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『想の世界に色は無く 現実に涙する』



夢の現に思う

もし彼女が居なければ

もし彼女と出会ってなかったら

僕の世界は今ほど色に溢れていなかっただろう

彼女がいるから僕の世界は色に溢れている

彼女は僕の無色な世界に色取り取りな花を咲かしてくれた

それ故、僕は彼女が居ない世界を思う

それは何て無感な世界

きっと何も無い

きっと何も感じない

色を知ってしまった僕には之ほど恐ろしい物は無い

だから願う

僕の閉じた眼よ

如何か彼女を映しておくれ

僕の声よ

如何か彼女の名前を発しておくれ

僕の耳よ

如何か彼女の声を聞いておくれ

僕の手よ

如何か彼女に触れておくれ

きっとこの願いは既に叶っている

彼女はいつも僕の傍に居てくれる

目を覚ましたら隣に居てくれる

之までも之からも

だから僕は彼女の名を呼ぶ

きっと返事は返ってくるから



「翠星石」



されど答えは無く
その場を覆うは静寂
そして静寂に怯える者のみ



「翠星石?」



答える声は無く
怯えて伸ばした手は何も掴めない
ああ、全ては夢か幻か
声は届かず
温もり求める手は届かない



もしも、彼女が居なければ

僕の世界に意味は無い



「翠星石?」



三度目の声も静寂を消し去る事は叶わず
恐れは募るのみ



彼女の声は聞こえない

彼女に触れられない

もしも、この目が彼女を映さなければ

僕は



怯え眼は震え
硬く閉じられる
それでも確かめずにはいられない
まどろむ世界を消す為に

ああ、如何か彼女を映してください

願いを込めて
開けし扉は夢の境
開いた先の希望を求め


僕は目を覚ます



「やっと、起きたですか?」

「翠星石?」


目の前に現れるは
求めし彼の者


「当たり前です。何言ってるですか?」

ああ、居てくれた


「さっきから寝言で何度も翠星石の名前を呼んで。気持ち悪い奴です。」

僕の傍に


「まったく何時までも寝惚けたままで居られると朝飯が片付かないです。
 さっさと起きて少しは片付け手伝、って!お前何泣いてるです?」


頬を伝うは安堵の涙
世界が戻った事に対する喜びの涙

「はあ?翠星石が居なくなったと思った?お前は馬鹿ですか?」

僕は馬鹿だ

彼女はここに居てくれる



「まったくおめえは本当に馬鹿です。
 お前みたいな馬鹿は放っておけないから翠星石がずっと傍に居てやるです。
 だからもう泣くんじゃねーです。」

翠星石が僕を抱きしめてくれる

暖かい

やっと僕の世界が戻ってきた

ああ、何て幸せな世界

今、僕は幸せだ

願わくば幸せな世界よ。永遠に

僕の傍に彼女を

彼女の傍に僕を

「ありがとう。傍に居てくれて。」


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