※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。


雛「…じゃあまた明日ね!JUM!」


雛「……はぁ」

あの日からもう半年近く経とうとしている。
季節は移り変わり、春。もうすぐ春休み。
私はあれからまだ…一度もJUMの顔を見ていない。
日に日に募るのは焦りばかり。
もしかしたら…ううん!そんなことない!絶対に大丈夫!

そう思いなおして家路へと急ぐ。


不意に後ろから私を呼ぶ声が聞こえてきた。誰?

金「雛苺!待つのかしら!」

金糸雀だ。でも、どうしてこんなとこにいるんだろう?

雛「金糸雀…どうかしたの?」
金「…ヒナに話があるのかしら」
雛「話?何の話なの?」
金「ヒナ…今日もJUMのとこに行ったのかしら?」
雛「…うん。そうなの」
金「まだ…あれからJUMに一度も会えてないんでしょ?」
雛「……うん」
金「もう半年も経つのにそんなんじゃ、いくら毎日JUMのとこに行ったって無駄かしら!」
雛「……」
金「そろそろ考えを変えた方がいいんじゃないかしら」
雛「じゃあ…じゃあどうすればいいの!ヒナだって…ヒナだって…」


私だってそんなことぐらい分かってる。
このまま毎日JUMのとこに行ったって何の意味もないことくらい。
どうにかして変わらなきゃ前には進めないことくらい。
でも、どうすればいいの?
…涙が出てきた。どうすることも出来ない自分が情けなくて…


金「ちょ、ちょっと!ヒナ泣かないでかしら!別にヒナを責めに来たわけじゃないのよ!」
雛「でもぉ…ヒッグ」
金「カナが知恵を貸してあげるのかしら!だから泣いちゃダメかしら!」
雛「エック…なにかいいアイデアでもあるの?」

金「ヒナ、あなたJUMのとこには毎日決まった時間に行ってるでしょ」
雛「…うん。そうなの」
金「やっぱりね。それだからJUMと会えないのかしら」
雛「どういうこと?」
金「JUMはヒナが来る時間が分かってるんだもの。その時間になったら部屋に入ってるに決まってるかしら」
雛「……」
金「だから、少し時間をずらしてJUMのとこに行って見たら、もしかしたらJUMに会えるかもしれないかしら!」
雛「時間をずらすって言っても…学校があるのよ」
金「明日は短縮授業かしら。いつもより学校終わるの30分は早いかしら!」
雛「でも……大丈夫かな?急に行って、JUM怒ったりしないかな?」
金「それは…わかんないかしら」
雛「そ、そんな無責任なの!」
金「ただ分かってるのは、このままじゃ何も変わらないって事だけかしら」
雛「……」


…金糸雀の言うとおりかもしれない。
このままじゃ何も変わらないもん。
ずっとこのままでいるくらいなら…


雛「…わかったの。金糸雀ありがとうなの!」
金「うん。がんばるのよヒナ!」


金「…ふう」

ちょっと雛苺には可哀想な事をしてしまったかもしれない。
私がもっと早く決心してれば、雛苺がこんなに長い間辛い思いをしなくてすんだかも…


…いや、そうじゃない。急いては事を仕損ずるかしら。
わざわざこれだけ待ったんだもの。きっとJUMだって少しは心を開いてくれてるはず…


でも…ほんとによかったのだろうか。
まだJUMが心を閉ざし続けているなら…ヒナが傷つくことになるかもしれない。
そしたら、ヒナは今よりもっと辛い思いをするかも…


金「…考えてても仕方ないかしら!」


そう、もう行動を起こしてしまったのだから悩んでも仕方ない。
そして、策士の名にかけて失敗するわけにはいかない。
大丈夫。すべての場合は想定済み。
…最悪の場合に備えて次の策を行動に移さないと!


―――雛苺のために……そして、彼のために

そして次の日…

(キーンコーンカーンコーン…)

ようやく学校が終わった!金糸雀が言ったとおりいつもより30分ほど早い。
もたもたしてられない……急ごう。


雛「はっは…」


不安と期待で胸を躍らせながら、息を切らしてJUMの家へ走る。
これならきっと金糸雀の言うとおり…
もうすぐJUMの家…あとちょっと…


J 「ふう…この辺にしとくか」

今日もいつもと同じサイトを巡回し終わった。
ふと、時計を見ると3時半。今日はなんだか早かったな。
まあ、毎日見てるし、そんなに頻繁に更新されてるわけじゃないもんな。


J 「あいつが来るまであと30分はあるな…」


30分か…喉が渇いたし、何か飲み物でも取ってこよう。
そう思って僕は部屋を出た。


雛「はぁはぁ…」

ようやくJUMの家に着いた。後はドアを開けるだけ…

雛「…ゴクリ」

(ガチャガチャ)

雛「あ、あれ?」

鍵がかかってる。そうか。いつもより早いからまだのりが帰ってないんだ。

雛「でも、大丈夫なの!」

ちゃんと鍵の隠し場所くらい…あった!やっぱり植木鉢の下にあったの。

雛「それじゃ改めて…」

(カチャッ…)

階段を降りている途中、玄関の鍵が開く音が聞こえた。誰だ…?
おかしいな…まだ姉ちゃんが帰るには…

不審に思って、すぐ玄関を見る。…僕は目を疑った。

――そこにいたのは雛苺だった。

なんで?どうして?
そんなはずは…だってまだ…

雛「JUM!!!」
JUMだ!金糸雀の言ったとおり!
あんなに会いたかったJUMがそこにいる!


J 「……っ!」
考えてる場合じゃない。見られた!
逃げなきゃ!早く部屋に!


雛「待ってJUM!ヒナは…」
どうして?どうして逃げるの?
私はただ…


(バタン!!!)

J 「はぁはぁはぁ…」

これでもう大丈夫。あいつは入って来れない。

雛「お願いJUM!開けて!!」

うるさい!頼むから黙っててくれ!

雛「ヒナは…ただJUMとお話がしたいだけなの…」

お前のことなんて聞いてない!

雛「…どうして…なの?ヒナは…ちっちゃい時みたいに…ただJUMと一緒にいたいだけなのに…」

そうだ…元はと言えばお前が…お前のせいで僕は…

雛「さびしいよぅ…JUM…」

お前が僕につきまとったりしなければ…!!!


雛「ねぇ…JU…」

J 「黙れ!」

雛「!!!!!!JU…M?」

J 「鬱陶しいんだよ!毎日毎日うちに来ては僕の部屋の前でべらべら喋りやがって…!」

J 「もう僕に付きまとうのは止めろ!もう小学生の頃とは…子供の頃とは違うんだよ!!!」

J 「お前がそんなだから…何も変わらないから…!!」

J 「僕がこんなことになったのも…全部お前のせいだ!もう二度と来るな!」

雛「……ッ!」


(タッタッタッタ…)


の「ただいま~!あら!ヒナちゃんいらっしゃい!今日は早いのねぇ」
雛「……」
の「ちょ、ちょっと?どうしたの?…行っちゃった」

の「…JUM君と何かあったのかしら?泣いてたみたいだけど…」

雛「……」

―――僕がこんなことになったのも…全部お前のせいだ!


私が…私のせいでJUMが…
私が何もわかってなかったから?子どもだったから?
私が…私が悪いの?


巴「どうしたの雛苺?」
雛「!」

巴だ。巴がいる。

雛「巴…巴……うわーーん!!!」
巴「雛苺!?一体何があったの?ねえ!ねえってば!」

…私はそのまま巴の胸の中に泣き崩れた。


―――JUMの言葉が頭から離れない…


|