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平和な学園に忍び寄る黒い影……

今だ!僕らの薔薇水晶!
正義の力を見せる時だ!


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と……


そんなこんなで、番外編。

今回の主人公は、ちょっぴり無口な薔薇水晶。

いやはやコレは、どうなる事やら。

イーニ、ミーニ、マイニーモー。神様の言うとおり……?




◆ ◇ ◆ ◇ ◆  この町大好き! ☆ 増 刊 号 ☆  ◆ ◇ ◆ ◇ ◆  


 

「てめぇら!騒ぐんじゃねぇ!!!ぶっ殺すぞ!! 」

平和な学園に突如として乱入してきた謎のテロリスト…。

彼らのお陰で、授業は中止。
そこまでは…まあ、良かったのかもしれない。
でも……
例の如く。いや、お約束と言うべきか……
私たちは人質にとられてしまった。

「大丈夫ですか…ばらしーちゃん…? 」
教室の隅に集められた生徒達。その一人のきらきーが、私に小さく声をかけてきた。
「……………うん…… 」
私は小さく答え、そして彼女に視線を向ける。

「…なら、良かったですわ。……それにしても…このままでは、お昼ご飯が食べられませんわね… 」
私が元気な事に安心したのか、彼女はいつものペースでちょっと笑みを浮かべた。

やっぱり、きらきーの笑顔は素敵。
とっても優しい目をしてるから、大好き。

そう思い、状況も忘れて頬が緩みかけた時…―――

「てめぇ!!何喋ってやがる!!黙ってろって言っただろうが!!! 」
テロリストがそう言い、ガチャリと銃口を向けてきた。

日常とはあまりにかけ離れた、銃という武器。人を殺める道具。

それを向けられ…きらきーは、「ひっ」と小さく息を飲み、細かく震えだした。
 

大丈夫。きらきーは…私が守るから…
私は心の中で呟きながら、そっと彼女の肩を抱きしめる。

そして精一杯、テロリストを睨みつけた。

だが…テロリストは、私の事なんか見ていなかった。
その視線は……その視線を辿ると、テロリストの見つめる先には……きらきーのフトモモ。

テロリストの顔に、下卑た笑いが浮かび始める。
想像したくはないが……この、エロテロリストめ……!!

テロリストは銃口をこちらに向けたまま、徐々に…だが、確実に近づいてくる。

私は、大好きなこの学園を守りたい。
大好きなきらきーを守りたい。
きらきーのフトモモを守りたい!

その為に…例え……私がどうなろうとも……

「……きらきー………ごめんね…… 」
そう言い、そっと、きらきーの髪を撫でる。
私の腕の中で、彼女は怯えた表情のまま、キョトンと私を見つめ返した。

私は……眼帯を外し……左目に封印されし『力』を解放する!!

私の中に眠っていた『力』が、圧倒的なエネルギーの嵐を巻き起こし、眩い光を放t


◆ ◇ ◆ ◇ ◆
 
 
「―――しーちゃん?…ばらしーちゃん?…もう、お昼休みですわよ? 」

ハッ!?
私は、きらきーの声で我に返った。

どうやら4時間目の途中から始まった妄想タイムは、延長ギリギリ、昼休みに突入してしまったみたい。

今回の妄想は、かなりの力作だった。
私が謎の力で、敵を千切っては投げのハードアクション。名付けて『沈黙の学園』!!
いつしかハリウッドで映画シリーズ化される日も来るんじゃないかしら?

「ばらしーちゃん?…また、ボーっとして…… 」
雪華綺晶が呆れたように声を上げる。
「………ごめん…… 」

このまま妄想に浸っていると、きらきーに置いていかれちゃう。
きらきーは美人な上に優しい、完璧人間だけど…ご飯の事になると目の色が変わる不思議な子。

私は席を立ち、きらきーと一緒に学園の中にある食堂へと向かう事にした。


◆ ◇ ◆ ◇ ◆


「いつもの、お願いしますわ 」
きらきーが食堂のカウンターで、いつもと同じように、いつもと同じ物を注文した。
  

彼女が言う、『いつもの』
それは、この食堂の『第6定食』で、デザートに苺が付いているのが人気の秘密。
そう言えば、いつだったか…きらきーは、苺の『ヘタ』の部分を『足』と間違えて呼んでた。
意外とお茶目な所もあるんだね。

