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走馬灯~MANY MEMORYS~



今という時は二度と無い。
一瞬一瞬が過ぎ去っていく。
過去という道を渡って人は未来という道を
馬の如く走りそして命の炎を灯って行く。
これはとある乙女の走り跡と消えてしまった灯りの物語。



私はこう思う。
今という一瞬が早く過ぎないのぉ?
だって人生とつまらなぁい。
早く過ぎればいいのにぃ。
だけどねぇ・・そうは思わなかった事が何回もあるのぉ。
いずれもあの人の思い出の灯火ばかりだけどねぇ。
逆に言うとあの人との思い出で過ぎ去って欲しいと思った事は
1つしかないわぁ。ただ1つだけぇ。ちょっと悲しかった出来事。
その時は時がただ流れていくのを残酷に感じたわぁ。
だけどあの人はそれを考えてか手紙を残してくれた。
その手紙は“思い出“になって灯っているわぁ。
そうねぇ・・。ちょっと話してあげるわぁ。
他の思い出の灯火と一緒にねぇ。



愛しの人へ
この手紙を読んでるという事は君を悲しませてるだろう。
先に君に謝っておきたい。
思えば病を患っていたジャンクな僕を愛してくれてほんとに嬉しかった。
病で生きる意味を見失っていた僕は君という、「水銀燈」という
かけがえの無い人に人が居てくれて残り少ない命を堪能出来た。
ほんとに感謝する。
そして・・今この手紙が発見されているという事は
僕は人生最大の喜びを手に入れ
人生最後の自分の役割を果たしているだろう。
そんな僕は君にお願いがある。
-生きてくれ。
この地に踏みとどまって力強く美しく幸せに生きてくれ。
そしてあまり泣かないでくれ。
笑ってくれ。可愛く満面に。
生きていた頃から願っていた。
そして死して直願っているだろう。
最後に、
愛してる ありがとう
そして僕は君の地獄で永遠に歌を歌い続ける。
先に待ってるよ。
byジュン
to最愛の人

                              
水「泣くわけ…ないわぁ…。」  そう言いながら水銀燈は涙を流し必死に笑おうとしている。
だがやはり哀しくて完全に笑う事は出来てない。
そして手紙を懐にへとしまう。
水「真紅ぅ…。笑うのが初めて辛く感じるわぁ…。」
真「そうね…。けど泣いてばかりはいられないわ…。」
翠「うっうっ…あのチビ人間…逝くなんてですぅ…。」
蒼「翠星石…泣いちゃだめだよ。」
いつもは説得力がある彼女の言葉だが
今回ばかりは泣いていて説得力が無かった。
薔「・・・(ただ涙を浮かべている。)」
雪「ばらしーちゃん・・。」
薔薇水晶はいつも以上に静かになっていた。
泣きながら呼びかける姉の呼びかけにも答えない。
金「悲しいかしら・・。」
雛「なの・・。」
元気なこの二人もこの時は元気が無かった。                  


―此処はとある町の火葬場。
高校生程の子らなどで溢れかえっている。
やがて溢れかえっていた人も段々と少なくなってきた。
やがて3人の大人と9人の女らと二人の男が残る。
梅「気を落とすなよ…。」
そう言い子供らに梅岡の表情は明るくは無かった。
梅「この度はご愁傷様でした…。」                            
梅岡はジュンの家内の人間へと声をかける。
JUNママ「いえ…それでは…。行きましょうノリ、あなた。」
ノリ「ヒック…。ジュン君…。」
JUNパパ「…。」              
ジュンの家族はそう言い残し去っていく。
梅岡は見送ると女らに気を付けろよと声を掛け
先に帰っていった。
これで残るは男二人と女八人になった。                        


ベ「じゃあ俺らは先に帰っとくぜ…。」
笹「うん…。またね…。」
そう言い残し男共も去って行く。
べ「あいつの居ない世界とは…。ここからが本当の地獄だ…。」
去り際に泣きながらベジータが言い残していく。
結局こんな感じで真紅と水銀燈以外は帰路についた。
二人きりにとなるがまだ泣き声は絶えなかった。
水「ぐすっ・・。先に逝くなんてほんとにおばかさんねぇ・・。」
真「ええ・・・。正真正銘の大馬鹿者なのだわ。」
水「・・真紅ぅ。あなたにもう一度言いたい事あったわ。」
真「なにぃ・・?」
水「ええと・・有難う・・。」


