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「ピチカート、私とラヴラヴ温泉旅行、かっこポロリもあるよかっことじ、に一緒に行きましょう」

「だかお断わりします。私はベリーベルとラヴラヴしなくてはいけない義務があるので」

「つれないなぁ、身体はもう疼いて我慢できないはずなのに」

「私は貴方のなんなんですかッ! 奴隷ッ!? そういった類の奴隷なんですかッ!!」

ああ、なんてツッコミ……、ピチカートと付き合い始めてから、いや変な意味じゃなくて知り合いになってからもうどのくらいになるのか分からないが彼女の成長ぶりは凄まじい。
主に悪影響なんて受けまくって全身私色に染まっちゃいそうで怖いくらいだ。

さて、私、雪華綺晶がこの電話相手、ピチカートをこうやって桃色温泉旅行に誘おうとしているのには訳がある。もちろん、世の中訳もなく旅に誘う人物なんていないと思うが。
ちなみにピチカートって誰? みたいな人の為に補足をすると、彼女は金糸雀、じゃなくてみっちゃん宅に大学に通うために居候している北欧系の大学生である。
因みに胸はEカップ。背丈も高くモデル体型の彼女を真紅、紅薔薇のお姉様が見たら血の涙を流しつつ半狂乱しそうだ。

「で、そもそもそんな破廉恥な旅行か何か分からないものに私を誘おうと思った
んですか? 」

「いや、ピチカートの身体を見ていたらもうドキがムネムネしちゃって」

「何、真面目に古いギャグをかましているんですかキラキショウさん。そんなことの為に電話してきたんじゃないでしょうね」

ははは、またまたご冗談を、と電話線を人差し指でくるくる弄びながら額に汗浮かべたり。
まぁ、嘘なのだけど。

「もちろん旅行は本気、もう水銀燈のお姉様も、雛苺も了解してるし。あと、貴方のベリーベル」

「……またまた~」

声が動揺している。こちらからは受話器しか見えないが目も泳いでることだろう。いや、間近で見たかった。

「本当に決まってるじゃない。ベリーベルと雛苺が即答だったし」

もう一つおまけが付いているのだかそれは今は言わないで置こう。別に嘘を吐いている訳でもないし。

「い、行きます! 行かせてください!! このピチカート、キラキショウさんに死ぬまでついていきます」

「まぁ、プロポーズなんて…なんて男らしいの」

「私は女ですッ! 正真正銘のガールですから」

「そんな事はさて置き、出発は明後日だから準備しておいてね。あ、あと出来たらスキー用具も」

スキーですか? とピチカートが疑問に満ちた声で尋ねてきた。冬といえばスキー、そして温泉タラバガニと相場は決まっているもんだ。

「そう、スキー。大スキーよ、大スキー」

「二回言わなくていいです。しかしスキーですか、いいですね~。昔はよく滑りに行ったものです」

「さすが北欧出身は違うか。経験者歓迎歓迎。どうもスキー経験者があまりいなくて。これでピチカートもベリーベルに手取り足取り教えてあげれるわね」

「ええ、今から鼻血が出そうです」

「はっはっは、兄弟。今からそんなんじゃ本番はどうなることやら」

だからペドふ、じゃなくてロリコンは困る、なんて心にもないことを思うという高度なことをしでかしながら私もソファーで丸くなる薔薇水晶を見る。

ああ、可愛い。妹っていいなぁ。

手を握りたくなる、抱き締めたくなる、頬擦りしたくなる、キスしたくなる、ふくよかな胸に手を伸ばしたくなる。

これくらいに自重することにして、それほど私の妹薔薇水晶は可愛いのだ。

「しかし、キラキショウさん。再び聞きますけどなぜまた旅行なんか」

「いや、たまにはみんなで裸の付き合いというのも大切かなぁ、と思って」

「……なるほど。温泉があるんですよね。日本の文化ですから大切にいたしましょう……ハァハァ」

まぁ、嘘なんだけど。

実際の話をするとなるとそれは今から4日前に遡る。ちょうど私達が住んでいる地域の商店街が年末福引き大会を行っていて、たまたまその日は両手に花ではなく、ビニール袋を持つはめになるほど、大量に生活雑貨や夜のお菓子と買い込んでいた。
もちろん、福引券も大量、とまでは行かないが数回あのガラガラマシーンを回せるほどゲットしており、年末最後の運試しと言わんばかりに私たちは福引きに調整したと言うわけ。

