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~祭りの準備~

そうあれは去年の夏の終わり頃。
少し秋を感じさせる風が吹き始めていた
薔薇学では年に一回学園祭………別名薔薇祭りがある
その薔薇祭りの準備で彼女に出会った。
始めに抱いた感情は嫌悪だったのかもしれないし
自分が持っていない物を持っているだけに唯の憧れだったのかも知れない
けどそんな気持ちすら持っていなかったら今の僕と彼女との関係は成り立っていなかったんだと思う
    ~祭りの準備~


~1st Contact~
9月1日
僕は夜更かしばかりを続けていたせいかそんな日に対応できるはずもなく
梅岡の話をうつらうつらしながら聞いていて
話はほとんど聞き流し、いつの間にか寝ていた。
意識が戻ったときには話は既に終わっており
?「桜田くん……ちょっとぉ………起きてぇ」
目を覚まさせたのは聞き慣れない声と
黒板に書いてある薔薇祭り実行委員と自分の名前
J「(なんで俺の名前?)」
頭の中は疑問符でいっぱいだった
?「寝てるから悪いのよぉ?おばかさん」
声をかけてきたのは水銀燈
学年一の美貌とクラストップの成績をもっている
男子ならば誰もが憧れるであろう存在だ
しかし一年生という事もあり
彼女の事は全くしらなかったし
接点もなく話した事もなかった
が、ベジータ曰く彼女は相当な男好きという事を聞いており
水銀燈に対してひどい偏見を持っていた


J「あれはどういう事?」
現状を把握できていない僕は尋ねた
銀「来月に薔薇祭りがあるじゃない?それの委員に選ばれたの わかった?」
J「なんで僕の名前?」
銀「男子からは誰も立候補が無かったのよぉ でそれを見かねたベジータが勝手に決めちゃったの」
なんとも情けない話である。
銀「それでこれから第一回のミーティングがあるのよぉ」 
J「行かなきゃならないのか?」
登校日は午前までの予定だったため、
午後から予定のない僕は断る理由が見つからなかった
銀「そうなのよぅ。だから起こしたの」
銀「ミーティングは一時半だからちょうどあと一時間あるじゃない?」
J「うん」
時計を確認し話を戻す
銀「だからぁ私、桜田君の事よく知らないからお昼を食べながらどうかなって?」
J「そうだね、ちょうどお腹減ったし」
銀「よかったぁ~」


という事で僕たちはホテルメタルギアの直営のレストラン~雷電~に来ていた
彼女と僕は昼食を取りながら簡単な自己紹介などをしていた
そして噂は噂である事を確認させられる
僕の持っていた偏見は会話をするうちにいつの間にか打ち砕かれていた
銀「ねぇ?」
J「なに?」
唐突な質問
銀「私たちカップルに見えるのかなぁ?」
素朴な疑問であるが今の僕にとってコーヒーを噴くには十分な威力を誇っていた
J「わからないよ」
と強がって見せた
銀「そう・・・」
狼狽しながらも答えると水銀燈は少し悲しそうに見えた
銀「じゃあ」
J「なに?」
銀「真紅みたいにジュン君て呼んでいい?」
J「………ジュンでいいよ(////」
銀「それじゃあこれからよろしくねぇ…………ジュン(////」
J「よろしく………水銀燈(////」
たったこれだけの事だったのに水銀燈はすごく嬉しそうだった
J「そろそろ時間だらか行こう?」
会計を済まし学校へ戻った
外に戻るとまだ夏である事を実感した
セミがうるさく、日はまだ高い