水「改めてあの時の事・・ホントに感謝するわぁ。」
真「あなた達の為ならあれぐらい容易いのだわ・・。」
水「ふふ・・ほんとにありがとぉ。おばかさぁん・・。」
水銀燈は左手の薬指にある指輪を見つめながら言う。
薔薇の造花が黒色の指輪に絡みついた、なんとも珍しい指輪だ。
水「人生最後の役割と喜びってやっぱあれかしらぁ・・。」
真「いまさら何を・・。」
二人はあの事、ほんの一週間前の事を思い出す。


一週間前、病院の屋上にて
J「水銀燈・・。18歳の誕生日おめでとう。」
水「ジュン・・。」
水銀燈は一週間前のこの日も泣いていた。
水「ありがとぉ・・お馬鹿さぁん・・。」
J「これが最後のプレゼントになるかもしれないけど・・。」
水「そんな事言わないでっ!ジュン!」
ジュンがこんな事を言うのにも理由はある。
ジュンは癌にかかっていた。
引き篭もり生活からようやく抜け出した後こうなったのだ。
引き篭もり生活による体力の減少により体調が悪くなったと思っていた。
全員が思っていた。しかし時として現実は非常。
思ってもいない現実を叩きつけられた。
発見が遅かった為すでに癌は末期状態となっていたのだった。
一番それに悲しんだのは当の本人では無く付き合っていた水銀燈だった。


-さらに一年前
17歳の水銀燈の誕生日。
その日にジュンは登校してきた。
今まで引き篭もっていたジュンを励ましてくれた水銀燈に対する
“喜び“を誕生日プレゼントだと言って。喜ばせたかったと言って。
そしてその日彼は告白し水銀燈と結ばれた。1年間誰よりも愛し、付き合ってきた。
そのせいか水銀燈は当の本人よりもショックを受けていたのであった。
そして今の今までジュンは闘病生活を送ってきた。
余命はもう無いと言われつつも彼は必死に生きてきた。
何よりも最愛の人の為。
次の誕生日の為。


J「・・まっ!開けてみな。」
そう言ってジュンは水銀燈に箱を差し出す。
と言ってもかなりでかい。ジュンの身長ぐらいはある。
水「なんなのぉー?これはー?」
J「僕の気持ち。」
はっきりと言いのけたジュンに呆気をとられるもの
正気に戻り大きな大きな箱を開けていく。
水「これは・・?」
中にはウェディングドレスが入っていた。
こんなドレスは普通ない。彼がコツコツ作り上げたのだろう。
そこには指輪を入れるような箱もあった。
ただ普通のとはちょっと違って黒色が混じっている。
水「これは・・?」
J「何度も言うが僕の気持ちだよ。水銀燈、結婚してくれ。」
水「へ……?」
J「駄目か?」
水「ジュン・・。」
水銀燈は泣いていた。それは嬉し泣きも混じっていた。


水「返事は決まってるじゃないお馬鹿さぁん。勿論返事はオーケーよぉ。」
水銀燈は答える。
J「じゃあ早速行こうか。」
水「え・・?どこに・・?」
J「結婚式会場へ。」
水「・・・・・・・・へ?」
J「屋上に散歩って言って抜け出してきたんだ。早く行こう!」
水「へっ?ちょ・・ジュン・・!」
水銀燈はジュンに手を引っ張られて病院の一階へと降りていく。
水銀燈「ちょ・・結婚式会場ってどこよ!?」
J「それは秘密。」
水銀燈は箱を背負い手を引っ張られながら聞くがジュンは答えなかった。
あくまでお楽しみって事なのだろうか?
そう考えてるうちに一階のタクシー乗り場へと来ていた。
だがそこに普通のレンタカーが1つ混じっていてそこへと向かう。


ベ「来たな。」
金「来たのかしらー!」
水「え・・あなた達っ!?どうしてここへ・・!?」
J「そりゃあ会場への案内役だからな。」
金「そういう事かしらー!早く行くかしらベジータ!」
ベ「OK!任せてな!」
ベジータはレンタカーを走らせた。
ベ「ちょっと早いが銀嬢・・おめでとうな。」
金「うらやましいかしらー!」
銀「い、いきなり結婚て・・!?」
J「いいっていってくれたじゃないかw。」
銀「(///)そりゃそうだけど・・。」
J「善は急げって言うしな。こいつらにも頼んでいたんだ。」
銀「(///)」


