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+++薔薇水晶(6/23PM1:12薔薇学園3-B)+++
銀「……あなただったのねぇ」
薔「痛っ……」


私はどうやら水銀燈に両手で胸倉を掴まれて、壁に押し付けられたみたい。
もう、痛いなあ。頭に血が昇りすぎたからって暴力は駄目だよ?
それにしてもすごい顔だね。歯を剥いて、目なんかこんなにつりあがって、まるで般若みたい。
ほらほら、そんな恐い顔しないで。ジュンと一緒にいる時みたいに笑おうよ。ね、スマイルスマイル♪
……て無理か、やっぱり。


銀「この泥棒猫!!信じられない!!あんた人のモノを勝手に盗っちゃいけないって習わなかったの!?答えなさい薔薇水晶!!」


水銀燈が私の制服を掴んだまま体をガクガク揺さぶって問い詰める。そのたびに私の後頭部が後ろの壁にぶつかった。
でも、頭の痛みよりも、彼女の言った一言が私の怒りに火をつけた。


薔「……人のモノ?誰が、誰の?」
銀「ジュンが、私のモノなのよ」


ジュンが自分のモノ?ふざけないでよ。ジュンはあんたなんかのモノじゃない。私のモノなの。
そこのところをキッチリと教えてあげる。
今の水銀燈は怒りに身を任せて、正気を失いつつある。普段の水銀燈相手だったら私には勝ち目は無い。
でも、今の冷静さを失っている水銀燈だったら、私でも倒せる。少し予定が狂ってしまったけど、まあいいや。……ここでケリをつける。


薔「ねえ、もう諦めてよ。知ってるんでしょ?銀ちゃんのモノだったジュンは、私のジュンになったの」
銀「うるさい!!ジュンはあんたなんか好きでもなんでもないのよ!!」
薔「そんなことないよ、ジュンも私を好きだって言ってくれるもん。ねえ、銀ちゃん、皆私達のことを祝福してくれたの。おめでとうってね。 
  だから、ジュンのためを思うなら、恋人ができた事、祝福してくれないかなぁ?」
銀「そんなことできるわけないでしょう!!あんた、自分がどこにいるかわかってるの?ジュンの隣は私の場所なの!!
  今も昔もこれからも!!ずっとずっと私だけの場所なのよ!!あんたなんかがいていい場所じゃなぁい!!」
薔「で、その場所を取られそうなときに銀ちゃんは何をしてたのかな?どうせ自分の部屋に閉じこもってメソメソないてたんじゃないの?
  そんな自分からはなにもしない。いつも頼って守ってもらうことばっかりで、ジュンを幸せにする努力もしない
  『怠け者』なんかにジュンを愛する資格なんてないの。だから、諦めてよ、ジュンのこと」
銀「それは……あんたも同じでしょう。あんたもジュンに頼りきりだったじゃない!!」  
薔「ううん、私は貴女とは違う。確かに今までの私は、弱くて臆病で、ジュンにいつも迷惑ばかり掛けてた。
  でも、今は違うの、ジュンの為にもっと強くなろうって、虐げられた過去も、臆病だった自分も、全部背負って生きていけるように
  強くなろうって思ってる。私はジュンが好き。ぶっきらぼうだけど、ほんとは思いやりがあって、優しくて、自分のことは後回しで、
  人のために行動できて、でもちょっと心が弱いところもあるジュンが好き。私はジュンの為ならなんでもできる。
  人だって殺せる。盗みだって出来る。体を売ることだって、ほんとはいやだけど、ジュンの為なら出来る。水銀燈、私はね。ジュンを愛してるの。
  誰よりも、この世界中の誰よりも、私はジュンを愛してる!!!」
銀「私だってジュンを愛してる!!なによぉ、ぽっと出のくせして大きい顔して!!あんたがいたところで私とジュンの関係はどうにかなったりしない。
  だって、私達の絆はこんなことでどうにかなるほど弱くなんかないもの!!積み重ねてきた年月が違うの。思い続けてきた年月が違うの。
  だからあんたなんかにジュンをどうこうする権利なんて無い!!」
薔「愛してる?二人の絆?何言ってるの?今の銀ちゃんにそんなこと言う資格があると思うの?」
薔「――ジュンにフラれちゃったくせにさぁ」
銀「―――っ!!」


