇぇぇええええええええ!!!!!!」

「ゲームオーバー。」

「い、

いやああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ あああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」


バーン!!



扉が閉まる。
それで、このゲームは幕を閉じた。










誰か。
此処から出して。


Rozen Maiden~saw~





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