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ジ「真紅って五女なんだよな?」

紅「それがなにか?」

ジ「五女って割には偉そうだなぁと」

紅「そうかしら?」

ジ「だって金糸雀や翠星石達はお前の姉ちゃんなわけだろ?
なのにあんな態度で。僕だったら嫌になるね」

紅「それもそうね。反省するわ。でも………」

ジ「でも?」

紅「ジュンに姉への態度で指図されたくはないのだわ」

ジ「……ごもっともです」

 

 




真紅はジュンの嫁っぽい

今日も優雅にくんくん見ながらteatime

「家事を終えた後のteatimeは最高ね」

するとご飯が炊けてきた匂いがしてきました。
最近やっとご飯だけは炊けるようになった真紅。
炊事係りのジュンも少しだけ楽になりました。

「ご飯が炊けてきたわ…うっ…気持ち悪い…」

慌ててトイレに、真紅は【自主規制】してしまいました。

「これはもしかして…赤ちゃんが出来たのかも、お医者さんに行かないと」

毎晩頑張った結晶でしょうか、早速近所の産婦人科に向かいました。

医者「えー、胃食道逆流ですね、紅茶を控えて下さい。」

残念ながら自業自得の極みでした。

 




紅「ジュン?紅茶を淹れて頂戴」
ジ「もう葉が無いから無理だな」
紅「どうして買っておかないの!?基本でしょう?」
ジ「紅茶の値段が高騰してるから貧乏学生には買えないんだよ!」
紅「そう・・・なら仕方ないわね・・・」

紅「ジュン、高級リーフを沢山買ってきたのだわ。今すぐ淹れて頂戴」
ジ「お前・・・金持ってたのか?」
紅「『きゃっしゅかーど』と言う物を使ったのよ
  そこの財布に入っていたわ」
ジ「・・・え?」
紅「あと新しいティーカップとポットも買ってきたわ さぁ淹れて頂戴」
ジ「僕のカードで幾ら使ったんだよ・・・(´;ω;`)」


紅茶高いよね保守


 

 

 

   真紅   ヒナの一つ上のお姉さん

 

朝になると決まった時間に起きてきて私を起こしてくれる。今日が休みでも関係無い

 

翠星石と蒼星石が朝食を作っている時行儀良く出来上がるまで待っている
ヒナは行儀が悪いってすぐ怒られちゃうの

 

水銀燈が日課として真紅を挑発して来る。喧嘩はめーなのよ

 

昼食に為り皆が席に付き始める前から席に付いてる。実は食いしん坊なのだろう
私達下の姉妹に向かって食い意地が張ってるなんて。失礼なのよ?お姉ちゃん

 

くんくんを見ている時にハラハラしてる感情を抑える為くんくん人形をギュッと抱き締めてるの
真紅もちゃんと応援しているのよね

 

ジュンが遊びに来た時に私は直ぐに彼の胸に飛び込んでいく。真紅と目が合う
しかし、「まったく」と言って呆れた様にまた本に目を遣る
ホントは私が羨ましいのにね。こういう時は素直が一番よねー? 水銀燈お姉ちゃん
 

私が翠星石に苛められジュンや水銀燈に泣き付いているのを「子供ね」と一瞥する
ヒナ知ってるもん。真紅は実は人が視界に居ない所じゃ本余り読まないのよ

 

夕食はジュンも混ざる事に為ったのよ。皆何だか料理をしたいと言うので台所が慌しくなった
真紅も皆に混じって料理を作るんだけど
できたのは・・・残念だけど私や雪華綺晶でも無理な物はあるのよ

 

ジュンは皆が作った料理をちゃんと味わってくれた。
私は甘すぎと言われた。御飯でこれは駄目って。ぶー
金糸雀は「そんなに僕の事を糖尿にしたいのか」とマジギレされていた。
お、お互い大丈夫なのよ。うん

 

最後にジュンの前に真紅のそれを置いたらジュンがすごーくイヤそーな顔してたんだけど
真紅が今でも泣きそうな顔してたなの。ジュンはそれを見て覚悟を決めたらしく
がばーといったのよ。その後朝まで目を覚まさなかったらしいけど

 

また皆で誰が介抱するかの争いになったのだけど
真紅が自分の責任だからと彼女の部屋に運ぶ事にしたの。
真紅は夜九時にちゃんと寝たいと言ってたけど。ホントはウソ

 

