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蒼「・・・」
巴「・・・」
蒼「貴方のターンですよ、柏葉さん?」
巴「解ってます」
蒼「(どちらを選ぶ、柏葉さん)」
巴「(どっち・・・どっちなの・・・よし)」
蒼「・・・」
巴「・・・これで、どうっ!!」
蒼「あ、あ、あぁぁぁああ・・・!!」
巴「か、勝った・・・はぁはぁ・・・疲れた」



JUMの家にて行われたこのババ抜きは、
開始から17時間後に蒼星石が敗北し幕を閉じた。
ちなみに先に上がった方々は既に就寝中である。
巴「・・・Zzz」
蒼「うぅ・・・ぐすっ・・・悔しい・・・」
蒼星石はマジ泣きだった。
J「んん・・・なんだよ、蒼星石。どうした?」
蒼「負けちゃった・・・僕、負けちゃった」
J「・・・今終ったのか?」
蒼「うん」
J「長い戦いだったな」
蒼「うん・・・」
J「よく頑張ったよ」
蒼「JUM君・・・あのね」
J「ん?」
蒼「私、JUM君が大好き」
J「はぁ!?」


蒼「好きで好きで好きで好きで好きで・・・JUM君の前で勝ちたかった。
  だから悔しくて悔しくて・・・泣いちゃって」
J「・・・馬鹿だなぁ。負けようが勝とうが人の気持ちなんて変わらないのに」
蒼「そうだよ、ね!?!?」
J「ありがとう・・・僕も、誰よりも好きだ」
蒼「・・・」
ぎゅうっ



蒼「なんてね・・・」
翠「蒼星石、何書いてるですか?」
蒼「わゎっ!!見たらダメ!」
翠「ケチですぅ・・・」



後日、これが現実となったりする。








蒼「・・・・・」
ああ、周りの喧騒が煩い。煩い。煩い。煩い。煩い。
ほら、また聞こえてくる。僕を傷つける声が聞こえてくる。
男女。おかま。女装野朗。
この声が聞こえる度に、僕の腕に刻み付けられる痕。
痛い。煩い。辛い。苦しい。嫌い。
私だけ。私だけ。男っぽいってだけで。
酷いよ。酷いよ。酷いよ。泣きたいよ。
死にたい。
屋上から、彼らに見せ付けるように飛び降りよう。
羽が欲しい。ここから脱出するための羽が欲しい。
・・・。
・・・・・。
・・・・・・・。

ああ、でも飛び降りなくても良いか。
翠星石が悲しんじゃう。僕が死んだら彼女は優しいから悲しむ。
じゃあ、ここで腕を刻んで、刻んで、耐えよう。
刻んで、絶えて、刻んで、堪えて、耐えよう。
カッターの刃を腕に当てて、引く。痛い。引く。痛い。
赤い澪が流れる。痛い。流れる。痛い。引く。痛い。
でも、こうしないと耐えれない。
J「そ、蒼星石、何をしてるんだっ!!」
屋上の扉が開いて、幼馴染のJUM君が叫んだ。
慌てて走り寄ってきてカッターを取り上げる。
蒼「JUM君・・・」
僕の周りに、血が溜まってる。染みが出来てる。赤い染み。
僕の、血が染みた屋上の床が朱色に変色している。
J「何をしてるんだよ、お前は・・・!!」
蒼「死のうと思ったんだけど、死ねなくて、だから腕を切ったの・・・。
  みんな私を不必要として扱うんだもん・・・そんな私には、これだけが逃げ道」
J「翠星石が、蒼星石を必要としているだろ! 翠星石だけじゃない!
  僕も蒼星石を必要としている。だから、こんな馬鹿な事するな!」