それで、ばらしーちゃんが些細な奇跡をお使いになり、一等ペア温泉旅行を当ててしまった。

そこで私は考えた。

もちろん、二人でアダルティーな旅行も良かったのだが、それでは何か物足りない気がして。

だから、私はあくまで「みんなで行く(有料)温泉旅行」として、ピチカート以下省略を誘っているわけだ。

これは最後の最後まで黙っておく。
はじめに言ったりなんかした日には人が集まる訳がない。

みんなと楽しい旅行+私たちは宿泊費無料。

ああ、なんていう+オプション。

「で、ちなみに出発は? 」

「えっ、明日」

「……明日? 」

時計は12時をたった今過ぎ、日付が変わる。

「うん、あし……あっ、今日出発になった」

「……キラキショウさんらしい。まったく、泣けますよ」


~雪華綺晶的な思考 外伝 トキメキ!? ラヴラヴ(ペドロリシスコンツンデレ)
温泉旅行!~

はじまるよ~!!

続く(`・ω・´)




と、いうことで今から7時間後くらい。
私たちの自宅前には一台のシャトルバスが停まっていた。

「ねぇ、本当に私が運転するわけぇ~? 」

「本当にお姉様が運転するんですよ~」

私は小さな旅行バックを持ちながら暗い顔、というかかなり心配なのであろう水銀燈のお姉様に張り付けられた笑顔を向けた。

「そもそもなんで運転手をあみだくじなんかで決めたのよぉ」

「いや、そういったことは平等にいかなくてはと」

私、選んでないんだけど、と不平をいうお姉様の意見はごもっともで、作ったの私、選んだの私では平等も何もない。
しかしですよ、お姉様。このメンバーで安心できる運転が可能なのはお姉様ただ一人なのですよ。

と、私は集まったメンバーを見回してみる。

「まったく……決まったことを愚痴愚痴と」

と、真っ赤なバックを持っているのは真紅のお姉様。はじめは渋っていたが水銀燈のお姉様が参加すると知った途端、参加を決めた。全くもってツンの鏡である。

その横には雛苺が真紅、真紅と構ってもらいたそうな目をしていた。
しかし、真紅に構ってもらえないと分かると瞬く間にターゲットを替え、ベリーベルと遊び始めた。
さて、このベリーベルという少女。
そう、ピチカートがベタ惚れの女の子である。
大事な事なので強調しておくが『女の子』である。

彼女もピチカートと同じく海外の生まれ……なはずであり、今は柏葉巴宅に雛苺と共に居候の身である。

柏葉家も桜田家も居候ばかりでなかなかグレイトリッチな御家でなりよりだ。
ああ、羨ましい妬ましい。
お話を戻すと、その可憐な少女ベリーベルの横にはわざとらし~くピチカートが緊張と欲求の狭間に押しつぶされそうな笑顔を浮かべている。
なぜ、緊張しているか? それにはもちろん理由があって。

「…………」

「と、トモエさん……な、何か? 」

「気にしないで、監視だから」

「か、監視!? べ、別に私なベルになにもしませんってあはははは」

そう、雛苺とベリーベルのいわば養い人、柏葉巴もこの旅行に参加しているのだ。
聞けばピチカートと柏葉巴は同じ大学に行っているらしいが、関係はこの有様。
ピチカート曰く、学校では仲がよろしいとかそう思いたいだけだとか。