時間はちょうど一時半
最初のミーティングだけあってこれからの予定などを書いた紙が配られただけだった。
それで解散
僕と水銀燈は途中まで帰り道が一緒だったらしく
他愛のない会話をしながら帰っていった
銀「そうだ!ジュンは携帯もってるぅ?」
唐突な質問
J「もってるよ」
銀「じゃあアドレスと番号教えてくれない?」
水銀燈はポケットから携帯を取り出す
特に断る理由もない。慌ててポケットから取りだす
J「じゃあこれがアドレスと番号だから」
そういって水銀燈の手に携帯を押しつけた
よほど使い慣れているのか三分も経たない内に水銀燈は携帯を返した
銀「じゃあ私はこっちの道だから……また明日ねぇ」
J「わかった またな」
素っ気ないあいさつをして帰路に戻る
J「ただいま………」
誰もいない家は返事をしてくれないが習慣になっていた
夕飯の支度をしながら今日もらったプリントを読み返す
「~各クラスは出店、もしくは演劇をしなければならない
 いずれかも決定したときは委員を通して校長に報告しなければならない
 また、グループでステージを使いたい者がいれば委員に連絡し、校長から許可を得る事。
 実行委員は~」
ありふれたプリントだ
意識を現実に戻したのは携帯の着信音
画面には見慣れない番号
出るか出ないか躊躇したが出る事にした
J「はい?」
?「あっもしもし?ジュン?水銀燈だけどぉ」
J「どうしたんだ?」
銀「今日もらったプリントはもう見たぁ?
 それに書いてあるんだけどクラス企画で出店か演劇をしなきゃならないじゃない?」
J「そうだな」
銀「だからぁ梅岡に言ってプリント作らせたいんだけど
 私は梅岡の番号知らないからぁ………お願いできない?」
J「そんな事だったの?わかったやっておくよ」


銀「ありがとう!助かるわぁ」
そんな会話の中、異臭が漂う
J「うわっ鍋が!ごめんそれじゃあ切るね」
調理中だと言う事をすっかり忘れていた
銀「じゃあまた明日ねぇ………」
携帯を切り急いで台所に戻った
火を消し中身を見ると夕飯になるであろう食材は原型を留めていなかったorz
晩飯はカップ麺だなと落胆しながら梅岡に電話をかける
相当暇だったらしく快く引き受けてくれた
気がつくと8時前。なれない事をしたせいで眠たくなっていた
早々に風呂に入り明日の用意をして寝る事にした


~2nd Contact~
委員になってから初めての朝が来た
昨日あった事を思い出しながら顔を洗う
いつも通りの朝でありたいと願いながら家を出るが
そんな願いは教室までしか叶わなかった
べ「おいジュン!銀嬢と付き合ってるって本当か?」
ベジータの無神経な声が教室にこだまする
運良く水銀燈はまだ登校してなかったが焼け石に水である。
ただでさえうるさかった教室はよりさわがしくなり
僕の周りには人だかりができる
男1「それは本当か?」
男2「テラウラヤマシス」
男3「お前から告白したの?」
変な応答は憶測を呼ぶ!!!答えてはいけない!
そう悟っていた僕は無視を決め込んでいたが………
べ「うるさいぞお前ら!!ジュンは実行委員の立場を利用してっっっ痛い!!」
J「そんな事してねえよ!!勝手な事言うな!!」
ベジータは頭を押さえてうずくまっていた。今までで一番の当たりだと思った
そんな事をしている内に予鈴が鳴りHRが始まった


薔薇学は学園祭前になると全ての授業が廃止され、準備という名のHR×5限になる
梅「では準備にかかる。後は全て実行委員に任すが笹塚は廊下に出るように」
笹「(´・ω・`)」
J「ということで何をするのかを決めたいんだが」
聞いている者はあまりいない………当たり前といえば当たり前だ。
噂の二人が並んでいるのだから。
冷やかされながらも進行をしなければいけなかったのは少しつらい。
J「いい加減聞けってば!今日の放課後にはまとめて提出しなきゃいけないんだから」
銀「………静かにしない人は………嫌いだなぁ」
独り言を言うには大きめの声だが
確実にクラスを静めた
ナイスフォロー!と心の中で叫ぶ。
どうやら僕の発言は水銀燈の独り言の足元にも及ばないらしい
J「では改めて出店か演劇、どちらかに決めるため採決をとりまーす」
水銀燈がアシスタントでアンケートのプリントを配る
10分後そのプリントを集計して黒板に書いた