ジュンと二人っきりになって長く居られる口実を作りたかっただけなのよ
今日の所は負けてあげる。おやすみ。真紅

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

「そういうことって、意味があるのかしら?」

 

 私は言うのだ。
 世の中には有体に大切なことがいくつもいくつもあって、だけどその扱われ方はといったら、大事にされたりされていなかったりする。気分、と気持ち、に拠る。
 大切なものが壊れると、ひとは泣くのだという。
 大切なものだと気付かなくて、壊れてしまったあとにその大切さに気付いても、やっぱり泣くのだろうか。

 

 ぱきん、

 

 と。

 

 今手にしているティーカップは、丁度持ち手の根本から、ぽきりと折れてしまった。
 私はどちらだったのだろう。折角プレゼントに貰ったもの。とても大事にしていた、筈。
 けれどいつからか、あまりにも自然に私の生活とともにあるものとして、ぞんざいに扱ったことはなかっただろうか。洗い物のとき、細かくひびが入っていたのか。怒りに任せて強くテーブルに置きつけたことは、なかったか。

 

 仮定をいくつ並べたところで、今ある結果が全てならば。あるものが完璧でないことは、

 

 ――

 

 一日に数度ある、ティータイム。空のカップを置いたまま、私はぼんやりと座っている。

 

 

―――

 

 

 たん、たん、たん。

 

 階段を降りてくる響き。足音はそのまま、私の居る場所へ向かっている。

 

「どうした? 真紅」
「あなた。これ……壊れて、しまったわ」
「ははぁ。大分長く使ったからな、それも。途中で壊れてしまうなら、花嫁道具に持っていかせなくてよかったかも」

 

 娘が結婚する折、ティーカップの一式でも携えさせるかとも考えた。娘も随分と欲しがったし、それなら……と、思う気持ちが、無かったわけではない。けれど私が使うこれだけは、どうしても譲れなくて。

 

「かたちあるもの、いつかは壊れる……と。でもこいつはまだ、塵になったわけでもなし」

 

 ガサガサと戸棚を漁って取り出したのは、接着剤。
 見た目綺麗になったとは言いがたかったが、持ち手はなんとかくっついた。

 

「ほら、まだ使える」
「けど」

 

 そういうことって、意味があるのかしら?
 事情はどうあれ、眼の前のこれは、一度壊れてしまったの。

 

「……もう少しこいつにも、付き合ってもらうさ。僕らも年をとったのだし、あちこちいたむのはお互い様」

 

 コンコン、とティーカップをつつきながら、あなたは言う。

 

「……そうね」
「そうだ、それに。僕がはじめてお前にあげたプレゼントを、簡単に捨てられても困る」

 

 ふん、と。
 そっぽを向きながら言うあなたの姿が、昔の頃と重なる。くす、と、思わず笑いが零れてしまう。

 

「ケチだと思うか?」
「いいえ」

 

 立ち上がり、戸棚からもうひとつティーカップを取り出す。
 意味、か。私達はもう、お互い完璧でなくてよいと。意味は、いつだって私達が与えればいい。
 そうすれば今は、ちょっと不細工なティーカップで過ごす、穏やかな幕間になる。

 

「あなた……ジュン。紅茶を淹れて頂戴。そして飲みましょう、一緒に」


 しんくちゃん、はじめてのおつかい

ジ「お前、いったい今いくつなんだ?」
紅「あ、あなたと同い年よ!」
ジ「中学生なのに『はじめてのおつかい』? なんの冗談だそりゃ」
紅「だ、だって、おつかいならくんくん(飼い犬)とか水銀燈(ジャンク)が行ってくれるから…」
ジ「それで、お前はこの年までひとりでおつかいにいったこともなかったと?」
紅「でもこの程度のおつかいなら、すぐに終わらせられるわ!」
ジ「…ジャガイモしか買うもんないじゃん……」
紅「立派におつかいを成功させてあなたをぎゃふんと言わせてやるのだわ!」


続かない。

 


 