それに私こと雪華綺晶と、ばらしーちゃんこと薔薇水晶が含まって合計八人の団体さんである。

今回不参加の金糸雀は何やら本業のバイオリンの大会があるとかないとかでパス。本人かなり悔しがっていたが。

そして翠星石、蒼星石の双子は音信不通。
いやはや、誘拐か愛の逃避行か。

なので仕方なくこの八人になってしまったのだ。フルメンバーではなくて誠に残念である。

「さて、全員集まったことだしそろそろ出発いたしましょう、水銀燈のお姉様」

「え、ええそうね。ナビゲーターは貴方に任せるから助手席よぉ~」

「そして我慢出来ずに左手が私の胸や股に……周りにばれないよう、羞恥心に頬染めながらお姉様の指使いに快楽の」

「もういい、もういいから黙ってなさい~。雛苺やベリーベルにはまだ早い世界だわぁ」

それはそうだ、と雛苺とベリーベルを見つめたが本人達は全くの別次元、というか二人の大人には分からない世界へと浸っていたので問題はなかった。

子供はいいなぁ~。

無邪気で可愛くて残酷で。

「そういうことだからばらしーちゃんは私以外の誰かに股探りされてくださいね」

「お、おねーちゃん」

あ、少しほっとした顔つきだ。なんか悔しいびくんびくん。

「さぁ、みんな乗り込んでぇ~。事故ったって保証しないからねぇ」

「私と水銀燈のお姉様にはエアバッグがあるから問題ありませんよね」

首傷めそうだけど。他の人たちは窓から飛び出たり曲がってはいけない方向に体が曲がったり大変な事になりそうだ。

「席順はまぁ、適当にねぇ」

と、互いに牽制(一部は仲良く)しながら車へと乗り込む各人。
さて、愛しのばらしーちゃんはいったいどこの席へと……。

「薔薇水晶はヒナの横~」

「じゃあベルもばらしーちゃんの横!」

おやまあ意外。後ろの三席は雛苺、薔薇水晶、ベリーベルの異色コンビ。

よかったね、ばらしーちゃん。ピチカートと柏葉巴の真ん中じゃなくて。お姉さん、ほっとしています。

「全員乗ったわねぇ~、じゃあ出発ぅ」

なんかいつのまにかノリノリになっている水銀燈のお姉様がクルマのキーを回し、エンジンを掛けたと思ったら、すでにアクセル全開で近日の猫をミンチにしそうになりながらあっ、そこは一時停止ですからちゃんと交通ルールは守っ早くシートベルトを締めな前みてアババババ。


















と、言った感じで好調が続いたのであったが。

「雪道はさすがに無理だわぁ」

「ええ、メーターが20キロメートル毎時間を指していたっていいんじゃないでしょうか」

「道分からないしぃ」

「一寸先は雪ですからね~。これを世の中の人は遭難というんでしょうか」

「んー、道あるままに進めば大丈夫よぉ」

「道だと思っていたら雪だった、というのは勘弁してくださいね」

と、いうことで、吹雪に巻き込まれました。

旅館まではあと少しのはずなのだが目の前30センチ見えるか見えないかではもう自分達がどちらへ進んでいるかも分からなくなりそうだ。

ちらりと後ろを見ると真紅のお姉様は耳に密着型イヤホン突っ込んで自分の世界。ピチカートと柏葉巴は啀み合ってるかと思えば何やら談笑しているし……ああ、お互い守ったり視姦する相手がいないから仲良く話しているわけだ。
そしてその後ろでは雛苺とベリーベルに挟まれながらばらしーちゃんは……しりとりをしていた。

