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僕の名前はJUM。25歳になったばかりの平凡なサラリーマン。

高校生の頃から付き合っている真紅にそろそろプロポーズをと思いはじめた。

就職して三年、待たせ続けるのも悪いしいい頃合いかなと思い決心した。


JUMの家のトイレ
「あー、トイレの中って落ち着くなあ。考え事には最適だ。さてどの指輪がいいかな・・・」

僕はトイレの中で指輪のパンフレットをながめていた。

「プリンセスカット?何のことだかサッパリだな・・・

 あいつらに相談したら真紅にバレそうだしなぁ」

あいつらとは高校時代からの友人達のことだ。真紅を含む八人の女の子の中に僕が一人。

おかしな組み合わせだが僕達はとても仲が良かった。その付き合いは今でも続いている。

「指輪って決め手ないなあ。だからって適当に選んでいいもんじゃないし・・・」

その時突然ドアが開く

「おっと失礼」

「うわっ!!薔薇水晶!?ノックぐらいしろよ!!っていうかなんでいるんだよ!?」

「JUMの家の近くを通ってたらなんだかトイレにいきたくなって・・・

それより少年、股間が丸見えだ」
「見るなバカっ!!取りあえずトイレの戸閉めろ!!」

僕は反射的に持っていたパンフレットで隠す!

「おや?その股間にあるものは・・・指輪のパンフレット?」
「ああっち、ち、違うこれは何でもないんだ!!」

まだ知られたくないため今度はパンフレットを自分の背中に隠す!!

「ふふふ、また前がお留守だぜ」
「はやく出てけえええぇ!!!!」



そんなこんなで薔薇水晶にバレてしまった。なんてことだ・・・

まあどうせいつかはわかることだしせっかくだから彼女に指輪を見立ててもらうことにしよう

「なるほど、真紅にプロポーズね」
「ああ。もう付き合ってかなりになるからな。思い切ってしようと思うんだ」
「ノックしないで開けるといいことあるね」
「・・・トイレのドアじゃなきゃもっとよかったよ。まあそんなことより指輪選んでくれないか?

 パンフレット見てもどれがいいのかわからなくてさ」
「いいけど・・・こういうのって実際に見て選んだほうがいいんじゃない?

ということで今から見にいこう」

「・・・今からですか?」
「今からです。さあ財布をもて」

幸い今日は日曜日で予定もない。取りあえず行ってみることにした。


ジュエリーショップ

「なんだかこういう場所って緊張するなぁ」
「あなたぁ、私にも指輪買ってぇ」
「悪いけどそんな金はないよ」
「・・・」

僕たちは店内にある指輪をひとつひとつ見ていったが、

なかなかこれといったものは見つからなかった

「うーん、これも違うなあ」
「じゃあこれなんてどう?」

薔薇水晶が持ってきたのはリングに2センチ四方はあろうかという宝石のついた指輪だった・・・

「・・・こんなごついのは嫌だよ。婚約指輪ってもっとシンプルなものじゃないのか?」
「いっそのこと指輪じゃなくて婚約ブレスレットとかにすれば?あっ婚約アッガイは!?」
「・・・それもいいけど僕は指輪にしとくよ」

薔薇水晶に頼んだのは失敗だったかもしれない・・・・・

そんなことを考えていると店員が近づいてきた

「なにかお探しですか?」
「ああ、えっと・・・婚約指輪を買いにきたんですけどなかなか決まらなくて」

そういってウインドウの下の棚からいくつかの指輪を出す。
その中の一つが目にとまった。ダイヤがリングはめられ、

そのまわりにサファイアがちりばめられている。
だが決して下品ではなく、いくつかの指輪の中で存在感を放っていた。
僕にはその指輪が一際輝いているように見えた


「奥様はどれがよろしいですか」
「(奥様・・・(///))私はこの大きなダイヤがついているのが」
「ちょwww否定しろよwwwwこいつは友達です。選ぶの手伝ってもらってるだけですから」
「ああそうでしたか。これは失礼しました。それで気に入ったものはありましたか?」
「この指輪にしようと思うんですけど・・・いくらですか?」
「そちらは・・・六十二万円になりますね」
(っ!!流石だ!給料三ヶ月分は伊達じゃないっっ!!)
「JUM、交渉は私に任せて。・・・この指輪千円で買います!」
「千円てwww薔薇水晶wwwww」
「・・・お客様、本当にお求めになるつもりは」
「買います買います!!カードでいいですか?」
「ではこちらにサインをいただけますか?」
「千円で買えるものは?」
「ございません」
「・・・」

