◆新年ですから その1◆
真「あけましておめでとう、JUM」
J「おお、おめでとう。みんなそろってどうしたんだ?」
銀「まあ、年が明けたわけですし?」
め「これから初詣というものへ行こうかなーと」
J「ニートのお前もか」
め「私はアグレッシブなニートだから」
J「そうかい」
槐「さあ、みんな行こうじゃないか! パパ張り切っちゃうぞぉ!!」
J「……こちらは?」
薔「……お父様、だよ……」
雪「昨日、日本へ帰ってきていたようですの」
J「『ようです』?」
薔「私たちの部屋には……入らせなかった……入れると話しかけてきてうっとしいから……」
J「なんと」
◆新年ですから その2◆
(ワイワイ、ガヤガヤ)
J「うわあ、人多いなぁ」
真「この辺りでは一番大きな神社だもの。でもずいぶんな人出だこと」
め「あー、やっぱ来るんじゃなかった。人ごみうぜえええ」ゲンナリ
銀「アグレッシブなニートが早くも後悔してるわね」
パシャパシャ
槐「かわいい! かわいいよばらしー、きらきー!! さすが私の娘たち!!」
薔「やめて……お父様……」
雪「私の美しい姿を写真に収めたい気持ちはわかりますが、無遠慮に撮らないでください」
(ガヤガヤ)
真「境内もすごい人の数だわ……見て、あの賽銭箱への行列」
め「たかだか10円投げ込むのにあれだけ待つとかネズミーランドかよおおお
うぜえええみんな消え去ればいいのにいいい」ジタバタ
J「お前はいいから落ち着け」
銀「正月早々物騒なことを言う子ねぇ」
◆新年ですから その3◆
チャリーン
「「「「……………」」」」
J(……ま、こんなの何願ったって意味ないよな……形だけ拝んどくか……)
め(……やっぱ家でVIPしとくべきだった……ああ、めんどくせえ……)
銀(……神様、か……いるわけないわよねぇ……)
真(……お賽銭……1円玉と100円玉間違えたわ、最悪……)
雪(……あそこの男性……先ほどから私を見ている……いえ、見とれてるのね……)
薔(……みんなが、元気で一年間過ごせますように……)
槐(……娘たちに悪い虫がつきませんように……)
槐「……うん。みんなちゃんと拝めたね」
一同「はーい」
◆新年ですから その4◆
め「どうする? 出店寄ってく?」
J「急にいつもの調子になったな」
め「テンションって最低ラインを突き抜けると一周して元に戻らない?」
銀「めぐだけでしょ」
真「まぁ、元気になってなによりね」
槐「おーい、みんなー!! こっちでおみくじを引こうよー!!」ニコニコ
薔「お父様……恥ずかしいから大声を出さないで、周りの人が見てる……」
雪(ああ、見られている……私のこの美貌が余すところなく……)ゾクゾク
J「……いるよな、ああいうキャラ」
め「イベントの時だけ異常にテンション高くなるのよね」
銀「しかも大抵同行者には冷たくされて」
真「父親に多いタイプね」
◆新年ですから その5◆
J「なんだかんだでおみくじを引くことになったのだった」
槐「よーし、まずはパパが引いちゃうぞー!!」ニコニコ
J&め&真&銀(いいからさっさと引けよ)
パサリ
槐「ふむ……末吉、だな!」
雪「はっ、末吉なんて微妙なお父様にぴったりですわね」
槐「き、きらきー!!」
薔「末吉……道端で十円拾うとか、きっとその程度……」
槐「ば、ばらしー!!」
槐「…………」
J「え、槐さん、末吉でもあんまり気にしなくてもいいんじゃないですか!」
め「そうよ、凶とかを引くよりずっといいもの!」
槐「……娘たちに話しかけてもらえた……ありがとう、末吉……」ウルウル
J&め&真&銀(……不憫な人だ)
◆新年ですから その6◆
真「次は私ね……よし、これにしましょう」ゴソゴソ
パサリ
真「……凶」
銀「ぷっ、真紅ったら凶引いちゃったの? ダサぁい」
真「くっ……そういう貴女はどうなのかしら? 水銀燈」
銀「今引くから見てなさぁい。私がアンタみたいなヘマするわけがないからねぇ」ゴソゴソ
め「はい、たった今凶を引くフラグ立ちましたー。解説の桜田さん、どうですか?」
J「これはまたわかり易いフラグですね」
パサリ
銀「……凶」
真「ぷっ、水銀燈こそ人のこと言えないじゃない。ダサダサなのだわ」
銀「くっ……」
め「はい、たった今フラグ回収されましたー。解説の桜田さん、どうですか?」
J「見事な回収ですね、今年も彼女には期待できそうです」
◆新年ですから その7◆
薔「じゃあ次、ばらしー、いっきまーす……」ゴソゴソ
真&銀(凶引け、凶)
パサリ
薔「わお……見てみて、大吉だよ」
真&銀(なん……だと……)
め「おー、やるじゃん」
J「本当だ。すごいな」
雪「きっといいことがありますわ、ばらしー」
薔「いいこと……じゃあ、JUMがちゅーしてくれたりして……///」
J「それはない」
槐「むしろパパが許さん」
薔「じゃあじゃあ、このシリーズがJUMと私の壮大なラブストーリーに……///」
J「それもない」
槐「ぜったいにパパが許さん」
薔「……大吉のばかやろう」
◆新年ですから その8◆
雪「さあJUM様、お次をどうぞ」
J「あれ? きらきーはいいのか?」
雪「私はこういった類のものを信用しておりませんので」
J「へえ……じゃあ、遠慮なく」ゴソゴソ
め「何が出るかな、何が出るかな」
真&銀(凶引け、凶)
パサリ
J「なんだ、ただの吉だってさ」
真&銀(ちくしょう……)
め「……ふつうね。コメントしづらいわ」
薔「凡庸……」
雪「でもまあ、JUM様なら妥当かと」
J「……なんか僕への扱い悪くね?」
槐「…………フッ」
J「なんですかそのシンパシーを感じてますって目は」
◆新年ですから その9◆
め「よっしゃ、トリは私が行くわよ!!」
真&銀(凶引け、凶)
め「よし、君に決めた! とりゃあ!」
パサリ
め「…………大凶」
真&銀(いやっほううううううう)
槐「……ま、まあただのおみくじさ! おみくじ!!」
J「そ、そうそう、気にするなって!!」
め「……ねえ、桜田くん……私ね、こう思うの」
J「な、なにかな?」
め「私が大凶を引くことで、他の誰か一人は大凶を引かなくて済む。それってとてもステキじゃない?」グシャリ
J「……あ、ああ、そうだな! その通りだ!」
薔「その割にすごく悔しそう……」
雪「おみくじの紙を握りつぶしてしまいましたわね」
◆新年ですから その10◆
め「ふぃー、やっとエンジュ荘に帰ってきたぁ」
J「疲れた疲れた」
雪「はぐはぐ、むしゃむしゃ」
銀「いつまで食べてんのよぉ」
真「出店を次々と潰していくきらきーは恐怖だったわね……」
槐「HAHAHA、パパの財布はすっからかんだよ」
薔「でも、これでも抑えてるほう……きらきーにしては……」
J「本気出したらどうなるんだ?」
薔「まず……日本中でお米が不足する……」
J「なんと」
薔「そして……アメリカ、中国、オーストラリアの畑が全滅して……最終的には地球規模で食糧難が……」
J「KOEEEEEEEE」ガクガクブルブル
薔「まあ、うそなんだけどね……」
J「うん、まあ分かってた」