出店…18票
演劇…16票
僅差ではあるが出店に決定した
J「じゃあ次に出店で何をするかを決めたいんだが?」
銀「意見のある人は手を挙げなさぁい?」
べ「お化け屋敷がしたい!!!」
下心が丸見えである、が男子はみんなベジータに付いていく様子だ
このままではお化け屋敷という名のモンスターボックスになってしまう!
真「喫茶店がしたいのだわ!」
ベ「え゛っ?」
男子の計画は一言で崩れ落ち、人数の多い女子に軍配が上がった
J「では具体的な内容を決めていきたい。どこの教室を使うとか、何を売るとか」
銀「例のごとく、意見がある人は手をあげなさぁい?」
蒼「飲み物はコーヒーとか、紅茶とか………後はやっぱりジュースぐらいかな?」
水銀燈が黒板に書いていく。ここで初めて彼女の字を見たわけだが、かなり綺麗だ
翠「場所は………家庭科室が借りれれば客にうまい飯を食わしてやるです!!」
薔「………はい……………」
J「じゃあ薔薇水晶」
薔「…………漫画を…………置きたい……」
皆「「「「「「「えっ?」」」」」」」
みんなが考えていた喫茶店のイメージは180°変わってしまった


なんだかんだで五限目までが終わり
やりたい事は喫茶店、使いたい場所は家庭科室
漫画は置くとたまり場になるという事で却下した
放課後、僕たちは決まった事をプリントにまとめ、担任に提出し教室に戻る
他のクラスと被っていなければ明日の朝に梅岡がちゃんとした提出用プリントを渡してくれる予定だ。
すでに他のみんなは帰っていて昨日のように二人で帰る。


夕焼けを背に二人で並んで帰る姿で、朝のベジータの一言を思い出す
『おいジュン!銀嬢と付き合ってるって本当か?』
照れくさい。顔がにやけてしまう
銀「何ににやけてるのぉ?やらしぃww」
J「えっ!なんでもないygbhんjkl!」
銀「なに動揺してるのよう?」
顔をのぞき込む水銀燈。さすがに「二人が付き合ってるみたいだ。」言えない
J「何でもないよ!!何でもない何でもない」
銀「ふーん………それならいいんだけど、明日からが本番だからガンバろうねぇ?」
J「任してよ!!!」
銀「それじゃあ……また明日ねぇ」
J「バイバイ ノシ」
昨日と同じ場所で別れを告げる。


今日こそは!そう思いながら晩飯を作る
またもや電話が鳴る
J「もしもし?」
べ「ジュンか?俺だけど文化祭のステージ企画はどうするつもりだ?」
J「全然考えてないけど………?」
べ「それでは朗報だな!俺と笹塚が企画したカラオケ大会を推薦する」
J「それはいい考えだな」
べ「だろう?詳しい事は明日、企画書を渡すからそれを読め!!!」
J「わかった(・◇・)ヽ」
べ「じゃあまた明日な………あっ結局水銀燈とは付………」
ブッ……ツーツーツー
何ともしつこい男だ。この調子だと明日も冷やかされる事は確実だorz
今日は飯を作る事にはハプニングは無かった。
自分で言うのも何だが一人暮らしをしているせいか
生活力はかなりあると思う。
まだ夏休みが抜けきっていない。今日も早く寝たいな………


~3rd Contact~
チュンチュン………チュン 
朝日がまぶしい。いつの間にか寝ていたようだ。
時計を見る。まだ五時半
周りを見る。付けっぱなしのテレビと食べっぱなしの食器
J「(そういや………風呂入ってねぇや………)」
パンをトースターに、皿を洗い桶に入れ風呂に入る
シャワーの感覚が次第に僕の目を覚ましていく
風呂から上がり皿を洗ってパンを食べる
ベジータの企画書が気になり少し早いが家を出る
学校までは15分。家を出たのは7時30分。
コンビニへ寄ってからの登校
それでも着いたのは8時前
教室にいるのは蒼星石、翠星石の双子の姉妹
J「おはよう」
蒼「おはよう。ジュン君」
翠「おはようです!チビ人間」
J「だから俺の方が背、高いってば」
翠「うるせーです!(///)背が高くてもチビ人間はチビ人間で………」
べ「ジュン!!いるか??」
扉が激しく開く。朝から元気な奴だ
J「うるせー」
べ「すまん!!!けどこいつを早く見てもらいたくてな!!」