平和な車内だ。
助手席と、車の周りを除いて。

幸いか不幸か周りには車もいないことだからいつかは着くだろう。20キロメートル毎時間でガードレール振り破ることも無いだろうし。
ガードレールがあればのお話だが。

そんな恐怖に身を震わせるような純粋な心が欲しい私ただ、吹雪の山で目を凝らすのであった。

「あっ、擦ったわぁ」

「お姉様、これレンタカーですよ!! 」


「♪~♪~……あら、もう着いたのね。今いいところだったのに」

こちらは死に物狂いでしたけどね、と心の隅っこで思いながら私は真紅のお姉様を現実の世界へと引き戻した。

あれから一時間弱。あれほどひどかった吹雪は嘘のように治まり、青い空の下、白い絨毯のような積雪が太陽の光を反射していた。

その絨毯に囲まれてその旅館はひっそりと私達を待っていたようである。

さすがは町内会の福引き。私達以外だれも居ないじゃない。

安いんだか曰く付きなんだか……。

「おお、雪ですね! 」
「雪だね~、ピチカート」
「雪なの~」

車から降りてワッキャワッキャしているのは海外勢二人と雛苺。それじゃあ私もワッキャワッキャ。

「ってお姉ちゃん雪投げないでよ」

「雪を投げたくなるお年頃で」

んもぅ、とばらしーちゃんも負けずに雪玉を投げてくる。
んー、コントロールはEと言ったところか、と某有名野球ゲームに置き換えながら雪玉を避けた。

「へぶらっ!? 」

そして雪玉は水銀燈のお姉様の顔面に吸い込まれるように向かっていき、その若い命を散らすこととなる。合掌。

「……よくもやったわねぇ」

額に血管浮かべながらニコニコ笑うお姉様。しかし……目線の先には真紅のお姉様が。

あれ、勘違い? それともわざと?

真実はともあれ必殺水銀燈ボールは瞬きの間を与えぬまま真紅のお姉様の顔を白く染め、逆上した赤い人が三倍の雪玉を弾幕のように展開しはじめる。

「……柏葉巴はやらないんですか」

「あんまり興味ないから」

「と口では言っておりますがさっきからにぎにぎしているその玉は」

「起爆剤は必要じゃない? 」

ふっ、と一瞬笑みを浮かべたと思うと彼女の白玉は瞬時に手を離れていて水銀燈のお姉様の後頭部に当たる。
「げふらっ!? 」

そしてお姉様は雪の絨毯へと顔面から倒れこんだのであった。

めでたしめでた……まったくめでたくない。

「す、水銀燈!? 」

誰一番に駆け寄った真紅のお姉様。自分がやってしまったと思ったのだろうか、いや、違うな。デレだ、デレがでたのだ。さすがはツンデレの鏡です、お姉様!

「し、真紅よくもぉ……」

「わ、私じゃないわ! ほら、だって貴方の真前にいたじゃない! 」

「この恨み晴らさずでおくべきか……ぐはっ」

「す、水銀燈ぅーー!! は、早く医者を呼ばなきゃ! 誰かー、誰かこの中にお医者さまは居ませんか!! 」

居ないに決まってるでしょうに、と心のなかで突っ込みながら気絶した水銀燈のお姉様に雪をかける私。いや、春になったら蘇るかなぁ、て。

「はいはいー、ピチカートも鼻血垂らしながら雪投げるのやめてそろそろ旅館に入りましょう。ほら水銀燈のお姉様も起きて」

鼻血出しながら満面の笑みでベリーベルと雛苺の雪玉を受けるピチカートを止め、私は水銀燈のお姉様の両足を脇に抱えた。

何かに例えるならジャイアンとスイングの体勢。

そして全身の筋肉をフルに使いお姉様を振り回した。

「シュトゥゥゥゥゥムッ・ウントッ・ドォォォゥラァングゥゥゥゥ!!」

「お姉ちゃん若干違う!! 」

「おーねーいーさーまーおーきーてーー」

「お姉ちゃん、水銀燈さん白目剥いてる!! 」

一回転、また一回転とお姉様を持ちながら独楽のように回る私。

さながらネオドイツ代表になった気分だ。

「お姉ちゃん! いや、雪華綺晶ッ 私は貴方を許さない! 貴方のせいでキャラは死に、連載は冷凍刑だ! 」

「ふはははは、甘いッ甘いぞ薔薇水晶ッ! 」

「と、巴さnじゃなくて師匠ぅ! 」

「だから貴方はエロいのだあぁぁ!! 」

雪玉をばらしーちゃんに投げ付ける柏葉巴。若干台詞が気になるが無視しておこう。

「痛ッ! 私のこの手が真っ赤に萌えるぅ!! 貴方を倒せとときめき叫ぶぅ! ばぁぁぁぁぁくねぇつぅばらしーぃフィンガーァァァァ!! 石破! てんきょょょうけぇぇぇぇん」

ばらしーちゃんの魂やらなんやらが篭った球はごおぅぅ、とかずびゅゅん、とかどう聞いたって雪球の出す音ではない爆音を響かせながら柏葉巴の顔面へと一直せn




めぐじゃ!!!