 実を言うと、私はそんなに紅茶が好きではなかった。
かといって珈琲が好きというわけでもない。そういった類はあまりたしなまたかっただけの話。
そんな折、オディールが沸れてくれたので紅茶を飲んでいた時、彼が言ったのだ。
『真紅って紅茶飲む姿が様になってるよな。なんつーか優雅でさ』
私は飲んだ。
いや、酒ではなく紅茶を飲みまくった。主に彼の前で。
いきなりそんな事をしたからカフェイン中毒になりかかったが好都合だ。体が欲するならばいくらでも飲むだけ。おかげですっかり紅茶好き…というか、紅茶がなくてはいられない体になってしまったが、彼の色に染まったと考えれば、それもまた良し…
彼女が飲んだ。
いや、これも酒ではなくヤクルトを、である。
私は知っている。彼女は別にヤクルト好きでもなんでもない。ただ便秘気味だからと言う理由で飲んでいたところに、彼が言ったのだ。
『水銀燈がヤクルト飲む姿ってなんか可愛いな』
その放課後に奴はヤクルトを箱買いしていたのを私は見た。その時のあの緩んだ顔といったら…ムカついたので写真に収めたらメグに一万で売れた。軍資金が手には入った。
その後、私はオディールを呼びつけ紅茶のあれこれを学び、飲み、また学び、鏡の前で紅茶を飲むポーズを研究した。親に見られ怪訝な目を向けられたが恋する乙女なので気にしない。
一方水銀燈はなにやら雛苺を拉致しヤクルトを飲ませてその姿を観察していた。敵ながら悪くない戦法だと感心した。

ああ、私達はどうしてこんな事をしているのか。せずにいられないのか。
そう、私達は中毒なのである。彼という存在にまいってしまった哀れな女。
例え医者にそろそろマズいと言われようが、お小遣いの大半(というか全部)が紅茶代に消えようが、紅茶が飲めないと体が震えようが。
私は乙女。恋という薔薇の茨に捕らわれた乙女。
さあ水銀燈。ゲームをしましょう。手加減は無用。躊躇いも妥協も無い、私達“薔薇乙女”の宿命の闘いを。

 




「またこんな所にいたのかよ」

何時間読み続けていたかもわからない古びた本から視線を上げて声の聞こえた方へ。
私に声をかけてくる人間なんて学校には数人もいないのだから確認する必要もないのだけれど。

「ジュン…ちょうどよかったわ。紅茶を入れてきて頂戴。」

声の主を一瞥してまた視線を本へと落とし、いつもの台詞をはいた。
耳にはこれまたいつもの深いため息が聞こえてくる。

「真紅。授業に出よう。」

またこのやり取りが始まるのか。

「必要ないのだわ。」

そう。本当に必要ない。

「じゃあなんで学校には来るんだよ?来てるのに授業は受けないなんておかしいだろ。」

ドイツで飛び級をしている私にもはや高校の授業など意味のあるものじゃない。
じゃあ私は何故ここに通い続けているの?それは当然の疑問だろう。

「それは…」

動揺しているのだろうか、目が泳いでいるのが自分でもわかる。
私はいつの間にか本の文字を追えなくなってしまっている。 

「それは?」

復唱された言葉に誘われるように顔を上げるとそこにはいつもと同じジュンの困り顔。
留学する前と何も変わらないその表情。
いつだって自信なさげで打たれ弱いくせに口は悪い。
すぐに喧嘩腰な態度をとってきたりレディの扱いは全然なってないんだけど…
だけど涙に弱くて…ときどき誰よりも優しく、何よりも欲しい言葉をくれるジュン。

そんな貴方が好きだから
私はまたここにいるのだろう。

でも……

「それは…ジュンに紅茶を用意させるためよ」

でもまだそんなこと言えない。
この気持ちを伝える術を私はまだ知らない。

「はいはい分かったよ。ったく…」

はぁ、とため息をついてポケットから紅茶の缶を取り出すジュン。

「いいコねジュン。学校では仕方ないからそれで我慢してあげるわ。」

授業で恋愛を教えてくれるならいくらでも出るのだけれど…残念ながら今はこの場所で自習するよりない。

読んでいた恋愛小説をゆっくりと閉じて紅茶を受け取った私は、
微かに笑みがこぼれそうになるのを必死に抑えて、
小さく ありがとう とつぶやくのだった。 

 




