※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

―あらすじ―
水銀燈にゲームで負けた僕(蒼星石)と真紅、金糸雀、薔薇水晶。
後日、彼女からいきなり飛騨高山に呼び出されたが……実態は罰ゲーム!
ルールは何が起こっても絶対に笑ってはダメ。
笑うと魔女っ娘ロボットに鉄の杖で尻を容赦なく叩かれる、キツイお仕置が!
本家、ガキの使いばり……いや、痛みはそれをも凌ぐかもしれない罰ゲーム!!
行く先々には水銀燈が徹底的に仕掛けた笑いの罠や刺客が待ち受ける!
耐え切れるのか……てか、生きて帰れるのか……。

これまでの出来事が全て、夢だったらいいのになって何度も思った。
だから書いてみた。書いて夢になると信じて。
ほら、よく漫画の中の夢にあるじゃない?

実はこれが水銀燈がバーチャルグラフイックで作った創作だった……。
それを見て、頭にきた僕らをけたけたと笑って、挙句の果てには僕らにボコられて。

あははは、さすがにこれは出来すぎか。
でも、いいよね?
こういうことにしても、いいよね?
てか、マジでこういうことにしたい。しなくちゃ気が済まない!

笑ってしまって、ごめんなさい。
てか、本気で勘弁してください。

(以上、当時の事を綴った蒼星石の手記より抜粋)

 僕らの周囲にあった、朝市のテントやら荷物やらは、先程のメイドロボの砲
撃による爆風で、跡形も無く吹き飛んでなくなっていた。
 周囲の木々の葉は全て無くなり、中には爆風のあまり折れている木まであった。
 そして、メイドロボが飛び去ったと思える場所には巨大なクレーターが、生
々しく残されているだけだった。
 周囲にいた人ら、そして僕らもただ……呆然と目の前の非日常に傷痕を眺め
ているだけだった。
 あっ……金糸雀はいまだに痛がって、絶叫を上げながら蹲っているけど。
 その傍をながれる宮川だけは、普段と変わらず、心地よい水音を立てながら
流れていた。

 その心地よいせせらぎの音を切り裂くかのように、近くまでやってきたパト
カーのサイレンの音が響き渡る。
 やがて数台のパトカーは近くに掛かる橋の上に止まり、中から勢いよく警官
が次々と出てきたが……。

「逮捕だ逮捕だー!!」
 いきなりそんな絶叫を上げながら、なんと手にしていた銃を空に向けて乱射
する、両目が一つに繋がったような目をした警官もいれば……

「これはどういうことでしょう……う~ん……う~ん……」
 目の前の光景に、ひたすら悩み出す……先程駅前の交番にいた、スポーツ刈
りで一枚歯の警官。
 その直後にはお約束のように、なぜか暴雨風が巻き起こったりする。
 それでどうなるかといえば……周囲にいたほかの人たちはさらに逃げまとい、
事態は余計に収拾がなってしまう始末。

「警察まで無茶苦茶……ふふふ!」
「そ、そうだね……ぷぷぷ!」
 さらになお混沌としてきて、強い風雨で立ってもいられないにもかかわらず、
笑ってしまう真紅と僕だった……。

「蒼星石、真紅、アウトぉ!」
 そんな中でも水銀燈の宣告だけは何事も無かったかのように響き渡り、魔女
っ娘ロボが数体やってきては、僕らを組み伏せて……!

「あああ!痛いわああ!」
「痛えっ!骨が折れちゃうよっ!」
 鉄の杖で力いっぱいにお尻を引っ叩かれ、全神経に響き渡る勢いの激痛が、
僕の体に走る。
 真紅もそれは同じようで、今にも泣き叫びかねないほど顔をゆがめ、お尻を
両手で押さえながら走り回っていた。
 魔女っ娘ロボはやることを終えると、暴風雨の中を平然と立ち去っていく。

「本気で……パンチが効きすぎているのかしら……。というか、このままやら
れたら、お尻の骨を砕かれちゃうかしら~!?」
 いまだに痛みが残っているのだろう……金糸雀はお尻を押さえながら、すっ
かり怯えて、僕らが痛がっているのを見ていた。
 まさに命がけともいえる、この罰ゲーム。
 本気で下手したら、全身不随にされたり、最悪殺されかねない。

