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ローズイーター


スネーク「金糸雀、今日の放課後フォックスハウンド部の実地訓練を行うぞ。この学園を守るために
設立された部の一員として良く訓練に耐えた。これが最終試験だ。」
金「本当かしら~!いよいよ今までの訓練の成果の見せ時かしら~!」
スネーク「金糸雀、お前のサポートにはオタコンと俺がつく。任務の内容は薔薇学園外で最近頻発している
不良達による犯罪の調査及び撲滅だ。くれぐれも無茶はするなよ。」
金「分かってるかしら~!先生の期待をカナが裏切る訳ないかしら~!」



メタルギア・カナリア『ローズイーター』


同日7時、薔薇学園高校ヨリ南900メートル、繁華街、入口



一人の少女が古びたビルの屋上にフワリと降り立つ。その少女の周りを丸いボール状の物が浮遊している。
いつも見慣れた街も上から見るとまったく違う様相を呈するものだ、そんな事を考えながら
少女は街をゆっくりと見回し耳に手を当てた。


ピピッ


金「・・・・・待たせたかしら。今、繁華街入口に到着したかしら。」
オタコン『・・・やあ金糸雀。鼓膜振動通信機はちゃんと動いてるみたいだね。服の調子はどうだい?』
金「上々かしら、先生がカナに作ってくれたスニーキングスーツ、具合は最高かしら。」
通信機の向こうで微かにオタコンが微笑むのが聞こえた。
オタコン『それは良かった、君専用に用意した物だからね。』
金「ありがとうかしらオタコン先生!・・・・それより先生、
カナの周りでゆらゆら動いているコレは何かしら?」
スネーク「それはサイファーの一種だ。小型カメラを搭載している。」
金「スネーク先生!」
スネーク「今、俺達はその『ピチカート』からお前を見ている。だから気を抜くな。良いな?」
金「分かってるかしら先生。任務の詳細をお願いするかしら。」


スネーク『任務は昼間伝えた通り薔薇学園外で頻発している不良共の犯罪の調査、撲滅だ。
先日も学園の生徒が恐喝、暴行された。それを見兼ねて学園長が
街の自治会と交渉した結果、俺達に任務を下したという訳だ。』
金「許せないかしら・・・!!」
歯を食いしばり金糸雀は怒りに身を震わせる。
オタコン『その通りだ。警察に相談すべき事案ではあるけど取り合ってくれないなら
僕達がやるしかないという訳だね。』
落ち着いたオタコンの口調の端にも怒りの色が見える。
スネーク『金糸雀、今回のミッションは実地訓練であり最終試験だが
間違っても目立つ真似はするな。俺達は存在しないんだ。速やかに任務をこなせ。』
金「任せてかしらスネーク先生。・・・・オタコン先生、装備の詳細をお願いするかしら。」
オタコン『了解、金糸雀。今回の装備にはモデルガンを改造してスタン弾を撃ち出せる
ようにした銃が支給されている。後は・・・まあスネークの好きなアレ。』
通信機の向こうのオタコンの声が呆れるような拍子になる。金糸雀もアレが何かを一瞬で理解する。
金「・・・・段ボール・・・かしら。」
オタコン『・・・正解。』
スネーク『そうだ、上手く使いこなして危機を切り抜けるんだ!』
金「了解かしら。・・・・ふう、それでは、任務を開始するかしら!!」


金糸雀は立ち上がり、街を見下ろした。これからの任務に胸の鼓動が高鳴る。学園生活では真紅達と
他愛のない会話をしているが、この二年スネークの元で多くの事を学んだ。
それが実践できる時がきた事が、スネークに自分の勇姿を見せれる事が金糸雀には幸せだった。
金「それじゃ、行くかしら。」
金糸雀は屋上の鉄柵にロープをかけると、それを手早く自分の体にかけ、一気に下へと降りた。
金「繁華街・・・だけど不良達は本通りに出て悪事を働くはずないかしら。
なら・・・・カナがする事は一つかしら。」


路地裏


男「なあ、君さあ~薔薇学園の子だよねぇ?こんな時間に出歩いたら危ないよ~?」
茶髪の何とも軽そうな男が薔薇学園の女子生徒を引き止めていた。女生徒が逃げられないように、
男は少女の頭の横に両手を置き少女を壁に釘づけにする。
女生徒「離してください!!ひ・・・人を呼びますよ!!」
男「うっわ~酷いなあ、俺君が心配で言ってるんだよ?家まで送ってあげるって。」
口では人の良い言葉をかけるが、その目は女生徒の肢体を嫌らしい目でなめ回している。
女生徒「いや!!」
それに気付き女生徒はその男を押し退けようとしたが、少女の腕は男に
捻り上げられてしまった。少女は恐怖で悲鳴を上げようとするが男がその前に口を塞ぐ。
男はニタリと笑うと少女の肢体を嫌らしい手つきでまさぐっていく。



