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ー前回のあらすじー

水銀燈と薔薇水晶、二人の間で一人思い悩むジュン。一体自分はどうすれば……。
そんな彼の前に薔薇水晶が現われ、彼を自分の家に連れこみ事情を聞こうとする。
ジュンは薔薇水晶に水銀燈の家で起こったこと、そして自分が水銀燈に抱いている思い、
そのすべてを告白した。全てを聞き終えた薔薇水晶はジュンを糾弾する。
「あなたのせいでみんな不幸に」そう言われたジュンは激しく動揺する。
薔薇水晶は水銀燈を忘れさせるためにジュンに自分の体を捧げようとした。
ジュンはそんな薔薇水晶を受け入れ、彼女を抱いた。それがただの逃避であると気付かずに。




+++水銀燈(6/20AM7:45桜田宅玄関前)+++
の「ごめんねぇ水銀燈ちゃん。ジュン君いないのよ」

私はジュンと一緒に学校に行くために彼の家に来た。
学校に行くときにジュンを迎えに行くのは私が小学生のときからずっと続いている平日の朝の日課。
ジュンに家族以外で一番最初に『おはよう』を言うのが私の役目だから。これは誰にも譲れない。

銀「どうしてですかぁ?」

いつもなら起きて学校へ行く準備をすませているか、まだ寝ているかのどちらかなのに。
部活に入ってないジュンがこんな時間から学校へ行くなんてまずありえない。いったいなにが……

の「それがねぇ、昨日の夕方に『友達の家に泊まるから』って電話があって……」
銀「友達の家ぇ?それって誰の家ですかぁ?」
の「それが教えてくれなかったの。姉ちゃんの知らない奴だからって」
銀「知らない……」
の「うぅ……きっと今ごろジュン君は倫理も人目もはばからず、悪い仲間と悪行の数々に手を出してるんだわぁ。
  うわぁーん!!パパ!!ママ!!ジュン君が不良になっちゃうーーー!!」



―――へぇ、そういうこと―――



銀「……大丈夫ですよぉ。そのお友達は私がよく知ってますからぁ」
の「ふぇ?ほんとに」
銀「ええ、とっても、とぉーーってもよく知ってますからぁ」
の「す、水銀燈ちゃん?」


そのままジュンの家を後にした。のりさんがなぜか振るえていたように見えたのは気のせいかしら?


……でもこれでわかった

ジュンが汚された

私以外の女に

私以外の誰かに!!

誰だ、私のジュンをたぶらかした泥棒猫は!!

いったい誰!!誰なの!!!

殺してやりたい

ジュンを汚した女を

私のジュン

私だけのジュン

ジュンは……ジュンは私だけのものなのに

横取りするなんて絶対に許さなぁい!!



思わずカバンを握る手に力が入る。力が入りすぎたのか、手がプルプルと震えていた。

(ダメダメ落ちつかないと、ほらぁ周りの人も怯えてるわぁ。私ってそんなに怖い顔してたのぉ?それによく考えたらこれはチャンスかもしれないわぁ)

ジュンは泥棒猫の家に泊まった、これはもう間違い無い。と言うことは学校へ行くときも一緒に行くはず。
登校時にジュンの隣にいる女、そいつが私からジュンを奪った犯人だ。

(ふふ……まさかこんなに早く犯人が見つけるチャンスがくるなんて。予想だともう少しかかると思ってたけど、やっぱり悪いことは出来ないのねぇ。
 一応カバンの中には犯人を始末するための道具を入れてあるわぁ。でもこれを使うのは一番最後。まずはきちんと話し合わなくっちゃ。
 大丈夫よぉ、きちんと話せばわかってくれるわぁ。この前ジュンに怪我させた自称私のファンたちもわかってくれたしぃ。
 でもそのあとみぃんな転校しちゃったり入院しちゃったり……いったいどうしちゃったのかなぁ?)

私は学校の近くの交差点でジュンを待つことにした。ここは学校に通う生徒の大半が通る所で、私が考える犯人候補も全員がここを通る。
犯人候補は全部で7人、その中でもっとも怪しいのは真紅、翠星石、柏葉巴の3人。

(みんな一応私の友達なんだけどぉ……でも友達だからって人のものを勝手に盗んでいいわけないわよねぇ。
 でもジュンもジュンよぉ。あんな女としなくても、言ってくれれば私がいつでもしてあげるのにぃ)

?「あら、あなた体のほうはもういいの?」

しばらくその場に立っているとだれかに声をかけられたので、私は後ろを振りかえった。


真「おはよう、水銀燈」
銀「あらぁ、おはよう真紅」


真紅……あの7人の中で最も犯人に近い女。真紅はいつも私のジュンを下僕扱いして顎で扱き使っていた。
それを見て私は何度はらわたが煮え繰り返ったことか……
今、真紅の隣にジュンは居ない。犯人は真紅じゃなかったの?

銀「ええ、もうすっかり。ごめんねぇ、心配掛けちゃったぁ?」
真「べ、別に心配なんてしてないわ。それより今日はジュンは一緒じゃないの?朝はいつも一緒に居るでしょう?」
銀「ジュンはなんだか用事があるみたいで……私は薔薇水晶を待ってるから悪いけど真紅は先に教室へ行ってくれない?」
真「わかったわ。それじゃあ教室で」

そう言うと真紅は学校へ向かった。ジュンを盗ったのはどうやら真紅じゃないみたい。彼女はジュンの事を下僕以上には思ってなかったようだ。
でもそれはそれで腹が立つけど…

そういえば今日は薔薇水晶がまだ来ない。
あの子の家と私たちの家は方向が逆だから朝はいつもこの交差点で待ち合わせをしている。
いつもならもう先に来て待ってるはずなのに何かあったのかな?



(知らない友達の家に泊まったジュン……いつもの時間に現われない薔薇水晶……まさか……)


私は頭に浮かんだ考えをすぐに否定した。だってあの子が私を裏切るはずないもの。

(そうよ、薔薇水晶が私からジュンを盗むなんてあるはずないわぁ。でも……)

そんなわけない。ありえない。何度そう思ってもこの嫌な予感が消えることはなかった。

続く


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