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バスは高速道路を走り、午後四時位に『チャイナタウン』に到着した。
『チャイナタウン』は四方を城壁で囲まれた中華テーマパークだ。
中はとっても広くて、確か一つの町がすっぽり入るくらいらしいのだわ。
それにもう一つ、特殊な決まりがあるの。それは……。

銀「ええ!? これに着替えないといけないのぉ?」
雪「なんと言うチャイナ……」

私達女性陣に渡されたのはなんと、滑らかな生地のチャイナドレスだった。男性陣には中国服が手渡されたみたいだ。
女子はみんな唖然としている。これは……このドレス、露出が多すぎるのだわ。
スリットは腰まで入っているし、胸元もギリギリまで開いている。

梅岡「これを着ないと、施設には入れないからなー!」
翠「はぁぁーーー!?」

梅岡先生はいつの間にか中国服に着替えていた。昔の拳法家みたいだ。
仕方が無いので、男子はバスの外で、私達はバスの中で着替える事にした。
私達は身に纏っている制服を脱ぎ捨て、きめ細やかなチャイナドレスに袖を通す。

翠「うぅ……恥ずかしいです……」
蒼「意外と……悪くないね。うん、気に入ったよ」

綺麗な緑色のチャイナドレスを着て、恥ずかしがっている翠星石。うわあ、本当にスリットがギリギリね。
他人のを見ると、自分の着ているものがどれだけ派手なものか良く分かる。
蒼星石は、翠星石とは違ってこの服装を気に入っているみたいだ。頭にしっかりとお団子までつけている。

 

銀「ちょっとぉ。これ派手すぎなぁい?」
紅「水銀燈、貴女は特に派手ね」
銀「仕方ないじゃない。この体が悪いのよ」

水銀燈が自分の体をキョロキョロと見ている。
豊満な肉体がピチピチのチャイナドレスで覆われている。
胸は生地越しでも分かるほどに盛り上がり、ムチムチの太股もすごい。
道行くオスが全員、一度は振り返りそうだ。

雪「何だか、格闘ゲームのキャラクターみたいですね」
薔「……あちょー」

雪華綺晶は水銀燈に負けず劣らずのムチムチの太股が、わずかな生地で覆われていた。
薔薇水晶は紫色のチャイナドレスを着て、拳法家のマネをしている。
かなりノリノリなのだわ。

金「どうしてカナだけ……子供が着るような服なのかしらー!」
苺「金糸雀は子供なの~!」

ぷっ……金糸雀だけ私たちと同じチャイナドレスじゃなくて、子供が着るような中国服だった。

 

銀「あははははははは!」
翠「これは……傑作ですぅwwwww」

みんなが金糸雀を見て笑い転げている。本当にしっくりきてるからまた……。
しばらくするとみんな着替え終わったみたいだ。お財布を持ってバスから降りる。
外では男子が着替え終えたらしく、まるでどこかの奇妙な集会の様な風景が展開されていた。

ベジータ「おぉ~! 紅嬢に銀嬢、みんな綺麗だなぁ~~!!」
銀「アンタに言われてもカケラも嬉しくないわねぇ」
ベジータ「酷いぜ銀嬢~」

ベジータが苦笑している。ベジータなのに、何故か着ている服はあのツンデレ海王の着ていたものだった。
新手のコスプレかしら……。
この後先生からの諸注意があった後、私達は『チャイナタウン』へと足を踏み入れた。

 

 

 

 

 

チャイナタウンの中は、私たちと同じ様に中国風の服を着た人でごった返していた。
ちょっと気を抜いたらはぐれてしまいそうだ。
どうやら、ここで夕食をとるらしい。どこのお店も食べ放題だと聞いている。サービス精神旺盛ね。
薔薇水晶が女子だけだと不安だと言ったので、ジュンや笹塚君を加えて、一緒にチャイナタウンを巡る事にした。

雪「さすがに男子五人を加えると、かなりの大所帯ですね」
紅「ふふ……そうね」

私達は人ごみを掻き分け歩いていく。ウルージ君が前を歩いて、防波堤の代わりをしてくれている。
ウルージ君がいなければ、前に進めたかどうかも怪しいわ。

ウルージ「まだ夕食まで時間がある。あそこの雑貨屋でも見てはどうだろうか」

ウルージ君が大きな手で雑貨屋を指差す。
私は背が低いから、見ることが出来ない……。
背伸びをしても見えなかったのだわ。私は、もっと牛乳を飲もうと決意した。

翠「もう人ごみはうんざりですし、あそこで時間を潰してやるですよ」
蒼「僕も賛成だよ。もう暑くて暑くて……」
苺「ヒナもおっけーなのー!」

と、言うわけで十三人で雑貨屋に入ることにした。
中は予想以上に空いていて、おまけに涼しい。ラッキー。

ウルージ「それでは私は見たいものがあるので。行こうか、M字の人」
ベジータ「おーけー」

ウルージ君はベジータを連れ、奥のほうへと消えていった。

 