なんとか指輪を手に入れることもできた。あとはどうやってプロポーズするかだ。
薔薇水晶にはお礼に晩飯をおごることにした。
僕たちのたまり場になっているいつもの居酒屋に入る。

「流石JUM、ふともも」
「・・・太っ腹な」
「それでどうやってプロポーズするかもう決めてるの?」
「そうだな・・・まず真紅の好きなレストランに予約いれてディナーだな。
そこで真紅がものすごく好きなシャンパンを、つまりものすごく高い奴な。

それをあけて乾杯のかわりにプロポーズしようと思う」
「うん、変にこってるのよりいいかもね」

「いらっしゃいませー」
そんな話をしていると店に水銀燈と翠星石がはいって来た

「あらぁ?JUMと薔薇水晶じゃなあい。二人だけでいるなんて珍しいわねぇ」
「スケベなJUMのことだから浮気にちげーねえです。真紅にいいつけてやるです」

(まずいな、この店を選んだのは失敗だったか・・・

今二人に知られるわけにはいかない、薔薇水晶頼むぞ)

僕は二人に気付かれないよう薔薇水晶にアイコンタクトを送る。
薔薇水晶はそれに気付いたようでこくりと頷く

(流石薔薇水晶。妙にカンだけは鋭いからな)

「二人でどうしたのぉ?」
「あのね、JUMが真紅にプロポーズするから指輪選ぶの手伝ってきたの」
「おまwwwなんで普通に話してんだよ!!さっき頷いたのはなんだったんだ!!」
「え?自分で話すの恥ずかしいからかわりに言ってくれってことじゃないの?」
「JUMそれほんとなのぉ!?」
「まあ・・・そのつもりだよ」
「ようやくねぇ。きっと真紅もよろこぶわよぉ」
「もう少し待たせてたら真紅にすてられるところですぅ」

やれやれ、結局こうなるのか。これじゃみんなに知られるのも時間の問題だな

「ねえ、指輪見せてぇ」
「ああ、これだけど」

指輪を出すと二人は食い入るように見つめた

「はぁ・・・やっぱり綺麗ねぇ」
「JUM!もし断られたら翠星石によこすです!!」
「おまwww不吉なこと言うなよwwwまあ確かにまだOKもらえるって決まったわけじゃないしな。

とにかく真紅にはバレないようにしてくれよな」

「そんなの心配することないわよぉ。」
「それでいつ言うですか?」
「指輪も買ったしなるべくはやいうちにとは思ってるけど・・・」
「楽しみ。・・・きっと結婚したら子供がボコボコ生まれる」
「ボコボコってwwwねーよwwww」
「薔薇水晶の言うとおりです。JUMはエロいですからねぇ」

(カナリアたちにもメールしとこう)
「薔薇水晶なにしてんだ?」
「・・・カナリア達に結婚の報告を」
「・・・まるで自分がするみたいな感じでバラすのはやめてくれ」

そんなこんなでその日は僕の結婚の話ばかりだった



自分の部屋に戻り、風呂からあがって指輪を少し眺めてみる

それはジュエリーショップで見た時と同じように輝いていた

(あいつ、喜んでくれるかな)

そんなことを思いながら僕はベッドに入り、眠りについた

その日の夜、
翠星石と蒼星石の家

「ただいまですぅ」
「おかえり。今日は遅かったね、何かあったの?」
「それがすごいことがあったです!!