水銀燈は私から手を離すと後ろに三歩下がった。あら?もしかして水銀燈の中じゃなかったことになってたの?
なんて都合のいい頭なんだろ。別の意味で感心しちゃうかも。


銀「ち、違うわぁ。そうよ、あなたがジュンに言ったんでしょう!!私と付き合うなって!!じゃなかったらジュンが私をフるはずないもの!!」


やれやれ、何が何でも私の所為にしたいわけですか。


薔「違うよ。私はジュンに何もしてない。ジュンは自分の意思で銀ちゃんをフったんだよ」
銀「ウソよ!!出鱈目言わないで!!
薔「ウソじゃないよ。だってジュンは銀ちゃんの気持ちに気付いていたんだもん」
銀「なっ……」
薔「ジュン言ってくれたよ。『とっくに気付いてた。でも、僕が好きな女は君だけだ』ってね」


水銀燈は信じられないのか、口をポカーンと開けていた。なんだか間抜けな顔だなぁ。


薔「銀ちゃんの気持ちに気付いてたのに貴女をフったの。この意味わかる?ジュンは銀ちゃんのことが大嫌いなんだよ」
銀「……ぁ……」


水銀燈から聞こえた声は、言葉ではなく「ひっ」とも「はっ」とも取れる声だった。
うわぁ。瞳孔開いちゃってるよ……。体も震えてるし、よっぽどショックだったんだね。


薔「大嫌いでウザ過ぎるって言ってたよ。それに証拠を見せるって私の目の前で着信拒否までしてくれた。
  あは♪ジュンは銀ちゃんのことよっぽど嫌いだったんだねぇ」
銀「そんな……じゃあ、あれは本当にジュンが……」


これはウソ。あのメールの着信拒否も私の仕業。でも、水銀燈にはそんなことわかんないよねぇ?
ねえ水銀燈。ばれないウソはウソじゃないんだよ。
水銀燈はなにかを呟き続けている。水銀燈の顔から生気が消えていく。


銀「そんなことない……そんなことない……」
薔「じゃあ銀ちゃんはジュンから好きだって言われたことある?愛してるって囁かれたことは?
  抱きしめられたこともキスされたこともないよね?私はあるよ。好きだって言われたことも、
  愛してるって囁かれたことも、ギュッと抱きしめられてキスされたことも。なんでかわかる?
  それはジュンが私が好きだからだよ。水銀燈じゃなくて薔薇水晶を愛しているからなんだよ」
銀「違う……そんなの……違う……」


んー。なんだか面白くなってきっちゃった。私を苛めてた連中の気持ちもちょっとわかるかも。
でもこれはイジメなんかじゃないし、水銀燈も可愛そうになってきたから、もうそろそろトドメさしちゃおっと。
私は、何かを呟き続けている水銀燈に近付き、耳元でこう囁いた。


薔「私ね。ジュンに抱かれちゃった」


水銀燈はハッとした表情で私を見つめた。


薔「銀ちゃんももう子供じゃないならわかるよね。抱きしめられたんじゃないの。抱かれたの。
  つまり、ジュンとSEXしたんだよ。昨日も一昨日もその前もね」
銀「………」
薔「あれ、どうしたの銀ちゃん。身体が震えてるよ?」
銀「っ……!」


水銀燈はブルブル震えている。呆けていた顔もまるで鬼みたいになってるし。


薔「一昨日なんて凄かったなぁ。玄関着くなりいきなり押し倒されちゃって、もう大変だったんだから」
銀「……ウソよ」
薔「ジュンは口でされるのが大好きなんだよ。私の頭をこうしてぐいぐい抑えて、全部私の口の中に出しちゃうの。
  その後、私はジュンの出したモノを口の中でくちゅくちゅ転がしてから飲み込むんだよ。そうしたらジュンがすっごく喜ぶから、
  毎回してあげてるんだけどね。ふふ……銀ちゃん知らなかったでしょう」
銀「だまりなさい……」
薔「ジュンが私を貫く度に、私の心の中が暖かくなるの。ジュンと私が一つになるあの感じ。あれ以上幸せなことって考えられないなぁ」
銀「……だまれ……だまれ……」


うわぁ恐い顔。でもまだまだ。


薔「ジュンはそうやって私を一頻り愛してくれた後、毎回この中にジュンの赤ちゃんの素をいっぱい注ぎ込んでくれるんだよ」


そう言って私は自分のお腹を撫でる。


薔「避妊なんて全然してないから、もしかしたら出来ちゃってるかもね」


こうやって撫でていると新しい命が本当に私の中に宿っている気がして、顔から笑みがこぼれてしまう。
反対に水銀燈の顔は私が話を進めるに従ってどんどん険しくなっていく。今にも殴りかかってきそうな雰囲気だ。