カバンから紙を取り出し僕に渡す。例の企画書のようだ。
軽く目を通す。それだけで女子に見せれない内容だとわかる
蒼・翠「なんだいそれは?(何ですかそれは?)」
べ「おっと!!悪いが女子には見せられないぜ!!!!たとえ蒼嬢でもな!!」
翠「怪しいですねー?見せるです!!!」
蒼星石が僕の手から企画書を奪おうとラッシュをかける
J「さすがに見せれないよ(////)」
そう言って企画書をカバンの奥深くに埋める
べ「どうだ?面白そうだろ?」
J「とてもじゃないけど学校が許可するとは思えないよ………それに志願者が出るかどうかも………」
べ「しまった!!!企画だけでは俺の妄想は現実にならん!!!」
よほどショックだったのか意味の解らない事をほざいている
そんなところでベルが鳴る


鳴り終わる直前、水銀燈が息を切らせて入ってきた
彼女は朝が弱いようだ。頬を赤らめた姿がより一層僕を魅了した
それからしばらくしてから梅岡が入ってくる
梅「それじゃあ席に着けー。嬉しい知らせがある」
梅「見事喫茶店はかぶらなかったぞ!!!」
教室が湧く
「と言うわけだ。それじゃあ後は委員に任せる」
いつものように前に出る
ベジータが冷やかすだろうと思っていたのに何か書いている
べ「やはり・・・・いやここは・・・・でも」
J「今日は予算が5万の中でどれだけコストを減らして儲けるかという事を決めてもらいたい」
銀「いつものように意見のある人は手を挙げなさぁい?」
彼女が隣にいる。昨日までは大丈夫だったはずなのに
鼓動が早くなる。意識してはいけない。そう考えれば考えるほどに顔が赤くなるのがわかる
素数を数えろ!誰かが言っていたのを思い出す
平然を装いながら進行をつとめるのは至難の業だった


真「食器は学校のを使えばいいのだわ」
蒼「食材は安いところはいっぱい知ってるけど、見に行った方がいいと思うよ」
翠「レシピは私に任せるです!!!」
金「お金の事は学年一の策士な金糸雀に任せるといいかしら!!」
やる気のある女子に比べ男子はベジータの周りに集まっている。
べ「どうにかしてこの企画を通すぞ!!!」
書き直した企画書を掲げている
男1「これが真のクラス企画だ!!」
男2「通らなければ死と思え!!!」
まるで戦前の武士である
べ「いくぞ!!!」
男達「オーーー!!!!」
そう言って梅岡の周りに集まる
女子は勝手に盛り上がっていて男子の事は気にしていない
べ「それじゃあ!!!いいんですね?」
梅「それは俺も見てみたい。校長には俺から言っておくよ」
べ「先生!!!」
抱きつくベジータ、泣く男子達
銀「ねぇジュン?聞いてるの?」