 次はどんな罠があるのかとうんざりしながら、再び金糸雀の方に目を向ける
と……彼女の背後には何時の間にか、一人の高校生らしき男が張り付いていた。

 髪がボサボサで、ただじっと勘ぐるような目線を金糸雀に向けたそいつは、
しばらくは無言であったが……やがて口を開いて……。

「あやしい……」
 容赦なく吹き付ける風雨をものともせず、腹の底から無理矢理吐き出したか
のような低い声で呟いたのだった。

「な、何なのかしら~!?」
 金糸雀は背後から聞こえた無気味なそいつの声に、怯えを露骨に出したまま
振り返る。

「あやしい」
 なおもその一言を口にする男。
 そして、金糸雀の体を舐めまわすかのように、じろじろと眺めていた。

「カ……カナは変なことしてないのかしら!」
 なおもうろたえながら、金糸雀はそいつに反論する。
「あやしい、あやしい、あやしい」
 だが、そいつは延々と背後から不気味なオーラを出しながら、あやしい、と
だけ言いつづけていた。

 そして、そいつは金糸雀のうなじをじろじろと見つめた挙句、金糸雀の耳元
に口を近づけて囁く。
「あやしい」
 その一言だけ。

「これって……視姦の変形バージョン!?」
 一連のそいつの行動を見ていた薔薇水晶はそう呟いた。
 確かに、奴の視線の動きを見ていたら、金糸雀の胸や首元、お尻に顔を眺め
回していた。
 まさに悪質な痴漢行為だよ!

「で、でも視姦にしてはヘタレすぎ……ぷぷぷ」
 なんでそこで笑っちゃうのかな、薔薇水晶。
 当然その後に待っているのは。

「薔薇水晶、アウトぉ!」
 宣告とともにやってくる、魔女っ娘ロボの痛ぁ~い鉄の杖による尻叩きとい
う、それはもう、恐ろしいお仕置きなのだった。

「あがっ!骨が砕けそう……」
 顔を思い切り歪めながら、お尻を押さえる薔薇水晶。
 憎しみの篭もった視線を、その場からそそくさと立ち去る魔女っ娘ロボに向
けていた。

「本当……殺されるかもしれないわ。
 ……死んだら末世まで呪ってやるわ、水銀燈!」
 真紅も怒り心頭で呪詛を吐きながら、じっと空を見つめていた。
 その気持ち、痛いほど分かるよ。本気で。

「は、離れるのかしら~!?」
「あやしい……」
 一方で、そんな僕らを気にとめる余裕は全くない様子で、金糸雀はなおも彼
女の耳元に迫ってくる、その男から離れようとしていた。
 だが、そいつはなおもしつこく、彼女の耳元で「あやしい」と呟いていた。
 さすがに、これは犯罪だよと思い、僕が男を止めに行こうとしたその時!

「貴様、何をしているか!現行犯逮捕だ!」
 背後からそんな叫び声がした。
 その声に振り返って見た、その先には……!

「警視庁特殊刑事課、会員番号1番、海パン刑事!」
 そう名乗ったのは……ネクタイと海パンだけを付けた、筋肉隆々の男性だった!
 橋の欄干の上に仁王立ちで、僕らの方をじっと睨みつけている。

「同じく会員番号2番、タイガー刑事!」
「右に同じく、会員番号3番、ムスタング刑事!」
 海パン男の背後には、なぜかいかつい戦車と、戦闘機を載せたトレーラーが
橋の上に停まっていて、その上で仁王立ちでいる軍服を纏った中年っぽい男性
が2人いた。 

 な……なんなの、こいつら……。
 刑事って言うか……それ以前に変態……!
 ていうか、刑事に会員番号って何さ!?

 目にした途端に笑ってしまったのは言うまでもない。
 同じく、真紅も笑ってしまっていた。

「蒼星石、真紅、アウトぉ!」
 宣告とともに、僕と真紅に下される鉄の杖のお仕置き。

「あがっ!」
「ぐがっ!」
 もはや、痛さのあまりそれ以上声も出なく、その場に蹲る僕と真紅。
 お尻をさすっても、もはやその感覚がない。
 下半身の神経は麻痺してしまったのかもしれないね、これ。

「海パンはともかく……独軍のタイガー戦車に、米軍のP51ムスタングとは……
なかなか渋いよね……」
 薔薇水晶といえば、橋の上にある巨大な兵器に見とれていたのだった。
 よく平気でそんなのに感心していられるね。
 君の感覚を疑うよ、薔薇水晶。

「……おっ……次は本当に空を飛ぶ戦闘機……!?」
 薔薇水晶がふとそんなことを呟きながら空を見上げる。

 すると、爆音とともにこちらへと向かって急降下してくる、プロペラ戦闘機の
姿が目に入った。
 その飛行機はぐんぐん高度を下げて……僕らのいる所へと突き進んでくる!

