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どれだけ捨ててゆけば、僕らは空を飛べるのだろう。 



SEAVEN 



これは、終わりの物語。


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「ねぇ、ジュン君。外には何があるんだろうね。
 って一体どんなものだろう? 」

ここには、何もなかった。
狭く、そして広い地下室
光さえ届かない。暗く、深い世界。

「ジュン! 駄目です! 外は汚染されてるんですよ! 」

優しい人もいた。
厳しい人もいた。
好きな人もいた。
嫌いな人もいた。

けど……。

ここには、居場所がなかった。

「セブンのくせに! お前、セブンだろ! 」

どうしようもない壁がそこにあって。
逃げ出すこともできなくて。

「苦しいよね、ここはさ。ジュン君? 」

けど、大切な何かがあったりして。

「僕は……。僕は……」

だから、この世界を壊すと決めた。
大好きだから。大切だから。



SEAVEN



この選択の先は、破滅しかないとしても。




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人々がを忘れてから、どれくらいだろう。

何年も、何十年も、何百年も、いや何千年も昔のことなのかもしれない。
僕らは、を捨てた。
大きな戦争があり、地上は汚染され、地下へ逃げ込むしかなかったのだ。

何世代も人が変わるにつれて、もはや、とは人にとって、神話の世界へ変わってしまった。
薄暗く、狭い地下室。それが、僕らにとっての全て。
見上げても、そこには手の届くかもしれない天井ばかり。
だけど、当り前の閉塞感。

その中で、人々は更なる閉塞感を生み出した。
階層社会。1stから7thまでの階級。
とはいえ、大抵の人にとっては努力により変えられるというものであるらしい。
すくなくとも、その建前の上では。
しかし、どうしようもなく、変えることのできない階級というのが存在する。
1stと7th。この2つだ。
生まれたときから、定められた階級。
何故、この2つが固定されているのかなんて、知る由もない。
ただ、僕らはここから逃げ出すことを決めた。



SEAVEN



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扉を開けるとそこは、見たこともない景色が広がっていた。
見たこともないほどに、美しい景色が。
けど、どこか懐かしいとさえ思える、そんな景色。

あたり一面に緑が広がり、その色が風に揺れ、規則正しく流れを象る。
何処までも続く、広い世界。気がつけば、扉は消えていた。
僕の近くには、ただただ大きな樹。
樹なんて、生まれて初めて見た。
地下には、決して育まれることのない、その命。
見上げれば、そこには赤。
沈みかけの光輝く球。あれが太陽なのか。
視線を下ろすと、そこはその赤さに染められていた。

ただ、違和感のあるものが。
黒く、名前もなにも書かれていない、墓。
いや、それが墓なのかどうかさえ分からない。
何となく、そう思っただけだ。


そして、触れているはずなのに、感触のない草。
それに気がついた瞬間、世界は色を変えた。


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照明の落ちたこの部屋で、白の彼女は妖しく笑んでいた。
その唇は、形をかえ、優しげなものに変わる。
そして、言葉を紡いだ。


「貴方にかけていた呪いを、今、解きましょう」





COMING SON

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