始めは紅茶を淹れる僕だった
最初の紅茶は温度が守られていなかったり酷い物だった
今では美味しく淹れれるようになってきた
その内彼の淹れる紅茶以外は飲めないほどになっていた
それが味のせいではない事は解っている
私は彼の淹れる紅茶が美味しくなって行くのと共に、彼への気持ちも変わってきた
僕から友達に。友達から気になる存在に。気になる存在から・・・

ジュンが淹れてくれた紅茶の水面を見ながら思う
その気持ちを叶えるのには敵が多すぎる・・・

スタイルで攻める水銀燈
弱ドジッ子の金糸雀
ツンデレ翠星石
僕っ子の蒼星石
ロリコン歓喜の雛苺
食いしん坊の雪華綺晶
ちょっとエッチな女の子薔薇水晶

彼はそれぞれ笑顔で対応する
食いしん坊で食費がかかる雪華綺晶にもなけなしのお金で対応する
それに対して皆は笑顔を作る

・・・私は唯紅茶を淹れろと命令し、それを飲む
度々気に入らないと文句を言う
笑顔もそんなに見せたことも無いような気がする・・・
こんな私の何処に勝機があろうか・・・
寧ろ嫌われている可能性だってある 

はぁ、と溜息をつく
でも――――
嫌われたってこうやって居ればジュンは自分のそばに居る
今更好かれるなんて無理な話。なら、嫌われる可能性があっても近くに居てもらう方がいい


と考えている内に紅茶は無くなっていた
味は・・・覚えていない
考え事をしていると味がよく解らなくなるなんてのはよくあること
「ジュン、紅茶がなくなったわ次を淹れて頂戴」
返事もせずに無言で用意をするジュン

ほら、やっぱり嫌われてる

自分の前にカップが出される
今度は暖かい内に飲もうと思って口をつけ――
次の瞬間言っていた
「ジュン!なんなのこの紅茶は!
 温度もリーフも全然なってないじゃない!
 いつになったら私の好みが『知らないさ』」
「僕はお前から紅茶の好みを聞いた事が無い。
 そんなので好みが解るわけがないだろう?」 

あぁ・・・
またやってしまった

「だからな?   」
「・・・何?」
「その・・・今度暇な時で良いから、お前の紅茶の好みを教えてくれると嬉しいとか・・・」
「そんなことは今教えてあげるわ。紅茶の温度h」
「違う。  その・・・リーフ選びから・・・」
「銘柄を教えればいいのね?」
「・・・今度一緒に・・・リーフを選びに・・・」

意味が解ったとたん顔が熱くなるのが解る
この男は・・・人の悩みを簡単に・・・

「そうね。 じゃあ今度みっちり教えてあげるのだわ」

笑ってくれた
自分も笑い返す

何を言っていいのか解らなかった
だから何時もの言葉を言った

「ジュン、紅茶を淹れて頂戴」

満面の笑みで・・・
ジュンも何時もの言葉を言う

「ああ」

満面の笑みを浮かべて・・・ 





   真紅   ヒナの一つ上のお姉さん

朝起きると決まった時間に起きてきて私を起こしてくれる。今日が休みでも関係無い

翠星石と蒼星石が朝食を作っている時行儀良く出来上がるまで待っている
ヒナは行儀が悪いってすぐ怒られちゃうの

昼食に為り皆が席に付き始める前から席に付いてる。実は食いしん坊なのだろう
私達下の姉妹に食い意地が這ってるなんて。失礼なのよ。お姉ちゃん

くんくんを見ている時にハラハラしてる感情を抑える為くんくん人形をギュッと抱き締めてるの
真紅もちゃんと応援しているのよね

ジュンが遊びに来た時に私は直ぐに彼の胸に飛び込んでいく。真紅と目が合う
しかし、「まったく」と言って呆れた様にまた本に目を遣る
ホントは私が羨ましいのだろう 

私が翠星石にいじめられジュンや水銀燈に泣き付いているのを子供ね。と一瞥する
ヒナ知ってるもん。真紅は実は人が視界に居ない所じゃ本余り読まないのよ

夕食はジュンも混ざる事に為ったのよ。皆何だか料理をしたいと言うので台所が慌しくなった
真紅も皆に混じって料理を作るんだけど、できたのは・・・残念だけど私や雪華綺晶でも無理な物はあるのよ

