※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

バレンタインはドッキリの日


今日はバレンタイン
「仕方ないからあげるわ」
「ジュン~チョコあげるの」
「義理だけど貰いやがれです」
彼がチョコレートを貰う人は限られている
「はい、チョコよぉお返し期待してるわぁ」
「ありがとな」
別に他意はない
「ふふっベジータにもあげようかしらぁ」
鞄を覗くが他の男子に配ったせいでベジータの分は無かった
「まっいっかぁ」
チロルチョコとはいえ
私があげたチョコだ
お返しが楽しみだ

帰ろうとした時
「水銀燈ちょっと待つです」
珍しく翠星石に呼び止められた
「今からドッキリをするですが水銀燈もどうですか?」
「いいわよぉ何をするのぉ?」
こんな楽しそうなことを断る理由がない
「チビ人間の下駄箱にラブレターを入れたです」
「ラブレタァ?」
「ヒッヒッヒッチビ人間は騙されて校舎で待っているところに」
【ドッキリ大成功】
「この看板の出番かしら」
いつのまに
「早く行くです」
「分かったわぁ」

私たちはひとまず玄関から出てジュンが手紙に気付くのを待った
「このドキドキがたまらないです」
「そうねぇ」
その時一人の人影が見えた
「来たかしら」
予想通りジュンが来た
「早く下駄箱を開くです」
彼は下駄箱を開けたとたん周りを確認した
「ヒッヒッヒッ」
ゆっくりと下駄箱から偽のラブレターを見て顔を真っ赤にした
「かかったかしら」
「ふふっおばかさぁん」
「お楽しみはこれからですよ水銀燈」
手紙を読み終えた彼は校舎裏へと向かって行った
「先回りするわよぉ」
「水銀燈ものってきたですね」

急いで校舎裏の茂みへと向かった
「来たです」
彼はそわそわしながらそこで待っていた
「そろそろ行くぅ?」
「まだ早いです」
騙されたとは知らない彼の挙動がおかしいかった
「そろそろかしら」
「そうですね」
私たちは
【ドッキリ大成功】
の看板を再確認した
「せ~のですよ」
「分かってるわよぉ」
最終確認を終え出ていこうとした時
「あの……来てくれてありがとうございます」
知らない女性が彼へ向かって話した
「もしかしてぇ」
「これは」
「ドッキリ失敗かしら」
本当にラブレターがあったらしい
「失敗って問題じゃねぇです」
「そうよぉ」
「これはこれで成功ですヒッヒッヒッ」

なんかモヤモヤする
「私……ずっと前から桜田君のことが好きでした」
そういいながらチョコを差し出す
「……ごめん…俺好きなやつがいるんだ…受け取れないよ」
なんだろうこの気持ち
「…そうなんだ…そうだよね桜田君はモテるから私みたいな…」
彼女は泣きながら逃げ出した
「つまらないかしら」
「そうですね今日はこれで解散です」
「そうねぇ」
好きな人って誰だろう
それだけが気になる
気にすれば気にするほど胸が苦しくなる
何故か彼がいつもより遠くに感じる

モヤモヤが晴れない
それどころか
彼が他の女性と話している姿を見ると
胸が痛い
昨日のあの光景が頭から離れない
「好きなやつがいるんだ」
誰だろう
私の知らない人でも彼を好きな人がいた
私以外にも……
私……以外?
あれ?なんだろう
以外?
私は……好き?
彼のことが?
多分答えはもう出ていると思う

「ジュゥン」
とっさに出た
「なんだ?」
「ホワイトデーは何をくれるのかなぁってぇ」
多分本当に言いたいのはそんなことではない
「まだ一ヶ月もしかだろ、気が早いな」
「何よぉ」
やっぱりそうだ
「チロルチョコのお返しに期待するなよ」
「あらぁチョコはチョコでしょぉ」
彼と話をするとモヤモヤが晴れる
「分かったわよぉ」
この気持ちに気付いた
だから遅くなったけど本命のチョコレートを……

「……ごめん…俺好きなやつがいるんだ…受け取れないよ」

受け取ってくれなかったら?
「どうした?」
「ううん、何でもないわよぉ」

眠れない日が続く
「これは恋……なのかなぁ」
どうして急に?
今まで何も感じていなかったのに

「私……ずっと前から桜田君のことが好きでした」

私にもそんな勇気があったら
彼女は確に告白をした
でも、私は彼女よりも彼と親しい
親しい……
そう思ってるのは私だけかな?
言おう、今日こそこの気持ちを伝える

気が付いたら彼の下駄箱に手紙を入れていた
校舎裏で待ってます

来てくれてよね?
でも、恥ずかしい今ならまだ間に合う
「どうした水銀燈?」
「ジュッジュン何でもないわよぉ今から帰るところなのぉ」
「そうなんだ」
「そうなのぉじゃあねぇ」
急いで玄関を後にした
もう、後戻りは出来ない

校舎裏、そこは前に彼が他の女性に告白されたところ

「……ごめん…俺好きなやつがいるんだ…受け取れないよ」

嫌な場面を思い出す
何でここにしたのだろうか
そろそろ彼が来る
怖くなって茂みに隠れた
「どうしたです?水銀燈」
「えっ?翠星石と金糸雀あなた達こそぉ」
「この前失敗に終わった作戦をもう一度、作戦かしら」
前と一緒だ
「そうなんだぁ」
今度は私が彼女の役……
「ヒッヒッヒッ来たですよ」
「今度こそこれの出番かしら」
それだけは嫌
「二人ともぉごめんねぇ」
私は彼の元へと駆け出した

「水銀燈どうしたんだ?」
恥ずかしい
「手紙…読んでくれたぁ?」
翠星石も
「……ああ」
金糸雀も見ている
「私……」

「私……ずっと前から桜田君のことが好きでした」

出かかった言葉を止めた
私は彼女とは違う
「…ずっと好きぃ」
そして結果も彼女とは……
「あなたを見ていると胸が苦しくて」
言葉が出ない
「だから……」
けど、彼女の二の舞いだけにはなりたくない
いくら探してもこれしか出ない
昨日は一杯考えたのに
全てが消しとんでしまった
「…付き合って下さい」

「……ああ」
今なんて?
「えっ?」
「…いいよって」
本当に?
「いいのぉ?こんな私でもぉ」
私と……
「お前だからだよ」
嬉しい
「これはホワイトデーが楽しみねぇ」
付き合えただけで充分
「それでもチロルチョコだろ」
渡せる
「はぁい」
「これは…チョコ?」
やっと……
「今度は本命よぉ」
「ありがとう」
2月14日はバレンタイン
「それとこれも…」
ゆっくりと唇を重ねた
「ホワイトデー期待してるわよぉ」
遅くなったバレンタインチョコ
でも、今日は私たちだけのバレンタイン
二人だけの特別な日


~fin

|