お、おおぅ!?
あれ、あれあれあれ頭がガンガンその衝撃でお姉様の足は離しちゃうしそのまま一緒に雪の絨毯へと倒れこんで三途の川でお父様が手を振ってってなんでお父様死んでいるのか分からないしあれはこの前見た双子の亡霊がてをのばs



てもちのバイタリティがない。
きらきしょうはめのまえがまっくらになった

続く。


目が醒めると、そこは見知らぬ天井であった。

しかしそれは某主人公のように真っ白な天井でもなく、傍らには寡黙な少女が待っているわけでもなく、そもそもベッドじゃなく布団な時点でアウト、ダウト。

よっこらせ、とばらしーフィンガー石破なんやらかんやらが直撃した額を擦りながら私は起き上がる。

旅館の一室だろうか。

はて、と辺りを見回すと横には水銀燈のお姉様が、回る回るわぁと意味不明な言葉を呟きながらうなされていた。

おっ、これはフラグか。

部屋には誰も居ず、ここに二人きり。

ふふ、ふふふふふはははは!!

これは後々に取っておくつもりだったかいただきま

「あっ、お姉ちゃん起きたんだ」

……せん。と、引きつった笑顔を浮かべながらばらしーちゃんの声がする方向に顔を向けた。

「おはよう、最愛の妹。先程は魂の籠もった玉を御馳走様」

「お粗末さまでした……なんて、お姉ちゃんごめんね、大丈夫だった? 」

と、ばらしーちゃんは布団の脇に座り、私の額を冷たい指でなぞった。

あんッ、と変な声が漏れる。

「少し赤くなってる」

「キス」

えっ、とばらしーちゃんは驚いたように聞き返した。

「キスしてくれたら治ります」

唇と突き出す私。なんか巷のバカップルみたいだかそんな事気にしてもいられない。
恥よりキス。プライドよりエロス。

「ん~~~~ッ」

更に目を瞑る。さらに頬赤らめたりなんかしたらもう周りの男はイチコロよ、おほほほほん。

「もうしょうがないなぁ……お姉ちゃんは甘えん坊さんなんだから」

そう口では言ってもこっちの顔は正直だぜへへへ。

と薄目開けながら朱に染まったばらしーちゃんの顔を堪能しつつ唇と唇が~。

「何、私のいる前でイチャイチャパラダイス繰り広げてるわけぇ? 」

「ふえっ!? 」

ゴツンッ、と本日二度目の脳髄に衝撃。

頭と頭がごっつんこしてどこかの蟻か私たちは。

「お、お姉様ッ!! またのこのこと私のラブエロ計画の邪魔をしてくれて」

「何よそのよこしまな計画は」

「ハッハッハ、自分三大欲求に弱いものですから」

と、私とばらしーちゃんは強打した額を擦りながらお姉様を見た。

「しかしなんで私こんな場所で寝てるのかしらぁ」

「知らないほうがいいこともありますよ、うん」

「この旅館に着いた辺りから記憶があいまいなのよねぇ」

「只の若年性痴呆症ですよ、うん」

「それはそれで大問題よねぇ……ところで」

と、付いた寝癖を指で弄びながら水銀燈のお姉様は部屋を見回した。

「他のみんなはどこに行ったのよぉ」

「あっ、皆さんなら別室に。そろそろ温泉に行くとか行ってましたけど」

「なんでそんな大事なことを早く言わないんだぁぁぁ愛しのわが妹薔薇水晶ぅぅぅい!! 」

私はばらしーちゃんの柔らかバストに頭から突っ込んだ。ついでに押し倒しとけ。

「温泉……いいわねぇ。そんな所で近親相姦してないで入りに行きましょうよ、雪華綺晶、薔薇水晶」

「もがもがもふふ、ふがふがのふがふが」
「あんっ……お、お姉ちゃんそんな所で動かないでよッ! 」

ソーリー、ついつい、と柔らかおっぱいから顔を離し押し倒したばらしーちゃんの両手を掴み、二人で立ち上がる。