ジュンの前にそれを置いたらジュンがすごーくくイヤそーな顔してたんだけど
真紅が今でも泣きそうな顔してたなの。ジュンはそれを見て覚悟を決めたらしく
がばーといったのよ。その後朝まで目を覚まさなかったらしいけど

また皆で誰が介抱するかの争いになったのだけど真紅が自分の責任として彼女の部屋に運ぶ事にしたの。
真紅は夜九時にちゃんと寝たいと言ってたけど。ホントはウソ

ジュンと二人っきりになる長く居られる口実を作りたかっただけなのよ
今日の所は負けてあげる。おやすみ。真紅 





「下僕の分際で、生意気ね 」


放課後の学校。誰も居ない教室。

なけなしの勇気を振り絞った、僕の告白。
それに対して、彼女の口から出たのは……こんな言葉だった。


二人の今までの関係。仲の良い、昔からの友人。
それが変わってしまうというのは……とても怖かった。

それでも僕は、彼女に伝えられずにはいられなかった。
そしてその結果……僕は…今までの距離を失ってしまった。


ただ立ち尽くす僕を気にかける様子も無く、彼女は教室の扉までスタスタと歩く。
僕には…その背中にかけるべき言葉は見つからない。


不意に彼女が振り返る。
その視線の先には、沈みかけた夕日。

「……何をしてるの。レディーにこんな薄暗い中、一人で帰らせるつもり? 」

そう言い、彼女は僕に片手を差し出す。

「紳士らしく気を利かせて、エスコートでもしたらどうなの? 」

相変わらず高慢な響きをした声でそう伝えてくる彼女の横顔は……夕焼け色に染まり、とても綺麗だった。 






「もしゃもしゃ」
「ま、まだ食べる気なのか雪華綺晶」
食べ放題の店にするべきだったか、とジュンは今更ながら内心後悔していた。
ある要件の為にとあるファミレスへと雪華綺晶、そして彼女の唯一のストッパーである薔薇水晶を呼び出したのだが、
いきなり席にすわるやいなや雪華綺晶はメニューの隅から隅までいったのではないかという勢いで注文し始めたのだ。
「もがもが、もふもふ」
「ハァー、これは要件を果たす前に財布がそこを尽きそうだ」
「……で、私達を呼び出したその要件は……何なのですか」
「ああ、それなんだけど」まだ食べるつもりなのだろう、再び呼び出しボタンを押そうとする雪華綺晶を制止しながらジュンはコーンポタージュだけを注文した薔薇水晶に話し始めた。
「実は先日……」
「……もぐもぐ」 
「ジュンくーん、ちょっと話があるんだけれど」
いつものようにインターネットの世界へと飛び出していたジュンを現実へと連れ戻したのは姉であるのりの一言だった。
「実はね、来週真紅ちゃんの我が家へ居候記念日なんだけどね、何か真紅ちゃんにプレゼントを買ってあげようと思うのよ。おねーちゃんはおねーちゃんで用意しておくからジュンくんも真紅ちゃんにばれないようになにかお願いね」
プレゼント……? この僕が何を買えばいいんだとジュンは思ったのだが、真紅といえば、と考えれば自ずと答えはでる。
「紅茶でいいか……」
「ちなみにおねーちゃんはくんくんティータイムセットだからよろしくねー」
「……ダメだな」
どう見たって美味しいとこ取りの彼女のプレゼントにジュンは軽い頭痛を覚えた。
「紅茶とくんくんはダメ……か」
彼の頭から完全に案が消えた瞬間でもあった。