キキーッ!
ベ「さて・・ついたぜ。ここからが本当の・・極楽地獄だ・・!」
いつもとは少し違う台詞を述べ車を止めるベジータ。
金「先に行ってるかしらー!まだ私達は準備はあるかしらー!」
金糸省はそう言い車の所から歩かない。
J「(まだなんかあったっけ・・?)わかった。先に行っておくな。」
水「わかったわ。」
水銀燈もようやく落ち着きを取り戻しているようだ。
J「じゃあ行こう・・!」
水銀燈は体力の少ないジュンに代わって箱を背負いながらついて行く。
J「さっきもなんだが・・すまないな・・。そんな荷物背負わして。」
水「なぁにかえって免疫がつくのだわぁ。ほんと優しいね。」
そんな事を言いながら歩いていくとジュン達は会場へと着く。
水「ここは・・学校?」
水銀燈が見る方向には学校がある。まさかと思うが・・。
水「もしかしてここぉ?」
J「ああ、俺が告白した場所。スタートとゴールが同じって素敵じゃないか?」
J「ゴールじゃないな、新たな出発だな。」
水「ジュン・・///」


J「会場エリアに着くまで少し昔話でもしないか?」
水「そうねぇ、じゃあ告白の時の話でぇ。」
J「おま///」
そんな事を言いながら二人は過去の事を思い出す。


-1年前
水銀燈の誕生日。
水銀燈はいつも通り学校に行く。
ただ学校はいつも通りじゃなかった。
何やら騒がしい。
水(何なのぉ?)
水銀燈が疑問に思っていると教室に着いた瞬間
その答えがわかった。
水「ジュン!!!!?」
J「水銀燈・・。」
水銀燈は真っ先にジュンに飛びつく。
それもそうだ。水銀燈は今の今まで学校帰りにジュンを説得していたりしたのだった。
みんなが待ってると。
自分の為や友達の為に行く理由がなければ私の為に
私に会う為に来てとでも言いたかったが流石に言えなかった。


水銀燈は泣いた。
嬉し泣きだ。抱きついてずっとずっと泣き続けた。
担任が来たとき色んな意味で驚いていた。
流石にそれに気付き水銀燈がジュンを離した。
休憩時間はずっとジュンを抱きしめていた。
周りの目など気にもしなかった。
しかしやがて
雛「うゆー、らぶらぶなのー!」
J「ちょ・・。」
水「(///)」
雛苺の声によって差恥心を取り戻したか抱きしめる事は無くなった。
そして一番長い昼休み、ジュンの元には薔薇乙女達が集まった。
真「下僕が来てくれて嬉しいのだわ・・。」
蒼「ほんとよかったよ、みんなジュン君の事心配してたんだから。」
水「そうよぉ・・ジュンー・・。」
J「今まですまなかったな・・本当に。」


雛「うゆー。しかしどうして突然きたのー?」
薔「そういえば・・・何故・・?」
J「強いていえば今まで僕の事を説得してくれた人に“喜び“をプレゼントしたくて。」
翠「“喜び“とはどういう事ですぅ?」
J「僕を説得してくれた人はあなたが行かないのは悲しい・・寂しいと言った事があるんだ。」
水(もしかして・・・。)
J「その人に僕は喜びをあげたかったんだ、そして僕が行く事がその人に“喜び“となるなら。」
J「そう思って僕は来たんだ。無論皆に会うためでもあるよ。」
真「それでそれは誰なの?おっしゃいなさい。」
雪「うんうん。」
金「かしらー!」
翠「ですぅ。」
気迫に圧倒されジュンはこう答えた。
J「この世で一番好きでしょうがない、ずっと前から好きだった人。」
水「(/////////)(え・・!?)」


薔「ほうほう・・・それで・・・それで・・・誰?」
蒼「やっぱりきちんと言ってもらわないと。」
雛「なのー!」
水「(///)」
J「(///)そ・・それは・・。」
J「す・・・水銀・・燈・・。」
彼は照れながら最愛の人の名を述べる。


それからはほんと大変だった。
雛苺は泣き喚くわ翠星石に毒舌攻めされるわ
水銀燈は赤くなるわ。それでようやく放課後になって
水銀燈と二人きりになって落ち着いた。
そして喋ってる事は勿論先ほどの事である。
水「ねぇ・・あれほんとなの?」
J「う・・嘘を言う程落ちぶれてないよ(///)」
水「(///)ねぇ・・・私も好き・・。」
J「水銀燈・・///。」
水「お願いがあるのぉ・・もう一度・・・ちゃんと告白してぇ・・。」
J「え・・!?」
水「駄目なのぉ・・?」
涙目の上目遣いでジュンを見てみる。
流石にジュンは参ってもう一度言い始めた。
J「え、えー・・・僕、桜田ジュンは・・。」
J「ずっと前からしょうがないほど水銀燈が好きです!」