薔「どう?これでわかった?ジュンの心も体も全部私のモノになったの。もう銀ちゃんの入り込む隙なんてないの。
  朝起こすのも、朝ご飯作るのも、お昼一緒に食べるのも、夕御飯作るのも、全部、恋人であるこの私なんだよ」
薔「えーっと、こんなときはなんて言うんだっけ?……うーん……そうだ!!」


私はポンと手を叩くと、私は歌を歌うように笑顔でこう言った。激しく盗作くさいけど。


薔「貰っちゃった貰っちゃったぁ♪ジュンをぜぇーんぶ貰っちゃったぁ♪銀ちゃん、残念だったね♪」


ねえ水銀燈。貴女の敗因は一つだけ、たったの一つだけ。
今までの年月を過大評価してたことでも、幼馴染という関係に胡座をかいて長い間何もしなかったことでもない。
それは、私を信じきっていたこと。きっと水銀燈はあのときの、私が応援するってことを今まで信じて私を疑わなかったんでしょ?
でも残念、その結果がこれだよ。最初から私を疑っていれば、ジュンの貞操を私に奪われることもなかったのに。
……まあ今更何をしても遅いんだけどね。あははははは……


――ゴッ!!


薔「が……!!」


身体に走る衝撃。
状況を理解するのに時間が掛かった。
顔に感じる鈍い痛み。口の中に広がる鉄っぽい味。後頭部にぶつかった固いモノ。反転した視界。床に横たわっている自分の体。
あれ、もしかして殴り倒された?
ふと目の前を見ると、水銀燈が私を殴った格好で固まっている。
頭の後ろがズキズキ痛む。後頭部に手を回して、痛むところに手を当てた。ぬちゃっとした感覚。
触った手のヒラを確認すると、それは血でべっとりと濡れていた。
どうやら私は壁に頭を打ち付けてしまったようだ。


(あーあ、やっちゃった。嫉妬でジュンの恋人に怪我させちゃうなんて。水銀燈。こういう戦いは、さきに手を出したほうが負けなんだよ?)


このときの私は、まだ自分が圧倒的優位に立っていると信じきっていた。でもそれは甘すぎる考えだったと思い知らされることになる。


薔「ひどいなぁ。嫉妬で女の子の顔をグーで殴っちゃうなんて」
銀「………」


水銀燈は無言で、ゆっくりと私に近づいてきた。


薔「このことをジュンに言ったらどう思うかな?自分の恋人を、力一杯殴り飛ばす幼馴染。
  さぞ、怒るんだろうねえ。怒って、銀ちゃんの事、もっと嫌いになるんじゃないかな?あーあ。可哀想に。
  ……で、どうしてほしい?言って欲しくないよね?でも、その代わり………」


――バゴッ!!


薔「ぅあ……!!」


今度は私の頭を蹴りぬいた。こめかみを正確に打ちぬく、速くて重い蹴り。一瞬意識が飛んでしまった。


(あれ……?)


後頭部のダメージと蹴りのダメージが重なり、頭の中がぐらぐらする。正直意識を保っているのがやっとの状態だ。
ちょっと、人の話は最後まで聞いてよ。私に手を出したらジュンに本当に嫌われるかも知れないんだよ?そこのところわかってるの?
私は文句を言ってやろうと重い体を動かして、後ろに立っている彼女の方に振り向き……


薔「ひぃ……」


背筋が凍りついた。


そこには激しく目をギラつかせ、飢えた狼のように激しい殺気を迸らせる、彼女の姿があった。


コッ……コッ……


彼女が近づいてくる。ゆっくりと、だが確実に。
私は、水銀燈の殺気に飲み込まれ、指一本動かすことが出来なかった。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――


+++水銀燈(6/23PM1:20薔薇学園3ーB教室)+++
――ゴッ!!