男の行為は次第にエスカレートしていく。体をまさぐっていた手が制服のボタンを外し、
その中へと侵入を始めたのだ、同時にスカートの中にも。少女は必死に抵抗をするが
男の力の為に身動きが取れない。少女は恐怖と恥辱に涙をながした。もう駄目だと絶望した。



「待つかしら・・・・!!」



少女はその声の方を見た。路地裏の暗がりの中、真っ黒な奇妙な服に身を包んだ少女が
そこに立っていた。顔は見えないがエメラルドの色をした髪が路地裏に漏れるライトで照らしだされていたのが分かった。
金「その子を離すかしら・・・クソ野郎。弱い人間にしか手の挙げられない卑怯者!」
その金糸雀の罵りが酷く男を怒らせた。男は少女から手を離すと金糸雀へ一直線に飛び掛かった。
金糸雀はその男の動きを見て微かに微笑み、軽やかに突進をかわすとそのまま男の膝裏を蹴り折り、
勢いを殺す事なく一回転して延髄に、半月の軌道を描く鞭のような強烈な蹴りをぶち込んだ。
男「ぐぅぇあっっ!」
蛙の鳴き声のような声を上げ男はその場に突っ伏した。


金「・・・これで良いかしら。」
金糸雀は気絶した男を縛り上げるとその辺に転がした。
金「こいつの後始末をお願いするかしら。」
金糸雀は通信機を作動させて交信する。ピチカートから今の一部始終を見ていたはずだ。
考え通りすぐにまた通信機が作動して声が聞こえた。
オタコン『了解だ、すぐに人をそっちに寄越すよ。』
オタコンのその言葉を聞くと金糸雀はその場を立ち去ろうと立ち上がり歩き始めた。
女生徒「あの・・・・」
女生徒の言葉に金糸雀は立ち止まる、が、しかし、振り返らない。
女生徒「・・・・・ありがとうございました。」
ありがとう、学園で言われた事のない言葉をかけられ、金糸雀は少し照れた。
しかし、任務はまだこれからだ。金糸雀は女生徒に後ろ手で手を振ると次へと向かった。


不良1「ちくしょう・・・・・このアマァァアッ!!!」
目の前の不良がナイフを取出し襲い掛かる。金糸雀は不良の懐に潜りこむと手に持った特製ハンドガンで
ナイフをさばき、スネーク直伝のCQCを用いて腕からナイフを奪いとり、組み敷き、スタン弾を撃ち込む。
それを見て、残った不良二人は二人がかりで金糸雀を押さえ込もうとする。
しかし金糸雀は片方の不良をすれ違い様に地面に引き倒すと、振り向き様にもう片方にスタン弾を撃ち込む。
そして最後の一人にはとどめの蹴り。
不良三人は完全に沈黙する。
金「ふう~~~これで20人目かしら~。オタコン先生、こいつらもお願いするかしら~。」
通信機の向こうからは感嘆の入り交じったオタコンの声が聞こえてくる。
オタコン『頑張ってるじゃないか金糸雀。これがあの落ちこぼれだった子の技だとは
まったく思えないよ。』
金「それってちょっと失礼じゃないかしら、薔薇学園一の頭脳派と言われた私に~。」
オタコン『はは、ごめんごめん。でもきっとスネークも喜んでくれるはずだよ。』
金「ほんとかしら!」
オタコン『ああ、今はいないけどね。頑張ってくれ、くれぐれも慎重にね。』
金「了解かしら!!」


金「ぐっ・・・・・!!!」
金糸雀の視界が大きく揺れた。完全に虚を突かれ、頭を大きく揺さぶられてしまったのだ。
やってしまった、金糸雀がそう思うやいなや不良達の制裁は始まった。
腹部に蹴りがめり込む、口の中に胃酸が逆流する、飛んでくる蹴り、
ガードをするがその態勢で壁に叩きつけられる。スニーキングスーツで守られてるとは言え、
四方八方からやってくる蹴りの衝撃までは抑えられない。次第に体力が削られ、
金糸雀は意識が遠のき始めた。視界の端で雛苺の、涙でぐしゃぐしゃに崩れた顔が見えた。
自分のわがままで泣く事もあるけど他人のためにも自分と同じ位泣いてあげられる
優しい子、金糸雀はそんな子を守れないのかと自分の無力さを呪った。
耳の奥で、オタコンが叫ぶ声が反響するように聞こえる。
金「(だ・・・・駄目かしら・・・い・・・・しき・・・が・・)」
目の前に立つ不良の一人が、長い棒のような物を振り上げているのが見えた。
ああ、ダメだ。金糸雀は目を閉じ、終わりの時を待った。


