◆夏は暑い その1◆
(ミーンミンミンミーン ミーンミンミンミーン)
め「……暑い。汗が止まらない」
J「同意」
薔「はげどう……」
め「その割には、ばらしー汗ひとつかいてないわね」
薔「真の美少女は汗などかかない……流すのは涙だけ」キリッ
J「『アイドルはトイレに行かない』ってやつみたいだな」
め「……ねえ、ばらしー」
薔「……なに?」
め「桜田くんは汗フェチよ」
J「違うから」
薔「そっか……JUMは汗フェチ……ならば」
薔「……」ダラダラダラダラ
J「……汗かき始めたな。すごい勢いで」
め「これも一つの愛の形」
◆夏は暑い その2◆
め「お! 木陰見っけ」ピョン
J「あ、僕もいれて」
め「ふふふ、悪いがその要求には答えられないね。ここは柿崎めぐが占拠したのだ」
J「く、裏切りものめ!」
薔「なんと卑怯な……」
め「へっへっへ。世の中賢いものが生き延びるようにできてるのよ」
~1時間後~
め「……」
J「あー涼しい」
薔「木陰がこっちに動いたね……」
め「……ねえ」
J「んー?」
め「わたしもそっちに J「却下」
め「……へへ、抜かっちまったぜ」
◆夏は暑い その3◆
め「ふと思ったんだけどさ」
J「うん」
め「私たち、なんでこの炎天下の中ずっと外に突っ立ってるわけ?」
J「それは……アレだ、ほら、夏的なテーマを感じてさ」
薔「太陽がギラギラと照りつけてセミがうるさい……まさにここはサマースピリットに溢れている」
め「よくわからないわね……っていうかすぐそこにコンビニあるじゃない」
J「見るな。誘惑に負けるぞ」
め「あそこに行けば……クーラーがんがんにかかってる快適空間……YJ立ち読みも可能……ああ、めまいが……」
薔「気をしっかり持って……! めぐ隊員……!」
め「うう……ばらしー隊長殿、もはや私はここまでのようです……」
め「死ぬ前に……水銀燈のスク水姿を見たかった……」ガクリ
薔「めぐぅうううう!」
め&薔「……余計暑くなった」
J「だろうね」
◆夏は暑い その4◆
め「……桜田くん」
J「何だ?」
め「この尋常じゃない暑さをうまく何かに例えてみて」
J「……」
薔「……」
め「……」
J「……ミネラルウォーターでうがいする人くらいあり得ない。もったいない」
め「なんだか貧しい発想ね……」
J「ちくしょう……」
め「ということで次はばらしー、行ってみようか」
薔「……原作における私の存在感くらいあり得ない」
J「っていうか無いもんな、存在自体」
め「ドンマイケル」
薔「ちくしょう……」
◆夏は暑い その5◆
め「あー、なんだかノド乾いてきちゃった」
J「確かに」
薔「……はっ」
め「? どうしたの、ばらしー?」
薔「あんなところに……自動販売機が」
め「おお。誰かジュース買ってきてくれたらうれしいなぁ」チラッ
薔「うれしいよね……」チラッ
J「……なんで二人して僕の方見るんだ。欲しいんなら自分で買いに行けよ」
め「うっ……! 胸の病が……!!」
J「こういうときだけその設定持ちだすのか」
薔「私も持病のしゃくが……」コホコホ
J「お前は至って健康だろ」
め「というわけで私はコーラね。この際ペプシでもいいわ、でもカロリー0のは勘弁」
J「注文細かい、っていうかまだ行くとも言ってない」
薔「私はカルピス……でも、できればJUMのカル J「わかった、行ってくるからそれ以上言うな」
◆夏は暑い その6◆
J「ほら、ジュース買ってきたぞ……うわっ!」コテン
薔「大丈夫? JUM……」
め「これまた派手に転んだわね」
J「いてて……ああ、平気だよ。ほら、ジュース達もちゃんと無傷」
め「おお、GJ。だけど桜田くん、意外とドジっ子さんね」
J「そうかな」
薔「こういう風に転んだときは……『てへっ、僕ったらドジだから☆』とか言えばいいと思う……」
J「そうかぁ?」
薔「そうだとも……」
め「なるほど。桜田くん、さん、はい?」
薔「……」ジーッ
め「……」ジーッ
J「……いや、言わないからな」
◆夏は暑い その7◆
J&薔「……」ゴクゴク、プハーッ
J「あーうまい。やっぱ夏は冷えたお茶に限るな」
薔「カルピス一択……」
め「ふふん、夏と言えばコーラよ。愛しのコーラちゃん、今飲んであげるからね♪」カチッ
(プシューッ!)
薔「おお、爆発した……めぐがコーラまみれに」
め「……桜田くん?」ポタ、ポタ
J「い、いや、断じて振ってはないからな。多分あれだ、転んだときの衝撃で……許してください」
め「許さぬ」
J「……」
め「……」
J「てへっ、僕ったらドジだから☆」
め「許した」
薔(携帯で録音完了……)ピピッ
◆夏は暑い その8◆
J「ああ……僕の黒歴史に新たな一ページが加わってしまった……」ズーン
め「いいんじゃない。そのキャラで押していけば桜田くんの新規ファン開拓できるわよ」
J「すごく微妙なファン層が増えるだろうな……」ズーン
薔「そうでもない……可愛い女の子ファンがたくさん増えた」
J「え?」
薔「さっきのJUMの声を録音してきらきーに送ったら……水銀燈や真紅からm
J「ちょっと待て」
薔「?」
J「さっきのって……あれを録ったの?」
薔「うん」
J「で、送ったの? きらきーに?」
薔「うん。そしたらみんなも一緒にいたみたいで、みんなその声が欲しいって言うから」
め「送っちゃったのね」
J「う……うわあああああああ!!」
め「あちゃー、桜田くんがショックのあまり壊れちゃった」
◆夏は暑い その9◆
J「消してえええええリライトしてええええええ」
薔「JUM……この暑さにやられちゃったのかな」
め「無自覚なのね。それはそうと、私にもその声送ってくれる?」
薔「うん、わかった……」ピロリン
め「よし、届いた。後は着信音に設定して……これでカンペキ」
J「こら待て。今すぐ消しなさい」
薔「あ、復活したんだ……」
め「ふふん、やーなこった」
J「仕方ない……ならば実力行使あるのみだ!」ダッ
め「! ばらしー、私に電話かけて!!」
薔「いえっさー」ピポパ
『てへっ、僕ったらドジだから☆ てへっ、僕ったらドジだから☆ てへっ、僕ったらドジだから☆』
J「いやああああ恥ずかしいいいい」ゴロゴロゴロ
薔「おお、地面を転げまわっている……」
め「こうかは ばつぐんだ!」
◆夏は暑い その10◆
J「わかった。消せというのはあきらめよう。だけどせめて僕の前ではマナーモードにしてくれ」
め「あら、話分かるじゃない」
薔「それくらいなら……お安い御用」
J「よし、これでとりあえず僕の平穏は保たれた……」
め「あ、桜田くん、ちょっとメール送るね」ピロリン
J「え? いいけどなんd」
『てへっ、僕ったらドジだから☆ てへっ、僕ったらドジだから☆』
J「……僕のケータイの着信音設定は初期のままだったはずだぞ」
め「うん、さっき地面転がってた隙に変えといた」ニッコリ
J「やっぱ許さん、僕の声消せ! 待てい!!」
め「待てと言われて待つおろか者はいないのだよ! わっはっはっは!!」
(タタタタタ……)
薔「……行っちゃった」
薔「えっと……これでおわり、だよ」
★おしまい