仕事帰りに水銀燈といつもの店にいったらJUMと薔薇水晶がいたです。

二人でいるなんてどうしたのかと思ったらなんと婚約指輪買った帰りだったですぅ!!」
「婚約指輪って・・・JUMくんプロポーズするの!?」
「そうなんです!!」
「へえ、そうなんだ。高校生の頃からの付き合いだったしようやくって感じだね」
「まったくです!!男のくせに情けねぇです!!」
「でも、よかったね」
「そうですねぇ。真紅はきっと飛び上がるほど喜ぶですよ・・・」
「・・・」
「・・・」
「け、結婚できてうらやましいなんて僕は思ってないよ。

 ふたりを祝福してあげたい気持ちで一杯だよ」
「す、翠星石だってそうですよ!!

・・・まあ先に結婚されて憎たらしいなんて気持ちもほんの少しはありますけど」
「・・・ほ、ほら女の子ならそういうの少しはあるよね!ほんの5%くらいは」
「・・・10%くらいですぅ」
「・・・ごめん、僕三分の一ぐらい」
「・・・」
「・・・」

それぞれの夜は更けていく・・・

一方、JUM達が居酒屋で騒いでいた頃、

カナリア、雛苺、雪華綺晶は真紅の会社の前に集結していた

「JUMが真紅にプロポーズするってこと聞いたかしら!?」
「聞きましたわ!!こうなったら真紅とお祝いですわ!!」
「うゆーでもまだ真紅はそのこと知らないのー」
「カナに任せるかしら!

 なにも理由を話さないで真紅を拉致して飲んだり食べたりすればいいかしら!!」
「流石カナリア!それしかありませんわっ!!」
「あっ真紅が出てきたのー」

「ふう、今日も疲れたのだわ」
「「「真紅ー!!」」」

物凄い勢いで走ってくる三人の姿が目に飛び込んできた

「い、いったいなんなのだわ!?」
「あら偶然ですわね。これからご飯でもいかがですか?」
「べ、別に構わないけど」
「じゃあすぐ行くのー」

三人は真紅を神輿のように担ぎ、走りだす

「や、やめるのだわ!!ほら!ひとが見てるのだわ!!」
「気にしないかしらー」


適当な店
「それじゃ取りあえず乾杯するかしら」
「いいけど・・・何に乾杯するのだわ?」
「うゆー勿論真紅のけっこモガモガ・・・」

結婚のことを口にしようとする雛苺の口を雪華綺晶が慌ててふさいだ

(ダメですわ!!真紅にバラしてわ!!)

「結婚?」
「ち、違うかしら!ヒナは・・・そう!!真紅の血行のよさに乾杯って言おうとしたかしら!!」
「そうですわ!!真紅の血色のよさはみんなの憧れの的ですわ!!」
「なんだか怪しいけれど・・・まあいいのだわ」


危なかったかしら・・・
なんとか乾杯をすませてカナ達は当たり障りのない話で盛り上がってたけど・・・
またヒナがやらかしたかしら


「ヒナね、真紅とJUMが結婚する時仲人さんしたいのー」
((ちょwwww))
「雛苺、少し気がはやいのだわ。いつかはするかもしれないけれどJUMはああいう性格だから・・・

いつになるのかわからないのだわ」

真紅は微笑みながらそう答える。その微笑みはどこか寂しそうにもみえた

(まずいかしら。このままじゃいつかバレるかしら

なんとかJUMが結婚したがってないことをアピールしないと)

「け、結婚と言えばこの間JUMと結婚について話したかしら!」
「JUMと?それでJUMは何て言っていたのだわ」
「結婚をする理由がわからないって言ってたかしら」
「えっ・・・JUMがそう言ってたの?」
「確かにそう言ってたかしら。そうかしら雪華綺晶」
「えっ!?ええそうですわ!結婚制度は政府の陰謀とかなんとか・・・」
「・・・そう」

(ちょっと言い過ぎたかしら)

「ごめんなさい・・・少し疲れたから先に失礼させてもらうのだわ」

そう言うと真紅は立ち上がり、店を出ていってしまった

「やりすぎだったかしら」
「なんだかマズイ雰囲気でしたわねぇ」
「・・・うゆー」

ショックだった
何も明日結婚してほしいとは思っていない

それでもいつかはプロポーズしてくれるものだと・・・そう信じていたから

私達はもう学生ではない。就職もして自分の力で生きている。
もう子供ではないのだから結婚のことは夢物語ではなく、手をのばせばつかめるもののはずだった
それなのにつかめないどころかそんなものはどこにも存在していないのだと言われたような気がした

部屋につくと私は着替えもせずにベッドに横になる

JUM・・・あなたは本当にそう思ってるの?