仗助「それじゃおれも なにか良いものが無いか 探してくっかな~~~~」

うーんと大きく伸びをする仗助君。彼の背骨がパキ、ポキと小気味良い音を立てている。

薔「ねえ……私も一緒に行って良い?」
仗助「ん? ま、いいけどよ」

最近妙に仲の良い二人は、一緒に奥のほうへと歩いていく。

銀「へぇ、あの二人、あんなに仲良かったのねぇ」
金「ジュンと真紅もうかうかしてられないかしら~」
紅「ちょっとどういう事? 別に……私は薔薇水晶と競っているわけではないのだわ」
ジュン「そうだぞ」

私は金糸雀にツカツカと詰め寄る。

金「だから、あの二人の方が先に行ってしまうかもしれないと言う事よ」
銀「そうねぇ。真紅よりも薔薇水晶のほうが可愛いしぃ」
紅「……何ですって」
銀「冗談よ。本気にしちゃ駄目よぉ」

ちょっと水銀燈、今のは聞き捨てならないわ。
……ジュンも黙ってみてないで、フォローしなさい。

銀「ま、いいわぁ。私も置物でも見てこようかしら」

雑貨屋ではみんなバラバラ、別行動で過ごす事にした。

 

 

 

 

 

べジータ「腹がへったな。店でもさがそうぜ」
ジュン「それがいいな」

いつの間にかもう午後六時。そろそろ晩御飯の時間だ。
私達は近くの店で夕食をとることにした。

雪「この店なんて良さそうですね。良い匂いが漂ってきます」
翠「行け行けゴーゴー! 入るですぅ!」
蒼「迷惑になるから静かにしなよ、翠星石。」

幸い大テーブルが空いていたので、そこに皆で座る。
すぐに店員さんが注文を聞きにやって来た。
指定の食べ放題メニューを注文すると、それと同時に沢山の大皿がわたしたちのテーブルに所狭しと並べられていく。
酢豚にエビチリに春巻きetc……す……凄いわね。
いただきますを言って、料理に箸を付け始める。
私はエビチリを食べてみる事にした。
テーブルをまわそうとしたのだけど、どっち向きに回せばいいのだか……忘れてしまったのだわ。くすん。
八宝菜、酢豚などなど、大方の料理を食べ終えると、次はデザートの杏仁豆腐がやってきた。
白い光沢がきめ細やかなシルクをイメージさせる。
スプーンですくって一口。口の中でさらっと溶ける……美味しい。
私が夢中になって杏仁豆腐を食べていると、ジュンが言う。

 

ジュン「なあ真紅。僕、杏仁豆腐苦手なんだ。食べてくれよ」
紅「ええ、良いわよ」

私はあっさりと了承し、ジュンからそれを受け取った。

蒼「ごちそうさまでした」
金「ごちそうさまかしら」

二人がいち早く手を合わせて、ごちそうさま。
これは基本的なマナー。
仗助君がレジでまとめてお金を支払っている。
美味しいご飯も食べたし、集合時間も迫っている。バスに戻るのだわ。

 

 

 

 

 

豚マンを買いに行くと言うジュンたち男連中と別れて、私達は駐車場までの道をぶらぶらと歩いていた。
お腹もいっぱい、お土産も買った。気分はとっても満ち足りている。ああ……このまま寝てしまいそう……。

ドン!!

痛い! ……誰かと肩がぶつかってしまったようだ。

紅「あら、ごめんなさい」

そのまま歩こうとした私の肩を、誰かががっと掴んだ。
不快感を感じて後ろを振り向くと、そこにはドラマとかでよく見かける金髪やモヒカン、所謂『DQN』と呼ばれる人がそこにはいた。
にごった目と私の目が合う。そして金髪の方がねっとりとした口調で話しかけてきた。

DQN1「おいおいおいおいお~~~~い それで終わりかい?」
DQN2「それは無いよねお嬢ちゃん♪」
紅「もう私は謝ったわ。だから離して頂戴」

私がもう片方の手で振り払おうとした。しかし、その手もあっさりと掴まれてしまった。

 

DQN1「駄目だよね~~。そんなことしちゃあさ~~~」
紅「いいから離しなさい!」
DQN1「強気だなぁ。おれっちそーゆうの嫌いじゃないよ」
銀「ちょっとぉ……真紅に何やってるのぉ?」
翠「早くその薄汚い手を離すです!」
DQN2「おっおっおwwww」

異変に気付いたみんなが戻ってきてくれたみたいだ。
女の子ばかりとはいえ、八人も居る。何とか引き下がってくれないかしら……。

DQN2「へぇ。カワイイ子ばかりじゃん。お持ち帰り決定~~~。おい、お前ら出て来い」

その声と同時に、ワラワラとゴキブリの様に十人位のDQNが姿を現し、完全に私たちは囲まれてしまった。
どうしよう……ジュン、助けて―――

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