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「人形の想い」

蒼「へぇ~、今こんなのが流行ってるんだ」

部屋で蒼星石が女子高生に人気のファッション誌を読みながら呟いた。

翠「蒼星石がそんな雑誌読むなんてめずらしいですね。何か面白いのがあったですか?」
蒼「なんか今、好きな人にその人の人形を作ってプレゼントするのが流行ってるらしいよ。恋人同士はお互いに作って交換して、片思いの人
は告白する時に渡すんだって。作る時にその人を想う気持ちを込めるほど、告白は成功するらしいよ。」
翠「変なのが流行ってるですねぇ~。大体恋人同士は交換って、男の人はそんなの作んねぇです。」
蒼「確かにそうかもねwでも、想いを込めた人形を渡して告白するって、僕はいいと想うけどなぁ。翠星石もJUM君に作ってみたら?」
翠「ば、ばかいうなですっ!何で翠星石がチビ人間なんかに人形を作らなきゃいけねぇですか!!」
蒼「そんなに恥ずかしがらなくてもw良い機会だから人形と一緒に想いを伝えてみるのもいいんじゃない?」
翠「恥ずかしがってなんかないですよ!大体翠星石はチビ人間の事なんて何ともっ・・」
蒼「はいはい。素直じゃないんだから・・・あ、確かJUM君って裁縫得意だったよね?人形作り教えてもらったら?」
翠「べ、別に教えてもらいたくなんかないです!」
蒼「もぉ・・・じゃあ、材料を買うのを手伝ってもらいなよ。よし、決まり!明日の放課後までに誘うんだよ?」
翠「明日って、急すぎです・・・っていうか、何で人形作る方向で話が進んでるですか!!」
蒼「いいからいいから♪」
翠「うぅ~・・・」(蒼星石にはかなわないです・・・でも、ほんとに良い機会かもしれないです・・・)

~翌日  放課後~
キーンコーンカーンコーン・・・

翠(あうう・・もう放課後になっちゃったです・・・)
そんな事を考えていると、蒼星石が後ろから小声で話しかけてきた。
蒼「JUM君はもう誘ったの?」
翠「あ・・・その・・・」
蒼「ふぅ。だめじゃないか・・・しかたないなぁ。」

そうこうしてる間に他のみんなも集まってきてしまった。

雛「うゆ~疲れたの~。みんな帰るの~!」
紅「そうね。早く帰りましょう。」
金「みんなで帰るかしら~」
水「そうねぇ~。お腹減ったわぁ~。」
薔「JUMが・・何か・・奢ってくれる・・らしい・・・」」
J「奢らないよ!」
蒼「あ、そういえばJUM君。さっき梅岡先生が呼んでたよ?」
J「え?何だろ。めんどくさいなぁ。じゃあ、お前ら先帰ってろよ。」
蒼「僕らも園芸部で用事があるから、一緒に帰れないんだ。ね?翠星石?」
翠「えっ!?あ、そ、そうです!翠星石達は忙しいですっ!」
水「あらそぉ?残念ねぇ~。じゃあ、私達だけで帰りましょうかぁ。」
雛「うゆ~・・・じゃあ、また明日なの~!」
金「バイバイかしら~!」

ぞろぞろとみんなは帰って行った。

J「じゃあ、俺も職員室行くわ。じゃあな。」
蒼「うん、また明日ね~♪」
翠「ま、また明日です!」

JUMは教室を出て行った。

蒼「さ、僕たちも行こうか。」
翠「今日園芸部は休みじゃなかったですか?何かあったですかね?」
蒼「もう、何言ってるんだよ。あんなの嘘に決まってるだろ。ちなみにJUM君が呼ばれてたってのも嘘だよ。」
翠「?何でそんな嘘つくですか?」
蒼「姉さんとJUM君が2人きりになれるようにしてあげたんじゃないか!ほんとにもう・・・」
翠「そ、そんな事頼んでないですよ!べつに翠星石はJUMとなんか・・・」
蒼「はいはい。いいからちゃんと誘うんだよ?僕は先に帰るからね。」
翠「待つです!翠星石は・・」
蒼「ちゃんと誘うんだよ!?わかった!!?」
翠「ひっ!・・・はいです・・・」(こ、恐いです・・・)
蒼「よろしい。じゃあ、僕は帰るから。頑張ってね♪」

そう言い残して蒼星石は帰ってしまった。

翠「あぅ・・・困ったです・・・」

~職員室前~
J「失礼しました~」

ガラガラガラ・・・ピシャ。

J「ったく、呼んだ覚えはないって、何なんだよ。蒼星石の勘違いだったのかな。微妙な嫌がらせだな・・」
翠「あの・・・・」
J「うわっ!びっくりした・・・急に後ろから話しかけるなよ・・・って、どうしてお前がここにいるんだ?園芸部は?」
翠「え、あ、その、そ、蒼星石が片付けてくれてるです!だから翠星石は暇なのです!」
J「ふ~ん。で、お前は何でここにいるんだ?」
翠「そ、それは、たまたまです!でも、チビ人が1人じゃカワイソウだから、しゃーねぇから翠星石が一緒に帰ってやるです!」
J「いや、別に頼んでないし・・・てか、たまたまって、園芸部の部室は反対側じゃん。」
翠「こ、こまけー事気にするなです!さ、帰るですよ!!」
J「ったく、勝手な・・・はいはい。」
2人は校門に向かって歩き出した。