「危ない!」
 僕は尻の痛さを咄嗟にこらえながらも、真紅と薔薇水晶を地面に伏せさせた。
「な、何!?」
「……これはまた……スリリング……」
「金糸雀も伏せて!」
 僕の言葉に金糸雀が伏せた、まさにその直後!

 その戦闘機は僕らの頭上スレスレを通過していく!
 危うく翼についたプロペラに巻き込まれそうになったよ!
 通過した後に、一陣の強い風が通り抜けた……。

 その戦闘機は一旦急上昇した後に、ゆっくりと近くの河原に着地した。

「これは……旧日本軍の夜間戦闘機……月光!?」
 ゆっくりと立ち上がって、しげしげと目の前の戦闘機を眺めて、そんな事を
呟く薔薇水晶。
 てか、そんな戦闘機の知識、よく知っているね。
 ある意味感心するよ。

 そんな風に思っているのもつかの間、目の前の戦闘機のハッチが開くと同時
に、ゆっくりと外に出てくる大柄な人影が二つ。

「特殊刑事課、会員番号4番、月光刑事!只今見参!」
「同じく美茄子刑事!満月の夜じゃなく、暴風雨だけど登場!」
 掛け声とともに出てきたその二人はというと……。

 一人は髪をツインテールに結って、もう一人はロングヘアーで。
 ともにセーラー服のようなミニスカートの戦闘服をまとって、手には長い手
袋、足にはロングブーツを履いて。
 手にしているのは、アニメの魔法少女なんかがよく持っている、飾りの付い
たステッキがまばゆく光り……。
 SMや仮面舞踏会で使うような、両目が開いたカラフルなアイマスクを付けて
いる……。

 ……太った中年の男性だった!
 あごひげをたくましく伸ばし、膝やすねからは、男性特有の毛がびっしりと
生えていた!

 思い切り気持ち悪いよ、これ!
 まさに目の毒だね!

「視姦をやる悪い子は!」
「痴漢行為を犯す悪い子は!」
 その二人は見るだけでも吐き気を覚えるような妙なポーズを取って!

「「月に代わってお仕置きよ!!」」
 見事に決め言葉をハモらせていたのだった……。

 それを目にしていた僕はもちろん……金糸雀、真紅、薔薇水晶が気持ち悪そ
うにしながらも、吹いてしまったのは言うまでもない。

「金糸雀、蒼星石、真紅、薔薇水晶、アウトぉ!」
 当然のごとくに、僕らは漏れなく鉄の杖で尻を強烈に叩かれるのであった!

「ぎゃうっ!最悪がしらぁぁぁぁ!」
「あがっ!最低よおおお!」
「ぐはあああ!」
「ぐげっ!強烈すぎ……」
 僕らは皆、叫び声をあげながら痛さのあまりのた打ち回るのであった……。

「只今より、目の前の痴漢の現行犯を成敗する!」
「おう!」
 戦闘機から降り立った二人のセーラー服のケダモノが、金糸雀にいたあやし
い男に向かって走り出す!
 同時に橋の上にいた変人どもも、次々と橋から河原へと飛び降りてきた!
 その光景は華麗……なんてものじゃなく、目を覆いたくなるぐらいだ。
 綺麗に着地を決めると、僕らの横を平然と通り過ぎていく。
 ここは岐阜県の高山であって、警視庁の管轄じゃないだろなんて突っ込む余
裕はなく、ただ僕らは目の前の奴らをぼんやり見るのが精一杯だった。

 あやしい男は即座に逃げ出したが……追いかけてくる変態刑事らにすぐに取
り押さえられて……その後の光景は到底見る気にはなれなかった。

「……行こう……これ以上いたら……たまらない……」
「同感よ。あんなのにはたとえ職質であっても関わりたくないわ」
 薔薇水晶の意見に真紅は即座に同意して、その場を立ち去る。
 当然、僕も金糸雀も同じ意見だったので、彼女らに付いて、背後で繰り広げ
られている阿鼻叫喚の状況を目にすることなく、河原を後にした。

「逮捕だ、逮捕だー!!」
 橋の上では相変わらず銃を乱射する音がしていたり、暴風雨が吹き荒れてい
るが、もはや気にもならなかった。


 やがて、高山陣屋のあたりまで来ると、雨風は嘘のように止み、晴れ間が広
がっていた。
 先程の光景は二度と思い起こす気も無く、とにかく濡れた服をどうにかしよ
うと服屋を探すことにした。
 そんな時のこと……。

『ショウヘイヘ~イ!』

 なんと何処からとも無く、そんな甲高い声が聞こえた。
 これって、去年の年末にやっていたガキ使の罰ゲームで反響の高かった、笑
福亭笑瓶を呼ぶ声じゃないか!?

