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 注:このお話は、水銀燈がローゼンメイデンたちの母親と言う設定です。

 早朝。
 まだ薄暗い空の中、目を覚ます。
 一度伸びをした後、欠伸が出て口に手を当てる。
 もう一度伸びをした後にベットから降りて寝室を後にする。
 そして、台所に立ち七人分の朝食の準備をする。
 台所に小気味の良い音が響く。
 朝食を作る匂いで目を覚ましたのか、三女の蒼星石が少し眠そうな顔で台所に入ってくる。
「お母さんおはよう」
 ちょっと舌足らずな口調で、そう挨拶する蒼星石にはい。おはよう。と笑顔を浮かべてそう言うと
 蒼星石は、顔洗ってくる。と、台所を一旦後にする。
 しばらくして、シャッキリとした顔で蒼星石が台所に戻ってきてまたおはよう。と言う。
「お母さん。僕なに手伝おうか?」
 と、進んで朝食の準備を手伝ってくれる蒼星石にそうねぇ~と、食材を刻む手を休めず考える。
 今日は、ご飯と野菜炒めと味噌汁だからぁ~。と、小さく口で呟き。じゃぁ味噌汁作ってくれないかな? と蒼星石に言うと
 蒼星石は、うん。と、頷いて手馴れた感じに鍋を取り出し味噌汁の準備を始める。
 具材は? と、蒼星石が尋ねるとお豆腐と長ネギよ。と答える。
 ちょうど食材をきり終えたので、食材をザルに移しまな板をあける。
 そして、フライパンを取り出し油をひきガスコンロの火をつけた。
「ねぇ、お母さん」
 ふと、蒼星石が長ネギを切りながらたずねてきた。なぁに? と、首をかしげる。
「僕たちお母さんの重荷になってない?」
 蒼星石の言葉を聞きながら、ザルに移してあった食材を熱したフライパンに放り込み菜箸で全体に熱が通る様にかき混ぜていく。


 しばらく台所は、野菜を炒める音と小気味の良い長ネギを切る音だけになる。
「無いわぁ~なぁに? 蒼ちゃん。悩み事かなぁ?」
 と、答え野菜炒めに塩コショウを振り味付けをしてまた、野菜をフライパンの中でかき混ぜた。
「んーん……なんでもないよ」
 蒼星石は、ネギを小皿に移し豆腐を切りながらそう言った。
 蒼星石の言葉に、そう。と短く返した後。悩み事がったらちゃぁんと言うのよ? と、告げた。
 それ以後の会話は、ほとんど無かった。
 朝食の準備が終わり、時間的にも皆を起こすにはちょうど良い時間。
 あら、皆起こさないとねぇ~と、エプロンで濡れた手を拭いながら台所を後にする。
 台所を後にする時、蒼星石は僕は皆の分のご飯を盛り付けて置くよ。と告げた。
 その言葉に、ありがとう。と、笑みを浮かべてそう言う。
 心なしか蒼星石の顔が、赤かった気がしたが気のせいね。と、台所を後にした。
 まずは、長女の金糸雀を起こさないとね。と、金糸雀の部屋の扉を二回ほどノックした後。
 起きてるぅ? と、扉越しから声をかける。かしらー。と、どこか寝ぼけた返事が返ってきて大丈夫ね。と、思い別の部屋へ
 次女の翠星石を起こし、四女である真紅を起こしに行く。
 真紅は、すでに起きており、あらお母様おはよう。と、パジャマ姿ながらも優雅にそう挨拶した。
 そんな真紅にはい、おはよう。と、にっこりと微笑んでから五女の雛苺の元へと行く。
「雛ちゃーん? おきてちょうだーい」
「うにゅー………ねむいのー」
「もう、朝よー?」
「ねむねむなのー」
 と、また布団の中にもぐりこんでしまう雛苺に、こまったわぁ~と頬に片手を当てて短いため息をつく。