薔「が……!!」


うふふ……どう、痛かった。でも私の痛みはこんなもんじゃなかったのよ。
あなたも悪い子ねぇ薔薇水晶。あんなにいっぱいウソ吐いちゃうなんて。
そうよ、この女の言ったことは全部ウソ。全部出鱈目。
ジュンはこの女を好きだなんて言わない。ジュンはこの女を愛したりはしない。ジュンは自分からこの女を抱きしめたりはしない。
ジュンは自分からこの女にキスしたりしない。ジュンはこの女と寝たりなんかしない。


ジュンは、ジュンはジュンはジュンはジュンはジュンはジュンはジュンはジュンは…………


そっか、本当はジュンがこの女に襲われたのねぇ。ジュンからこの女を押し倒したなんてウソ。本当はこの女がジュンを押し倒したのよ。
この女はジュンの優しさにつけ込んで、ジュンを汚して傷つけて。可愛そうなジュン、こんな女にレイプされるなんて。でも大丈夫、貴方の仇は私が討ってあげる。


薔「ひどいなぁ。嫉妬で女の子の顔をグーで殴っちゃうなんて」
銀「………」


酷いのはあんたでしょう。泥棒猫と獣姦なんてよくないわぁ。ジュンが変な病気になったらどうするの?


薔「このことをジュンに言ったらどう思うかな?自分の恋人を、力一杯殴り飛ばす幼馴染。
  さぞ、怒るんだろうねえ。怒って、銀ちゃんの事、もっと嫌いになるんじゃないかな?あーあ。可哀想に。
  ……で、どうしてほしい?言って欲しくないよね?でも、その代わり………」


――バゴッ!!


薔「ぅあ……!!」


……うるさいのよ。私はもう惑わされないんだから。貴女のウソにはもううんざり。さあ、お仕置きの時間よぉ。
でも、一応今まで親友だったんだから命だけは取らないで……


やっぱり駄~目ェッ!!あははははははははははっっ!!!!
だってあなたはジュンを誑かしたんですもの。苦しみぬいて死なないと。あはっ♪
ジュンは私のものジュンは私のものジュンは私のものジュンは私のものジュンは私のものジュンは私のもの
ジュンは私のものジュンは私のものジュンは私のものジュンは私のもの!!!!!!!!!
だから人の物を盗っちゃう悪い子にはきつ~いお仕置きしないといけないわねぇ。
ジャンクにしてあげる……もう二度とジュンに近付けないようにグッチャグチャのミンチにして野良犬の餌にしてあげる!
ジュンの貞操を奪った代価は命で払ってもらわないとねぇ!!あんたなんか簡単に殺せるんだから……うふ、あははは……!!!


男「おい、お前いい加減に……」


――ボゴッ!!


男「っぁ……」


邪魔をしてきた男の鳩尾に一発ぶち込んだ。男は殴られた腹を抑えてその場にうずくまる。いい気味ね。部外者のくせに私の邪魔をするからよ。
ふと気がつくと、いつのまにか教室の周りには野次馬が集まって、この出来事を固唾を飲んで見守っていた。
ふふ、いいわぁ。貴方達もよぉく見てなさい。私のジュンに手を出したらどうなるかってことを。


私は、そのまま倒れている彼女の側にゆっくりと近付き、その下腹部、ちょうど子宮のあるところに思いっきり蹴りを入れた。


薔「っあ……!!」


―――何度も


薔「ぐぅ……!!」


―――何度も


薔「げほ……!!」


―――何度も


薔「ぅえ……」


―――何度も


薔「………っ」


何度も何度も蹴りをぶち込み、その度にこの女の体はびくん、びくんと痙攣した。
ここにジュンとこいつの化合物が入っているのかと思うと、自然と蹴りに力が入った。


許せなかった。私を裏切ったこの女を!!そして、この女を親友と呼び慕っていた今までの自分自身を!!


『女同士の友情なんて成立しない』


ほんの少し前までは鼻で笑っていたこの言葉も、今では心の底から信じることが出来る。


銀「この!この!この!この!この!この!この!この!」


生意気なのよ。あんたなんかがジュンの隣に立つなんて。
ジュンの隣に居ていいのは私だけ!!ジュンの寵愛を受けて良いのは私だけ!!ジュンと添い遂げるのは私だけ!!
ジュンの子供を産んでいいのは私だけ!!ジュンと一緒の墓に入るのも私だけ!!
あんたはその腹の中のゴミと一緒にあの世に送ってあげる。地獄で親子仲良く暮らしなさぁい♪


薔「う……くぅ……」


しばらく蹴り続けていると、薔薇水晶から嗚咽のような声が聞こえてきた。
ふふ、さあ、私に泣きながら言いなさい。ジュンのことは諦めます、もう二度と近付きませんって。そうしたら苦しまないよう一気に殺してあげるわぁ。
私は薔薇水晶の髪を掴むと、引っ張り上げて彼女の顔を自分の方に向けた。


銀「――――っ!!」


だけど、その顔には私が想像していた表情は浮かんでいなかった。


薔「ふふふ……うふふ……」


彼女は笑っていた。


薔「……ふふふ……あははははははははははっ!!」


最初はくすくす笑いだったのが、いつのまにか大声で爆笑している。


薔「あっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ!!!はははっ!!」
銀「ち、ちょっと、どうしたのよ!?」


私は少し混乱していた。もしかして私が蹴りすぎたせいでおかしくなってしまったのか?