自然に涙が出てきてとまらなかった。
悲しくて、悔しくて、とても寂しくて
私は子供のように泣き続けた

ふたりが乗ったレールに終着駅がない。
ではいったいそれはどこに続いているのというのか



次の日
僕の部屋には電話の呼び出し音が鳴り響いていた

「誰だよ・・・こんな朝はやくに」

寝ぼけながら携帯を取り、電話にでた

「はい、桜田です」
「JUM!?大変よぉ!!真紅が!!真紅が・・・!!」

「水銀燈?落ち着けよ!真紅がどうしたんだ!?」

水銀燈からの話をまとめるとこうだ
昨日の深夜、真紅が突然やってきたという。
泣きじゃくる真紅に訳を尋ねると

カナリアたちから僕が結婚するつもりがないと言うようなことを聞いたからだった。

「そんな!!なんで全部話さなかったんだよ!?」
「ちゃんと話したわよぉ!!でも真紅は聞かなかったわ!!

取りあえずうちに泊まるように言ったんだけど・・・朝起きたらいないのよ!!」

なんてことだ・・・

「わかった。僕は会社休んで探すから何かあったら電話してくれ!!」
「私も探してみるわぁ!!」

僕は電話をきると今度は会社に有休をとらせてくれるように電話をし

それが終わると指輪を持って外に飛び出した


くそ!なんでこんなことになるんだ!

真紅が行きそうな所は全部まわった

真紅が好きでよく行った食器屋

二人で通った映画館

高校生のころはじめてのデートをして、何回目かの時にははじめてのキスをした公園

どこを探しても真紅の姿はなく、外は暗くなりはじめていた

真紅・・・どこにいるんだよ
僕は一旦部屋に戻ることにした


部屋にもどるとドアの前に水銀燈と薔薇水晶が立っていた

その表情から真紅が見つからなかったことが伺える

「JUM・・・ごめんなさい。私がみんなにプロポーズのこと話さなかったらこんなことにならなかった」

薔薇水晶は俯きながらそう言う

「いや薔薇水晶が悪いんじゃないよ。・・・きっと僕が待たせすぎたのがいけなかったんだ。

気にするなよ」

僕はそれだけ言うと部屋に入ろうとドアを開ける。



部屋の中は明かりがついていなく、あちこちにキャンドルがともされていた
その中に真紅が立っているのが見える

目の前の光景が信じられず、僕は後ろを振り返る

「馬鹿ねぇ。この私が真紅を説得できないわけないでしょう?」
「あと若いひとたちふたりっきりで・・・ごゆっくり」

二人はニヤニヤしながらドアを閉める

「・・・JUM」

真紅に呼ばれて振り向く

「どこまで探してたのだわ?まったく・・・ずいぶん待ったのだわ」
「・・・おまえがいなくなったなんて聞いたら心配するに決まってんだろ」
「・・・バカな下僕なのだわ」
「久しぶりに聞いたな。それ」

真紅は僕の前まで来てゆっくりひざまずく

「JUM・・・私が今まで生きてきて一番幸せなのは・・・こうして親友と恋をして・・・愛し合って・・・」

そこまで言うと真紅は俯いた
しばらくそうしていたかと思うと突然顔をあげた

「や、やっぱりこういうことは女の子がすることじゃないのだわ!!」

そう言った真紅の頬は真っ赤に染まっていた
僕は心の底から愛しいと思った

「わ、わかったわかった!僕から言うよ!!」

今度は僕もひざまずいた
ちょうど目線の高さが同じくらいになる

「僕は・・・プロポーズって場所とか言葉が大事なんだって思ってた。
でも、今日お前を探しまわってて思った。
真紅がそばにいてくれることが僕にとって一番の幸せなんだって・・・
真紅、もしよかったらおまえにも一生同じ気持ちを味わってほしい」

「・・・」

「真紅、僕と結婚してほしい」

彼女の目から涙が一粒こぼれる
そして微笑みながら答えた


「幸せにしなかったら許さないのだわ」

fin



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