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金「お邪魔しますかしら。」

この時間になるといつもJUMの家を訪ねる金糸雀。
いつの間にかみんなと一緒に遊んだり食事をしたりするのが習慣になっていた。
しかし今日は誰も出てこない。

金「返事がない・・・ただの留守かしら。」

玄関は開いていたので少しすれば帰ってくるだろう。
そう考えた金糸雀は中で待つことにした。
勝手知ったるJUMの家。
テレビを見たり部屋を探索したりと一人でいろいろ楽しんだが
一向に帰ってくる気配がない。

金「遅い・・・・・・あんまり遅いからお腹がすいたかしら。」

何かで気を紛らわせようとキッチンを探索する。
牛乳でもいただこうかと冷蔵庫をあけると
丁寧に包装された紙箱が目に入った。

金「なにかしら・・・中身はケーキかしら!」

箱の中身はチョコレートケーキ、数は六つ。
いつもと同じ数だから金糸雀の分も含まれているのであろう。
形は小さいが強烈な存在感を放つケーキの甘美な誘惑。

金「私の分だけ先に…でもみんなと一緒に食べられなくなるかしら。」


冷蔵庫の前で箱を抱えたまま唸る金糸雀。
見たこともないデコレーション、引き寄せられる甘い香り。
初めは我慢しようかと思ったが発見してしまったのが運の尽き、
その魔力に打ち克つことが出来なかった。

金「JUMたちが遅いのが悪いのかしら。お先にいただきま~す。」

箱の中からケーキを取り出してそのままかぶりついた。
口一杯に広がるチョコレートの濃厚な甘み。
生地もチョコレート入りでラム酒の香りがたまらない。
それでいて口当たりは滑らかで、コクのわりにくどさは感じられなかった。
魅惑のひとときも束の間のこと、小さなケーキなのですぐになくなってしまった。

金「はぅ~。」

しばし余韻に浸る金糸雀、後味もあっさりとしたものであった。
箱の中に目をやると先程のケーキが5つ。
ひとつを摘み上げ包んだセロファンを外すと迷うことなくほおばった。

金「チョコレートの三昧境かしら~。」

再び訪れた至福の時間。金糸雀は我を忘れて貪った。




J「おい金糸雀、しっかりしろ!」
金「JUM、おかえりかしら。」
真「金糸雀、大丈夫なの?」
翠「あーっ!おやつが荒らされてるです。」
雛「金糸雀、よくばりさんはいけないの。」
J「金糸雀、お前が食べたんだな?」

肩を揺すられる感覚で己を取り戻した金糸雀。
箱の中に目をやると先程のケーキが3つ。
状況を把握した金糸雀は次第に色を失っていく。

金「ごめんなさい。ごめんなさい。許してほしいかしら。」
翠「謝って済む問題じゃねーです。どうしてくれるです!」
金「す、すぐに買ってくるかしら。」

慌てて飛び出そうとする金糸雀の手をのりが掴んで引きとめた。

の「いいのよカナちゃん。まだ3個残ってるから。」
J「そうだな。また明日にでも何か買ってくればいいよ。」
翠「た、確かにそうです。今日のところはこのくらいで許してやるです。」

真「それよりも金糸雀が心配なのだわ。」
金「えっ、カナはケーキを食べただけかしら。もしかして毒が・・・。」
真「そんなわけあるはずないでしょ。これは『悪魔のケーキ』。
  これひとつで膨大なエネルギーを保持しているのだわ。」
雛「今日はみんな半分コするつもりだったの。」
翠「それなのにこのオバカナリアは3つも食っちまいやがって。
  明日どうなることか分かったモンじゃねーです。」
の「でも大丈夫みたいね。それじゃおやつにしましょうか。」
J「半分あるけど金糸雀はどうする?」
金「か、カナはもういいかしら。」
翠「ならこの半分はJUMにやるです。ほれ、あーんですぅ。」
J「いいから食えよ。」

翌朝の肉糸雀の悲鳴はそれはそれはすさまじいものであったとさ。
終わり

※『悪魔のケーキ(デビルズケーキ)』はアメリカのケーキのひとつ。
名前の由来は、バターや砂糖、チョコレートがぎっしりで健康に悪いかららしいw
卵白で作る真っ白い『エンジェルケーキ』と対の存在。
チョコだけでなくココアを使ったものもあり、
チョコチップ・水飴・クリームなどでより凶悪にデコレーションされているものもある。



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