「ぷぷぷ……」
 たまらず笑ってしまっていた金糸雀。
 僕も笑いそうになったが……何とかこらえた。

「金糸雀、アウトぉ!」
 そして、魔女っ娘ロボがすかさずやってきて、手にしていた鉄の杖を振りか
ざして!
 
 ……杖の先を金糸雀の尻に……突き刺した!

「ぎゃああああ!痛すぎかしら~!!」
 お尻を押さえながら、涙を流し走り回る金糸雀。

「……カンチョーかぁ……。本当にやり方変えたんだね、銀ちゃん……。
 これ見て……」
 薔薇水晶は普段の無表情のままで、手にしていたメールを僕らに見せた。

『このままじゃ、骨折して病院送りになるかもしれないから、やり方を一部変
えるわ。貴女達が入院して、中断になったら面白くないし♪』

 確かにやり方は変えているね。
 てか、さっきのは薔薇水晶の携帯の着ボイス?

「えっへん……こんなこともあろうかと3週間前からこれにしていた……もち
ろん今夜が山田もあるでよ……」
 いばるところじゃないよ、それ。
 てか真紅といい、薔薇水晶といい、悪ノリしすぎだよ。
 まあ、僕も1週間前から、翠星石に言われてだけど、目覚ましの音をショウ
ヘイヘ~イにしていたけど。

「恨むかしら~!わざとならキレるかしら~!!」
 なおも痛がりながらも、恨めしそうに薔薇水晶を睨みつける金糸雀。

「……練習していない金糸雀が悪い……」
 そんな彼女の苦情を平然と流す薔薇水晶だった。

『キ~ン、コ~ン、カ~ン、コ~ン……』
 今度は何処からとも無く、学校のチャイムのような音がした。
「丁度1時ね。時間が経つのは早いわ」
「そうだね……でも、銀ちゃんなら……さりげにこんな所にも仕込むかも……」
 何気なく腕時計を眺めている真紅に、警戒気味になっている薔薇水晶。

 そうだね、僕も何かありそうな気がする……
 そう思ったときだった!

『か~ず~きぃ~、かずきぃ~、かずきぃ~、かず~きぃ~』

 お、おじいさん!?
 耳にした声に、僕は思わず目を白黒させた。
 確かにチャイムの後に延々と流れているのは……僕の祖父の声だった。
 しかも、それは僕をカズキ君と間違って呼んだときの声だよ。
 いつ収録したの、こんなの!

 もちろん僕は笑っちゃったけど!
 ついでに薔薇水晶も!

「蒼星石、薔薇水晶、アウトぉ!」
 そして僕らに与えられたのは、つい先程、金糸雀がやられたのと同じ罰!
 尻に容赦なく鉄の杖が突き刺さった!

「あうっ!痛い!」
「が!強烈だよ……」
 鉄の杖で叩かれるのとは全く違った……体の芯にまで容赦なく突き刺さる
痛みで、一瞬息が出来なくなる。
 当然、痛さで尻を押さえながら僕は走り回った。
 薔薇水晶もお尻を押さえながら、苦悶の表情を浮かべている。

「……下品っていうか……まさにこれからが本当の地獄……だわ……」
 真紅はただ、目の前の僕らを哀れみの目で見ながら、いつ自分の身にそれ
が降りかかるときのことを想像して……ただ怯えるだけだった。

 -to be continiued-

(今回の特別出演)
 天地無用、毒鬼醜憎@ついでにとんちんかん
 本官さん@天才バカボン
 汚野たけし(海パン刑事)、ムスタング刑事、タイガー刑事、 聖羅無々
(月光刑事)、聖羅美茄子(美茄子刑事)@こちら葛飾区亀有公園前派出署
 ウイッチ@Wild Arms 5th(今後はこれについては登場名は割愛)

|