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今回は少しエロ分が含まれてますので嫌な方はスルーしてください。NGワードは【biero】です。

~前回のあらすじ~
幼馴染の水銀燈と決別すべく彼女の家に行ったジュン。しかし実際居に水銀燈を前にすると別れを告げることが出来なかった。
そんなジュンに水銀燈は「あなたを諦められない」と囁く。水銀燈から逃げ出したジュンは近所の公園で
水銀燈について考える。もしかして僕は水銀燈が好きなのでは……と。

―――離れたからこそ見えるものがある―――

ジュンの恋人、薔薇水晶の不安は現実のものになりつつあった。



+++桜田ジュン(6/19PM5:40浪全公園)+++
あれからどれだけ時間がたっただろう。僕はまだ答えを出せずにいた。
僕は水銀燈が好きなのか?もし仮にそうだとしてもそれだけは認めちゃいけない。
僕には恋人が、薔薇水晶がいるんだ。あいつを裏切るわけにはいかない。
それに僕は一度水銀燈をフってるんだ。それを今更”やっぱり付き合おう”なんて言って通るのか?
いや、水銀燈ならたぶん泣きながらOKするだろう。でもその場合薔薇水晶にはなんて言えばいい?
”僕は自分の本当の気持ちに気がついたんだ。だから別れてくれ”とでも言うのか?
そんな薔薇水晶をバカにするようなことはできない。それにもし言ったとしても薔薇水晶が身を引くとも思えない。
やっぱり水銀燈と縁を切るしかないのか?それが出来ないことは今日立証ずみだ。一体どうすれば……

(だったら二股すればいいじゃん)
(なあに黙ってればバレやしないさ)

頭の中でだれかの声がする。

(水銀燈のことも好きなんだろう?)
(大丈夫、お前ならうまくやれるよ)

そんなのダメだ!!それこそ彼女達を傷つけるだけだ!!クソッ、僕はどうすればいいんだよ……

J「誰か教えてよ……」
?「そんなの誰も教えてくれないよ」
J「えっ?」


突然声をかけられたので顔を上げるとそこには……

薔「ジュン、こんにちは」
J「薔薇水晶……」

なんで薔薇水晶がここに?いつの間に現われたんだ?

薔「やっと気付いてくれたね」
J「……どういう意味だ?」
薔「私、ずっとここに立ってたんだよ」

薔薇水晶の話だと、買物に行く途中で街中を走っている僕を見かけてきたらしい。
そして僕が気付くまでずっと目の前に立ってたんだとか。

薔「立ちっぱなしで結構疲れたよ。でも目の前にいたのに気付かないなんて、よっぽど真剣に考え事をしてたんだね」
J「薔薇水晶、僕は……」
薔「ストップ、言わなくていいよ」

訳を話そうとした僕を薔薇水晶は静止した。

薔「ここじゃ人に聞かれちゃうから。そうだね、私の家に行こう」
J「ちょ、私の家って!!」
薔「大丈夫だよ。住んでるのは私だけだから」

そう言うと薔薇水晶は僕の手を取って歩き出した。心なしか歩くペースが少し速いような気がする。
手も結構強く握られているし……これは本当に怒っているようだ。
しばらくすると薔薇水晶の家についた。あの公園は彼女の家の近くにあったらしく、たいして時間はかからなかった。
そういえば薔薇水晶の家に来るのはこれが初めてだな……薔薇水晶の家は住宅街にあるニ階建ての一軒家だ。
4・5人程度の家族が住むにはちょうどよさそうだけど、人が一人で住むには大きすぎるように思えた。



ガチャ

薔「……入って」
J「あ、ああ」

家につくとそのまま薔薇水晶の部屋に連れ込まれた。部屋の壁にはアニメのポスターが貼られていて、
本棚にはマンガやライトノベルしか入っていない。もう一つの棚にはガンプラが飾ってある。
なぜかガンダムより量産機のほうが多かった。部屋の隅には子供が一人入れそうな大きさのトランクが置いてあった。