蒼「・・・JUM君が、なんで僕を必要とするの?」
J「好きだからだ・・・誰よりも」
蒼「あはは・・・僕なんて、良いところ無いのに?」
J「長年の付き合いだ。翠星石には負けるが、誰よりもお前を理解してるつもりだ。
  だから、お前の良いところを知っている。だから、お前が好きなんだ」
蒼「僕なんて・・・こんなに弱いのに・・・・・」
J「っ・・・なんでそんなに自分で自分を追い詰めるんだ・・・」
そう言って、JUM君が僕を抱きしめる。
痛いぐらい強く、でも凄く優しい抱擁だった。
蒼「血が付いちゃうよ・・・」
J「構わない・・・・・」
蒼「暖かいね・・・」
J「・・・僕が、守ってやる・・・」
JUM君は、シャツの袖を引き千切るとそれで僕の傷だらけの手首を止血してくれた。
そして、翠星石が屋上に来たのを確認すると僕を任せて何処かへと立ち去った。
J「あいつら・・・僕が、ぜってぇ許さねぇ・・・・・」
何処か、物凄い剣幕だった。

保健室へ行って、教室に戻った僕と翠星石は、その光景に愕然とした。
肩で呼吸するJUM君。その手は擦り切れて、口には血が滲んでいる。
制服もところどころ切れてて、顔に鋭利な何かで斬られたような傷が付いていた。
そして、僕をいつもいじめてきた男子生徒数人が顔を膨れ上がらせ倒れている。
手には、ナイフを持ってたり、バットを持ってたりしていた。
J「はぁはぁ・・・今度、蒼星石傷付けたら、こんなもんですまさないぞ」
翠「チビ人間」
翠星石が、JUM君を呼ぶ。
J「はぁ、疲れた。流石に久々に殴りあったから・・・体が鈍ってた」
蒼「大丈夫?」
J「別に。僕が口である程度罵ったら向こうからナイフを持って飛び掛って来てくれた。
  おかげで、こっちに正当性が生まれたよ。まぁ、これでこの学校には居られないだろうね。
  僕も、少し危ない物があるけどね」
JUM君はそう言って笑った。とても楽しそうに。
そして、すっきりとしたという顔で。

その後、JUM君の正当性が認められて学校側は男子生徒を退学処分とした。
僕に関しては校長先生と理事長先生がわざわざ家まで来て謝罪してきた。
学校側は、対応が早い。
いじめをした者に対する処分を強化すると、翌日全校集会で発表した。
主犯格が居なくなったせいか、僕に対するいじめは無くなった。
今では、何人かと普通に話せるようになった。で、僕とJUM君は、
J「ほら、置いてくぞ」
蒼「あ、待ってくれないとキスしないぞー」
J「はいはい。待ちますよ、お姫様」
こんな感じだ。
蒼「ねぇ、JUM君?」
J「なんだ?」
蒼「また何かあったら僕を守ってくれる?」
J「もちろんだ。大好きだからな、誰よりも」

学校への道が、日に日に軽くなっていく。
この大きな空が、日に日に青く見える。



薔「あ、おはよー、二人とも」
銀「また二人で登校? 朝からラブラブねぇ」
蒼「そ、そんな事ないよ・・・」
真「デレデレね」
翠「こらー! 蒼星石をいじめるなですぅー!」
J「おいおい、こらこら」
雛「元気におはよー!!」
金「おはようございますかしらー」
雪「お二人とも、おはようございます」
巴「みんな、ホームルーム始まるよ」

日常の幸せ。こんなにも、一つの時間が輝いて見える。
僕は、幸せだ。多分、お世辞抜きで世界一。
蒼「JUMくん」
J「ん?」
蒼「愛してる」
J「僕もだ」
ね?世界一、幸せでしょ?









「ただいま!」
「お、おじゃまします!」
 夕立に驚いて家まで走った。僕も蒼星石もすっかり濡れてしまっている。
「シャワー、先に使えよ」
「うん、そうさせてもらうね」
 風呂場から出てきた彼女が着ていたのは男物のワイシャツ一枚。
 ズボンはウエストが緩すぎたらしい。
 ドギマギしたがそれを押さえつけ、服が乾くまでしばしティータイム。
 間を持たせるためにつけたラジオによると雨は明日の朝まで続くらしい。
「織姫や彦星は災難だな」
「どうして?」
「だって、一年に一度しかあえないのに雨で台無しにされちゃったじゃないか」
 僕はそうは思わないな、と蒼星石が言うので理由を尋ねてみた。
「雲の上は雨は降ってないよ。それに」
 地上の人に見られるよりも二人っきりで会いたいじゃない。
「今の僕とジュン君みたいに、ね」
 あまり上手ではないウィンクをした彼女を抱きしめてしまった挙句、その先まで行ってしまったのは若気の至りということでここは一つ。