水「ふふ・・・。ありがとぉ。これからもよろしくねぇ。」
J「そうだ・・・まだプレゼントはまだあるんだ。」
水「え・・?やけに多くなぁい?」
J「そりゃあ誕生日だからな。」
水「え・・!(そういや今日だったわぁ・・。これを見計らって今日・・(///)」
J「まずはこれだ。」
ジュンの手で握るわ薔薇の造花。
水「造花ぁ?」
J「ああ、愛は自分の手で作るものだろ?だからそれに合わせて作ったんだ。」
水「ありがとぉ。」
J「そしてもう1つがさっき言ってた“喜び“さ。」
水「(///)」
J「最後がこれだ。」
水銀燈に唇を重ねる。


水「!!!!!!????」
触れ合うだけじゃなく舌と舌とが絡み合うキス。
それは長く続いた。二人は幸せに浸る・・。
水「ぷはぁ・・・。」
水銀燈はとろーんとしている。好きな人とあれだけ長いキスを
していればそりゃこうなるわぁ。そんな事を考えてたらジュンが口を開く。
J「お気に召した?」
水「十分よぉ・・。」
まだ余韻が残っているようだ。
J「帰ろうか。」
水「うん・・。」
二人は誰もいない学校から出て行く。


水「そういえばあなたが引き篭もっていた時に教えくれた曲を思い出したわぁ。」
J「何だっけ?」
水「確か~ほら、アクエリオンって曲ぅ。」
J「あれかぁ。」
アニソンなのだがジュンはこの曲を非常に好んでいた。
アニメ自体は見た事が無いのだが。
水「一万年と二千年前から愛してる・・だっけ?ジュンもそれぐらい前からぁ?」
J「そ、そこまではいかないけど一目見たときから好きだったよ。」
水「って事は入学式からねぇ。一目惚れかぁ。」
J「(///)そ、そんな事人には言うなよ!」
水「ふふ・・・。そう言えばあの曲の事をまた思い出したわぁ。」
J「ん?なになに?」
水「僕の地獄に音楽は絶えない~だっけ?」
J「あーそうそう。それがどうかしたのか?」
水「ジュンの・・・地獄のように広大な心にはどんな音楽が流れているのぉ?」
J「地獄て・・そんなに広大かな?」
水「広くて優しいわぁ。」
J「(///)」


J「そうだな・・・僕の地獄には・・。」
J「名前は無いよ。」
水「へっ?」
J「何か自然と流れている。けど名前は知らない。」
水「変わってるねぇ。」
J「ただ・・・?」
水「ただ?」
J「ラブソングだって事はわかる・・。好きな人への・・。」
水「ジュン・・・(///)」
二人は手を繋ぎ帰路を歩いていった。
後には二人の幸せそうな声と夕日の光が残っていた。


水「今でも鮮明に覚えてるわぁ。」
J「恥ずかしいな(///)」
そんな事を言いながら二人は校舎へと入る。
J「会場は上さ。その前に着替えていこう。」
水「そうねぇ。結婚式なんだからねぇ。」
J「さて・・更衣室に行くか。」
水「一緒に着替えるぅ?」
J「な、何言ってるんだよ(///)」
水「そうー?体まで重ねてる関係なんだしいいじゃなぁい?」
J「そ、そういう問題じゃなくて・・。」
水「ふふ・・。冗談よぉ。」
J「お前は(///)」
そう言うと二人は更衣室に入ってく。
水「それじゃあ後でねぇ。」


J「ふぅー。」
J「(ほんと・・ここまで来れて良かったな・・。)」
そう思いながら着替えていく。
J「(ほんとに・・人生最大の喜びで人生最大の役割だな)」
J「(喜びを最後まで堪能しよう、最後の役割をしっかりしよう!)」
ジュンは再び決意を固め気合を入れる。
J「(そういや・・・久しぶりだな。)」
ジュンがこの学校に来たのは実に半年振り、
半年ほど前から入院してるので学校には来てなかったのだ。
その間水銀燈が授業をサボりまくり来てくれたのは
ホントに嬉しかった。
それでも水銀燈の単位をあまり落とさないでくれてる梅丘には感謝しよう。
J「やっと着替え終わったな。」
僕はノブを回し開ける。