薔「それじゃあ何があったか話して欲しいな」
J「…………」
薔「話したくないなら話さなくていいなんて言わないよ。ジュンが話してくれるまで絶対帰さないからね」

薔薇水晶はドアの前で腕を組んで立っている。どうやら全部話すまでは本当に帰してくれそうにないようだ。
僕は覚悟を決めて全てを話すことにした。

J「家に帰った後、水銀燈と縁を切ろうと思ってあいつの家に行ったんだ。初めは本気であいつとさよならしようって思ってた。
  でもあいつの笑ってる顔見たらどうしても言い出せなくて……。そしたらあいつ言ったんだ。
  『あなたが好き、どうしても忘れられない』ってさ。そのあとキスされそうになってそれで……」
薔「それでどうしたの?キスしたの?」
J「いや、しなかった。お前のことを裏切れないって思ったから。それであいつの家飛び出して滅茶苦茶に走って、
  気がついたらあの公園に居たんだ。これで僕の話は終わり。まだ何かあるのか?」
薔「終わりじゃないでしょ」
J「何言ってんだよ。僕の話はこれで全部……」
薔「ジュンが銀ちゃんをどう思ってるか、まだ聞いてない」

そこまで言わなきゃいけないのか?正直あまり言いたくない。口に出したら認めてしまうかもしれないから。
僕はこの胸の中にあるはっきりとしない思いが形を持ってしまうことを恐れていた。


J「薔薇水晶僕は……」
薔「言って」

一言、たった一言、でもその一言に薔薇水晶の強い意志が感じられた。その意志の前に僕は黙り込んでしまった。
沈黙がこの場を支配する……。このままではなにも進まない。僕は意を決して沈黙を破った。

J「……あの日、僕が水銀燈をフったあの日から心の中がモヤモヤするようになったんだ。
  その日からあいつの顔が頭の中から離れなくなって……僕は水銀燈のことなんてなんとも思ってない。
  そう思ってたけど、ふと考えてしまったんだ。僕は、本当は水銀燈が好きなんじゃないかって」

薔薇水晶はなにも言わない。ただじっと僕を見つめて聞いている。

J「はは…呆れただろ?ちゃんと恋人がいるのにこんなこと考えちゃうなんてさ。ほんとどうかしてるよな、僕って……」

ばつが悪そうに苦笑を浮かべた僕に薔薇水晶は言った。

薔「うん、呆れた。ジュンはどうかしてるね」
J「ッ……」

こう言われることは覚悟していた。でも実際に言われるとやっぱりきつい。
薔薇水晶は怒っても絶対に怒鳴り散らしたり暴力を振ったりはしない。こっちの目をみて痛いところを的確に突いて来る。



薔「呆れたよ。ジュンには私がいるのに銀ちゃんも気になるなんて……おかしよ、本当にどうかしてる」
J「わかってるよ、そんなこと……」
薔「ジュンは私が好きなんだよね?」
J「それはもちろん!!僕は薔薇水晶が好きだ!!」
薔「だけど銀ちゃんも好き」
J「それは……」
薔「現実はアニメやゲームとは違うの、二人いっぺんになんて無理なんだよ。二人を平等に扱っても平等に傷つけるだけ」
J「………」
薔「今のジュンじゃ誰も幸せに出来ないね。私もジュンも銀ちゃんも、みんな傷ついて壊れちゃう」
薔「ジュン、このままじゃみんなあなたのせいで不幸になるんだよ」
J「……っ!!」

僕はその場にへたりこんでしまった。僕のせいでみんなが不幸に……

薔「でも大丈夫、私がジュンを助けるから」

薔薇水晶は僕に近付き、屈んで僕と目線を合わせた。

薔「ジュン、学校で私に言ってくれたよね。『僕はお前が好きだ。お前が泣いているならその涙を拭ってやりたい、
  苦しめるものからは守ってやりたい、それに、お前が望むことなら僕がなんだってかなえてやる』って  
  私それ聞いたときすっごくうれしかったんだよ。やっと私にも心から信じられる人が出来たんだってね」
J「薔薇水晶……」
薔「ずっとジュンは私を守ってくれた。だから、今度は私がジュンを守ってあげる」

僕の目を見る薔薇水晶の表情はさっきまでとは違い、穏やかで優しいものだった。僕は薔薇水晶に対する罪悪感と自己嫌悪で
彼女の顔を見ることが出来ずにうつむいてしまった。