 そこで水銀燈は、何故か娘たちが好いている男性の名前を出す事にした。
「ジュン君と一緒に学校に行くんでしょぅ?」
「そうなの! おきなきゃなの!!」
 過剰なまでの反応を示し、布団から出てくる雛苺。あら、雛ちゃんおはようは? と、水銀燈の言葉に
「おはよーなの!」
 と、元気良く返事を返しパタパタと慌てた様に部屋を出て行く雛苺。
「うにょー!? 金糸雀ぇ!! 危ないのー!!」
「いきなり衝突事故かしらー!!!」
 そんな声と共に派手なぶつかる音を聞き、あらあら。元気ねぇ~と、その言葉で済ませる水銀燈。
 そして、六女と七女の薔薇水晶と雪花綺晶を起こしに行く。
 二人には、ちゃんと一部屋ずつあるのだが……ほとんど二人一緒の部屋で眠っているのだ。
「薔薇ちゃん、きーちゃん起きて頂戴」
 二人の体を揺するが、二人はびくともしない。しょうがいなわぁ~と、本日二度目のあの男性の名前を出す事に
「あぁジュン君がぁ~~~~他のみぃいんなとぉ~いっちゃうわぁ~~~~」
「「!!」」
 演技じみたその言葉に、ガバッと同時に起き上がる二人。
「薔薇ちゃん、きーちゃんおはよう」
「……まただまされた………おはよう。ママ」
「………くっ………ママには、かなわない……おはよう」
 ちょっと不貞腐れた表情をしながらそう言う二人に、はい、おはよう。と微笑みながら言う。
 そして、全ての部屋を回り終えた後リビングに戻り自分の席に座り皆を待つ事にした。
 既に、朝食を並べて座っていた蒼星石は、水銀燈が戻ってきたのを見てもうそろそろ来るかな? と、時計をちらりと見た。
 それから五分後、食卓には水銀燈と娘七人全てがそろって食事をしていた。
 ちなみに水銀燈の分は無い。彼女は決まって娘たちが食べ終えた後に一人で食べているからだ。


「ん~この味噌汁は蒼星石が作ったのかしらー?」
「うん、わかる?」
「この薔薇乙女一家の長女たる金糸雀には、バーッチリわかるかしら!」
「なぁに言ってやがるですか、母さんの作る味噌汁と蒼星石が作る味噌汁は味が違うです! 一発でわかるですよ!」
「そうね……でも、お母様の味噌汁も蒼お姉さまが作る味噌汁も美味しいのだわ」
「カナねぇー! 雛のピーマンあげるのー!」
「こら……雛ねえちゃん……自分で食べる」
「そう……じゃないと、胸が……」
「胸?! そ、それは! ちゃ、ちゃーんと食べるの!!」
 賑やかな朝食。毎日毎回繰り返される事だが、そんな七人を見てクスリと微笑んでいる水銀燈。
 そして、丁度七人が朝食を終えた頃。チャイムが鳴る。
「ジュンが来たかしら!」
「そうね、ジュン以外居ないわね」
「チビ人間め。相変わらず時間に正確ですぅ」
「ジュン君って僕たちの朝食が終わった時に決まって来るよね」
「ジュン~~~!」
「………ジュンが来た」
「えぇ……来た」
 そんな七人の言葉を裏切らず、チャイムを鳴らした男性は七人の娘の幼馴染である桜田ジュンその人である。
「おはよーございまーす!」
「あらあら、おはよう」