「と、いうわけでプレゼントを買いたいのだけれど」
「……翠のお姉様や蒼のお姉様には相談は」
「それがおじいさん達と一週間の海外旅行らしくて」
「……そうですか」
と、薔薇水晶はコーンポタージュを口に運んだ。
「困りましたね、紅薔薇のお姉様の好きなものですか」
それほど親密な付き合いがない真紅の好きなものと言われても薔薇水晶にはやはり紅茶とくんくんしか無かった。
「フフ……迷うことありませんのよ、薔薇水晶、ジュン様」
「お、おねーちゃん!? 」
「か、覚醒したか雪華綺晶! 」
ナイフとフォークを山のように積み重なった皿の脇へ置くと雪華綺晶は不敵に笑う。
「わたくし、知っているのです。最近、紅薔薇のお姉様がとあるペンダントをほしそうに眺めているのを」
「ほ、本当か、雪華綺晶? 」
「嘘は申しませんわ」
「じゃあさっそく教えてく」
「パフェ」
……は? とジュンは我が耳を疑った。
「き、きらきーさん? 今、いったい何と? 」
「パフェが食べたいですわ」
「……悪魔め」
ジュンは呼び出しボタンを雪華綺晶に渡す。これを渡したということは、更に財布に悪夢が訪れるのだ。
「ご注文をお伺いします」
ウェイトレスの乾いた笑顔と張りのある声。
「イチゴパフェとバナナパフェとチョコレートパフェと……やっぱりこっからここまで全部を3つずつ。ばらしーちゃんは何か食べる? 」
ふるふる、とただ首を横に振る隣でジュンは頭を抱えた。 
そして、当日
「これから真紅ちゃんが我が家に来て一周年パーティーを開催します! 」
と、のりが精一杯の手料理を振る舞ってパーティーは始まった。パーティーと言ってもジュンとのり、そして真紅の三人だけの小さなパーティーなのだが。
「真紅ちゃん、これ私からなんだけど」
と、可愛らしい包装に包まれたプレゼントを真紅に手渡す。
「ありがとう、のり。こんなパーティーを開いてくれてうれしいわ」
「さっ、開けてみて」
ええ、と真紅はストライプのリボンを解いてゆく。
「……これは、くんくんティータイムセットね! うれしいわ、のり」
出てきたのは先日の、のりが言っていたとおり、くんくんティータイムセットだった。
「ジュン君からもプレゼントがあるのよ」
「……ああ、ほら」
と、ジュンは少し照れながら小さな箱状のものを真紅に渡した。
雪華綺晶に教えてもらったプレゼント。開封される音とともに喜ぶだろうかとジュンの脳裏に一抹の不安が過る。
「……ジュン、これどうしたの」
声が震えていた、とジュンは感じた。あのいつも自信に溢れていた真紅の声がだ。
「……真紅が欲しがってるって雪華綺晶に聞いたんだよ。情報料は高くついたけど」
真紅の手元には小さな薔薇が着いた銀のペンダントが優しく置かれていた。真紅のイメージに合う、赤い小さな薔薇。ジュンは一目見ただけでこれが真紅にぴったりだと確信していた。
「あと、これ……あんまり綺麗じゃないけどさ、雪華綺晶のやつが持っていけって」
ジュンの手には赤いサルビアの植木鉢。
「……サルビアね。ありがとう、ジュン」
そのまま、真紅は少しの間うつむいたまま動かなかった。
(ありがとう、ジュン。私はやっぱり貴方たちの幸せな……)


「ジュン様、サルビアの花言葉は『家族愛』紅薔薇のお姉様といつまでも仲睦まじく……」
「おねーちゃん、誰に喋って」
「……おかわり」
「……おねーちゃん、食べ過ぎ」
薔薇水晶はため息を吐きながら頼りになる姉に大盛りのカレーを渡すのだった。 





真「もうすぐ高校生活も終わりね…ジュンともあとどれくらい一緒にいられるのかしら…ふふ、主人がこれでは示しがつかないわね。もっとしっかりしないと」

真「ふう、志望大学も無事に通ったのだわ」
ジ「おい、真紅!僕も同じ大学に受かったんだ!」
真「あら、それは奇遇ね」

真「ジュン、何をしているの?」
ジ「補欠で受かったから大学先でのアパートとかが取れてなくてヤバいんだ」
真「なら一時的に私が借りたマンションに来る?部屋は開いてるわよ」
ジ「お!サンキュー!」

真「就職先が決まったのだわ」
ジ「ん、僕と同じだな」
真「あら、そうね」

ジ「真紅ー、僕の靴下知らないか?」
真「洗濯機で華麗な舞いを披露してくれているのだわ」
ジ「パンツも?」
真「無論よ」 

ジ「真紅、式の日取りだけど」
真「いいようによろしく」

ジ「可愛いなー、僕達の子だぞ~」
真「私に似てて良かったわね。神に感謝なさい」

ジ「お、お父さん失恋なんて許さないぞ!!」
真「あなた落ち着いて」

ジ「初孫キター!」
真「私に似て可愛いのだわ」

ジ「今までありがとう…真紅…」
真「ええ、ジュン…」



真「あら?」

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