J「あっゴメっ聞いてなかった………」
銀「だからぁ………放課後に蒼星石が教えてくれた安い店の下見に行きましょうって言ってるの!」
J「わかった(これってもしかしてデートか?)」
その後も決まった事を教えてくれていたのだが
頭の中は放課後の事でいっぱいだったため、それからの記憶がない
今日も昨日のごとく提出用プリントを梅岡に渡し
待ちに待ったデート!!(と僕は思っている)
銀「それじゃあ行きましょう」
J「そうだねwww」
銀「えらく上機嫌ねぇ?」
最初の店に着く前の会話
J「えっ?(やばい顔に出てたのか…………)」
銀「そんなに楽しみ?学園祭」
紙一重!!そんな言葉がピッタリだった
J「そりゃあ楽しみだよ!年に一回のお祭りだからね」
銀「そうよねぇ……」
すこし寂しそうな表情に僕は気づいていたが
すぐにいつもの水銀燈に戻ったせいで気のせいだと思っていた
そこからはあまり会話も必要最低限の会話しかしなくなり
学校で想像していたデートとは大きくかけ離れていた
たぶん原因は僕。そう考え最後の店の下見が終わったとき
J「なぁ…せっかくだから喫茶店でも行かないか?ほら…下見で」
断られたらどうしよう
銀「うん!」


とびきりの笑顔、疲れていたはずなのに癒される
そう言って喫茶店に入る
銀「こんな風にしたいねぇ?雰囲気」
この喫茶店は落ち着いた感じが好きで僕のお気に入りだった
J「そうだね。成功させような!」
銀「うん!!」


~4th Contact~
それからの日々はまるで一日が半分になったように過ぎていった
ベジータを含む男子は怪しい(やらしい)会議で忙しそうだったし
僕を含む女子勢は内装のチェックやレシピを憶えたりで忙しかった。
水銀燈を近くで感じていたかったし、いつも一緒にいたかった。
が、彼女を思う気持ちが強くなれば強くなるほど
素直になれなくなっていく自分がいた


そしてついに学園祭前日。
準備が完璧に終わり後は明日が来るのを待つだけとなっていた。
夕暮れの風を感じながら翠星石が「明日のリハーサルですぅ(///」
と言って作ってくれたリハーサルには明らかに多い作品が家庭科室の机を埋めていく
クラスのほとんどが残っており明日の為に鋭気を養っていた
梅「それでは明日は頑張っていきましょう!!
あと女子はこれを着て明日に望んでもらいたい」
そう言って取り出したのは様々なコスプレの服
男子は待ってましたと言わんばかりに
はやし立てる


真「そんなの聞いてないのだわ!!」
翠「そうです!!無理ですぅ!!」
薔「(………着てみたいwww)」
女子の嫌がりようは尋常じゃなかった
梅「でもこれを着ないと店出せないからwwwほら」
取り出したのは企画書。しかし何かが違う。
おそらくベジータが書き直したやつだろう
梅「それと着たくないやつは着なくていいがおそらく進級できないぞwww」
セクハラに加え職権乱用でこいつを懲戒免職にしてやりたい
J「そんなの女子があまりにもかわいそうですよ!!!」
数日間とはいえ一緒に過ごした友である。
裏切れるはずがなかった
「何で女子の味方するんだよ!!!」
「お前も実は見たいくせに!!」
「点取り虫!!」
僕に非難の声が集まる
ある程度は我慢しようと思った
けど・・・


べ「そんなに彼女が大事か??」
図星だった。たしかに見たかったのだが
それだけは我慢できなかった
J「俺は!!!水銀燈と付きあっちぁいない!!!」
言ってしまった
クラスの奴ら「「「「「「「「!!!!!!!!!!!」」」」」」」」」
そんな怒声が教室に響き静まりかえる
僕の方には視線が集まらない
水銀燈の方を見ると泣いていた………
言わなければよかった
無神経だった。照れ隠しのつもりだった
もっと他の言い方があったはずだ
そんな事が頭をよぎるが時間は戻らない
ぼろぼろと涙をこぼし教室から出る水銀燈
反射的に追いかける僕
笹塚「水銀燈は屋上の方に行ったよ」
GJと言いたかったがそんな暇はない
屋上に行くと水銀燈が一人で泣いていた