不良B「うぉぉぉおお!!!!」
不良の雄叫びが路地裏に響く。通りを歩く人々は厄介はゴメンだと行き過ぎる。
不良は、手に握り締めた太い棒きれを金糸雀の脳天に振り下ろした。



しかし、その動作は棒きれと金糸雀との間に入った人物により中断した。
男は棒切れを受け止め、不良を睨み付けた。不良の目に鬼神のような形相をした男の瞳が映る。
恐怖で不良は棒切れを放そうとしたがその前に体が男に引き寄せられ、
鉄拳が不良の顔面を破壊した。
金糸雀は、霞む目で男の背中を見ていた。リーダー格を除いた残り3人が男に襲い掛かる。
しかし、男はそれを物ともせず3人をいなす。一人は殴ったその腕を捻りあげられ肘撃ちが鼻に。
もう一人は、後ろから羽交い締めにしようとした所を逆にやられ、壁に頭をぶつけられる。
最後の一人はナイフを振り回すが、男が拾った棒切れの小片でナイフを絡めとられ、
地面に引き倒された所を鳩尾に拳がめりこんだ。
男は3人を完全沈黙させると金糸雀の方を振り返った。
額に大きく巻かれたバンダナ、伸びた無精髭、ガッチリと筋肉のついたその身体、
金糸雀は混濁した意識の中でその男の姿を認め、驚愕した。
男は金糸雀に微笑みかけた。



「待たせたな!!」



間違いなかった。聞き慣れたあの台詞、その姿。そこにいたのは金糸雀の師、
そして最強の男、ソリッド・スネークその人だった。
「・・・・・スネーク・・・・せ・・んせ・・い。」
金糸雀は自分の愛する師の微笑みと声に涙を流した。スネークは金糸雀の身体を見回す。
大丈夫だ、スネークは金糸雀が無事である事を確認すると、リーダー格の不良に相対した。


スネーク「お前がそうか・・・。」


不良にかけたのはたったその一言だが、不良を震え上がらせるにはそれで充分だった。
学園では誰にも見せた事のない、スネークの真の姿が発露する。
不良A「ひっ・・・・。」
情けない声を上げる不良、拍子に握っていた雛苺の腕を離す。


スネーク「行け!!!!」


雛「は・・・はいなの!!」


スネークのその一言で雛苺は一瞬でその場を離れた。
場には不良、金糸雀、スネークが残された。
スネークは不良を睨みつける。金糸雀からは見えなかったがそれはまさしく戦場を生きた
戦士のもの。不良はそれに完全に圧倒され、その場に座りこみ失禁した。


牙を抜かれた獣にはもはや抵抗する術はない。スネークは茫然自失とした不良から視線を離すと、
金糸雀と同じ鼓膜振動通信機を作動させた。
スネーク「オタコン・・・俺だ。」
次の瞬間、鼓膜を破らん限りの声でオタコンが叫ぶ。
オタコン「スネーク!!!金糸雀は・・・・・怪我は?彼女は無事かい!?」
スネーク「ああ、金糸雀は無事だ。これからそっちに金糸雀を連れて戻る。任務完了だ。」
オタコン「・・・了解だ、君達二人の帰還を心から待ってる。」
そう言うと通信が切れた。スネークは壁にもたれ掛かり、消耗しきった金糸雀に近付き、
側に膝を付いた。
金「先生・・・・ごめんなさい。カナ、雛苺を守りきれなかったかしら・・・。」
金糸雀は涙目でスネークに謝る。スネークはその金糸雀を見て静かに語りかける。
スネーク「・・・ああ金糸雀、お前は守れなかった。俺がいなかったら確実にお互い酷い目に合ってただろう。
だが、お前は学んだ。自分の能力の限界を、判断ミスを、気の迷いを、自惚れを、



友を大事に思える心を。それを学べた事は今回のテストでの大きな成果だ。
テストには不合格だが頑張ったぞ、金糸雀。」
スネークの優しい言葉、金糸雀は耐えきれなくなり、スネークの胸の中で泣いた。
悔しいのと、嬉しいのとの想いが交錯した涙だった。