水「やっぱ着るのは大変ねぇ。」
水銀燈はウェディングドレス着ながらつぶやく。
白が基本だが所々に黒が入ってる全く見た事にないデザインのドレスだ。
水(しかしウェディングドレスに黒を入れるとはどういう事ぉ?)
水銀燈は悩む。
水(私の好きな色だから?)
考えながら私はドアのノブを回し開けて出る。
水「待ったぁ?」
すでに廊下に出ていたジュンに聞く。
ジュンはというと黒を基調としたタキシードに水銀燈とは逆に
白地が所々入っている。
J「ん・・あ、ああ。そんな事無いよ。」
水「見とれてたのぉ?」
J「そ、そんな所だな(///)」
水「ふふ・・。さていきましょうか。」
大きな箱を置いて荷が軽くなった水銀燈はジュンの手を引っ張ていく。
水「そうだぁ、ジュンー。」


水「これはあなたから渡す方の指輪でしょぅ?」
そう言い箱に入ってた指輪の箱を渡す。
J「ああ、間違えてウェディングドレスの所に入れちゃったんだ。」
J「渡すのは指輪交換の時なのにねw」
水「そういえば・・・あなたに渡す指輪・・・どうしよう・・。」
水銀燈はいきなりこの結婚式に出る事になったのだ。
指輪など持ってる筈が無い。
J「心配はいらないよ。」
水(ジュンはそう言ったがどういう事だろぉ?)
そんな事を考えながら屋上へと歩を進める。
漫画みたいに快方はされてる訳がなく
普段はドアが閉まっていた。
只、今日に限っては鍵穴が何か大きい刃物で潰されてるらしく
ドアが開いていた。開けたのは誰か想像は出来る。
大きな鋏をふりまわしているあの子だろう。
あの鋏で鍵を砕くのを想像すると恐怖心が沸く。
そんな事を考えた後私達は運命のドアを開ける。


ドアを開けて先ず目に入ったのは白い舞台。
演劇部からパクッってきたのだろうか?
そんな事を考え二人は前に進む。
そこにはベジータと金糸省を除いたいつものメンバー、
薔薇乙女達が居た。
雛「うゆー!ジュンおめでとうなのー!」
J「こ、こら雛苺・・!」
雛苺がそう言いながらジュンに抱きつく。
見ててちょっと嫉妬する。
それに気付いたかジュンも雛苺を離したようだ。
水「ふふ・・雛苺にも抱きつかれて・・モテモテねぇ。」
J「いや・・その・・。」
水「(ふふ・・・。後で目一杯抱きつくのだからねぇ。)」
そんなやり取りをしているとやがて真紅達が向かってくる。
真「おめでとう・・。水銀燈、ジュン。」
蒼「おめでとさん。」
翠「べ、別にジュンが結婚しても寂しくなんかないですぅ。と、兎に角おめでとですぅ。」
三人から祝福の言葉を貰う。


水「ふふ・・ありがと・・・お馬鹿さぁん。」
水銀燈はそう言うと気になっていた事をジュンに聞き始める。
水「このウェディングドレス・・・普通と違って黒が混じってるけどどういう事ぉ?」
蒼「そういえば普通とちょっと違うね。」
J「ん?あーこれか。」
J「考えてみたら純粋な色ってどんなのを思う?」
ジュンは皆に問う。
雛「うゆー?苺色なのー!」
翠「翠じゃないですかぁ?」
真「情熱の赤・・・?」
薔「・・・紫?」
雪「やはり純白でしょうか?」
どこから出てきたか薔薇雪華姉妹も出てくる。
J「やっぱり白とかが出るか・・。僕はね白も純粋な色だと思う。」
J「だけど黒色はそれ以上に純粋だと思うんだ。」
水「どういう事ぉ?」
J「黒色は純粋だから他の色があってもずっと黒色のまんまなのだと思う。」
J「誰にも邪魔をされない恋・・って事で黒も混ぜたんだ。喪服を意識したんじゃないよ。」
J「それに水銀燈が好きな色だしね。」


金「策士の私でもわかんなかったかしらー!」
ベ「全くだ。」
いつの間にかこの二人も戻っていた。
水「おかえりぃ。二人ともぉ。」
金「ただいまかしら。水銀燈とても似合ってるかしらー!」
水「ありがとねぇ。ふふ・・。」
褒めてくれた金糸省に礼を言うと金糸省が口を開く。
金「さて・・スーパーアドバイザー策士のカナの提案の結婚式の始まりかしらー!」
水「スーパーアドバイザー?」
真「今回の結婚式のセッティングや考案は自称策士さんとジュンが行ったのだわ。」
J「そういう事だな。」
水「ふふ・・ありがと・・おばかさぁん。」
金「おばかじゃないかしらー!策士かしらー!」
皆が微笑む。
蒼「さて・・・金糸省の言うとおりそろそろ始めようか。二人は舞台に行ってくれないかな?」
水「ふふ・・・わかったわぁ。」
J「行くか。」
そう言い二人は手を繋ぎながら舞台へと歩いていく。
舞台は殺風景だった。白い舞台には壁が1つあるだけで他は何も無く
周りは殺風景だった。だがそれがよかった。