銀「ごめんな………さいねぇ………飛び出したり………して」
涙声で謝る水銀燈に僕は何もできなかった
J「謝りたいのに謝られたら………謝れないだろ?」
ただ謝りたい。
J「無神経だったと思ってる。…………ゴメン」
頭を下げる
J「他にも言い方があったと思っている。………………ゴメン」
もっと深く下げる。
J「でも本当は………」
銀「ばかねぇ………ジュンは悪くないのに……」
銀「こんな顔をみんなに見せれないわぁ………悪いけど後はよろしくねぇ………」
そういって僕の頭をなでて屋上から去っていった
教室に戻る。ベジータが謝っている様だが頭に入らない。
薔「ちょっと…………いい?」
自分の席でへこんでいた僕に声をかけたのは薔薇水晶
中学から一緒だったが高校に入り話す機会も減ってしまっていた


J「何?」
ローなテンションで返す
薔「………ついてきて………」
着いた場所は屋上。今日はできれば来たくなかった
薔「なんで!!!」
さっきとはうって変わり声を張り上げている
J「えっ?」
普段感情を表に出すタイプでなかった薔薇水晶は僕を怒鳴った
薔「なんであんな言い方しかできなかったの!!!!」
薔「銀ちゃんは!!!あんたの事が…………!!!!!」
J「はっきり言ってくれないとわからないよ?」
薔「もうっ!!!銀ちゃんはあんたの事が好きなの!!!」
J「!!!!」
僕はこんなにも自分が鈍感なことを悔いた事は無かった
気づくと涙が頬を伝っていた
脚が勝手と進み出す。
薔「待って!…………」
そんな事が聞こえた、足が止まらない


学校を飛び出し、着いた場所は帰り道の分岐点
家の場所はわからない。けど近くにある
自分がどこにいるのかもわからなくなるまで走った
不安じゃなかった
ようやく見つけた彼女の家
何の迷いもなくベルを鳴らす
銀ママ「はい?」
彼女によく似た声けど彼女より優しさを含む声
J「同じクラスの桜田ですけど………水銀燈さんはいますか?」
銀ママ「は~い。ちょっと待ってね」
数分間の孤独。素直になろう。この気持ちを伝えよう


ガチャ………
ドアが開く。少し目の腫れた水銀燈が出てくる
銀「なぁに?あのことだったら」
J「水銀燈!!!僕はあなたが好きです!!!」
近所に響き渡る告白。少し恥ずかしいが
J「だから付き合って下さい!!!(////)」
また頭を下げる
頭を上げたとき、水銀燈は泣いていた。
僕はその涙にいろんな意味が含まれている事も知らずに返事を待っていた
銀「…………こちらこそ…………よろしくねぇ(////)」
返事を受け取ってから 自分がした事の重大さに気づき
一気に顔が赤くなる
べ「やったな!!!ジュン!!!」
一斉に物陰から飛び出すクラスのみんな。祝福の声を投げてくる
全て見られていた!!より一層顔が赤くなる
J「おう!!(////)明日は頑張ろうな!!!!」
僕の正面に立つ水銀燈
J「えっ?」
目を閉じて迫ってくる顔
なにが起こっているのかわからない
柔らかい感触が唇を伝わる
一瞬だったそれはとても長く感じた。
周りから歓喜がわき起こる
銀ママ「青春ていいわねぇ………」
~4th Contact~終わり


~5th Contact~
昨日、僕は告白した。
そう考えると顔がゆるむ
昨日とは違う朝。ピンポーン
銀「おはよぅ~ジュン」
水銀燈が扉を開ける
J「おはよう 水銀燈」
銀「おはようのチュウはぁ?(///)」
必殺上目遣い!!!堪えられるはずがない
触れるだけの軽いキス
銀「……ありがとう(///)」
J「いえいえ(///)」
一緒に朝食を取って学校に行く
銀「手………つなぎたいな(///)」
またもや上目遣い
J「(堪えられない………)」
右手を差し出す。温かい感触に包まれる
かなり恥ずかしいのだが、そんな事は気にする様子はない水銀燈
教室には向かわず家庭科室に直接行く