「姉妹のスキンシップはこれくらいにして温泉へ参りましょうよぐへへ」

「最後へんな語尾になってるわよ、あなた」

「そんなことないでげすよ」

と言いながら廊下へ続くだろう部屋のドアを開けるとそこには。

「…………ほぅ」

ここでは見てはいけない顔があった。


次回「エロエロ!?温泉覗き大作戦ッ!」
……なんて嘘ですけどね~。


「あっ、キラキショウさん目が覚めましたか」

「ある朝、雪華綺晶が目を覚ますと巨大な胸になっていた。グレコール・ザムサ作、変態より」

成長期なんですか? と真顔で言われても嫌味にしか聞こえない。本人に悪気がなくとも……ね。と、私はピチカートのいつにもまして強調化された心臓部をガン見しながら思う。

「少しばかり懐かしい夢を見ていたわ」

「じゃあ夢から現実へ目覚めてください温泉です」

ん、と私は何やら息苦しいなあ、とか思ってはいたのだけれどそんな事は置いておいて目をぐりぐり擦った。

「……おぅ、ビューティフル」

先ほどの訂正。
ある朝、雪華綺晶が目を覚ますと巨大な温泉が広がっていた。

……っておい。

「一番大事というかなんというかフェチ心をくすぐるあの場面が無いでしょうがぁ!!馬鹿ぁ、ピチカートの馬鹿ぁ!!」

おーいおい、とタオル一枚の私はしゃがみこむ。
おかしいとは思った。ピチカートがタオル姿で谷間強調している時点で気が付けばよかった。

というか私もバスタオル姿だよ、誰だよ、脱がした奴。

「い、いえ皆さんまだ温泉に来てないので」

「前回ばらしーちゃんが温泉にみんなで入るっていうから復活したのにぃ!? 私、復活損じゃない!!あー、そうなるならばらしーちゃんとにゃんにゃんいちゃついてればよかったじゃない」

「ですから雪華綺晶さん落ち着いて」

と、私の肩を掴むと前後上下にシェイクシェイクブキーな胸騒ぎでちょべりべり最高意識飛ぶ脳揺れる。

「おーげーおーげー!だがらゆらずの止めぐえあ」

「おっとすみません。ついつい」

ついついで人様意識奪うとはあんたはどこのグラップラー刃○だ。

「で、何でピチカートは他の乙女差し置いて私と二人きりラブエロ温泉入浴しようとしてるのよ」

「それにも深い理由がありまして」

と、ピチカートは長い髪を器用に纏め丸めながら意味深な顔をする。風呂入る気満々ではないかお主。

「確かにキラキショウさんが起きてきた時点で皆は温泉入る気満々だったんですけど、雛苺とベリーベルがですね、旅館探検したいとか言い始めて……」

「それでなんで私達だけ温泉ルートな訳? フラグ回収忘れ? 」

「スイギントウさんがキラキショウさんが絡むと面倒くさくなるから私に温泉に突っ込んでおけと。なんだかキラキショウさん心ここに有らずって感じでしたし」

あー、それには理由がある。あの時変な幻影を見たせいだ。
あれが噂の旅館にありがちの幽霊なのだろうか。

南無南無。

「ということはみんなは」

「そろそろ来るとは思いますけど……しかし本当にガラガラですね」

私達の他に宿泊者が一人しかいないならしょうがないのかも知れませんが、とピチカートは丸まった髪を気にするような素振りを少し見せた。

「寒いからはいりまs「ダメ」」

ほら、今回はご都合主義なんだからみんなすぐに来るって……

「あら、貴女達まだ入ってなかったわけぇ」

「ほら来たすぐ来た抱きつけ逃がすな剥げ揉めあああああ」

「…………キラキショウさん、酸素欠乏症に掛かって」

何の話よ、とガラガラと温泉への引き戸を開けて入ってきた水銀燈のお姉様は躊躇うことなくはらり、とタオルを取る。
皆様やってまいりましたこの展開ッ!