二人の後に真紅がついて行く。
水「なんなのぉ?」
真「牧師さん代わりと言った所だわ。」
真紅はそういいながらついて行く。
水「ふふ・・・本当にありがとねぇ。」
J「感謝するよ、真紅。」
真「下僕と親友の為ならなんだってやるのだわ。」
真「さて始まるわよ、まぁ普通と違って質素だけどね。」
水「関係ないわぁ。ふふ・・。」
J「そういう事・・。」
やがて舞台へと三人は上る。
真「さて・・・。いきなりだけど本題なのだわ。」
水「ええ・・。」
J「うん。」
真紅はそう言うとポケットから指輪の箱を覗かせる。
そしてその指輪の箱を水銀燈へと渡す。
水「・・え?」
真「誕生日プレゼント・・とでも言っとくわ。」
水「真紅ぅ・・。」
水銀燈は涙目になる。そして真紅は続ける。
真「さぁ水銀燈、指輪を出しなさい。あなた達の永久の恋の証となる指輪を。」
J「さぁ・・・水銀燈・・。」
水銀燈は言われるがまま中の指輪を取り出す。


どんな指輪かというと白い純白の指輪に造花の薔薇が絡みついている指輪だった。
水「永遠の愛ねぇ・・。」
薔薇を見つめながら水銀燈はつぶやく。
J「そうさ、朽ちる事のない美しいね・・。」
真「ふふ・・・それでは先に指輪交換といきましょうか。
水「結婚式の順序ってよく知らないけど後じゃないのぉ?」
J「常識に囚われるってなんか嫌だろ?」
水「あなたらしいねぇ。」
そう言い水銀燈は純白の薔薇の指輪をジュンにへとつける。
水銀燈から指輪を受け取ると今度はジュンが純黒の薔薇の指輪を水銀燈につける。
水「ふふ・・・純粋で・・永遠の・・・愛かぁ・・。」
さっきジュンがいってた黒と白の話を思い出し呟く。
J「そうさ・・・。誰も汚すことのできない純粋な愛・・。」
水「ふふ・・なんか今日は白崎さんみたいね。」
白崎とは学校の近くのBARのマスターだ。店名はバーボンハウs・・・じゃなく
ローゼンメイデン、薔薇を基調とした雰囲気がよく、
なにより詩人な白崎さんが名物なBARだ。
J「そうかな?そういえば白崎さんはこんなくさい台詞をいつも言ってるね。」
ジュンがそう言うと水銀燈が微笑む。
水「言われた方は凄く嬉しいわぁ。」
J「(///)」
真「さて・・・“誓い“を始めるわ。きなさい。」
真紅がそう言うと壁を曲がり屋上の端のほうへと歩き出す。


J「・・?この後はここで“誓い“じゃなかったのか?」
真「予定は変わるものなのよ。」
水「・・?」
水銀燈も頭に?マークを浮かべ歩いていく。
先には校庭が見えるような場所に壁も何もない
強いていえば屋上から落ちないようにすこしだけチェーンで周りを囲っていた
純白の階段と舞台があった。
水「ちょっとぉ・・。危なくないぃ?」
そりゃそうだ。元々フェンスで囲ってるのにフェンスより
高い階段をつけてそこに舞台があるのだ。
J「確かに危なくないか?」
真「愛は危険など物ともしないわ。それにあっちの舞台じゃ見えないもの。」
水J「????????」
やがて三人は階段を上る。
真「あなた達が先に上ってね。主役なんだから。」
水「どういう事ぉ?」
真「見ればわかるわ。」
そう言われ二人は先に階段を上っていく。
二人を迎えたのは多大な歓声と友や家族に
教師達、二人の関係者ばかりだった。


J「どういう・・・事・・?」
金「策士の思うがままかしらー!」
蒼「金糸省はね、君達に秘密で他にも祝ってくれる人を呼んでたんだ。」
翠「水銀燈がプロポーズを承諾するかわからなかったから今日水銀燈がOKを出した後急いで読んだのですぅ。」
雛「お医者さんたちにはばれない様に連絡するのは大変だったのー!」
真「とまぁこういうわけね、あなた達の門出を祝うのは私達だけではないわよ。」
水「・・・グスッ・・・ほんと・・・おばか・・さんねぇ・・・有難うとでも・・言っておくわぁ・・。」
J「みんな・・・有難う。」
ジュンがそう言い終えると真紅が階段を上ってくる。
真「さぁ・・二人とも誓いなさい。」
真「友と恋人・・そしてこの薔薇に誓いなさい、永遠を。」
真紅はそう言うと二人の指輪を指す。
J「ああ・・・。」
水「ええ・・。」
返事をすると水銀燈とジュンは唇を重ねる。
今まで何回もした事はあるが今までで一番のキスだ。
愛を実感できる。告白された時みたいに今という一瞬が
過ぎ去るのが惜しくも思えた。
二人は今ここで誓う。
友と愛する人、そしてこの薔薇の指輪に永遠の愛を。