べ「ようやく来たか!お二人さん」
冷やかしは祝福、羨ましいだけ!
そう思いながら準備に取りかかる
梅「何度も言うがこれは訓練ではない!!なんとしても………」
梅岡の演説が始まる 結局女子の服装はかなり妥協してメイド服になった
べ「本当は………スク水が………やはり、モリガンスタイルか?………でも……」
梅「~と言うわけだ!!!各々戦闘配備に着け!!!」
梅岡の演説が終わると同時に開始のベルが鳴る
準備に取りかかろうとすると
べ「お前は銀嬢と楽しんでこい」
ベジータにしては気が利いている。
J「水銀燈行こうぜ。 それじゃあ後は任した」
教室を飛び出す


ふたり揃って顔が赤い
それからは終始手をつなぎながら他クラスの企画を楽しんだ
昼食も食べ終わり生徒会からの企画があると言う事で
ステージ前に来ていた。午前中は軽音部がライブをしていたようだ
会長「それでは………カップル対抗カラオケ大会を実行します!!!」
会長「一組目は蒼星石・翠星石ペア~」
会長「二組目はギコ・しぃペア」
会長「三組目は特別教師枠!!保健室の住人!!!出身大学は意外とスゴイHG先生!!!」
HG「薔薇祭フゥーーーーーー!」
 「四組目は募集中だ!!我こそはと思う二人組!ステージ前に集合だ!!!」
銀「あれに出たいなぁ」
怪しく水銀燈は笑っておられる
僕には拒否権が無い事を知りながら
そう言って会長に申し出る
他に希望者もいなかったらしく、すぐに出場決定
会長「飛び入りの参加者は!!!一年生の水銀燈・桜田ジュンペア~に決定
  それでは抽選に移りまーす」
そう言って僕たちにくじを引かす


抽選の結果一回戦はHG先生と
HG「バッチコーイ!!!」
選曲はYMCA 
うまいが勝てないほどではない
会長「さすがcd出すほどの腕だね、続いては………」
緊張で頭の中が白くなる。そして視界が…………


気が付くと空が見えた
銀「気がついたぁ?」
のぞき込む水銀燈の顔
J「あれ?カラオケは?」
柔らかいものが後頭部にあたる
銀「おばかさぁん ジュンが気を失うから棄権したのよ」
J「そっかぁごめんな……って」
あわてて起きあがる
ここで膝枕されている事に気が付いた
J「何で膝枕なんだよ(///)」
銀「気持ちよかったでしょうwww」
J「気持ちよかったけど(///)」
銀「もう大丈夫そうだし、行きましょうwww」
結局カラオケに勝ったのは蒼星石と翠星石
もうステージの上は早食いをやっている
時計を見ると気を失ってからだいぶ時間が経っていた
薔薇祭は二部構成で午前と午後は生徒の企画
夕方からは先生の企画が始まる
その一部と二部の間に水銀燈は着替えてくると言って家に帰る


待たされて30分
銀「おまたせぇ」
背後からかかる声 
振り向くと浴衣姿に見とれいていた(浴衣姿はお前らの想像に任す)
銀「変………かな?(///)」
J「そんな事無いよ!!すごく………綺麗だ(///)」
銀「よかった(///)じゃあ行こっか?」
J「手・・・つないでいいか?(///)」
銀「うん!」
彼女の手を掴む。離したくない。自然と力が入る
握り返してくる彼女の手。心地がいい。
しかし楽しい事というのは当然過ぎる時間も早くなる
祭りの時間が終わりへと近づく
向かった先は屋上
彼女に謝り、薔薇水晶に怒られらた屋上
誰もいない。夜風が僕たちを包む


銀「何で屋上なのぉ?」
J「もうすぐ時間だから」
銀「何の?」
J「向こうの方見てて」
そういって指さしたのは河がある辺り
J「時間だ」
ヒュ――――――――パァァン
夜空をいろどる大きくて鮮やかな花火たち
銀「綺麗・・・」
ヒュ――――――――パァァン
J「水銀燈の方が綺麗だよww」
ヒュ――――――――パァァン
銀「えっ?聞こえないよぅ」
J「なんでもない」
ヒュ――――――――パァァン
銀「今まで………ありがとう」
涙を流す
ヒュ――――――――パァァン
J「ゴメン聞こえなかった」
銀「なんでもない」
J「水銀燈………キスしてもいいかな?(////)」
銀「うん(///)」
ずっとこうしていたかった
明日が来るのが楽しみで仕方なかった
ヒュ―――――――――――パァァン