~校門前~
J「しかし、蒼星石は何を聞き間違えたんだろうな。」
翠「さ、さぁ?蒼星石にだって間違いはあるですよ。そんな事より、チビ人間・・・今日はこのあと暇ですか・・?」
J「ん?ああ、別に何もないけど?」
翠「(やったです・・)じゃ、じゃあ、ちょっと買い物に付き合ってほしいです。」
J「ん~、別にいいよ。何を買うんだ?」
翠「それは・・・さ、裁縫セットです・・・」
J「裁縫セット?めずらしいな。お前裁縫なんかしたっけ?」
翠「翠星石だって裁縫ぐらいするです!いいからJUMの行きつけの店を教えるです!」
J「いきつけって、飲み屋じゃないんだから・・・。まぁ、そーゆーことなら、わかったよ。」
翠「じゃあ、さっさと案内するですぅ~♪」
J「へいへい~」

~商店街~
J「てか、何でお前急に裁縫なんか始めるんだ?」
翠「べっ、別に深い意味はないですよ?花嫁修業の一環です!」
J「花嫁修業って今時・・・大体誰の花嫁になるんだよ。」
翠「そ、それは・・・(/////)」
J「ん?何赤くなってるんだ?」
翠「うるせーです!赤くなんかなってないです!」
J「なってんじゃん・・・あ、ここだよ」

カランカラ~ン

店長「あら、いらっしゃい。」
J「どうも、ご無沙汰してます。」
店長「確かに久しぶりねぇ。今日はどうしたの?」
J「いや、今日は友達の付き添いで。」
店長「あらそう。ゆっくりしてって頂戴ねぇ。何かあったら呼んでね。」
J「はい、ありがとうございます。」

店主は読みかけの文庫本にまた目を落とす。

翠「ボソボソ(知り合いなんですか?)」
J「そりゃ、行きつけの店だからねw以前は良く来てたんだよ。最近は忙しくて来れてなかったけど。」
翠「そうなんですか。なかなかいい雰囲気の店です。」
J「そうだろ?僕のお気に入りの店だ。で、何を買うんだ?」
翠「えっと、それは・・・」
J「何だよ。はっきり言えよ。」
翠「あの・・そのですね・・・」
J「???」
店長「おや、何かお探しかい?」
翠「あ、店長さん・・・。あのですね・・・。」
店長「あ、そうだJUM君。ちょっと店の裏まで行って扉の前のダンボールを持ってきてくれないかい。新しい生地が入ったんだけど、年寄

りにはどうにも重くてね。」
J「え?ああ、いいですよ。取って来ます。翠星石、ちょっと待っててくれ。」
翠「は、はいです。」

タッタッタッ・・・カランカラ~ン

店長「で?何がお望みだい、お嬢ちゃん?」
翠「あのですね、実は・・・・・・」

店長「なるほどねぇ、それはJUM君も喜ぶよ。」
翠「ほんとですか!?」
店長「ああ。もちろん。お嬢ちゃんみたいなカワイイ子にもらったら、男なら誰だって喜ぶさ。」
翠「(///////)」
店長「じゃあ、それに合う生地を探しましょうかねぇ。一緒に探しておくれ、お嬢ちゃん?」
翠「は、はいですっ!!」

J「はぁ・・はぁ・・・こんなにあるとは・・・」

カランカラ~ン

J「店長~、とりあえず店の前に運びましたよ~?」
店長「あら、お疲れ様。ありがとうねぇ。」
J「いや、いいですけど・・・って、あれ?翠星石もう買い物は済んだのか?」
翠「はいです。JUMがもたもたしてる間にとっくに済ませたですよ。」
J「もたもたって・・・まぁ、済んだなら帰ろうか。もう時間も遅いし。」
翠「はいです。」
店長「すまなかったねぇJUM君。また来ておくれよ。お嬢ちゃんも、ね。」
翠「はいです!」
J「はい、また来ます。それじゃあ。」
翠「ありがとうございました!!ですっ!!」

カランカラ~ン

店主「こちらこそ。またね、お嬢ちゃん。頑張るんだよ~。」

~双子宅前~
翠「今日は、ありがとうです・・・」
J「いや、別にいいよ。俺も楽しかったし。」
翠「そらそうです!翠星石と一緒に居れたですからね!」
J「はいはい、そうでございますねぇ~。じゃあ、また明日な。」
翠「適当に流すなです!ま、また明日です~!」