薔「あはははっ!!所詮貴女はこの程度でしかない!!」
銀「な……っ!!」
薔「貴女はこんな事しかできない!貴女じゃジュンに相応しくない!ジュンを幸せになんてできない!あはははははっ!!」


そのまま薔薇水晶は笑い続けた。それは、私に対する明らかな嘲笑。


薔「あはははははっ!!」
銀「うるさい、黙りなさい!!」
薔「ははははっあっはっはっはっは!!」
銀「黙りなさいって言ってるでしょう!!」


何度殴っても、何度蹴っても彼女は笑うのをやめず、狂ったように笑い続けている。
私は、彼女のその様子に得体の知れない恐怖を感じた。


薔「あはっあははははっははははははっ!!!」
銀「黙りなさい!!黙りなさいよぉ!!」
薔「ふはっえはははははっ!!」
銀「うるさい!!うるさいうるさいうるさいうるさい!!うるさぁぁぁぁぁぁい!!!」
薔「!!!」


私は薔薇水晶に飛びかかると、そのまま馬乗りになって、両手で彼女の首を力の限り絞めつけた!!


銀「あははははははは! こうやって首を絞めてたらさすがに貴女も笑えないわよねぇ?」


この身を焦がした黒色の炎が、今もなお燃え盛り私を焼き続ける。
嫉妬?そんな生易しいものではない。これは完全な………憎悪と殺意……………。
その2つが今の私を突き動かしている。
薔薇水晶は、私の腕をつかみ、髪の毛を引っ張って必死に抵抗した。だけど、私はそれでも力を緩めることはなかった。
ふふ、いい気味ねぇ。私をバカにするからこうなるのよ。あれ?すごぉい、すごぉい!どんどん顔が青色になっていくわぁ!
私は、息が出来ずに苦悶の表情を浮かべている薔薇水晶の耳元でゆっくりと呟いた。


銀「私からジュンを奪おうとしたんだもの……………当然よね。バイバイ薔薇水晶。私、貴女のことが好きだったわぁ。
  ジュンさえ奪わなければ、ずっと好きでいられたのにねぇ……………」


彼女の抵抗も弱まり、目の焦点も定まらないようだ。顔色も青を通り越して土色になっている。
これが私からジュンを奪った女の末路か。案外あっけないわねぇ。
だけど、力は緩めない。


銀「さようなら薔薇水晶。お墓参りには行ってあげるからねぇ」


私の腕をつかんでいた彼女の腕がゆっくりと離れていき、瞼もだんだんと下がってきた。
もう少し、もう少しでジュンが私のもとに帰ってくる!!


?「何やってるんだ水銀燈!!」


そのとき、一人の男の声が教室内に響いた。この声は……。


銀「ジュン……」


私の最愛の人、ジュンだった。
ジュンは私の方に走ってきて、私を思いきりドン!っと突き飛ばした。


銀「きゃっ」


私は突き飛ばされて尻餅をついた。ふと、彼の方を見ると、ジュンは激しくせき込む薔薇水晶を抱きかかえ、彼女を介抱している。


J「薔薇水晶!大丈夫か?しっかりしろ!!」


私の手から開放され、混沌とした意識から目覚めた薔薇水晶はせきこみながら弱々しく呟いた


薔「げほっげほっ……はあ……はあ………ジュ……ン………………」


(あなたがジュンの名前を呼ばないでッ!!!)心の中で絶叫する私。


J「水、銀燈ぅ……」


ジュンの怒りに満ちた声が私を襲う。それは私にとって何よりも強力な凶器。


なんで?なんでそんなに怒ってるの?私はジュンを助けようとしたのよ?なのにどうして私をそんな目で見るの?
大丈夫、安心して。私はジュンの味方だから。ジュンの敵はみんな私が殺してあげるから。今だって、ジュンを騙している女を粛清しようとしただけなのよ?
だから私を褒めてよ。いい子いい子ってしてよ。私の側を離れるなんて言わないで。私とずっと一緒にいてよッ!!
お願いだから……お願いだから……


―――お願いだからそんな目で私を見ないで―――



続く
 

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