そんな風に考えていると…
「で、ばらしーちゃんは何になさいますの? 」
きらきーが声をかけてきた。

私は私で、すっかり注文の事なんか忘れていたから、さあ大変。
何を食べようかな……と、メニューに視線を向ける。

「……………… 」
何にしよう。決められない。あれもこれもと目移りするけど、そんなに一杯食べられない。
もっとゆっくり選ぶ時間が有れば、何か名案が浮かぶのかもしれないけど、あいにくそんな時間は無い。
有限な昼休み。こんな所でモタモタしている訳にはいかない。
となると…こんな時にはやっぱり、ベタかもしれないけど、この一言だね!
「………うどん 」


◆ ◇ ◆ ◇ ◆


食堂の席で、きらきーと向かい合ってのお昼ご飯。

相変わらずきらきーは、元気良くご飯を食べている。
時々、デザートの苺に、ニヤリと笑みを向けている。
そんなに凄味をきかせて食べなくても、ご飯は逃げないよ?
  

そんな彼女の食事風景を見てると、何だかこっちまでお腹が一杯になってくる。

でも、それは気のせい。
だって、実際問題として、朝ご飯から何も食べてないから。

私は、ドンブリの中に漂っているうどんを一本、お箸でつまみ上げた。

こうして見てると…長くて、ウネウネしてて……何だか、触手みたい。
これは『私が買ったうどん』…要するに、『私のうどん』だ。つまりそれは…『私の触手』という事だ。

私はチラリと、きらきーの方を窺ってみる。
彼女は今、食事に夢中だ。

今なら…油断してる彼女を……
机の下からこっそり、私の触手を這わせて……そして…きらきーのフトモモに……フトモモに―――ッ!


「…ばらしーちゃん?……うどんが…のびてしまいますわよ? 」

ハッ!?
私はまたしても、きらきーの言葉で現実に帰ってきた。

ありがとう、きらきー。
もう少しで、私はアッチ側の人間になる所だったよ……


◆ ◇ ◆ ◇ ◆

 
昼食も終わり、きらきーと二人で教室へと向かう最中に……
頭のネジがぶっ飛んでいる、と有名な新聞部の翠星石と出くわした。

「おお!雪華綺晶と薔薇水晶じゃねーですか!ウチの部員ども、見なかったですか? 」
「あら翠星石、ごきげんよう… 」

どうやら、いつものトンデモ発言で部員に逃げられた翠星石。
彼女と雪華綺晶が廊下の隅で立ち話を始めた。

「――――と、いう訳ですぅ。…それにしても…何か、どデカイ事件でも起こらねーですかねぇ… 」
そう言い、翠星石は……気のせいかも知れないけど……いや、間違いなく……
確実に、私を見て言った!

まさか…私の『沈黙の学園』(妄想)を、この子は知っている!?

私は動揺を極力抑えながら……
それでも、手の平からは蛇口をひねったみたいに汗が流れる。

……ありえない……でも……ひょっとしたら……

私はきらきーと話し込む翠星石を睨みつけながら、心の中で唱える。

(……聞いているんでしょ?……分かってるよ……? )

人の心を読める人間なら…彼女が『能力者』だというのなら…
確実に、これで何らかのリアクションは…少なくとも動揺くらいはする筈。
 
 
だが… 

予想に反して、翠星石は何の反応もしない。
これは…私の勘違いか、余程の訓練を積んできたか。そのどちらかに違いない。

念のため…私は暫くの間、翠星石に向けて思念を飛ばし続けておいた。


◆ ◇ ◆ ◇ ◆


 キーンコーンカーンコーン……――――


午後からの授業が始まる5分前を告げる予鈴の音が、高らかに鳴り響く。

「おお!?もう5時間目が始まっちまうですよ!てめーらも遅刻するなですよ! 」

翠星石はそう言うと、出会ったときと同様に、元気良く走り去って行った。

「……ふふ…相変わらず、元気な方ですわね… 」
きらきーが少し微笑んで言う。
「………うん……… 」
私も、それに答えるけど…ずっと思念を飛ばしていたので、ちょっと疲れてしまった。

そんな風に、ちょっと疲れた顔をしてる私を、きらきーは心配そうに覗き込む。
「ばらしーちゃん…大丈夫? 」
 
 
やっぱり、きらきーは優しいね。
私は彼女に心配をかけないように、コクンと頷く。

それを見てきらきーも、安心したように、嬉しそうに、笑みを浮かべた。
「心配なさらなくても…彼女は、ばらしーちゃんの心を読んだりしてませんわ… 」

きらきーがそう言うなら、きっとそうなのだろう。

ん?…あれ?何かが変な………??
………
……まあ、いいや。


そんな事より、そろそろ5時間目が始まっちゃう。

私はきらきーと二人で、教室へ向かってテクテク歩く。


うん。
今日も学園は平和だね♪ 





     
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