ガチャ、パタン

蒼「おかえり。どうだった?」
翠「べ、別に何もないですよ?」
蒼「何もって、そんな嬉しそうな顔しながら言われても・・・あ、その紙袋。ちゃんと買い物してきたようだね。」
翠「そんな顔してないです!」
蒼「してるってばwで?人形は作れそうなの?」
翠「うぅ・・・店長さんが教えてくれたです。作り方の本までくれたです。いい人です。」
蒼「そう、それはよかったね。じゃあ、今晩から頑張ろうか。僕も一緒にやるからさ。」
翠「蒼星石がやるなら、しゃーねーから一緒にやってやるです。」
蒼「それはどうも♪さ、とりあえずご飯にしようか。」

~夕食後 蒼星石の部屋~
翠「う~・・・難しいです・・・」
蒼「そんなに凄い人形作るわけじゃないんだから、本に書いてある通りにやれば大丈夫だよ。」
翠「それが出来れば苦労しないですよ・・・」
蒼「写真のJUM君を良く見て、JUM君の分身を作るつもりでね。」
翠「顔が一番難しいです。全然JUMに似る気配がないです・・・」
蒼「まぁ、気長にやればいいさ。時間はあるんだしね。あ、JUM君への想いを込めるのを忘れちゃだめだよ?」
翠「別に翠星石は・・・」
蒼「この期に及んでまだそんな事いってるの・・・」」
翠「うっせぇです!今日はもお終いです!」
蒼「ふぅ・・・じゃあ、続きはまた明日ね。」

~2週間後 放課後 屋上~
翠「やっと出来たです・・・でも、あんまり上手くないです・・・」
蒼「そんな事ないよ。充分さ。あんなに頑張って作ったじゃないか。」
翠「あう・・・や、やっぱり渡すのはやめt」
蒼「もう!何言ってるの!気持ちを伝えるって決めたんでしょ!!それにもうJUM君をここに呼んじゃってるし。」
翠「そうですけど・・・もし、ダメだったら・・・」
蒼「大丈夫。自身を持って。姉さんの想いをちゃんと伝えれば、必ず上手くいくよ。人形だってあるしね。」
翠「・・・・わかったです。頑張るです!!」
蒼「うん。じゃあ、僕は先に帰ってるね。」

ギィ~、バタン

J「お待たせ。どうしたんだ?こんな所に呼び出して。」
翠「えっと・・・あの・・・JUMに・・・渡したいモノがあるです。」
J「ん?何だ?」
翠「こ、これですっ!!!」
J「これは・・・僕の・・人形・・・?」
翠「今、好きな人に告白する時にその人の人形を作って渡すのが流行ってるです。だから・・・その・・・翠星石は・・・JUMの事が・・

 ・す、好き・・・なのです・・」
J「そうか・・・だから・・・」
翠「何がそうかなんですか!?人が必死に想いを伝えてるのに、何か反応はないんですか!?」
J「そうだね・・・ごめん・・・。実は、僕も翠星石に渡すものがあるんだ。これを・・」
翠「へっ?・・・・お人形さん・・・ですか・・?翠星石の・・・」
J「恋人同士は、お互いを作った人形を交換するんだろ?」
翠「そう・・ですけど・・・何でJUMが・・・」
J「実は、この前翠星石と一緒に行った店に、次の日行ったんだ。そしたら店長が・・・」

~買い物に行った次の日~

店長『最近は恋人同士がお互いを模った人形を作って交換するのが若い子の間で流行ってるらしいねぇ。万年赤字のうちにはありがたい話だ

 よ。JUM君も、彼女に1つ作ってあげれたらどうだい?』
J『僕彼女なんていませんよ?』
店長『昨日一緒に来た子はどうなんだい?』
J『あれは彼女なんかじゃ・・・友達ですよ。』
店長『でも、気になってるんだろ?』
J『そりゃ、まぁ・・・』
店長『だったら作っておやりよ。別に渡さなくてもいいからさ。たまには店の売り上げに貢献しとくれ!』
J『わ、わかりましたよ!作りますよ!』

J「って事があったんだ。だからさっき、なるほどって納得したのさ。」
翠「店長さん・・・・」
J「で、改めて返事をさせてもらうよ。」
翠「へ?」
J「僕も大好きだよ、翠星石。恋人同士になるんだから、この人形受け取ってくれるよね?」
翠「も、もちろんですっ!嬉しい・・ですっ・・・ひっく・・」
J「ちょ、なんで泣くんだよ!」
翠「だって・・ひっく・・・不安だったです・・・もし断られたら・・・」
J「そうか。ごめんな。こういうのは男の僕から言うべきだったね。ごめん。」
翠「別に謝らなくてもいいです!」
J「お詫びの印に・・・チュ」
翠「ふぇ・・・!?い、いきなり何するですか!!!(///)」
J「だからお詫びだってばwwそれに、これからこんな事、何百回とするんだよ?」
翠「ば、バカな事言ってんじゃないです!!だいたいJUMは・・・」


蒼「おめでとう・・・姉さん・・・。」
カン、カン、カン・・・・


人形が紡いだ想い。届いた想い。この人形がある限り、二人の想いは薄れる事はないのだろう・・・

J「店長に感謝しないとな。」
翠「はい。ですっ♪」

店長「あの二人、上手くいったかねぇ。」

Fin

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