蒼「じゃあ締めくくりだね。」
J「ん?あーそうか、ブーケを投げなきゃな。」
水「そうねぇ、で、ブーケってどこぉ?」
薔「これ・・・全部・・。」
翠「ちょ・・・な、なんですっ!この量は!?」
薔「園芸部から・・・貰ってきた・・・。」
薔薇水晶が指を指して話してる薔薇は畑一個分はあるだろう。
蒼「それで僕の鋏貸してって言ったんだね・・・。」
翠「折角育てた薔薇が無残ですぅ!・・・けどあの二人の為なら構わないですぅ。」
翠「健やかに~きれ~いに投げるですぅ。」
薔「うん・・。銀ちゃん・・・ジュン・・・薔薇・・・投げて・・。」
J「これはとんでもない量だな・・。」
水「いいじゃなぁい。こんだけ薔薇がまかれるなんて絶景よ。」
J「ふふ・・・だな。じゃあ投げるか。」
そう言うと二人は薔薇水晶の持ってきた薔薇を手に持つ。
雪「しかし改めて見るとすごい量ですわ・・。」
翠「凄く・・・多いですぅ。」
J「さて・・・やるか!」
水「うん!」
二人の掛け声と共に二人は薔薇のブーケをずっと投げ続ける。
薔薇学園に赤い薔薇が舞った。
ブーケから散乱したりして飛ぶ様はととえも優雅で美しく儚かった。
まるで二人の愛のように・・・。


それからは忙しい日々だった。
無断で病院を抜け出しての盛大な結婚式だった為後始末が大変だった。
医者にしかられるわジュンは体調が悪くなるわ
当日に結婚を知らされて親はほんと驚き怒るわ
友人にはずっと突っ込まれるわで散々な日々だった。
だけどこの幸せの前にはそんな一瞬もすぐ過ぎ去ってしまう。
正式に婚姻届を出した二人は前より一層距離が縮まった。
そして数日後、水銀燈は病院へとお見舞いに行っていた。
一生忘れられない最後のお見舞いの日を。


水銀燈は授業を5時間目で早退しいち早く愛する人の元へとかけつける。
水「~♪」
これでも一応は新妻となったのだ。水銀燈はかなり嬉しそうだ。
そしていつも通り有栖川病院へと着く。
ここまではいつも通りだった。
そしていつかは来るとしっていた残酷な日が来た。
水「ジュンー。元気ぃ?乳酸菌とってるぅ?」
そう言い個室に入った水銀燈が目にしたものは気を失ってるジュンの姿だった。
水「ジュン!!!!!??」
水銀燈は急いでナースコールを鳴らしジュンの元へ駆けつける。
水「ジュン!ジュン!ジュン!」
いくら言っても起きない。まだ死んではいないが起きる気配はなさそうだ。
かなり危ない状況だといえるだろう。
医「大丈夫ですかー!!!?」
医者が大声をあげ部屋に入ってくる。
すぐさまベッドを移し変えジュンは手術室へと運ばれていった。
・・・どれだけの時間が経っただろう?いつもは時間なんて早々に感じるのに。
今だけは一瞬がゆっくりと過ぎていってるように思えた。
ジュンの危篤を聞きつけた薔薇乙女やベジータらもずっと黙り込んでいる。


さっきまではベジータが錯乱しギャリック砲を乱射するわ
蒼星石が発狂し鋏を振り回すわで大変だったが今は落ち着いている。
そしてその静寂に手術室のランプが消える音が響く。
すぐさま全員ドアへと向かう。
水「どうなんですかぁ!!?私の・・・ジュンは・・・無事なのぉ!?」
水銀燈は大泣きしながら医者に尋ねる。
しかし答えは冷徹なものだった。
医「今夜が・・・山でしょう。」
その場に居たほとんどが泣き喚いた。
普段泣き顔を見せない真紅でさえも涙を浮かべた。
それほどにまで悲しかった。
医「最後に言葉をかけてあげてください。水銀燈さん。」
水銀燈は医者に言われジュンのいる部屋へと向かう。
薔薇乙女らはここで待機すると水銀燈に伝えた。
水銀燈は頷きジュンの元へ走り出した。