 と、玄関先にジュンを通しちょーっとまってねぇ? みぃんな準備してるからぁ~と、いつもどおりの言葉を言う。
「はい。あ、そうだ水銀燈さん」
「なぁに?」
「今日、駅前のスーパーラプラスで特売らしいですよ?」
「あら……新聞のチラシでも読んだのぅ?」
「えぇまぁ。一応と思いまして」
「ありがとねぇ~」
 と、いたずらにジュンの額にキスする水銀燈。それに顔を真っ赤にするジュン。
「「「「「「「あぁーー!! ジュンになにしてるのー!!(だわー! ですー! かしらー! なのー!)」」」」」」」
 娘たちがソレを目撃して、見事なシンクロでそう水銀燈に言う。
 しかし、水銀燈は慌てた様子も無く
「あらぁ~ただのお礼じゃなぁ~い。ほらぁ、皆ジュン君が待ってるんだからねぇ?」
 と、返すとそうだったと、あたふたと学校の鞄やら何やらを自分たちの部屋に戻り取りに行く娘たち。
 そして三分後、いってきます! と元気の良い声を水銀燈にかけてジュンと共に自宅を後にした。
 さて、娘たちが行ったわね。と、水銀燈は自分の朝食を取る事にした。
 台所に立ち、娘たちが食べたメニューと変わらないモノ。ただ、量が少ないが……
 朝食を終えた後、娘たちにあけちゃだめよ? と、厳重に言ってある戸棚からいくつかの錠剤を取り出す。
 それらの錠剤を包装から取り出し口に含むとコップの水で一気に流し込む。
 錠剤の正体は、肉体疲労回復や眼精疲労にビタミン剤と言ったモノである。
 娘を見送るついでに取ってきた新聞を開き、世界の情報を見る。
「あらぁ~また政治家の汚職ねぇ……あらあら、この会社新薬開発したのねぇ~」


 と、一人呟きながら新聞を読んでく。
 一通り読み終わった後今度は新聞に挟まれていたチラシを読む。
 スーパーラプラスの火曜日は、ファイアーラビットデイ! と、デカデカと書かれたチラシを見てクスリと笑った。
 そしてチラシを一通り見終わった後、食器洗いをする。それが終われば次は娘たちの下着の洗濯。
 一通り全ての事が、終わった後水銀燈は、外行きの服に着替えると自宅に鍵をかけ後にした。
 七人の娘たちを女手一つで育ててきた水銀燈。
 一応、今は亡き夫が死亡した際に振り込まれた金はあるにはあるが、それは殆どつき掛けている。
 まぁそれ以外のお金を埋める為に、亡き夫から教わった株取引の儲けや会社で働いて稼いでは居るが
 結構ハードな一日を送っているのである。まぁ、株取引がハードな訳じゃなくて会社がハードなのだが……
 水銀燈は、会社では平社員として働いて居るが給料は、普通の平社員より多い。
 それは、水銀燈のカリスマ性と能力の為でもある。
 何せ彼女が、本気で動けば全ての企業が平伏すとまで言われる凄まじい女性なのだ。
 まぁ……他社へ訪問するだけで株価が、変わると言うのだからその影響力は凄まじいを超えて恐ろしいの域である。
 と、言ってもやっぱり社員である事に代わりは無く七人の娘たちを女手一つで育てるのは凄まじく苦労する事である。
 水銀燈は、何より家族を大事にする女性で、いつだったか……
 体の弱い薔薇水晶が、高熱を出したと金糸雀から連絡が入り重要な会議中にあるのにもかかわらず
 速攻で自宅へ帰宅すると言う……普通ならクビ間違いなしの行為を行っている。
 それでもクビにされないのは彼女のカリスマ性と能力の為である。
 もし、彼女をクビにした! だ、なんて事になればその会社は倒産しかねないと言うのだから……



 大げさかもしれないが真実だったりするあたりが恐ろしい。
 それに彼女は、家族も大事にするが会社の社員も大事にする人で社員からの人望も厚く
 妬まれると言う事無い。(100%という訳ではないが、殆どの社員からはソレが無い)
 本当に会社に居なければならない人材である。
「さぁ、今日も皆の笑顔の為がんばりましょうか」
 と、呟いて愛車のトヨ○のウィッシュ1800に乗りエンジンをかけニュートラルからドライブに入れアクセルを踏んだ。
 続く……と、思う。

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