蒼星石「ねえガタックゼクター、君には好きな人っているの?」
ガタック「な、ななな何を……私にはそんなっ」
蒼星石「隠さなくたっていいじゃない。いるんでしょ?」
ガタック「う……うむ。蒼星石にだけ教えるが、誰にも言わないでくれ」
蒼星石「言わないよ。で、誰なの?」
ガタック「あ、ああ……実はな、私はジュンの事が好きなんだ……。初めは、
     こんな軟弱ここに極まりないヒキニートなど、と思っていたが、彼の
     優しさと強さを目にするうちに、いつの間にか……」
蒼星石「……ごめんガタックゼクター、君とはコンビ解散の方向で」
ガタック「な!?」









ジュンを巡ってコンビ解散寸前の蒼い子とガタックゼクター。
果たして二人の恋の行方は?

ガタック「今時僕っ子など流行らん! これからの時代は私の様な素直クールだ!」
蒼星石「そ、そんな事! そっちこそ、虫なんかにジュン君が靡く訳ないよ!」
ガタック「ふん、それがどうした。既に私はジュンの所有物なんだ。最もジュンの
     身近にいられる存在だろう。物陰からストーカーの様に見ているお前では、
     ジュンの心を掴む事は出来まい」
蒼星石「む~……ッ、じゃあハッキリさせようじゃないか! ジュン君は、僕と君の
    どっちが好きなのか!」
ガタック「望むところだ。勝敗など既に決して……」


サソード「ジュンー! 聞いてー、聞いてってばー!」
ジュン「サソードたんハァハァ」


蒼星石・ガタック「……………………」

《RIDER KICK》
《RIDER CUTTING》

アーッ!







夕焼けが眩しい教室で一組の男女が向かい合っている。
蒼「話って何かな?」
ジ「単刀直入に言う。僕は蒼星石が好き」
蒼「?!・・・・」

蒼星石の瞳に大粒の涙が溜まる。

蒼「(姉さんもジュン君が好き…)」

沈黙が続く。

蒼「(僕も姉さんと同じようにジュン君が好き)」

まだ続く沈黙。状況を打開しようとジュンが話そうとする。
しかし言葉が浮かばない。

蒼「姉さんもジュン君が好きなんだよ?」
蒼「僕達が付き合うと仮定しよう」
蒼「ジュン君は僕らの関係を隠し通す自信はある?」
ジ「…わからない。でも僕は蒼星石が好き」

ジュンは真っすぐ蒼星石の目を見てハッキリ答えた。
蒼星石の頬を涙が伝う。

蒼「ジュ・・ン・君…僕も大・す・・・き・・」

蒼星石の涙がまた頬を伝う

ジ「蒼星石!!」

蒼星石を抱きしめるジュン。
彼の瞳には涙が溜まっている。

ジ「蒼星石!僕は君を愛してる!!」
蒼「僕‥も・僕もだよジュン君!」

チュッ

ジ「…ありがとう蒼星石。愛してる」
蒼「そんなグシャグシャな顔で言わないでよ」
ジ「・・お互い様だろ?」

チュッ

突然ジュンが教室の窓を開け叫んだ。

ジ「僕、桜田ジュンは、蒼星石を愛しています!」

声を枯らせて叫んだ。
ジュンは笑顔で言う

ジ「一緒に帰ろうか」
蒼「そうだね。手を繋いで帰ろう?」
ジ「恥ずかしくないのか?」
蒼「恥ずかしいけど、手繋ぎたいんだ。ダメかな?」
ジ「いいよ。周りの奴らに見せ付けてやろうか」
蒼「そうだね。さあ帰ろっか!」






 もうすっかり夏色に染まった空気の中を、やっぱり夏色の香りを纏っていた風が一陣、僕の身体を通りすぎていった。
 手のなかには、夜祭りの出店で買ってもらった髪飾りがひとつ。


『蒼星石は髪が綺麗だからな。これ、きっと似合うよ』

 髪飾りと一緒に貰った、彼の言葉。それを胸の中で何度も反芻している。
 彼はきっと、誰にでもやさしい。だからクラスの女の子だって、彼に少なからず好意を抱いていることを僕は知っている。僕にこれをくれたのだって、……特に深く考えることもしていなかったのかもしれない。

 だけどね、ジュン君。僕だってやっぱり、女の子だから。こういうのって、少しは期待しちゃうものなんだよ。それは知ってた?

