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DQN1「ひっひっひ~~~」

じりじりとDQN共がこちらに詰め寄ってくる。
いつのまにやら私たちは、完全に囲まれてしまった。

DQN2「それじゃあ、オレはこの子にしよっかな~~~」
薔「離して!」

そう言ってがっちりと薔薇水晶の白く細い手首を掴んだ。
薔薇水晶が必死で振りほどこうとしている。
しかし男と女、力が違いすぎる。DQNはびくともしない。
その行動を皮切りに、DQN達が私達を路地裏に引っ張り込もうとして来た。
周りからは他のDQNが壁となっており、おそらく私達は見えていないだろう。

DQN1「このままどこかにつれてこーぜ」
DQN4「おっけ~~」
DQN3「オレこの子がいいな~~」

もう一人のDQNがヤニ臭い手を伸ばしてきた。
私は目を硬く瞑って、その穢らわしい感覚に耐えようとした……が、いつまでたってもおぞましいその感覚が来ない。

ウルージ「女性に手を出すとは恥ずかしいとは思わんのかこやつらは」
ベジータ「やっぱり、追けて来て良かったな」
仗助「べジータのヤローが 初めて役に立ったぜ」

私が目を開けてみると、そこにはDQNの腕を鷲掴みにしているベジータ。

ベジータ「くらえッ!」

そして、目いっぱいその横っ面を殴り飛ばした。

 

DQN4「おい!DQN3!しっかりしろ!」

ベジータに殴り飛ばされたDQNを別のDQNが介抱している。最初に出てきたDQN1が詰め寄ってきた。

DQN2「この工房共が……調子に乗るとどうなるか教えてやろうか?」
仗助「てめーらチンピラに教えてもらうモンなんて一つもねーんすけどね~~~~」

普段は温厚な仗助君がかなりキレ気味なのだわ。
ドラマでしか見た事無いようなメンチの切りあいをしている。
はっきりいって……怖い。

DQN2「てめぇコラ!」
仗助「おっと」

DQN2が仗助君に向かって拳を振りかざす。
しかし仗助君は素早く後ろに仰け反り身をかわし、その鼻っ柱に強烈な一撃を叩き込んだ。

仗助「ドラアアアアアーーーーッ!」

そして両拳でのラッシュ。弧を描いて吹っ飛ぶモヒカンのDQN。
そのままゴミバケツにホールインワンされたのだわ。

DQN1「お……おいてめぇら、やっちまえ!」
ベジータ「笹塚に桜田!皆を頼む。おい、仗助、ウルージ、行くぜ!」
ウルージ「おーおー面倒臭い事に巻き込みなさって……」

ジュンと笹塚君が私達を守るように立っている。
その前方では、うおおおおと蛮声を上げている二つの集団がぶつかっている。
しかしこちら側はたったの三人、大丈夫かしら……!!
怪我だけはしないで頂戴―――!!

 

 

 

 

 

三人が片っ端からDQNを倒している。
雛苺や金糸雀はうずくまってがたがたと震えていた。こういう状況だもの、当然だ。
もちろん私も怖くて、膝がガクガク震えているのが分かる。
だけど、どこか奇妙な安心感があった。ジュンや皆が居ればきっと大丈夫という安心感が……

DQN1「もうおまえら許さねぇぞ……!!」
紅「えっ!?」

あの乱闘から抜け出したのか、いつの間にか金髪が後ろに立っていた。
そしてもうワケが分からなくなっているのか、私達にまで拳を振りかざしてきた。
唸る拳が私に向かって襲い掛かってくる――。

ジュン「危ない!真紅!」
紅「ジュ……ジュン!」

ジュンが顔面でDQNの拳を受け止めていた。
血が地面に滴り落ちて、アスファルトを紅く染める。
そして倒れるジュン。ああ……なんてこと……なんてこと!