「……あれ、案外興奮しないな私」

凹凸はっきりとした身体。特に胸なんかは女の私でも揉みたくな……らないな、なんでだろう。

「そりゃあ貴女、よく私とお風呂入りに行くじゃない。ウチのお風呂すぐに調子悪くなるしぃ。というか少し馬鹿にされた気分だわぁ」

「ああ、なるほど見慣れたか。慣れって恐ろしい」

「私もキラキショウさんと銭湯よく行きますからね」

「んー、なんだか納得できないしたくない」

確かにピチカートもグラマラスボディーなんだが……って若干頬を赤らめるんじゃない。リアクションしづらいから。

「……じゃあ見慣れていない身体なら興奮するわけか」

「その理屈だとそうねぇ」

「例えば柏葉巴とか、雛苺とか、ベリーベルとか、紅いお姉様とか」

「そうですね、このピチカート、今から鼻血が出そうです」

「共通点はすべてぺたんこ」

…………ふっ。

「そうねぇ」

「ですね、はい」

「ぺたんこはいいのよ、人生だかステータスだか。中途半端が一番悪いとかも言ってたけど」

「中途半端というのはバラスイショウさんとキラキショウさんですよね、このメンバーでは」

うむ、確かに。
と、私はタオルを落し、自らの双丘に手を掛ける。

上下左右と……。

形よし、大きさ適度、感度よし。

「ちょっとピチカート揉み心地を」

「あっ、私が確かめるんですか? じゃ後ろから失礼」

一瞬半笑いを浮かべたわ、この子。ああ怖い怖い。
そんな私の思惑とは別にピチカートの長い指が私の双丘に

「んっ……」

思わず声が漏れてしまう。指の冷たさが心地よいじゃなくて気持ちいい。

「……って逆の立場ッ……あっ、そこっ……もっとぉ」

「何要求してんのよ、この色欲魔は」

「だ、だってピチカートの指使い……んっ……凄い……っ」

「あのここだけのお話、ミッチャンサンが揉まれれば大きくなるとかなんとかで毎晩毎晩……」

「だ、だからって……先っぽまでいz「やめなさぁい! このままじゃPINK板送りだわぁ」」

仕方ありませんね、と私の胸から手を話すピチカートはぁはぁ。

「少し……濡れt「それ以上はダメよぉ。温泉だから身体は濡れるわぁ」」

とりあえず身体洗っちゃいましょう、と水銀燈のお姉様はため息を吐きながらシャワーの方へと行ってしまった。

「……私達も早く身体洗いましょうよ、キラキショウさん。お背中くらい流しますよ」

「それよ、ピチカート。合法的に身体触り放題喘ぎ放題」

とてとて、と滑らないようゆっくりと、まるでアヒルの雛のように水銀燈のお姉様の後を追う私たち。

そんな事をしているうちに脱衣場も騒がしくなっていて、雛苺とベリーベルを捕まえたご一行がようやく到着したようだ。

さて、と温泉によくある椅子……あれはカランって呼ばれているのだっけとか思いながらそれを片手に引っ提げ、水銀燈のお姉様の横側のシャワー前に置くと軽く蛇口を捻る。

「こうすると座るとき冷たくないからいいよね」

「はぁ、なるほど。清潔感もありますね」

よいしょ、私たちは温泉座椅子に座ると各々頭やら身体やらを洗い始める。

「……なんだかこうやって贅沢にお湯使うのも久しぶりだわぁ」

「何げに乙女の清潔に反する発言はお止めください、お姉様」

「シャワー便利だわぁ。うちのお風呂場にはゾウさん水やりしかないもの」

「手動シャワーですか……」

貧しいって嫌だわぁとお姉様が存分に顔から温水を浴びていると、ガラガラと引き戸が開く音。

「うわ、ひろ~い……誰もはいっていないし」

「おぉ~、日本のお風呂も広いんだぁ。けど私の生れ故郷とはまた違う~」

とばらしーちゃんとベリーベルの声がした。

どうなる私の、いや、私とピチカートの理性っ!!