~last Contact~
朝が来た。水銀燈は用事があるらしく今日は一人で登校した
教室に着く。みんな唖然として僕を見る
べ「なんでここにいるんだ?」
J「だって授業が………」
べ「違う!!!なんで銀嬢を見送ってやらなかったと聞いている!!!」
J「えっ?」
頭が真っ白になる。見送り?何の事?
べ「お前も聞いていたはずだ!!!
 知らないとはいわさんぞ!!!
 梅岡が今学期の最初に!!!
 銀嬢が海外に引っ越すことを言っていただろう!!!」
誰かがウソだと言ってくれるのを待っていた
J「まさか?俺はそんな事聞いてない。だって俺はあの時…………!!!」
寝ていた。知らないのは当然だった。周りを見る
みんなうつむいている。泣いている人もいる。
J「うわぁぁっぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
べ「ここに昨日の売上げがある!!!それで今から見送ってこい」
梅「ローズ空港だからな。特別に出席にしといてやるよ」
薔「…………これ、みんなからの手紙だから………」


みんなの優しさとその荷物を無言で受け取り、教室から飛び出す
学校を出たところでタクシーを拾い目的地を告げる。
J「なるべく急いで下さい」
運転手(以下 運)「なるべくそうするけど……渋滞がねぇ」
タクシーの中でそれまでの日々が走馬燈のように流れる
彼女の涙の意味を知る
急に積極的になった意味を知る
そして「ありがとう」の意味を知る
運「あ~やっぱり混んでるねぇどうする?」
J「ここまででいいです」そう言ってタクシーから降りる
空港まではまだ距離はある。
時間もまだ十分だ
走りながら考えた
何で教えてくれなかった?
何でさよならを言ってくれなかった?
慌ててかける携帯電話


「~現在この番号は使用されておりません~」
転けてしまう。ズキズキと痛み出すが気にならない
ようやく着いたローズ空港
時間は後わずか
もう乗っているかも知れない
それでもお別れが言いたい
急いで彼女を捜す見あたらない

銀パパ「そろそろ行こうか?」
銀「………うん…………」
銀ママ「別れがつらいのはわかるけど……お別れはちゃんとしたんでしょ?」
銀「………うん…………」
銀パパ「ならシャキッとしないとな!!」
J「水銀燈!!!!!」
ようやく見つけた
今になって膝が痛い
銀「ジュン!!!」
人目を気にせず抱き合う
お互いの目から涙が頬を伝わる
J「なんでさよなら言ってくれなかったんだよ」
銀「おばかさぁん………そんなことしたら、あなたが悲しむと思って」
J「おばかさんはどっちだよ?………そっちの方が悲しいに決まってるじゃないか」
銀「私ったらホントにおばかさぁん………でももう時間が無いのよぉ」
J「そうだね………あっこれクラスのみんなから………」
銀「ありがとう………ねぇジュン?最後のわがまま聞いてくれる?」
J「もちろんだよ」
銀「キスして………」
チュッ
もっと話していたかった
時間とは非情なもの
ささやかな願いは叶わない
水銀燈がの最後の姿が見えたとき
J「水銀燈!!!俺待ってるから!!!お前が帰ってくるの待ってるから」
銀「おばかさぁん」
そう言った気がした


あれから一年
僕は夏祭り、正しく言えばその夜の花火を見ると
君の事を思い出す
去年のような秋風に包まれ
隣にはいないけどその存在を感じながら
君の事を思い出す
J「ずっと待っているから………水銀燈………」
ヒュ――――――――パァァン
~fin~

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