仗助「桜田ァ!」

仗助君がすぐさまこっちに戻ってきて、DQN1を殴りつける。

DQN1「ぐあっ!」

綺麗に吹っ飛ぶ金髪のDQN。
周りを見ると、いつの間にか殆どのDQNは既に居なくなっており、無傷のウルージ君にベジータが立っているだけだった。
仗助君は薔薇水晶の手首をハンカチで拭いてあげている。……今はそれよりもジュンよ! 私は大急ぎでジュンの所に駆け寄った。
幸い……本当に幸いだけど、どこも折れてないようだ。

 

紅「ジュン、大丈夫!?」
笹塚「真紅さん、これを」

笹塚君が水の入ったペットボトルを差し出してくれた。
それをひったくる様にして受け取る。そして急いで蓋を開けて水をジュンの顔にかける。
何とか、これで目を覚まして頂戴……!!

ジュン「ん……んん……」

ジュンが目を開けたのだわ!
私はジュンにがっちりと抱きつく。

ジュン「何だよ……真紅」
紅「私を助けてくれて……ありがとう」
ジュン「当然だろ」
紅「ええ、当然ね。だって貴方は、私の彼氏なんだもの」
ジュン「……そうでっか」

ジュンも私の背中に手を回す。
ああ……とっても暖かい。

銀「……私達はお邪魔?」
翠「往来でイチャイチャするのはやめやがれ! ですぅ」
ウルージ「せめて場所は考えなされ。これからホテルで好きなだけイチャつけるだろう」

みんながニヤニヤ顔で私達のほうを見ている。……そ、そうだったわ。
私とジュンはそそくさと立ち上がる。
既に立ち上がっている仗助君がジュンの眼鏡を拾ってジュンに手渡した。
殴られた時に砕けたはずの眼鏡は、いつの間にか直っていた。

 

 

 

 

 

私達はバスに乗ってホテルへと向かっていた。
蒼星石と翠星石は早くも眠そうな顔をしている。薔薇水晶は仗助君と補助席を机代わりに使ってなにやらカードゲームをしているわね。
ウルージ君とべジータは外から見える夜景をじっと見ていた。恐ろしいのは、三人ともあれだけの乱闘をやっておきながら、全くの無傷な所よ。
さすがは男の子……。
金糸雀と水銀燈と雛苺と雪華綺晶は和気藹々と明日のネズミーランドの事を話していた。
どうやらパレードが見ものらしいわ。

笹塚「そういえばこないださ……」
ジュン「それでそれで?」

ジュンと笹塚君は何事かを話している。

紅「私も話に混ぜてもらえていいかしら」

私は会話に混ざる事にした。

紅「で、何を話していたの?」
笹塚「いや、今日は探偵犬くんくんがあったなぁ……とね。妹が楽しみにしているんだ」

へぇ、笹塚君には妹がいたのね。……はっ! 今日はくんくんの日だったわ!
ああどうしよう……録画してない! 見られなくなっちゃう!
頭を抱え込み、ブンブンと首を振る。

 

ジュン「おい、録画予約してあるからな。心配するなよ」

私の心を見透かしたかのようにジュンが言った。
あら……それは良かった。
私はほっと胸をなでおろす。

笹塚「真紅さんも見てるの?」
紅「ええ、毎週欠かさずね」
笹塚「ふ~ん」

バスは名所の『レインボーダークブリッジ』を越え、ネズミーの近くまでやって来た。
キラキラ光る大きな観覧車を越えると、今日泊まるホテルが見えてくる。
ネズミーまで歩いて三分の超特大リゾートホテル『ネズミーリゾート』だ。

翠「どひゃあ~~っ!凄いですー!」
苺「わあーっ!すっごーーーいのー!」

ひときわ大きな歓声をあげる翠星石と雛苺。
私達の住んでいる所も中々の都会だけれど、やはり大都会は違うわね。
しばらくして、私たちを乗せたバスは、ホテルの前で止まった。
ついに到着したのだわ!

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