薔「銀ちゃんのことで苦しんでるのなら私はジュンの力になりたいの。ジュンが銀ちゃんを忘れられないのなら……」

薔薇水晶は下を向いている僕の頬に手を添えて自分の方に向かせ、そして……

薔「私が……忘れさせてあげる」

キスをした

J「ん、んん!?」

僕は今なにが起こっているのかわからなかった。なんで薔薇水晶の顔がこんな近くに?唇に感じるこの柔らかいものは一体?
僕がそれに気付くまで少し時間がかかった。

J「……ぷはっ!な、なにを…んぐ!!」

思わず顔を離した僕の唇を再び奪う薔薇水晶。今度は彼女の舌が僕の口内に侵入し、そのまま舌を絡めとり唾液を流し込んでくる。 

……ンッ……コク……チュゥゥ……クチュ……レロ……

しばらくすると薔薇水晶はゆっくりと顔を離した。二人の間に銀色の線が伸びている。
キスしていたのは大体一分くらいだろうか。でも僕にはそれが何十分にも何時間にも感じられた。

J「な……なんでこんなこと……」

しばらくしてようやく気分が落ちついた僕は薔薇水晶に訊ねた。


薔「言ったはずだよ。忘れさせてあげるって」
J「え……」
薔「ほら、触ってみて」

そういって薔薇水晶は、僕の手を取って、自分の胸に押し当てた。

J「ば、薔薇水晶!?」

激しくうろたえる僕に、薔薇水晶は空いている方の手で胸を掴んでいる僕の手を掴み、さらに強く押しつけた。
彼女の胸の感触が僕の手の平にたっぷりと伝わってくる。

薔「ん……ふぅ……ねぇ?どんな感じ?」
J「え、えーっと……すごく……柔らかいです」

おもわず正直な感想を言ってしまう。

薔「えへへ……銀ちゃんには負けちゃうけど、私だって結構胸あるんだよ」
J「でも……なんで……」
薔「だってこうでもしないとジュンは銀ちゃんのこと忘れられないでしょ?」
J「薔薇……水晶……?」
薔「大丈夫、私がすぐ楽にしてあげる。その苦しみと心の痛みから……」



薔薇水晶はそう言って体をすり寄せ、僕の顔を覗きこむ。

薔「だって私はジュンの恋人なんだから。これからは私がジュンを守ってあげるよ」

『恋人なんだから』

そうだ、薔薇水晶は僕の恋人なんだ。薔薇水晶はこんなにも僕を思ってくれている。僕を愛してくれている。
そんな彼女を僕は裏切っちゃいけないんだ。僕はズボンのポケットから携帯を取り出して自宅に電話をかけた。

プルル……プルル……ガチャ

J「あ、もしもし姉ちゃん?うん僕。あのさあ今日は友達の家に泊まるから晩御飯は作らなくていいから。え……名前聞いたって
  姉ちゃんのしらない奴だからわからないよ。うん……着替えとかは平気。こっちで借りるから。
  それじゃあ明日の朝には制服とか取りに帰るよ。うん、だから大丈夫だって、それじゃ」

プツッ……ツーツーツー……

J「……これでいいんだよな?」
薔「それはジュンが決めることだよ」

だったらこれでいいんだ。

J「……ゴメン薔薇水晶、あんなことまでさせて」
薔「いいよ謝らなくて。私もこんな方法しか思いつかなかったから」
J「それでもゴメン。水銀燈のこと忘れるから……努力するから……」
薔「うん。私も手伝うから、頑張って忘れよ?」



僕は薔薇水晶をそっと押し倒すとその上に覆い被さった。

J「……ほんとにいいんだな?」
薔「うん、いいよ。ジュンになら何されても平気だから」

薔薇水晶はほんの少しだけ笑って目を閉じた。
それを見た瞬間、僕の中からなにかが弾け出した。

薔「ん……んむ……ふぅ……」

僕は薔薇水晶の唇を強引に奪った。舌が薔薇水晶の歯を割ってその奥に潜り込み、激しく中を掻き回す。
さっき彼女が僕にしたのと同じように。

薔「ん……はあ……ジュン……私を……」

―――『ジュン、お願い私を……』―――

J「………!!」

一瞬、薔薇水晶と水銀燈の姿が被って見えた。でもすぐにそれを頭の中から追い出した。

(忘れなきゃいけないんだ。忘れなきゃ……だから、僕の中から消えてくれ水銀燈!)

誰も帰ってこない薔薇水晶の家で。薔薇水晶の嬌声を聞きながら。
僕は、薔薇水晶を汚し尽くしていく。
これでいいんだ、と頭の中で呟きながら……



続く

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