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結局、あれから俺宅でさんざん飲み食いした挙句被害者が俺だけでなくなってしまった。
現在時刻 PM11:50.

被害者筆頭候補と言うか実質No.1はこの俺様であることに間違いはない。
が、当の本人の姉貴やその友人と彼氏にまで被害が及んだ。薔薇水晶さん、あんたいい加減にしないと怒るよ?

今俺がいる状況は、一言でいえば地獄絵図のようなもので部屋がもうわやくちゃになっていた。
ピザの箱が散乱し、空き瓶空き缶の数は・・・数えたくもない。と言うか誰だよ、本職の人間連れてきたの。
おまけに神戸市消防局様が態々遊ぶなってHPにまで書いてるあの酒まで転がってやがる。持って来たやつは正直に名乗り出ろ、ギャリック砲(ミニ)で勘弁しといてやる。
それにこれを片づけるのが俺一人っていうのは、どうやら確定要素らしい。キャラ的に。誰か変わってくれ、100円やるから。

「じゅ~ん、わたひのきもちわぁってるのぉ~??」
「もう十分わかったから、とりあえず水飲めって。」
「おみじゅなんかいらないのぉ~おさけがいいのぉ~」

一応全員生存はしていたものの、だれが死んでもおかしくない。と言うかうるさいから正直死んでくれてもかまわんのだが。
隣でぐーすか寝息をた立てる眼帯のおねーさんよ、あんたのハイパーモスコミュールのおかげで水銀燈はえらいことになってるぜ。責任とってくれ。だいたいな、スピリタスでカミカゼ作って平気な顔してこっちによこすなって話だ。お陰で俺様も頭痛が痛い。
頭痛が痛いだと?もう焼きが回ってきたな・・・。
ジュンはまだ生気を保ってるようだが時間の問題だろう。仕方ない、後で水をたらふく飲ましてやるとするか。

さて、問題は残りの紫の子なわけだが・・・正直こいつだけは手に負えん。ついでだからジュンに何とかしてもらおうと思ったがそうもいかない。羨ましいねぇ、嫁はんのいる奴は。後でギャリック砲(改)をお見舞いしてやりたいぐらいの気持ちだ。

「おーい、えむじ!」
「はいはいクーデレ姫さんなんですか?」
「もっとさけもってくるのらぁ~」
「とりあえず日本語をしゃべれ、話はそれからだ。」
「うるへぇー!さけださけ!」
「鮭でもくってろドアホ。」
「なんだよー!ばらしーたんはどあほじゃないんだよー!」

さて、ここで俺にはいくつかコマンドがあるようだ。

1:馬鹿正直に酒を渡す。
2:身体のことが心配なので水を渡す。
3:ハイパーモスコミュール(ベジータVer)を渡す。
4:何もしない。

さて、どれにしようか?
いくら俺の心が太平洋のごとく広いとはいえ、さすがに今日の悪行を見逃すわけにはいかない。少しばかりお仕置きが必要だろう。
というわけで、俺は3のコマンドを選択することにした。たまにはいいだろう、たまには。
きらきーはわざわざスピリタスを2本持ってきたようで(持ってこなくてもいいのに。)そいつをちょいと有効利用させてもらうことにしたわけだ。
ええと・・・スピリタスを適当に放り込んでライムを絞って適当に混ぜる。んでから・・・そういえばガムシロップかなんか入れてたからそいつを少々、んでからジンジャーエールで満たせば完成。目分量と適当さ加減はこの際気にしない。何飲ましても正直一緒だろう。しな

「ほらよ、クーデレ姫。」
「おそいのらぁ!えむじ!おまえもなんかのめ!」
「もう十分飲んでるっての。殺す気か。」

殺す気か!なんて俺のキャラを考えれば頻出語句ではあるが、酔っ払った人間相手に言葉を間違えるとさらにめんどくさいことになる。なんてことを俺が知るはずもなく、というかそんな環境に陥ったことがないので逆に知っていたら俺はいったいどこでそんな知識を吸収したのか自問自答したいところだ。まぁ、何が言いたいって薔薇水晶さんが更にめんどくさいことになったことだろう。

「やだやだ!べじーた死んじゃやだ!」
「だったら飲ますなよ。」
「死んじゃやだかんね!だめだかんね!」
「はいはいわかった。死なないから、大丈夫だから落ち着け。」

俺がそういうと、薔薇水晶は糸がプッツンと切れたように涙腺を緩ませて手元にあったグラスを一気に空にしやがった。
そんなところで水分補給するな。というか補給になってないぞ。
あーあ、駄目だコイツなんとかしないと。って、なんともならんのだがな!

「べじいたぁぁぁぁ!」
俺の名をカメハメ波の如く叫びながら飛びついてくる女‐この状況でそんなことしてくるのは1人しかいない。
腕の中で大雨を降らせてくれるのは悪い気はしな・・・じゃなかった、結構だが、粘液まで服にこすりつけるのは如何なものかと思う。
ああもう、どうにでもなれ。もう俺は知らん。
腕の中に可憐な女性が飛び込んでくるなんて言うエロゲ並みのイベントにも動じずに感傷に浸っていられるのは、間違いなく後処理をどうするかに脳のCPUが比重を置いてるからだろう。
それでも・・・
華奢な体から感じられる体温は、確実にCPUの使用領域を広げてゆき-感情-というもう一つのコアがフル稼働していく様を感じられずにはいられなかった。焼きが回ったのではなく、素直にそう思えるような日が来たのかもしれない。

「人って、こんなに暖かかったんだな。」

らしくもないことを呟いてしまった。明日は12月なのに真夏日だな。

少女は腕の中ですやすやと寝息を立ててしまった。この、動かすにも動かせない状況・・・100万積まれてもバトンタッチする気にはなれんな。

どうしてって?
中身はどうあれ世間一般様の目からみても"可愛い"に分類される女の子が自分の腕の中で寝てるとあれば、普通の野郎なら代われと言われてもNoというに違いないだろう。まさにそんな状況だからだ。
それから理由は他にもある。

人の思いや、感情ってのは時に自分が思ってもみないようなことをさせるもんだからだ。
気づけば俺も、薔薇水晶を抱きしめていた。どうなってんだ、俺は。

「素直じゃねーな、お前ら。」
水銀燈を寝かしつけたジュンが虚ろな目をして言ってきやがった。というかまだ生きてたのか、こいつ。
「なんだよ?お前こそひねくれ系男子日本代表だったじゃねーか。」
「まだマシになったほうだと思うけどな。」
「まぁ、そうかもしれんが・・・でなんで俺が素直じゃないんだって?」
「そろそろ正直になってもいいんじゃないか?お前だって馬鹿みたいに待ってられるほど気が長いわけでもないだろーし。」
「それは・・・そうかもしれんが俺は」
「そうやっていつまでも意地張ってんのがいいことだとは思いませんわ。」

何だ?
横からいきなり槍で突っついてくるのは一人しかいない。白いバーテンダーのおねーさんだ。
この人の言うことは何とはなしにだが、信用できる気がする。仕事柄、いろんな人との出会いみたいなのがあるからだろう。

ここから俺は、どっかの地方銀行のCMの如く長いお付き合いの下、有難いお話を聞かされることになる。

誰か代わってくれ。この際1000円やってもいいから。

Phase5 Fin.

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