 夏休みが、始まって。僕は、特に用事も無いと言っていた彼を、夜祭りのあった神社に呼び出して……今、彼のことを待っている。 辺りが、少しだけ暗くなってきて。空の西側に遠く燃えている陽が、きれい。とてもとても、きれいだった。

 もしも、僕が何か勘違いをしていて……それなりに今までの僕達の関係は友達として居心地が良かったし。それがもし崩れてしまったら、きっと哀しいだろう。でも、それでも。



 後ろ髪を纏めて、アップにしてみる。君は、誉めてくれるかな。似合ってるかどうかは、自分ではちょっとわからないから。

 ねえ、ジュン君。僕は……

 そのあとの一言を伝えるために、僕は待ってる。多分あと五分も経たずにやってくるであろう君の姿を―――

 ほんの少しの、勇気を……そんなことを僕は今、願った訳じゃないんだよ。その思いは、きっと。自分の中から、溢れてくるものだから。

「……」

 微かに、石段を登ってくる足跡が聴こえる。僕は眼を瞑って……待つんだ。
 瞼の向こう側と同じ様に。眼を瞑っていても、やっぱり見えている色は紅くて。

……
「蒼星石、どうしたんだ? こんなところに呼び出して」

「……あのね、ジュン君。君に伝えたいことがあるんだ……聞いてくれるかい? ……」

―――
 幕間の、おわり。しかし彼等がこれから繋ぐ物語は……世界の何処かに、きっとあるでしょう。
 私は、その幕間を伝える道化の兎。……お逢いしたことがあったかもしれないし、なかったかもしれません。世界は、そういう風に出来上がっているのです。 では、幕を一度閉じるとしましょうか。御縁があったなら、またお逢いしましょう……

おわり









朝日が眩しい教室。
六人の少女が談笑している中で事件は起こった。

一人のクラスメートが彼女等に向かって歩いて行った。

?「蒼星石、君が好きだ。僕と付き合ってほしい」
クラスに響く声。
時間が止まった。

薔「スタープラチナ・ザ・ワールド」
蒼「・・ホント?」
?「・・済まない。さっきの言葉には偽りがあった。」
?「君を愛している。君を想うと夜も眠れない。」
蒼「そんな…///」
?「返事は明日のこの時間にまた聞きに来る。」

彼がきびすを返そうとした時…

蒼「・・待って・・・・そんな必要はないよ。」
蒼「僕も君が好きだから…ねぇジュン君‥」
ジ「ありがとう。蒼星石の口からその言葉を聞きたかった。」

水銀燈は窓の外を見る。
笑顔で。
金糸雀と雛苺は泣いている。
翠星石は泣いているが笑っていた。
真紅はおめでとうと呟く
雪華綺昌と薔薇水晶は不満そうな顔をしていたが…



いつの間にかジュンと蒼星石を取り囲むようにクラスメートが集まっている。
歓声で教室の窓が震える。

ジュンは泣いている。
蒼星石も泣いている。
ジュンが蒼星石を抱き締める。
すでにクラスはお祭り状態だ。
歓声を聞きつけ隣のクラスから覗きに来る者もいた。

歓声が止む

ジュンと蒼星石はお互いを見つめ合い…

そして…

チュッ

二人はカップルとしてのファーストキスをした。
涙の味がした。

~一週間後~
蒼「ホントにあの時はビックリしたよジュン君。」
ジュンの膝の上で独り言のように呟く。
ジ「実は、蒼以外のクラスの皆は、あの時に告白する事を知ってたんだよ。」
蒼「?・・どういう事?」
ジ「そのまま。」
ジ「いつまでも愛してるよ蒼。」
ジュンは囁くように言うと彼女にキスをした。



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