J「水銀・・燈・・来てくれたのか・・。」
ジュンは水銀燈に言う。
水「当たり前じゃないのおばかさぁん・・。」
水銀燈も泣きながら答える。
J「はは・・・ついに来ちゃったな・・・御免な、水銀燈。」
水「何を謝るのよぉ・・・。余計悲しくなっちゃうじゃなぁい・・。」
J「はは・・俺も少し悲しいな・・だがな水銀燈、俺はお前に永遠の別れを言う為にここにいるんじゃないんだ。」
水「なんなのぉ・・?何が言いたいのぉ?」
J「体は死んじゃうけどさ・・・心はまだ死なないさ・・・だから・・・先に行って待っとくと言いたくて・・。」
水銀燈「・・・。」
J「僕は・・・君の地獄でずっと待っている・・。君に対するラブソングを歌いながら・・。」
水「・・ぐすっ・・・ちゃんと・・待っててよぉ?」
J「生憎約束は破った事はないよ・・。」


水「ふふ・・。」
段々と機械の音が弱くなる。
水「私は・・・あなたのラブソングを聞きながら歌うわぁ・・。」
水「そしてゆっくりとあなたの元へ行くわぁ・・。待っててね・・。愛しのあなた・・。」
J「ふふ・・もう・・・行くな、これはグッバイじゃなくてシーユーアゲインなんだから・・もう泣くなよ・・。」
水「ジュン・・。」
J「俺は・・・死ぬけど不幸なんかじゃない・・・むしろ幸せだ・・水銀燈の心・・地獄で生きるんだからな。」
J「もう・・・人生って言う名のお前とのストーリーは終わりさ・・・けど僕は死して尚君を・・・愛する・・。」
J「人生という名のストーリーは終わりだけど愛のストーリーは終わらない・・・永遠を誓った・・からな・・。」
水「そうよ・・・これは朽ちない愛の物語・・悲しくはないわぁ寂しくなるだけだわぁ・・。」
水「それにまた・・・会えるんだから・・ねっ・・。」
J「そうさ・・a・・・もu・・お迎e・・も来た・・みたiだ・・君の心heと導く・・天使ga・・。」
ジュンはほとんど声が出なくなってくる。そして・・
J「じゃ・・a・・・na。」
その小さな声はやがて消え、機械の音が小さくなったと思ったら
ピーッ!という音が鳴り出した。
同時に水銀燈の泣く声も響きだした・・。


水「忘れないわぁ・・あの事はぁ・・。」
水銀燈が火葬場の近くの道で真紅に呟く。
真「そうね・・・そしてあなた・・・レクイエムは歌っちゃ駄目よ・・。」
水「当たり前じゃなぁい・・・私が歌うのは名も無いラブソングよぉ・・。」
水銀燈が泣きながら答える。
水「もう・・泣いちゃ駄目ね・・。」
水銀燈はそう言い涙を拭く。
水「さぁ・・帰りましょう・・・真紅・・。」
涙声になりながらも水銀燈は笑う。
ただその笑顔はいつもと違った。
悲しい笑顔じゃなく寂しい笑顔だった・・。


ふふ・・・どうだったぁ?
これが私の思い出の灯火のお話。
過ぎて欲しかった一瞬や長く感じたかった一瞬などのお話。
そしてこれは悲しい恋の話じゃないわぁ。
少し寂しいけどとてもとても幸せな終わりの無い永遠の恋のお話。
だって彼は生きてるもの。
今もこの私の地獄で。
私は彼と歌い続ける。永遠のラブソングを。
もう時間ねぇ・・。私はこの世界にさよならをするわぁ。
そして久しぶりに最愛のあの人会って
地獄で再び歌い続けるわぁ。
あなたに会ったその瞬間から私の地獄にラブソングは絶えない。
もしかしたら一万年ぐらい前から愛してるかもしれないわぁ。
そしてそれくらい前から歌い続けてるかもしれないわぁ。
それはわからない・・・。けどぉ1つわかるのは
私はあなたを愛していてこれからも歌い続けるぅ・・。
そしてあなたも歌を絶やさず・・・私を愛してくれてるぅ。
じゃあね・・・みんなばいばい・・・。
おやすみぃ・・・。




-久しぶり・・・。
待っててくれたのねぇ。
約束したろ?誓ったろ?
そうねぇ・・ふふ・・。
それじゃあ歌おうか。
そうね歌いましょう。


終わらないラブソングを、私達の地獄で


fin
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