ひとしきり泣き終わると金糸雀はスネークの胸から顔を離した。スネークは立ち上がり金糸雀に手を伸ばす。
スネーク「立てるか、金糸雀?」
ゴツゴツとしたその手を握り金糸雀は立ち上がろうとする。が、
金「あら?・・・あらら?」
金糸雀は疲労とダメージで足腰が立たなくなっていた。金糸雀は顔を赤らめて上目使いでスネークを見合げる。
金「た・・・立てないのかしら、スネーク先生・・・。」
スネークはその金糸雀の様子を見て、何も言わずに金糸雀を背中に背負った。
金「あっ!・・・・・先生、良いのかしらカナを背負って・・・?」
スネーク「構わんさ。さあ、オタコンの所まで戻るぞ。」
スネークはそう言うと、路地裏の奥へと歩き始めた。金糸雀はスネークの背中にゆっくりもたれ掛かる。
大きく、ガッシリとした男らしい男の背中の広さが金糸雀に伝わってきた。
金「・・・・・先生、でも、やっぱりピチカートを見てカナを助けに来てくれたのかしら・・・?」
金糸雀はスネークに背負われてる照れ隠しでスネークに質問をした。


ひとしきり泣き終わると金糸雀はスネークの胸から顔を離した。スネークは立ち上がり金糸雀に手を伸ばす。
スネーク「立てるか、金糸雀?」
ゴツゴツとしたその手を握り金糸雀は立ち上がろうとする。が、
金「あら?・・・あらら?」
金糸雀は疲労とダメージで足腰が立たなくなっていた。金糸雀は顔を赤らめて上目使いでスネークを見合げる。
金「た・・・立てないのかしら、スネーク先生・・・。」
スネークはその金糸雀の様子を見て、何も言わずに金糸雀を背中に背負った。
金「あっ!・・・・・先生、良いのかしらカナを背負って・・・?」
スネーク「構わんさ。さあ、オタコンの所まで戻るぞ。」
スネークはそう言うと、路地裏の奥へと歩き始めた。金糸雀はスネークの背中にゆっくりもたれ掛かる。
大きく、ガッシリとした男らしい男の背中の広さが金糸雀に伝わってきた。
金「・・・・・先生、でも、やっぱりピチカートを見てカナを助けに来てくれたのかしら・・・?」
金糸雀はスネークに背負われてる照れ隠しでスネークに質問をした。


スネークは金糸雀を少し振り向き、答えた。
スネーク「いや、違う。俺もお前と同じように不良達を倒していた。」
金「それじゃスネーク先生・・・・一体どうやってカナを助けに来てくれたのかしら?
オタコン先生がスネーク先生に教えてくれたのかしら?」
金糸雀は意味が分からないと言った顔でスネークに声をかけた。
スネーク「それは一理ある・・・がそれが全てじゃない。俺はあの時嫌な予感を感じた。そして、
お前のスーツに付けた発信機を確かめ、お前の元に向かった。そしたら案の定、オタコンから
通信が入ってお前が危機に陥ったという連絡が来たと言う訳だ。」
金「先生・・・・・。」
金糸雀は自分の事を案じてくれたスネークの優しさにまた涙を浮かべた。
スネーク「おいおい、もう泣くんじゃない金糸雀。これじゃまるで俺が泣かしたみたいじゃないか。」
スネークは苦笑しつつ路地裏を抜けた先にあった黒いバンの前に立った。
スネーク「オタコン、開けてくれ。」
黒いバンのドアが開く。中からよれよれの服を着た眼鏡の男が焦燥した顔で現れる。
オタコン「ああスネーク、金糸雀!!良かった、君達が無事で!!」


翌日、薔薇学園校門前
翠「真紅~、今日の朝のニュース聞いたですか!?」
紅「ええ、聞いたわ。この辺りにいた不良達が一斉に警察に捕まったそうね。それが?」
翠「それがちょっと話が違うみたいなんです!ね、蒼星石?」
蒼「うん、昨日学園の生徒が不良に襲われたんだけど謎の人物に助けられたそうなんだ。」
紅「まさか、それも警察じゃないの?」
翠「それがそうでもないみたいなんです!その人物、女の子だったそうなんです!」
紅「ふ~ん、でも私は余り興味はないわ。」


金「おはようなのかしら~~!」


翠「げっ!うるさいカナガワですぅ!」
蒼「こらこら翠星石・・・。」
紅「おはよう、金糸雀。今日も元気ね。」
金「もちろんかしら~真紅!今日も楽してズルしてゲットかしら~!」



誰も金糸雀の正体に気付く者はいなかった。金糸雀、彼女は薔薇学園を隠密に守る戦士。
学園の教師スネークの元で訓練を積んだフォックスハウンド部の一員。
昼は間抜けた所のある自信過剰なドジな少女。夜は街を駆け抜け、武踏を踊る一羽の小鳥。



今宵も彼女は学園を守る


メタルギア・カナリア『ローズイーター』:完

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