またまだ温泉編、続いてしまいます。


「……ピチカート、待望のベリーベルの合法ヌードだよ」

「はっはっは、理性理性」
と、目の焦点があいまいになってきたピチカートを同情の目で見ながら、私はばらしーちゃん達に手を振る。

「ばらしーちゃんこっちこっち~。今ならいろんな場所洗ってあげるからおいで~」

「じゃあ私からー! ベリーベル行きますっ」

「ベリーベルはあと5年経ってからじゃないといろんな人から冷たい目で見られないといけなくなるからまたおいで」

う~、とピチカートはバスタオル片手に不満そうな顔をする。というかお風呂場が広くても走る素振りを見せちゃいけません。

さて、と私はごしごし頭を洗いながら脱衣場の方を向いた。

毎回恒例素っ裸チェックのお時間です。

まぁ、ばらしーちゃんは私と瓜二つ……胸のサイズを除いてだからスルーするとして。
私、見慣れてるし。
最近は脱ぎかけじゃないと興奮しないし。
と、私は視線をベリーベルへと移す。
…………まぁ、歳が歳だからね。
確か違う次元の某作品の巴さんは自分をぬりかべの血を引くものと言っていたけど、あれはなんというか。

「お子さまにエロスを求める時点でモラルと人格を疑う」

上も下も未成熟ならしょうがない仕方ない。
若干膨らんでる気もするがね。

……まぁ、いいや。ベリーベルこっちおいで。ピチカートと洗いっこしてなさいな」

はーい、とベリーベルはバスタオルを振り回しながらガチガチ……一部じゃなくて体全体がのピチカートの横に座り、おぉ~、と驚嘆の顔をする。

「さすがピチカート、ぼいんぼいん」

「べ、ベリーベルもすぐに大きくなりますよ」

それはそうかも知れない、と私は思う。外国産はナイスバディになるという運命を背負っているのだ。

一部除く。

「……だわわ」

「躊躇することないわ、真紅。私達、今回は人数的に五分五分。年齢的に空振り三振だから」

「深く考えなければ相討ち……刺し違えてお前を打つのだわだわ」

ユニバース、と叫びたくなるセリフであったが、それは置いておこう。
最後に入ってきたのが真紅のお姉様、柏葉巴、そして雛苺である。

なんというナイチチコンビ。

間違いではない、“コンビ”である。

雛苺はまたまだ成長期。これからバンバンボンボン大きくなるんだからナイチチに入れるのは忍びない。

それに比べてあとの二人はすでに成長期なんて過去の遺物と化しており、多分、一生あのままである。特定の需要に大ウケ間違いなし。

「あらぁ、真紅。なんだか服を脱いだらお胸が淋しくなったわね」

「…………胸に栄養が行くからいつまで経っても馬鹿なのだわ」

「あら、言うじゃない。負け惜しみはみっともないわよぉ」

「真実を言ったまでよ、水銀燈」

おお、不穏不穏……。

と、目を逸らすとそこには怯え上がるピチカートと、冷たい殺気を放つ柏葉巴が。まるでハブとマングース……じゃなくて蛇と蛙。ピチカート負けるの必須。

「と、巴さん!? 別に私はやましい気持ちで洗いっこをしているわけでは」

「ピチカート、次は私も洗ってくれないかしら? 」

「あっ、はい。いいですよそこに座って貰って」

と、柏葉巴はベリーベルの近くにあった椅子を持ち、ピチカートと対面になるように座る。
そう、向かい合うように。
……そう何か違和感がある。
ほら、普通洗う時って背中じゃない。なんで二人して見つめ合って素直にお喋りできなくなっているんだか。

「ほら、遠慮なく」
「いや、遠慮とかそういう問題では」

柏葉巴はふん、と胸を突き出した。
か細いまな板を。
おっとゲフンゲフン本音が出た。ステータスステータス。
あっ、けど巨乳に洗ってもらえば大きくなるかも……なればいいのにねぇ。

続く~。

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